有価証券報告書-第91期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 14:01
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156項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善により、景気は緩やかな回復基調にて推移しましたが、消費増税の影響等により、消費動向に不透明感が拡がり始めました。また、新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内の社会・経済活動の長期的な低迷が見込まれており、景気は大きく後退する状況となっています。
食品業界においては、消費増税等で消費支出が大きく落ち込みました。また、労働力不足による人件費や物流費の高騰、原材料価格の変動による製品価格の改定が相次ぎました。
このような環境の中、当社グループは、引き続き製品数の絞り込みを実施する一方で、消費者の健康志向や簡便性のニーズに対応したツナ製品やパスタ製品の販売促進活動を行い、売上高は順調に推移しました。また、新型コロナウイルスの感染防止対策として実施された外出自粛や小中高校の休校等の要請により、家庭用のパスタ製品や包装米飯、缶詰の需要が増加し、当連結会計年度の売上高は828億52百万円(前期比3.7%増)となりました。
利益面では、付加価値を高めた新製品が好調だったことや主原料の価格や為替が年間を通じて安定して推移したこと等により、営業利益は30億67百万円(前期比96.7%増)、経常利益は34億2百万円(前期比82.1%増)となりました。前連結会計年度に比べて特別損失が減少したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は23億16百万円(前期比133.0%増)となりました。
なお、当社グループは、食品事業およびこの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っていませんが、製品群別の販売動向は以下のとおりです。
表:製品群別売上高(連結) (単位:千円、%)
製品群前期当期増減
金額構成比金額構成比金額

家庭用食品ツナ35,738,22844.738,680,68646.72,942,4578.2
デザート5,170,7536.55,348,3376.5177,5843.4
パスタ&ソース7,886,9359.98,586,32110.4699,3868.9
総菜7,804,8509.87,767,0039.4△37,846△0.5
削りぶし・のり・ふりかけ類4,992,6756.24,696,5895.7△296,085△5.9
ギフト・その他食品3,614,4944.53,572,4334.3△42,061△1.2
65,207,93881.668,651,37283.03,443,4345.3
業務用食品12,620,10815.812,212,66014.7△407,447△3.2
ペットフード・バイオ他1,652,1682.11,546,9591.8△105,209△6.4
79,480,21599.582,410,99299.52,930,7773.7
その他440,3540.5441,1930.58380.2
合計79,920,570100.082,852,186100.02,931,6163.7

(注)上記金額は消費税等を含みません。
「ツナ」では、油を使わずに「いつもの」美味しさを実現した「オイル不使用シーチキン」や個食ニーズ、健康
ニーズに対応したパウチタイプの「シーチキンSmile」シリーズが大幅に伸長し、売上高は前期比8.2%増加しまし
た。
「デザート」では、個食ニーズにマッチした「朝からフルーツ」シリーズやフルーツパウチが好調で、売上高は
前期比3.4%増加しました。
「パスタ&ソース」では、パスタソースが低調だったものの、主力の結束タイプのスパゲティが好調で、売上高
は前期比8.9%増加しました。
「総菜」では、紙容器を使用した新製品「シャキッとコーン(T)」が伸長しましたが、さばを中心とする青魚
缶詰が低調で、売上高は前期比0.5%減少しました。
「削りぶし・のり・ふりかけ類」では、品揃えを強化した「味きざみ」シリーズを中心とするきざみのりが好調
でしたが、削りぶしが低調で、売上高は前期比5.9%減少しました。
「ギフト・その他食品」では、個食タイプの包装米飯「パパッとライス」が好調でしたが、ギフトが減少し、売
上高は前期比1.2%減少しました。
「業務用食品」では、インターネット通信販売でのスパゲティが伸長しましたが、製品数の絞り込み等により、
乾物・デザート・総菜が低調で、売上高は前期比3.2%減少しました。
「ペットフード・バイオ他」では、ペットフードは堅調でしたが、原料供給が減少したフィッシュミールやエキ
スが低調で、売上高は前期比6.4%減少しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、12億98百万円増加し、21億8百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は24億88百万円(前年同期は26億20百万円の増加)となりました。これは主に、売上債権の増加があったものの、税金等調整前当期純利益を計上したことやたな卸資産が減少したこと、および減価償却費の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により減少した資金は20億7百万円(前年同期は20億66百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により増加した資金は8億16百万円(前年同期は8億83百万円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払があったものの、長期借入れによる収入があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における製品群別生産実績は次のとおりです。
品目金額(千円)前期比(%)
家庭用食品ツナ40,203,2690.7
デザート5,930,4698.7
パスタ&ソース8,492,9131.7
総菜8,391,9320.2
削りぶし・のり・ふりかけ類4,892,801△6.7
ギフト・その他食品3,902,737△2.8
71,814,1240.6
業務用食品15,067,429△6.9
ペットフード・バイオ他1,487,295△7.0
合計88,368,849△0.9

