有価証券報告書-第65期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/26 13:54
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続くなかで、政府が実施した各種政策の効果もあり、緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動による日本経済への影響が懸念されております。
教育界においては、昨年に次期の「小・中学校学習指導要領」が告示されました。この学習指導要領では、育成を目指す資質・能力を「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱として整理するとともに、「主体的・対話的で深い学び」の視点から授業改善を求めています。さらに、「社会に開かれた教育課程」の視点から「カリキュラム・マネジメント」の一層の促進が求められており、各学校では、2020年の実施に向けて研修や研究が行われています。
また、文部科学省は、長時間勤務が社会問題となっている教員の処遇改善を目指して、昨年12月に「学校における働き方改革に関する緊急対策」を公表しました。今後は各教育委員会の指導のもと、働き方改革の推進に向け具体的な改革に着手するものと思われます。
このような情勢を背景に、当社グループは主力である小学校図書教材においては、付録や価格などの厳しい競争を強いられるなか、基礎・基本の定着及び活用する力の育成と評価を念頭に、教育現場のニーズに応えた様々な改訂を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して735,299千円増加し、17,602,875千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して347,702千円増加し、4,884,938千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して387,596千円増加し、12,717,937千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高11,731,772千円(前年同期比0.5%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益752,173千円(前年同期比26.7%増)、経常利益777,800千円(前年同期比24.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益506,784千円(前年同期比20.3%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
・出版
小学校では、現行の「学習指導要領」の全面実施から7年が経過いたしました。教育現場では基礎的・基本的な知識や技能の定着はもとより、習得した知識や技能を日常の課題解決のなかで活用できる力の育成が結実しつつあります。
各教育委員会では、昨年4月に実施された「全国学力・学習状況調査」の分析結果にもとづき、様々な施策が講じられています。
また、教育現場では文部科学省が公表した「教育ICTガイドブック」を参考として、ICT教育における環境整備と質的改善が進められています。
そのような状況のなか、小学校図書教材においては、教育現場の実態把握と多様なニーズを的確に捉えたことにより、基礎・基本の確実な定着と思考力・判断力・表現力を確認できる教材が教育現場から支持を得ることができました。また、デジタル教材の利活用の促進や、成績処理などの校務支援に対する新たな提案を行ってまいりました。
テストなどの評価教材では、冊子型の教師用書を採用したことなどにより、教育現場から使いやすいとの好評を得ることができました。また、学力の定着が確認できる企画や、テスト実施後に児童を適切にサポートする企画、校務などの業務を支援する提案が受け入れられ、実績が増加いたしました。
一方、ドリルなどの習熟教材では、基礎的な学習内容が着実に定着する企画を採用し、教育現場の多様なニーズに合わせて付属教材の利活用を啓発いたしましたが、発注の分散化の影響もあり、実績がわずかに減少いたしました。
季刊物教材では、教育現場のニーズに即したラインナップが功を奏し、実績が増加いたしました。
中学校図書教材においては、教育現場の実態を的確に把握したことにより、「教科別のバラプリント・ワーク教材」、「漢字練習帳」、「高校入試面接対策教材」の実績が増加いたしました。一方で、季刊物教材においては、他社の新規参入や発注の分散化の影響で、実績が減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は7,983,055千円(前年同期比1.1%増)、営業利益は1,416,645千円(前年同期比8.7%増)となりました。
・教具
小学校教材・教具においては、当社が高い市場占有率を誇る「裁縫セット」では、新企画商品や児童の趣向に合わせたデザインを採用したことにより、実績を維持することができました。
「画材セット」では、バッグに洗練されたデザインや保管方法・収納性に工夫を凝らした企画を採用しましたが、発注の分散化の影響もあり、実績が減少いたしました。
「書道セット」では、高品質の筆が受け入れられたことや、バッグに児童の趣向に合わせたデザインを採用したことにより、実績が増加いたしました。
中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」においては、新企画を採用し商品ラインナップの強化を図ったことなどにより、実績が増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,748,716千円(前年同期比0.5%減)、営業利益は204,547千円(前年同期比12.7%増)となりました。
・その他
有限会社ブンケイ商事は損害保険代理業を営んでおりましたが、当連結会計年度において事業譲渡により休眠化したため、連結の範囲から除外したことに伴い、「その他」を削除しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して818,781千円増加して4,090,728千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は1,487,472千円で、前連結会計年度と比較して549,742千円増加(前年同期の資金収支は937,729千円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、税金等調整前当期純利益が153,475千円増加、売上債権の減少額が300,804千円増加、たな卸資産の減少額が181,728千円減少、仕入債務の増加額が272,763千円増加したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は△410,124千円で、前連結会計年度と比較して59,326千円減少(前年同期の資金収支は△350,798千円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、定期預金の預入による支出が199,999千円増加、定期預金の払戻による収入が320,932千円減少、有価証券の取得による支出が100,000千円減少、有価証券の償還による収入が430,617千円増加、投資有価証券の取得による支出が130,508千円増加、投資有価証券の償還による収入が120,000千円増加したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は△254,100千円で、前連結会計年度と比較して40,938千円増加(前年同期の資金収支は△295,038千円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、短期借入金の返済による支出が35,000千円増加、自己株式の取得による支出が83,123千円減少したことによります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
出版(千円)8,388,343104.8
教具(千円)2,349,818101.2
合計(千円)10,738,161104.0

