有価証券報告書-第60期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境に一定の改善が見られるなど、緩やかな回復基調で推移したものの、相次ぐ自然災害の発生や米中貿易摩擦などの不確実な海外情勢の影響に加え、今年に入り顕在化した新型コロナウイルスの世界的大流行により、予断を許さない不透明な状況で推移いたしました。
食品業界におきましては、人手不足を背景とした人件費や物流費の上昇など、依然と厳しい経営環境が続いてきた中、年度末にかけて新型コロナウイルスへの感染抑止策として、政府が打ち出した外出自粛要請などを背景に、内食需要が高まりを見せるなど、消費行動に変化が生じました。
このような状況のもと、当社グループは、安全・安心に重点をおいた包装米飯及び包装餅製品の安定供給、並びに適正価格での販売に努めることを基本に事業活動を推進してまいりました。
おいしさの追求はもちろんのこと、お客様の消費動向を捉えながら、多様化するニーズに対応可能な生産体制の整備を進めるとともに、全社一体となった営業活動に取り組むことで業績の拡大を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、包装米飯及び包装餅製品ともに主力製品を中心に堅調に推移したことから、前年同期比39億87百万円増の448億88百万円(前年同期比9.8%増)となりました。
利益面につきましては、聖籠工場の新設により売上原価が増加したものの、売上高の伸長により売上総利益は175億37百万円(前年同期売上総利益159億14百万円)と増加いたしました。
しかしながら、前年より続く物流費の上昇、及び販売増にともなう販売促進費の増加により、営業利益は9億53百万円(前年同期営業利益11億79百万円)、経常利益は11億30百万円(前年同期経常利益13億47百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益については6億88百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純利益8億92百万円)となりました。
なお、当社グループは主力製品である包装餅が季節商品(特に鏡餅)であり、その販売が年末に集中するため、第3四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ著しく増加する傾向があります。
当社グループは、食品事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しておりますが、製品分類別の販売動向は以下のとおりであります。
製品分類別の販売動向
(包装米飯製品)
包装米飯製品では、2019年6月より稼働を始めた新米飯工場「サトウのごはん聖籠ファクトリー」の竣工を記念した『サトウのごはん聖籠ファクトリー竣工記念キャンペーン』を実施いたしました。
また、近年、特に小盛り・大盛りサイズの販売が好調に推移し、容量別の消費者ニーズが高まってきていることから、商品のバリエーション強化を目的に「サトウのごはん銀シャリ」に“小盛り150g”、“大盛り300g”の2アイテムを追加発売し、配荷拡大に努めました。
さらに、原料米の産地であるJAと提携して、各地の特産品をプレゼントする販促キャンペーンを実施するなど、販売促進に取り組みました。
加えて、日本古来の炊飯方法を忠実に再現した独自の製造技術(厚釜ガス直火炊き)により、電子レンジ2分で家庭と同様の炊き立てのごはんを再現できることや、製品名に原料米の産地銘柄を明確に表示していることがお客様の利便性及び安全・安心意識にマッチしていること、さらには、新型コロナウイルスの感染抑止策を背景とした内食需要の高まりが影響し、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装米飯製品の売上高は235億13百万円(前年同期比11.9%増)となりました。
(包装餅製品)
包装餅製品では、当社グループだけが使用している「ながモチフィルム」(酸素吸収機能をもつ透明な個包装フィルム)の特性を、よりお客様にご理解していただくことを目的に、同フィルムのロゴがおいしいお餅のしるしであることをアピールするテレビCMを継続放映するなど、販売拡大に努めました。
新商品としては、主に鍋料理にお使いいただくことを想定した「サトウのしゃぶしゃぶもち」や、調理しやすさ食べやすさを追求し、お餅の大きさを当社従来品よりコンパクトな20gに設計した「サトウの切り餅シングルパックミニ」、「サトウのまる餅シングルパックミニ」を発売し、更なる需要拡大に向けた取組みを実施いたしました。
また、鏡餅については、消費者の皆様に、より最適な商品を選んでいただけるように、「サトウのサッと鏡餅」シリーズに新たに1,000gタイプ・400gタイプを加えるなどのラインナップ充実や、一部商品にパッケージのリニューアルを図るとともに、最需要期に向けたCM放映や、販促キャンペーンを実施いたしました。
なお、包装餅製品につきましても、包装米飯製品同様に年度末にかけて内食需要が高まったことから、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装餅製品の売上高は213億52百万円(同7.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末(3億49百万円)に比べ43百万円減少し、3億6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は23億28百万円(前年同期比2億4百万円減)となりました。
この主な内訳は税金等調整前当期純利益および減価償却費による資金の増加の一方、売上債権の増加による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は41億35百万円(前年同期比16億7百万円増)となりました。
この主な内訳は聖籠工場の新設に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は17億63百万円(前年同期比19億24百万円増)となりました。
この主な内訳は短期借入金の増加によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度の生産実績を製品分類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 製品仕入実績
