有価証券報告書-第92期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/25 15:12
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151項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により国内の社会・経済活動が長期的に制約を受け、厳しい状況で推移しました。
食品業界においては、外出自粛や在宅勤務の広がりを受け、家庭内での食事機会が増加したことから家庭用製品の需要が高まりましたが、店舗の休業や営業時間短縮の影響で外食機会が減少し、業務用製品の需要は大きく落ち込みました。
このような環境の中、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響により家庭用製品の販売が堅調であったこと、また、健康志向や簡便性等の消費者ニーズに対応した缶詰やパスタ製品等の販売が寄与し、当連結会計年度の売上高は前年同期比0.6%増の833億47百万円となりました。
利益面では、まぐろ・かつお等の主原料価格や為替が安定して推移したこと等により、営業利益は34億12百万円(前年同期比11.2%増)、経常利益は39億10百万円(同14.9%増)となりました。前連結会計年度に比べて税金費用が減少したこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は29億76百万円(同28.5%増)となりました。
なお、当社グループは、食品事業およびこの付帯事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の開示は行っていませんが、製品群別の販売動向は以下のとおりです。
表:製品群別売上高(連結) (単位:千円、%)
製品群前期当期増減
金額構成比金額構成比金額

家庭用食品ツナ38,680,68646.739,483,71047.4803,0242.1
デザート5,348,3376.55,904,9687.1556,63110.4
パスタ&ソース8,586,32110.48,883,94410.6297,6223.5
総菜7,767,0039.48,333,93210.0566,9287.3
削りぶし・のり・ふりかけ類4,696,5895.74,431,2565.3△265,332△5.6
ギフト・その他食品3,572,4334.33,092,4823.7△479,951△13.4
68,651,37283.070,130,29584.11,478,9222.2
業務用食品12,212,66014.711,051,52313.3△1,161,136△9.5
ペットフード・バイオ他1,546,9591.81,722,0152.1175,05611.3
82,410,99299.582,903,83599.5492,8420.6
その他441,1930.5443,3730.52,1790.5
合計82,852,186100.083,347,208100.0495,0220.6

(注)上記金額は消費税等を含みません。
「ツナ」では、缶詰の「シーチキン」に加え、開けやすく後片付けに便利なパウチタイプの「シーチキンSmile」シリーズが引き続き好調で、売上高は前年同期比2.1%増加しました。
「デザート」では、家庭における手作りデザートの需要が増加したことから、「朝からフルーツ」シリーズやフルーツパウチが好調で売上高は同10.4%増加しました。
「パスタ&ソース」では、結束タイプのスパゲッティや健康ニーズに対応した「CarbOFF」シリーズの低糖質パスタが好調で、売上高は同3.5%増加しました。
「総菜」では、紙容器入りタイプを投入した「シャキッとコーン」シリーズや、パウチタイプの「ホームクッキング」シリーズといった料理素材の製品が好調で、売上高は同7.3%増加しました。
「削りぶし・のり・ふりかけ類」では、かつおパックが好調でしたが、花かつおや味付のりが低調で売上高は同5.6%減少しました。
「ギフト・その他食品」では、包装米飯「パパッとライス」は引き続き好調でしたが、贈答品市場が低調で「ギフト」の需要が回復せず、売上高は同13.4%減少しました。
「業務用食品」では、外食やコンビニエンスストア向けの販売が低調で、売上高は同9.5%減少しました。
「ペットフード・バイオ他」では、添加物不使用のペットフード「無一物」シリーズ等が好調で、売上高は同11.3%増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4億49百万円増加し、25億58百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動により増加した資金は35億31百万円(前年同期は24億88百万円の増加)となりました。これは主に、法人税等の支払やたな卸資産の増加があったものの、税金等調整前当期純利益を計上したことや売上債権が減少したこと、ならびに減価償却費を計上したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動により減少した資金は55億1百万円(前年同期は20億7百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動により増加した資金は24億20百万円(前年同期は8億16百万円の増加)となりました。これは主に、配当金の支払があったものの、長期借入れによる収入があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における製品群別生産実績は次のとおりです。
品目金額(千円)前期比(%)
家庭用食品ツナ43,025,6687.0
デザート6,892,04416.2
パスタ&ソース9,708,25814.3
総菜8,645,6523.0
削りぶし・のり・ふりかけ類4,488,924△8.3
ギフト・その他食品3,210,027△17.7
75,970,5765.8
業務用食品13,552,851△10.1
ペットフード・バイオ他1,747,02017.5
合計91,270,4483.3