(注) 1 金額は販売価額で表示しています。
2 生産実績には外注仕入実績を含みます。
3 上記金額は消費税等を含みません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていません。
c. 販売実績
当社グループは主として卸売業者に販売しています。当連結会計年度の販売実績は次のとおりです。
品目金額(千円)前期比(%)
製品家庭用食品ツナ38,680,6868.2
デザート5,348,3373.4
パスタ&ソース8,586,3218.9
総菜7,767,003△0.5
削りぶし・のり・ふりかけ類4,696,589△5.9
ギフト・その他食品3,572,433△1.2
68,651,3725.3
業務用食品12,212,660△3.2
ペットフード・バイオ他1,546,959△6.4
82,410,9923.7
その他441,1930.2
合計82,852,1863.7

(注) 1 上記金額は消費税等を含みません。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
伊藤忠商事㈱25,696,86532.227,540,74533.2
三井物産㈱15,721,99019.714,885,56318.0
三菱商事㈱12,519,44415.713,050,24615.8

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの製品の原材料の多くは天産物であり、年度や季節により漁獲量や収穫量が増減します。また、食糧需給のバランスや資源問題による規制の影響等の様々な要因で市場価格が変動します。一方、製品の販売は、主に卸店等を経由した後に量販店で販売される形態であり、原材料等の市場価格の変動を製品の販売価格に反映させるには一定期間を要するため、販売奨励金を有効に活用しながら、販売数量と利益の最適化を目指します。さらに、当社グループは、ツナ製品を製造する海外関連会社における持分法による投資利益や、保有する取引先等の株式からの受取配当金を含めた売上高経常利益率を重視しています。
このような背景を踏まえ、当社グループは単年度ではなく中長期的な視点で、各種製品の市場シェアの向上と利益の基調的な改善と株主重視の観点から株主資本利益率(ROE)を指標として捉え、これらの基調的な改善に取り組んでいます。
当社グループは、2018年度を初年度とする3か年の中期経営計画「SMILE90」を策定しました。本計画では、製品や業務の選択と集中をより一層進めることで、収益基盤の強化を図ることを基本方針とし、以下の目標の達成に取り組んでいます。
◆安心・安全な体制づくり ◆収益基盤の強化 ◆魅力ある職場づくり ◆情報システム機能の強化
当社は、2018年3月に、本社を静岡駅前(静岡市駿河区)に移転し、機動力と利便性の向上を図りました。また2018年11月には、旧本社(静岡市清水区)を増改築し、製品の研究・開発や品質管理・分析等を行う拠点「はごろもイノベーションセンター」を開設しました。さらに、隣接する敷地には、主力製品「シーチキン」を製造する「新清水プラント(2020年10月稼働予定)」を建設し、製品の安定供給と効率化を進め、売上と収益の拡大を目指します。
当社は、今後も、一部老朽化した設備の改修や就労人口の減少等の環境変化に対応する生産体制を整備するため省人化、省力化等の積極的な設備投資を予定しており、継続的に減価償却費の増加を見込んでいます。さらに、主力製品の原材料については、環境問題や資源問題への関心の高まりもあり、先行き不透明な状況にあると認識しています。今後は、人口の減少に加え、各種規制の緩和・撤廃にともなう輸入製品との競合も想定されており、引き続き、開発・生産・販売の各部門において、独創力・競争力を具備した製品やサービスを提供し続けることで、収益基盤の基調的な改善に努めます。
当連結会計年度においても、製品の集約化を更に進め、販売・管理・開発業務の迅速化と効率化を図りました。特に、乾物製品や業務用製品においては、製品の絞り込みや価格改定を実施しました。また、引き続き健康志向や簡便性を追及した価値訴求型の新製品の開発に積極的に取り組みました。これらにより、得意分野での一層のシェアアップを図り、各カテゴリーにおける№1製品の育成に努めました。
当社の主力であるツナでは、更なる市場シェアの拡大を目指して2018年8月に発売した「オイル不使用シーチキン」の販売が大幅に増加し、ツナ製品における当社の販売シェアが大きく伸長しました。加えて、パウチ容器入りシーチキン「シーチキンSmile」の品揃えの強化と小売店舗内における多箇所陳列(生鮮野菜やサラダ売場等の缶詰売場以外の場所での販売)を積極的に推進したことが奏功し、ツナ製品の売上高は大幅に増加しました。
製品画像:オイル不使用シーチキン シーチキンSmile
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総菜においては主力の「シャキッとコーン」が、他社の廉価品の価格攻勢を受けていましたが、2019年7月に、従来の缶詰容器に加えて、持続可能な森林資源を使用した環境配慮型で機能性に長けた紙容器入りの「シャキッとコーン(T)」を発売し、コーン製品の市場シェアを更に拡大しました。この紙容器入りの小容量(190g)タイプの製造設備は国内では初めての導入となりました。
製品画像:シャキッとコーン(T)
