四半期報告書-第62期第2四半期(令和3年8月1日-令和3年10月31日)

【提出】
2021/12/13 16:49
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。
なお、経営成績に関する説明の当第2四半期連結累計期間の各数値は、当該会計基準等を適用した後の数値となっていることから、前第2四半期連結累計期間と比較した売上高の増減額及び増減率は記載しておりません。
「収益認識会計基準」等の適用に関する詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご覧ください。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間においては、緊急事態宣言下で無観客となった東京2020オリンピック・パラリンピックが大きな混乱もなく開催され、また、国内人口の70%以上の人々が2回目の新型ウィルスワクチンを接種するなど、社会経済活動が正常化していく動きが期待感とともに徐々に高まってきておりますが、昨年来、人口集積地域を中心に緊急事態宣言の発出と解除が繰り返されてきた状況に鑑みれば、依然として先行きの不透明感が完全に払拭されたとは言い切れません。
食品業界におきましては、昨今の生活スタイルの変化、消費者の購買行動の変化を背景とした、家庭内消費食品への底堅い需要に支えられているものの、新型ウイルス感染禍、従業員の安全の確保とお客様への万全の供給体制の整備を最優先としたオペレーションを余儀なくされており、各種コストが上昇基調にあることや、先行き不透明な経済状況の中で個人消費は足踏み状態となっており、引き続き厳しい経営環境が続くものと予想しております。
このような状況のもと、当社グループは引き続き、安全・安心に重点をおいた包装米飯及び包装餅製品の安定供給、並びに適正価格での販売に努めることを基本に事業活動を推進してまいりました。
おいしさの追求はもちろんのこと、お客様の消費動向を捉えながら、多様化するニーズに対応可能な生産体制の整備を進めるとともに、新型ウイルス感染禍による市場変化に対応すべく、健康維持・まとめ買い・多様化をキーワードとした新たな食創造を提案し、全社一体となった営業活動に取り組むことで業績の拡大を図ってまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、新型ウイルスの感染拡大を背景とした内食需要の高まりもあり、包装米飯及び包装餅製品ともに主力製品を中心に堅調に推移したことから、147億43百万円となりました。
利益面につきましては、販売増にともない、生産性が向上しましたが、今期については包装米飯及び包装餅双方の更なる通年需要の喚起を目的に、前期までと比べて広告宣伝計画を修正したことを受け、当第2四半期連結累計期間における広告宣伝費が増加した結果、営業利益は6億40百万円(前年同期営業利益7億37百万円)となりました。また、経常利益は8億8百万円(前年同期経常利益8億81百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億59百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純利益5億88百万円)となりました。
なお、当社グループは主力製品である包装餅が季節商品(特に鏡餅)であり、その販売が年末に集中するため、第3四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ著しく増加する傾向があります。
製品分類別の販売動向
当社グループは、食品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、製品分類別における販売の動向は以下のとおりであります。
(包装米飯製品)
包装米飯製品は、社会構造、生活様式の変化で「簡便性・安心・安全・品質」が受け入れられた事により、市場全体が拡大傾向にあることに加え、新型ウイルス感染禍においてご家庭内での食事の機会が増えたことによる食品の備蓄需要が高まっております。これらの消費動向の変化を背景に、包装米飯製品の「家庭のご飯に代わる」常備食化への対応を目的とした新商品「サトウのごはん 売れ筋トップ3銘柄(新潟県産コシヒカリ・秋田県産あきたこまち・銀シャリ)8食パック」を、2021年9月1日より全国にて販売を開始いたしました。
また、通年需要の喚起を目的に、2021年5月から弊社独自の釜炊き製法をアピールするテレビCM『サトウのごはん「ふっくら釜炊き編」』を全国放映し、さらに、「サトウのごはん8食パック」の発売に合わせた新テレビCM『サトウのごはん「多幸(炊こう)感」』(2021年8月より全国放映)の制作を実施するなど、販売促進活動に努めてまいりました。
これらの取り組みとともに、当社の包装米飯が日本古来の炊飯方法を忠実に再現した独自の製造技術(厚釜ガス直火炊き)により電子レンジによる2分間の加熱で家庭と同様のふっくら炊き立てのごはんを再現できること、また、製品名に原料米の産地銘柄を明確に表示していること、さらに、賞味期間が1年と長期保存が可能であるという特長が、お客様における利便性及び安全・安心のニーズの高まりと昨年から続く新型ウイルス感染禍の新しい生活スタイルを背景とした内食需要の高まりにマッチし、お客様から引き続き高い支持を得られたことで売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装米飯製品の売上高は105億27百万円となりました。
(包装餅製品)
包装餅製品においても通年需要の喚起に積極的に取り組んでおります。
まず、新型ウイルス感染禍においてご家庭内での食事の機会が増えたことにともなう日常の食事を通じた健康維持に対する意識の高まりから、健康意識の高い方の半数が栄養・機能性を重視しているという調査結果をもとに、「元気な毎日の習慣 乳酸菌で健康管理をサポート!お餅でエネルギーを効率よく摂取」をキャッチフレーズに開発した新商品「サトウの切り餅/まる餅 乳酸菌プラス」を、2021年9月1日より全国にて販売を開始いたしました。