(注) 1 金額は販売価額で表示しています。
2 生産実績には外注仕入実績を含みます。
3 上記金額は消費税等を含みません。
b. 受注実績
当社グループは受注生産を行っていません。
c. 販売実績
当社グループは主として卸売業者に販売しています。当連結会計年度の販売実績は次のとおりです。
品目金額(千円)前期比(%)
製品家庭用食品ツナ39,483,7102.1
デザート5,904,96810.4
パスタ&ソース8,883,9443.5
総菜8,333,9327.3
削りぶし・のり・ふりかけ類4,431,256△5.6
ギフト・その他食品3,092,482△13.4
70,130,2952.2
業務用食品11,051,523△9.5
ペットフード・バイオ他1,722,01511.3
82,903,8350.6
その他443,3730.5
合計83,347,2080.6

(注) 1 上記金額は消費税等を含みません。
2 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
伊藤忠商事㈱27,540,74533.227,583,17933.1
三井物産㈱14,885,56318.014,485,98717.4
三菱商事㈱13,050,24615.812,895,99215.5

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの製品の原材料の多くは天産物であり、年度や季節により漁獲量や収穫量が増減します。また、食糧需給のバランスや環境・資源問題による規制の影響等の様々な要因で市場価格が変動します。一方で製品の販売は、主に卸店等を経由し量販店で販売される形態であり、原材料等の市場価格の変動を製品の販売価格に反映させるには一定期間を要するため、販売奨励金を有効に活用しながら、販売数量と利益の最適化を目指します。
さらに当社グループは、ツナ製品を製造する海外関連会社における持分法による投資利益や、保有する取引先等の株式からの受取配当金を含めた売上高経常利益率を重視しています。
このような背景を踏まえ、当社グループは単年度ではなく中長期的な視点で、各種製品の市場シェアの向上と利益の基調的な改善、および株主重視の観点から自己資本利益率(ROE)を指標として捉え、これらの基調的な改善に取り組んでいます。
当連結会計年度は、中期経営計画「SMILE90」の最終年度です。製品や業務の選択と集中をより一層進めることで、収益基盤の強化を図ることを基本方針とし、次のとおり目標の達成に取り組みました。
基本方針と取組内容:
◇安心・安全な体制づくり
2020年10月に主要製品「シーチキン」を製造する「新清水プラント」の稼働を開始し、製品の安定供給と効率化を進めました。また、協力工場を含む各工場における、積極的な設備投資を推進しました。合わせて、富士山パスタプラントで「FSSC22000認証」を取得、サンライズプラントでの1,500日連続労働無災害達成等、自社プラントおよび協力工場が、安心・安全な製品づくりに向けて積極的に取り組みました。
◇経営の高度化
業務用製品を中心にSKUを1,200から900に削減、不採算製品の整理を抜本的に行い収益基盤の強化を推進しました。また、ツナ缶詰の水煮市場でのシェアアップを図り、新たな取り組みとして通販チャネルとの取り組みを強化しました。
◇魅力ある職場づくり
女性やベテラン層が活躍するための人事制度の整備により、多様なキャリア構築が実現できる環境を整備しました。
◇情報システム機能の強化
デジタル化への取り組み強化を一層明確にするため「IT推進室」を設置、次期基幹システムの検討に着手しました。また、グループウェアの更新やワークフロー等を導入することで、業務の効率化を実現しました。
当連結会計年度においても、中期経営計画に基づき製品の集約化を更に進め、販売・管理・開発業務の迅速化と効率化を図りました。特に、乾物製品や業務用製品においては、製品の絞り込みや価格改定を実施しました。また、健康志向や簡便性を追及した価値訴求型の新製品の開発に積極的に取り組みました。これらにより得意分野での一層のシェアアップを図り、各カテゴリーにおける№1製品の育成に努めました。
販売面では、全カテゴリーにおいて新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けながらも、当社グループの主力であるツナは、開けやすく後片付けに便利なパウチタイプの「シーチキンSmile」シリーズの品揃えの強化により、売上高は増加しました。
デザートは、家庭における手作りデザートの需要が増加したことから、主力の「朝からフルーツ」シリーズやフルーツパウチが好調で、売上高が大幅に増加しました。また、2021年2月に持続可能な森林資源を使用し環境に配慮した紙容器入りの「朝からスイーツ」シリーズを発売しました。
製品画像:朝からスイーツ(黒糖寒天・マンゴープリン・杏仁豆腐)
0102010_001.jpg0102010_002.jpg0102010_003.jpgパスタ&ソースは結束タイプのスパゲッティや、健康ニーズに対応した「CarbOFF」シリーズの低糖質パスタ、総菜は紙容器入りタイプを投入した「シャキッとコーン」シリーズや、パウチタイプの「ホームクッキング」シリーズ等の料理素材の製品が好調に推移しました。
一方で、業務用製品は外食やコンビニエンスストア向けの販売が低迷したため、販売は二極化しました。
管理面では、新型コロナウイルス感染症拡大の防止対策の一環として在宅勤務や時差出勤を導入し、柔軟で多様な働き方を推進しました。なお、在宅勤務と時差出勤は2021年4月に制度化し、更に推進を図ります。合わせて、IT関連でワークフローシステム・WEB会議の更なる活用により、業務の生産性の向上や多くの決裁業務の負荷軽減と迅速化を実現し、強靭なマネジメントシステムを構築する足掛かりとなりました。
当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の防止対策等により、家庭用のパスタ製品や包装米飯、フルーツ製品の需要が増加し、業績に大きな影響を与えました。当社グループは、比較的賞味期間が長い製品を多く取り扱っていることもあり、今後も感染症の拡大や大規模な災害発生時にあっても、安定した製品供給を行うことの使命を強く認識し、当社に課せられた社会的責任を遂行できるよう努めていきます。
