四半期報告書-第61期第2四半期(令和2年8月1日-令和2年10月31日)

【提出】
2020/12/14 13:48
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型ウイルス感染症拡大による世界的な経済停滞の影響が長期化しており、緊急事態宣言解除後の政府の各種施策により、徐々に経済活動の持ち直しの動きが見られる一方で、感染症拡大第2波、第3波への懸念から、先行き不透明な状況で推移いたしました。
食品業界におきましては、新型ウイルスへの感染防止策として政府が打ち出した外出自粛要請などを背景に、家庭内消費食品への需要が一時的に増加したものの、新型ウイルス感染禍、従業員の安全の確保とお客様への万全の供給体制の整備を最優先としたオペレーションを余儀なくされており、各種コストが上昇基調にあることから、引き続き厳しい経営環境が続くものと予想しております。
このような状況のもと、当社グループは引き続き、安全・安心に重点をおいた包装米飯及び包装餅製品の安定供給、並びに適正価格での販売に努めることを基本に事業活動を推進してまいりました。
おいしさの追求はもちろんのこと、お客様の消費動向を捉えながら、多様化するニーズに対応可能な生産体制の整備を進めるとともに、全社一体となった営業活動に取り組むことで業績の拡大を図ってまいりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、新型ウイルスの感染拡大を背景とした内食需要の高まりもあり、包装米飯及び包装餅製品ともに主力製品を中心に堅調に推移したことから、前年同期比10億53百万円増の174億40百万円(前年同期比6.4%増)となりました。
利益面につきましては、売上高の増加に加え、生産性の向上により売上総利益が増加した結果、営業利益は7億37百万円(前年同期営業損失3億70百万円)、経常利益は8億81百万円(前年同期経常損失2億46百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5億88百万円(前年同期親会社株主に帰属する四半期純損失2億33百万円)となりました。これは、前年同期に比べ大幅な増加であり、第2四半期連結累計期間としては過去最高の実績となりました。
『当社グループの四半期業績の特性について』
当社グループは主力製品である包装餅が季節商品(特に鏡餅)であり、その販売が年末に集中するため、第3四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ著しく増加する傾向があります。
また、当社グループは、食品事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しておりますが、製品分類別における販売の動向は以下のとおりであります。
製品分類別の販売動向
(包装米飯製品)
包装米飯製品では、簡便性や保存性の高さから需要拡大傾向が続く中、昨年6月に竣工した新米飯工場「サトウのごはん聖籠ファクトリー」の本格稼働により生産体制が整ったため、商品のバリエーション強化を目的に、新商品として「九州産ひのひかり」、並びに復活商品として「会津産コシヒカリ」や「国内産コシヒカリ」を発売いたしました。
さらに、長年にわたる炊飯に関する研究や風味・食感を保つための保存試験により、賞味期限の1年への延長が実証されたため、2020年8月1日製造分より、サトウのごはん全自社ブランド商品の賞味期限をこれまでの10か月から1年へ延長し(一部製品を除く)、近年国際的な課題の一つとして挙げられている食品ロスの削減にも取り組んでまいりました。
これらの取り組みとともに、当社製品が日本古来の炊飯方法を忠実に再現した独自の製造技術(厚釜ガス直火炊き)により、電子レンジ2分で家庭と同様の炊き立てのごはんを再現できることや、製品名に原料米の産地銘柄を明確に表示していることがお客様の利便性及び安全・安心意識にマッチしていること、さらには、昨今の生活スタイルの変化を背景とした内食需要の高まりが影響し、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装米飯製品の売上高は119億22百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
(包装餅製品)
包装餅製品では、当社グループのみが個包装に使用している酸素を吸収する「ながモチフィルム」の特徴(鮮度保持剤なしでつきたての美味しさを24か月保持)を芦田愛菜さんが可愛らしく紹介するCMや、切り餅「いっぽん」のスティック形状を活かした様々な食べ方を消費者の皆様に提案するCMを8月より全国放映し、販売拡大に努めました。
鏡餅については、らくポイシリーズや小飾りシリーズのアイテムの充実や、サッとタイプの化粧箱を赤基調のパッケージに一新することで更に華やかにし、また、新型ウイルス感染症収束の祈りを込め、SNSでの拡散により話題となっている「アマビエ」をモチーフとしたパッケージ商品を新たに追加するなど、年末の最需要期に向けて取り組みを行いました。
また、鏡餅を店舗で陳列する際の開封作業の軽減を目的として、段ボールを開封するとそのまま商品の陳列ができる「らくらくパッケージ(SRP対応段ボール)」を新たに採用し、取扱店の拡大を目指しております。
これらの取り組みのほか、包装米飯製品同様に新型ウイルスの感染拡大を背景とした内食需要の高まりもあり、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装餅製品の売上高は55億9百万円(前年同期比3.2%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は189億96百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億32百万円増加いたしました。これは主に原材料及び貯蔵品が4億62百万円、仕掛品が3億43百万円それぞれ減少したものの、商品及び製品が54億3百万円、受取手形及び売掛金が8億26百万円増加したことによるものであります。
固定資産は189億97百万円となり、前連結会計年度末に比べ38百万円増加いたしました。これは主に減価償却の進行にともない有形固定資産が1億72百万円減少したものの、投資その他の資産において、株価の上昇にともない投資有価証券が1億1百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は379億93百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億71百万円増加いたしました。
(負債)
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は173億95百万円となり、前連結会計年度末に比べ59億12百万円増加いたしました。これは主に運転資金としての短期借入金が60億円、支払手形及び買掛金が1億9百万円増加したものの、未払金が1億14百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億6百万円減少したことによるものであります。
固定負債は67億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億62百万円減少いたしました。これは主に長期借入金の減少によるものであります。
この結果、負債合計は241億3百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億49百万円増加いたしました。
(純資産)
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は138億89百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億21百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する四半期純利益の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は36.6%(前連結会計年度末は41.3%)となりました。

(3) キャッシュフローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末(3億6百万円)に比べ1億37百万円増加し、4億43百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は35億95百万円(前年同期比10億21百万円の減少)となりました。
これは主に、たな卸資産の増加により資金が減少した一方で、税金等調整前当期純利益の増加および売上債権の減少により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は9億70百万円(前年同期比28億99百万円の支出減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出が前年同期を下回ったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は47億2百万円(前年同期比36億28百万円の減少)となりました。
これは主に、短期借入金の純増減額が返済により減少となったことに加え、長期借入による収入の減少および配当金の支払いによる支出が増加したことによるものであります。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更及び新たに生じたものはありません。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は91百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。