当連結会計年度の製品仕入実績を製品分類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、実際仕入金額によっております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ 商品仕入実績
該当事項はありません。
二 受注実績
当社グループは、受注見込による生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。
ホ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を製品分類ごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は136億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億36百万円増加いたしました。
これは主に原材料及び貯蔵品が10億4百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が22億88百万円、流動資産のその他が4億73百万円増加したことによるものであります。増加した流動資産のその他の主なものは未収消費税であります。
固定資産は189億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ55百万円増加いたしました。
これは主に聖籠工場の新設にともなう資産計上により、有形固定資産のその他(建設仮勘定等)が38億94百万円減少したものの、建物及び構築物が24億20百万円、機械装置及び運搬具が16億41百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は326億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億89百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は114億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億74百万円増加いたしました。
これは主に流動負債のその他が7億71百万円、未払金が4億14百万円減少したものの、運転資金としての短期借入金が27億円増加したことによるものであります。減少した流動負債のその他の主なものは1年内償還予定の社債、及び未払消費税等であります。
固定負債は76億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億59百万円減少いたしました。
これは主に退職給付に係る負債が2億13百万円、長期借入金が1億5百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は191億53百万円となり、前連結会計年度に比べ11億14百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は134億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億75百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が5億88百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は41.3%(前連結会計年度末は41.5%)となりました。
②経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比較し39億87百万円増加し448億88百万円(前年同期比9.8%増)となりました。主な内訳は、包装米飯製品が235億13百万円(同11.9%増)、包装餅製品が213億52百万円(同7.6%増)であります。
なお、売上高の概況につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上総利益は、聖籠工場の新設により売上原価が増加したものの、売上高の伸長により16億23百万円増加し175億37百万円となり、売上総利益率は39.1%となりました。
販売費及び一般管理費は、当社グループだけが使用している「ながモチフィルム」(酸素吸収機能をもつ透明な個包装フィルム)の特性を、よりお客様にご理解していただくことを目的に、同フィルムのロゴがおいしいお餅のしるしであることをアピールするテレビCMを継続放映したことなどにより、広告宣伝費が増加いたしました。加えて、売上の増加にともなう販売促進費並びに物流コストの増加により、前連結会計年度に比較し18億49百万円増加し165億84百万円となりました。
売上高の伸長により売上総利益は増加したものの、前年より続く物流費の上昇、及び販売増にともなう販売促進費の増加により、営業利益は前連結会計年度に比較し2億26百万円減少し9億53百万円となり、営業利益率は2.1%となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比較し副産物収入が増加したものの営業外収益のその他が減少し4億3百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比較し支払利息及び賃貸費用が減少したことから2億25百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比較し2億16百万円減少し11億30百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別損失は、災害による損失及び投資有価証券評価損の発生により、前連結会計年度に比較し1億15百万円増加し1億18百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比較し3億43百万円減少し10億12百万円となりました。
(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、前連結会計年度に比較し1億40百万円減少し3億23百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比較し2億3百万円減少し6億88百万円となり、1株当たり当期純利益は136円57銭となりました。
③キャッシュフローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要は、原材料費、労務費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金と、製造設備の更新・改修等に係る設備投資資金となっており、資金調達については主に銀行等金融機関からの借入により行っております。
