四半期報告書-第61期第3四半期(令和2年11月1日-令和3年1月31日)

【提出】
2021/03/16 15:08
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型ウイルス感染症が終息の兆しを見せず、政府による2度目の緊急事態宣言が発出された事で、経済活動の急激な変化や感染の再拡大の懸念から、依然として先行き不透明な状況が続いております。
食品業界におきましては、新型ウイルスへの感染防止策として政府が打ち出した外出自粛要請などを背景に、家庭内消費食品への需要が一時的に増加したものの、新型ウイルス感染禍、従業員の安全の確保とお客様への万全の供給体制の整備を最優先としたオペレーションを余儀なくされており、各種コストが上昇基調にあることや、先行き不透明な経済状況の中で、雇用の悪化、個人消費・購買力低下も見込まれることから、引き続き厳しい経営環境が続くものと予想しております。
このような状況のもと、当社グループは引き続き、安全・安心に重点をおいた包装米飯及び包装餅製品の安定供給、並びに適正価格での販売に努めることを基本に事業活動を推進してまいりました。
おいしさの追求はもちろんのこと、お客様の消費動向を捉えながら、多様化するニーズに対応可能な生産体制の整備を進めるとともに、新しい生活スタイルに対応すべく、時短・簡便をキーワードとした新たな食創造を提案し、全社一体となった営業活動に取り組むことで業績の拡大を図ってまいりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、新型ウイルスの感染拡大を背景とした内食需要の高まりもあり、包装米飯及び包装餅製品ともに主力製品を中心に堅調に推移したことから、前年同期比31億85百万円増の381億71百万円(前年同期比9.1%増)となりました。
利益面につきましては、売上高の増加に加え、生産性の向上により売上総利益が増加した結果、営業利益は22億77百万円(前年同期営業利益10億88百万円)、経常利益は24億72百万円(前年同期経常利益12億52百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は16億69百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純利益7億84百万円)となりました。
売上高、利益面とも前年同期に比べて大幅な増加であり、第3四半期連結累計期間としては過去最高の実績となりました。
『当社グループの四半期業績の特性について』
当社グループは主力製品である包装餅が季節商品(特に鏡餅)であり、その販売が年末に集中するため、第3四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ著しく増加する傾向があります。
また、当社グループは、食品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、製品分類別における販売の動向は以下のとおりであります。
製品分類別の販売動向
(包装米飯製品)
包装米飯製品では、簡便性や保存性の高さから需要拡大傾向が続く中、2019年6月に竣工した新米飯工場「サトウのごはん聖籠ファクトリー」の本格稼働により生産体制が整ったため、商品のバリエーション強化を目的に、新商品として「九州産ひのひかり」、並びに復活商品として「会津産コシヒカリ」や「国内産コシヒカリ」を発売いたしました。
さらに、長年にわたる炊飯に関する研究や風味・食感を保つための保存試験により、賞味期限の1年への延長が実証されたため、2020年8月1日製造分より、サトウのごはん全自社ブランド商品の賞味期限をこれまでの10か月から1年へ延長し(一部製品を除く)、近年国際的な課題の一つとして挙げられている食品ロスの削減にも取り組んでまいりました。
これらの取り組みとともに、当社製品が日本古来の炊飯方法を忠実に再現した独自の製造技術(厚釜ガス直火炊き)により、電子レンジ2分で家庭と同様の炊き立てのごはんを再現できることや、製品名に原料米の産地銘柄を明確に表示していることがお客様の利便性及び安全・安心意識に確実に浸透し、新型ウイルス感染禍の新しい生活スタイルの中、喫食機会が増えたことで、新規顧客層は確実に増えてまいりました。こうした、昨今の生活スタイルの変化を背景とした内食需要の高まりが影響し、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装米飯製品の売上高は185億84百万円(前年同期比10.9%増)となり、第3四半期決算としては、10期連続で過去最高売上高を更新しました。
(包装餅製品)
包装餅製品では、当社グループのみが個包装に使用している酸素を吸収する「ながモチフィルム」の特徴(鮮度保持剤なしでつきたての美味しさを24か月保持)を女優の芦田愛菜さんが可愛らしく紹介するCMや、切り餅「いっぽん」のスティック形状を活かした様々な食べ方を消費者の皆様に提案するCMを8月より全国放映し、冬の食べ物とのイメージが漠然と定着していたお餅に、お正月以外の登場シーンが増え、“もち”の価値を再認識していただけるきっかけとすることで、当社グループ商品の販売拡大に努めました。
鏡餅については、全体の傾向としてダウンサイジングが進んでまいりました。気軽に飾って頂ける小飾りシリーズのアイテムの充実をさせ、新型ウイルス感染症収束の祈りを込め、SNSでの拡散により話題となっている「アマビエ」をモチーフとしたパッケージ商品を新たに追加したことも市場に広く受け入れられました。
加えて、らくポイシリーズやサッとタイプの化粧箱を赤基調のパッケージに一新することで更に華やかにするなど、年末の最需要期に向けた取り組みを積極的に推し進めると共に、鏡餅のテレビCMを11月から全国放映し、販売拡大に努めました。
また、鏡餅を店舗で陳列する際の開封作業の軽減を目的として、段ボールを開封するとそのまま商品の陳列ができる「らくらくパッケージ(SRP対応段ボール)」を新たに採用し、取扱店の拡大に努めました。
これらの取り組みのほか、包装米飯製品同様に新型ウイルスの感染拡大を背景とした内食需要の高まりもあり、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装餅製品の売上高は195億7千万円(前年同期比7.5%増)となり、第3四半期決算としては、4期連続で過去最高売上高を更新しました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は202億77百万円となり、前連結会計年度末に比べ66億14百万円増加いたしました。これは主に流動資産のその他(未収消費税等)が5億8百万円、仕掛品が4億85百万円、原材料及び貯蔵品が2億77百万円それぞれ減少したものの、受取手形及び売掛金が79億58百万円増加したことによるものであります。
固定資産は187億60百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億97百万円減少いたしました。これは主に基幹システムの再構築にともない、無形固定資産(ソフトウエア仮勘定等)が3億80百万円増加したものの、減価償却の進行にともない有形固定資産が5億93百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は390億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ64億16百万円増加いたしました。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は166億26百万円となり、前連結会計年度末に比べ51億43百万円増加いたしました。これは主に、支払手形及び買掛金が6億53百万円減少したものの、運転資金としての短期借入金が32億円、未払金が18億27百万円、流動負債のその他(未払費用、未払消費税等)が3億20百万円、未払法人税等が3億2百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は73億74百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億96百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。
この結果、負債合計は240億円となり、前連結会計年度に比べ48億47百万円増加いたしました。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は150億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億69百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により、利益剰余金が14億67百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は38.5%(前連結会計年度末は41.3%)となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じたものはありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1億41百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。