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2019年6月には、働き方改革やコーポレート・ガバナンス体制の強化への対応を求められる中で、総務・人事・企画・財務・IT部門の組織再編を行いました。人事諸制度の改定、登用制度や福利厚生制度の充実を進め、社会や社員の意識の変化、多様性への対応を行いました。また、IT部門の強化を進め、ペーパレスやワークフローシステム、WEB会議の導入により、業務の生産性の向上や多くの決済業務の負荷軽減と迅速化を実現しました。これらの機能を事前に取り入れたことは、新型コロナウイルス感染症への対応時においても円滑な業務の遂行を実現しました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染防止対策等により、第4四半期(2020年1月~3月)には、家庭用のパスタ製品や包装米飯、缶詰の需要が増加し、業績に大きな影響を与えました。当社は、比較的賞味期間が長い製品を多く取り扱っていることもあり、今後も感染症の拡大や大規模な災害発生時にあっても、安定した製品供給を行うことの使命を強く意識し、当社に課せられた社会的責任を遂行できるよう努めていきます。
このような施策を実施した結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前期比1.8ポイント上昇し、4.1%となりました。自己資本利益率(ROE)は、同4.6ポイント上昇し、8.3%となりました。詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
②財政状態の分析
当社グループの資産構成は、流動資産が約60%、有形固定資産が約20%、投資有価証券が約15%、その他の資産が約5%で、他の食品製造業者と比べて有形固定資産の比率が低いと認識しています。この背景としては、多品種の製品を安定的に生産し、市場に供給するため、国内外約70か所の協力工場に製品の製造を委託していることによるものです。
当社グループの生産設備等の投資計画は、使用年数や生産性等を考慮し、設備の更新時期が短期間に集中しないよう計画的に実施することとしています。
自己資本に蓄積した利益等は、配当金として株主へ還元する一方で、将来の生産設備の更新に充てることで、投資と調達のバランスを意識しています。
なお、2020年10月には、静岡市清水区にツナ製品を生産する新清水プラントの稼働を予定しています。
当連結会計年度末における財政状態の分析は次のとおりです。
a. 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より38億23百万円増加して、512億94百万円となりました。これは主に、商品及び製品が12億37百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が33億円、建設仮勘定が16億73百万円増加したことによるものです。
b. 負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より24億27百万円増加して、227億81百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が6億84百万円減少したものの、長期借入金が11億22百万円、未払法人税等が8億19百万円ならびに未払金が8億10百万円増加したことによるものです。
c. 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より13億96百万円増加して、285億13百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が5億25百万円減少したものの、利益剰余金が19億77百万円増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は55.6%、1株当たり純資産額は3,029円87銭となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品および原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、生産設備等への設備投資によるものです。
当社グループの資金調達の方針は、必要資金を円滑かつ効率的に調達することにあります。
短期運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金や長期運転資金への調達につきましては、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としています。
今後の資金需要の主なものとしては、当社の新清水プラントの建設があり、自己資金および借入金による資金調達を予定しています。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は13億74百万円となっています。また、キャッシュ・フローにつきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されています。
この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の利益計画にもとづいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額ならびに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の見積額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(退職給付に係る資産および退職給付に係る負債)
当社グループは、従業員退職給付費用および債務について、数理計算上で設定される前提条件にもとづき算出しています。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率等の要素が含まれています。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件に変更が生じた場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

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