短期運転資金については、主に銀行からの短期借入金を基本とし、設備投資や長期運転資金については銀行等金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は125億98百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3億6百万円となっております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ 固定資産の減損
当社グループが減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
ロ 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、予想昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等があり、長期期待運用収益率の決定については、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、詳細につきましては、「 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1) 連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 」に記載しております。
ハ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2[事業等のリスク]」に記載しております。
⑦経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用・所得環境に一定の改善が見られるなど、緩やかな回復基調で推移したものの、相次ぐ自然災害の発生や米中貿易摩擦などの不確実な海外情勢の影響に加え、今年に入り顕在化した新型コロナウイルスの世界的大流行により、予断を許さない不透明な状況で推移いたしました。
食品業界におきましては、人手不足を背景とした人件費や物流費の上昇など、依然と厳しい経営環境が続いてきた中、年度末にかけて新型コロナウイルスへの感染抑止策として、政府が打ち出した外出自粛要請などを背景に、内食需要が高まりを見せるなど、消費行動に変化が生じました。
このような状況のもと、当社グループは、安全・安心に重点をおいた包装米飯及び包装餅製品の安定供給、並びに適正価格での販売に努めることを基本に事業活動を推進してまいりました。
おいしさの追求はもちろんのこと、お客様の消費動向を捉えながら、多様化するニーズに対応可能な生産体制の整備を進めるとともに、全社一体となった営業活動に取り組むことで業績の拡大を図ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、包装米飯及び包装餅製品ともに主力製品を中心に堅調に推移したことから、前年同期比39億87百万円増の448億88百万円(前年同期比9.8%増)となりました。
利益面につきましては、聖籠工場の新設により売上原価が増加したものの、売上高の伸長により売上総利益は175億37百万円(前年同期売上総利益159億14百万円)と増加いたしました。
しかしながら、前年より続く物流費の上昇、及び販売増にともなう販売促進費の増加により、営業利益は9億53百万円(前年同期営業利益11億79百万円)、経常利益は11億30百万円(前年同期経常利益13億47百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益については6億88百万円(前年同期親会社株主に帰属する当期純利益8億92百万円)となりました。
なお、当社グループは主力製品である包装餅が季節商品(特に鏡餅)であり、その販売が年末に集中するため、第3四半期連結会計期間の売上高及び利益が他の四半期連結会計期間に比べ著しく増加する傾向があります。
当社グループは、食品事業の単一セグメントであるためセグメント別の記載を省略しておりますが、製品分類別の販売動向は以下のとおりであります。
製品分類別の販売動向
(包装米飯製品)
包装米飯製品では、2019年6月より稼働を始めた新米飯工場「サトウのごはん聖籠ファクトリー」の竣工を記念した『サトウのごはん聖籠ファクトリー竣工記念キャンペーン』を実施いたしました。
また、近年、特に小盛り・大盛りサイズの販売が好調に推移し、容量別の消費者ニーズが高まってきていることから、商品のバリエーション強化を目的に「サトウのごはん銀シャリ」に“小盛り150g”、“大盛り300g”の2アイテムを追加発売し、配荷拡大に努めました。
さらに、原料米の産地であるJAと提携して、各地の特産品をプレゼントする販促キャンペーンを実施するなど、販売促進に取り組みました。
加えて、日本古来の炊飯方法を忠実に再現した独自の製造技術(厚釜ガス直火炊き)により、電子レンジ2分で家庭と同様の炊き立てのごはんを再現できることや、製品名に原料米の産地銘柄を明確に表示していることがお客様の利便性及び安全・安心意識にマッチしていること、さらには、新型コロナウイルスの感染抑止策を背景とした内食需要の高まりが影響し、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装米飯製品の売上高は235億13百万円(前年同期比11.9%増)となりました。
(包装餅製品)
包装餅製品では、当社グループだけが使用している「ながモチフィルム」(酸素吸収機能をもつ透明な個包装フィルム)の特性を、よりお客様にご理解していただくことを目的に、同フィルムのロゴがおいしいお餅のしるしであることをアピールするテレビCMを継続放映するなど、販売拡大に努めました。
新商品としては、主に鍋料理にお使いいただくことを想定した「サトウのしゃぶしゃぶもち」や、調理しやすさ食べやすさを追求し、お餅の大きさを当社従来品よりコンパクトな20gに設計した「サトウの切り餅シングルパックミニ」、「サトウのまる餅シングルパックミニ」を発売し、更なる需要拡大に向けた取組みを実施いたしました。
また、鏡餅については、消費者の皆様に、より最適な商品を選んでいただけるように、「サトウのサッと鏡餅」シリーズに新たに1,000gタイプ・400gタイプを加えるなどのラインナップ充実や、一部商品にパッケージのリニューアルを図るとともに、最需要期に向けたCM放映や、販促キャンペーンを実施いたしました。