このような施策を実施した結果、当連結会計年度における売上高経常利益率は、前期比0.6ポイント上昇し、4.7%となりました。自己資本利益率(ROE)は、同1.5ポイント上昇し、9.8%となりました。詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
次年度も当社グループは、老朽化した設備の改修や、就労人口の減少等の環境変化に対応する生産体制を整備するための積極的な設備投資を予定しており、継続的に減価償却費の増加を見込んでいます。さらに、主力製品の原材料については、環境・資源問題への関心の高まりから、今後は原料価格が上昇すると予想しています。さらには、製造・物流事業における人材不足がより顕著になり、人件費・物流費の上昇も懸念されることから、売上原価は増加すると想定しています。引き続き、開発・生産・販売の各部門において、独創力・競争力を具備した製品やサービスを提供し続けることで、収益基盤の基調的な改善に努めます。
②財政状態の分析
当社グループの資産構成は、流動資産が約58%、有形固定資産が約26%、投資有価証券が約14%、その他の資産が約2%で、他の食品製造業者と比べて有形固定資産の比率が低いと認識しています。この背景としては、多品種の製品を安定的に生産し、市場に供給するため、国内外約70か所の協力工場に製品の製造を委託していることによるものです。
当社グループの生産設備等の投資計画は、使用年数や生産性等を考慮し、設備の更新時期が短期間に集中しないよう計画的に実施することとしています。
自己資本に蓄積した利益等は、配当金として株主へ還元する一方で、将来の生産設備の更新に充てることで、投資と調達のバランスを意識しています。
なお、2020年10月に、静岡市清水区にツナ缶詰製品を製造する「新清水プラント」の稼働を開始しました。
当連結会計年度末における財政状態の分析は次のとおりです。
a. 資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より55億69百万円増加して、568億64百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が16億24百万円、建設仮勘定が15億36百万円減少したものの、建物及び構築物(純額)が27億85百万円、機械装置及び運搬具(純額)が19億95百万円、投資有価証券が17億6百万円、商品及び製品が7億76百万円ならびに現金及び預金が4億49百万円それぞれ増加したことによるものです。
b. 負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より16億47百万円増加して、244億29百万円となりました。これは主に、未払金が6億85百万円、未払法人税等が5億13百万円減少したものの、長期借入金が25億58百万円、繰延税金負債が6億60百万円増加したことによるものです。
c. 純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より39億22百万円増加して、324億35百万円となりました。これは主に、利益剰余金が24億77百万円、その他有価証券評価差額金が11億52百万円増加したことによるものです。
この結果、当連結会計年度末における自己資本比率は57.0%、1株当たり純資産額は3,446円66銭となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品および原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用です。投資を目的とした資金需要のうち主なものは、生産設備等への設備投資によるものです。
当社グループの資金調達の方針は、必要資金を円滑かつ効率的に調達することにあります。
短期運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金や長期運転資金への調達につきましては、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としています。
今後の資金需要の主なものとしては、当社の木曽岬プラントの生産設備新設があり、自己資金および借入金による資金調達を予定しています。
なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は43億18百万円となっています。また、キャッシュ・フローにつきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されています。
この連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼすと考えています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しています。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の利益計画にもとづいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額ならびに回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化等により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、割引前将来キャッシュ・フローや回収可能価額の見積額が減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(退職給付に係る資産および退職給付に係る負債)
当社グループは、従業員退職給付費用および債務について、数理計算上で設定される前提条件にもとづき算出しています。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率等の要素が含まれています。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、または前提条件に変更が生じた場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

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