次に、女優の芦田愛菜さんが当社グループのみが個包装に使用している酸素を吸収する「ながモチフィルム」の特徴(鮮度保持剤なしでつきたての美味しさを24か月保持)を紹介するテレビCMや、切り餅「いっぽん」のスティック形状を活かした様々な召し上がり方を消費者の皆様に提案するテレビCMを継続的に放映することで、当社包装餅商品のブランド認知の深化に努めてまいりました。さらに、餅商品の喫食機会向上と新たな消費者層の獲得を目的として、人気YouTuberとタイアップした動画制作を行ってまいりました。
年末商材である鏡餅については、引き続きダウンサイジング化が全体的に進んでいることから、「どこでも簡単に飾れる手頃なサイズの鏡餅!」をコンセプトとして商品開発を進めるとともに、その気軽さから市場に広く受け入れられている小飾りシリーズのパッケージリニューアルや、幅広い層から支持を得ているアニメ「鬼滅の刃」のキャラクターをデザインに取り入れた「サトウの福餅入り鏡餅小飾り 鬼滅の刃オリジナルデザイン全5種」の追加など、年末の販売増加に向けての取り組みを実施してまいりました。
また、流通における取り組みとして、鏡餅を店舗で陳列する際の開封作業の軽減を目的として開発した、段ボールを開封するとそのまま商品の陳列ができる「らくらくパッケージ(SRP対応段ボール)」の名称を「簡単!楽ちん段ボール」とし、店頭での作業者の方も直感で分かりやすいものに変更する事で、取扱店の更なる拡大に努めてまいりました。
これらの取り組みのほか、包装米飯製品同様に新型ウイルスの感染拡大を背景とした内食需要の高まりもあり、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装餅製品の売上高は42億6百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は196億41百万円となり、前連結会計年度末に比べ73億49百万円増加いたしました。
これは主に仕掛品が2億92百万円、原材料及び貯蔵品が2億20百万円減少したものの、商品及び製品が48億4百万円、受取手形及び売掛金が21億86百万円、現金及び預金が7億16百万円、流動資産のその他が1億57百万円増加したことによるものであります。増加した流動資産のその他の主なものは未収消費税等であります。
固定資産は190億71百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億95百万円減少いたしました。
これは主に減価償却の進行にともない有形固定資産が2億58百万円、保有する投資有価証券の時価総額の減少により投資有価証券が1億72百万円減少したことによるものであります。
この結果、総資産は387億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ69億54百万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は178億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ78億20百万円増加いたしました。
これは主に流動負債のその他が7億93百万円、未払金が2億8百万円、1年内返済予定の長期借入金が19百万円減少したものの、運転資金としての短期借入金が81億円、支払手形及び買掛金が5億98百万円、引当金が1億44百万円増加したことによるものであります。減少した流動負債のその他の主なものは未払費用及び未払法人税等であります。
固定負債は57億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億94百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。
この結果、負債合計は236億18百万円となり、前連結会計年度末に比べ67億26百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は150億94百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億27百万円増加いたしました。これは主にその他有価証券評価差額金が保有する投資有価証券の時価総額の減少により前連結会計年度末に比べ1億19百万円減少したものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が3億30百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は39.0%(前連結会計年度末は46.8%)となりました。

(3) キャッシュフローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末(3億59百万円)に比べ7億16百万円増加し、10億75百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は47億85百万円(前年同期比11億90百万円の支出増加)となりました。
これは主に、減価償却費、税金等調整前当期純利益および仕入債務の増加により資金が増加した一方で、たな卸資産、売上債権の増加および法人税等の支払により資金が減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は12億51百万円(前年同期比2億81百万円の支出増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は67億53百万円(前年同期比20億50百万円の増加)となりました。
これは主に、長期借入れの返済および配当金の支払いにより資金が減少したものの、短期借入れによる収入により資金が増加したことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じたものはありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は74百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。