なお、包装餅製品につきましても、包装米飯製品同様に年度末にかけて内食需要が高まったことから、売上高は堅調に推移いたしました。
その結果、包装餅製品の売上高は213億52百万円(同7.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末(3億49百万円)に比べ43百万円減少し、3億6百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は23億28百万円(前年同期比2億4百万円減)となりました。
この主な内訳は税金等調整前当期純利益および減価償却費による資金の増加の一方、売上債権の増加による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は41億35百万円(前年同期比16億7百万円増)となりました。
この主な内訳は聖籠工場の新設に伴う有形固定資産の取得によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、得られた資金は17億63百万円(前年同期比19億24百万円増)となりました。
この主な内訳は短期借入金の増加によるものであります。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
2016年4月期 | 2017年4月期 | 2018年4月期 | 2019年4月期 | 2020年4月期 | |
自己資本比率(%) | 37.9 | 40.0 | 41.0 | 41.5 | 41.3 |
時価ベースの 自己資本比率(%) | 56.9 | 55.6 | 61.2 | 59.1 | 59.5 |
キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 1.9 | 3.0 | 3.7 | 3.9 | 5.3 |
インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 43.4 | 31.8 | 28.6 | 43.7 | 56.1 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③生産、受注及び販売の実績
イ 生産実績
当連結会計年度の生産実績を製品分類ごとに示すと、次のとおりであります。
製品分類 | 当連結会計年度 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
包装米飯製品 | 23,699,017 | 112.9 |
包装餅製品 | 20,739,877 | 107.5 |
その他製品 | 4,508 | 102.5 |
合計 | 44,443,402 | 110.3 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 製品仕入実績
当連結会計年度の製品仕入実績を製品分類ごとに示すと、次のとおりであります。
製品分類 | 当連結会計年度 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
包装餅製品 | 480,934 | 106.3 |
その他製品 | 9,453 | 70.3 |
合計 | 490,388 | 105.3 |
(注) 1 金額は、実際仕入金額によっております。
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
ハ 商品仕入実績
該当事項はありません。
二 受注実績
当社グループは、受注見込による生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。
ホ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を製品分類ごとに示すと、次のとおりであります。
製品分類 | 当連結会計年度 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | |
金額(千円) | 前年同期比(%) | |
包装米飯製品 | 23,513,491 | 111.9 |
包装餅製品 | 21,352,783 | 107.6 |
その他製品 | 21,936 | 71.7 |
合計 | 44,888,211 | 109.8 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年5月1日 至 2019年4月30日) | 当連結会計年度 (自 2019年5月1日 至 2020年4月30日) | ||
販売実績(千円) | 割合(%) | 販売実績(千円) | 割合(%) | |
加藤産業㈱ | 11,056,277 | 27.0 | 12,351,110 | 27.5 |
三菱食品㈱ | 10,632,255 | 26.0 | 10,261,772 | 22.9 |
伊藤忠商事㈱ | 5,739,829 | 14.0 | 8,543,181 | 19.0 |
三井物産㈱ | 7,876,494 | 19.3 | 7,469,465 | 16.6 |
2 金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は136億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億36百万円増加いたしました。
これは主に原材料及び貯蔵品が10億4百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が22億88百万円、流動資産のその他が4億73百万円増加したことによるものであります。増加した流動資産のその他の主なものは未収消費税であります。
固定資産は189億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ55百万円増加いたしました。
これは主に聖籠工場の新設にともなう資産計上により、有形固定資産のその他(建設仮勘定等)が38億94百万円減少したものの、建物及び構築物が24億20百万円、機械装置及び運搬具が16億41百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は326億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億89百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は114億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ14億74百万円増加いたしました。