(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
出版(千円)7,983,055101.1
教具(千円)3,748,71699.4
合計(千円)11,731,772100.5

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用した会計方針は第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項]をご参照下さい。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は17,602,875千円となり、前連結会計年度末と比較して735,299千円増加しました。
流動資産の残高は9,878,959千円で、前連結会計年度末と比較して24,740千円増加しました。流動資産の主な増減は、現金及び預金の増加1,217,667千円、受取手形及び売掛金の減少70,079千円、有価証券の減少882,387千円、仕掛品の減少321,463千円であります。
固定資産の残高は7,723,916千円で、前連結会計年度末と比較して710,558千円増加しました。固定資産の主な増減は、建物及び構築物の減少17,892千円、投資有価証券の増加750,887千円、保険積立金(投資その他の資産その他)の減少10,145千円であります。
流動負債の残高は3,812,225千円で、前連結会計年度末と比較して360,211千円増加しました。流動負債の主な増減は、支払手形及び買掛金の増加49,226千円、電子記録債務の増加36,675千円、短期借入金の減少85,117千円、未払法人税等の増加104,106千円、前受金(流動負債その他)の増加205,949千円であります。
固定負債の残高は1,072,712千円で、前連結会計年度末と比較して12,508千円減少しました。固定負債の主な増減は、繰延税金負債の増加19,631千円、役員退職慰労引当金の減少34,680千円であります。
純資産は12,717,937千円で、前連結会計年度末と比較して387,596千円増加しました。純資産の主な増減は、利益剰余金の増加337,706千円、その他有価証券評価差額金の増加35,718千円、退職給付に係る調整累計額の増加14,220千円であります。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は11,731,772千円(前年同期比0.5%増)となりました。売上高が増加した主な要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上原価は6,963,816千円(前年同期比1.8%減)、売上総利益は4,767,955千円(前年同期比4.3%増)となりました。売上総利益が増加した主な要因は、売上高の増加と、教科書改訂に伴う改訂編集費用の負担割合が、前期は30%でありましたが、当期は20%に減少したことによります。
販売費及び一般管理費は4,015,782千円(前年同期比0.9%増)となりました。主な増加科目は、売上高の増加や運賃の値上げにより荷造運搬費が40,873千円増加、給与及び手当が30,746千円増加しました。主な減少科目は、建物等の修繕費が13,028千円、取締役1名減少により役員報酬が11,767千円、減価償却費が10,960千円それぞれ減少しました。以上の結果、営業利益は752,173千円(前年同期比26.7%増)となりました。
営業外収益は前連結会計年度の71,498千円から減少し64,773千円となりました。減少の主な要因は、受取保険金13,897千円の減少によります。また、営業外費用は前連結会計年度の40,190千円から減少し39,146千円となりました。以上の結果、経常利益は777,800千円(前年同期比24.5%増)となりました。
法人税等合計は271,016千円(前年同期比33.2%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は506,784千円(前年同期比20.3%増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載のとおり、当社グループの主力商品である出版物は、独占禁止法の再販売価格維持制度の対象となっており、この制度が廃止された場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。営業活動による資金収支に影響を与える要因として編集費用があります。教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が発生した決算期は、改訂編集費用の支払いが多くなり、営業活動による収支が悪化する傾向にあります。
運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。平成30年3月31日現在、短期借入金は12,428千円、長期借入金は1,902千円と少額であり、内部資金で運用をしているのが現状であります。
経営上の目標数値については、経常利益率8%を目指しております。前期の経常利益率は5.3%、今期の経常利益率は6.6%であり、1.2ポイント好転いたしました。
セグメントごとの経営成績に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
売上高につきましては、出版が7,983,055千円、教具が3,748,716千円となっており、売上高割合は出版が68.0%、教具が32.0%となっております。
報告セグメントに配分していない管理部門の販売管理費等の全社費用を除いたセグメント利益では、出版が1,416,645千円で売上高セグメント利益率は17.7%、教具が204,547千円で5.4%であります。両セグメントの利益率の差の主な要因は、出版は製作ロット数が多くなれば1冊当たりの原価が低くなりますが、教具は1個当たりの原価が低くならないことがあげられます。

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