これは主に流動負債のその他が7億71百万円、未払金が4億14百万円減少したものの、運転資金としての短期借入金が27億円増加したことによるものであります。減少した流動負債のその他の主なものは1年内償還予定の社債、及び未払消費税等であります。
固定負債は76億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億59百万円減少いたしました。
これは主に退職給付に係る負債が2億13百万円、長期借入金が1億5百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は191億53百万円となり、前連結会計年度に比べ11億14百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は134億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億75百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が5億88百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は41.3%(前連結会計年度末は41.5%)となりました。
②経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比較し39億87百万円増加し448億88百万円(前年同期比9.8%増)となりました。主な内訳は、包装米飯製品が235億13百万円(同11.9%増)、包装餅製品が213億52百万円(同7.6%増)であります。
なお、売上高の概況につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
売上総利益は、聖籠工場の新設により売上原価が増加したものの、売上高の伸長により16億23百万円増加し175億37百万円となり、売上総利益率は39.1%となりました。
販売費及び一般管理費は、当社グループだけが使用している「ながモチフィルム」(酸素吸収機能をもつ透明な個包装フィルム)の特性を、よりお客様にご理解していただくことを目的に、同フィルムのロゴがおいしいお餅のしるしであることをアピールするテレビCMを継続放映したことなどにより、広告宣伝費が増加いたしました。加えて、売上の増加にともなう販売促進費並びに物流コストの増加により、前連結会計年度に比較し18億49百万円増加し165億84百万円となりました。
売上高の伸長により売上総利益は増加したものの、前年より続く物流費の上昇、及び販売増にともなう販売促進費の増加により、営業利益は前連結会計年度に比較し2億26百万円減少し9億53百万円となり、営業利益率は2.1%となりました。
(営業外損益及び経常利益)
営業外収益は、前連結会計年度に比較し副産物収入が増加したものの営業外収益のその他が減少し4億3百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比較し支払利息及び賃貸費用が減少したことから2億25百万円となりました。
以上の結果、経常利益は、前連結会計年度に比較し2億16百万円減少し11億30百万円となりました。
(特別損益及び税金等調整前当期純利益)
特別損失は、災害による損失及び投資有価証券評価損の発生により、前連結会計年度に比較し1億15百万円増加し1億18百万円となりました。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比較し3億43百万円減少し10億12百万円となりました。
(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税等合計は、前連結会計年度に比較し1億40百万円減少し3億23百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比較し2億3百万円減少し6億88百万円となり、1株当たり当期純利益は136円57銭となりました。
③キャッシュフローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析]② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主な資金需要は、原材料費、労務費、販売費及び一般管理費等に係る運転資金と、製造設備の更新・改修等に係る設備投資資金となっており、資金調達については主に銀行等金融機関からの借入により行っております。
短期運転資金については、主に銀行からの短期借入金を基本とし、設備投資や長期運転資金については銀行等金融機関からの長期借入金を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は125億98百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3億6百万円となっております。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
イ 固定資産の減損
当社グループが減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いる将来キャッシュ・フローは、経営環境などの外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
ロ 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、予想昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等があり、長期期待運用収益率の決定については、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、詳細につきましては、「 第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1) 連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 」に記載しております。
ハ 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2[事業等のリスク]」に記載しております。
⑦経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]」に記載しております。