有価証券報告書-第68期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響により社会経済活動が制限され、景気は厳しい状況で推移いたしました。1度目の緊急事態宣言の解除後は、感染拡大の防止策を講じつつ各種活動が段階的に再開されるなかで持ち直しの動きがみられておりましたが、感染の再拡大が続き収束の見通しが立たないことから、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
教育界においては、2020年4月より新しい「小学校学習指導要領」が実施されました。この新学習指導要領では、育成を目指す資質・能力が「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱として整理され、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善や「社会に開かれた教育課程」の実現に向けた「カリキュラム・マネジメント」の一層の推進が求められております。
このような10年先の社会を見据えた新しい教育が始まりましたが、新型コロナウイルスの感染が広がり、全国すべての小学校・中学校・高等学校の臨時休業が昨年の3月から5月末まで続きました。教育現場ではオンライン授業や教師による家庭訪問などの対応、学校再開後は時間割編成の変更、年間行事の見直し、清掃消毒作業など様々な対応に追われてまいりました。そのようななか、文部科学省は子供たちの学びを保障する観点から、1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワーク環境を整備することで、子供たち一人ひとりの資質・能力を一層確実に育成するための「GIGAスクール構想」の前倒しを進めております。
このような情勢を背景に、当社グループは主力である小学校図書教材においては、価格や付録などの厳しい競争が進むなか、基礎・基本の定着や活用する力の育成と評価を念頭に、教育現場のニーズに応えた改訂を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して438,378千円増加し、18,739,556千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して378,087千円増加し、5,312,098千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して60,291千円増加し、13,427,458千円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は71.6%で引き続き比較的高い数値を維持しております。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高13,049,786千円(前年同期比5.1%増)と、増収となりました。利益につきましては、営業利益855,444千円(前年同期比5.6%増)、経常利益880,244千円(前年同期比5.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益151,727千円(前年同期比72.5%減)となりました。
なお、当連結会計年度において、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、将来の回収可能性を検討した結果、連結子会社の収益性の低下等により、減損損失354,177千円を特別損失に計上しております。
また、2[事業等のリスク]に記載した通り、新型コロナウイルス感染症の更なる拡大や変異ウイルスの蔓延等により再び緊急事態宣言が発令され臨時休業等が実施されると、出版物や教材・教具の受注が変動し、セグメントの出版及びセグメントの教具の両セグメントの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
・出版
小学校図書教材においては、本年度より「新学習指導要領」が全面実施されましたが、コロナ禍にありながら、求められる基礎・基本の確実な定着と思考力・判断力・表現力を確認できる教材として、全国の教育現場から支持を得ることができました。
テストなどの評価教材では、基礎的な読解力などが確認できる新企画に加え、きめ細かく採点基準を提示した冊子型の教師用書、教師の採点処理業務の負担を軽減する得点集計用ソフトが教育現場から好評を得ることができました。また、本年度より新たに小学校5・6年生で英語が教科化され、教育現場のニーズに合わせたテストを開発したことなどにより、評価教材の実績伸長に寄与いたしました。
ドリル教材などの習熟教材では、基礎から発展的な内容まで児童の発達段階に合わせて学習できる企画に加え、ノート学習やスキル学習の提案が受け入れられ、実績が増加いたしました。
季刊物教材では、新型コロナウイルス感染症による夏季・冬季の休業期間の短縮の影響で夏休み・冬休み教材の実績が減少しましたが、学年末のしあげ教材では、学力の定着が確認できる企画が支持され、実績が増加いたしました。
中学校図書教材では、新学期用教材は実績が増加いたしましたが、夏季・冬季の休業期間の短縮により夏休み・冬休み教材の実績が大幅に減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は9,288,231千円(前年同期比6.5%増)、営業利益は1,482,349千円(前年同期比1.2%増)となりました。
・教具
小学校教材・教具においては、長期間の臨時休業措置がとられた影響により厳しい状況が続き、休業期間中は実績が減少いたしました。しかし、年間履修内容の遅れを夏季休業期間の短縮や土曜授業の実施などで取り戻した結果、ほぼ昨年実績まで回復いたしました。
「裁縫セット」や「画材セット」などの希望採用教材は、学校再開後徐々に受注が回復し、実績が増加いたしました。
新入学の児童が使用する「さんすうらんど」や「新1年生用品」では、新型コロナウイルス感染症対策のため、保護者説明会や販売方法が見直されたことなどにより、実績がわずかに減少いたしました。
家庭科布教材の「エプロン」では、製作手順やポイントが布にプリントされた企画が支持されたことにより、実績が増加いたしました。また、新たに短時間で製作できる「マスク」を開発し、全国の教育現場から支持を得ることができました。
中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ミシンを使用しない手縫い教材などを積極的に啓発したことにより、実績は増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,761,554千円(前年同期比1.7%増)、営業利益は327,315千円(前年同期比39.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して678,856千円増加して5,054,664千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は781,903千円で、前連結会計年度と比較して326,654千円増加(前年同期の資金収支は455,248千円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、税金等調整前当期純利益が235,645千円減少、減損損失が269,916千円増加、たな卸資産の増加額が259,919千円減少、仕入債務の減少額が317,468千円増加したことによります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、経営成績の分析に記載したように2020年度の教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が、改訂初年度の50%にて製品原価を計算しているため、減少すると予想しておりましたが、評価教材のテストや習熟教材のドリル等の主力製品が好調であったことから、増加に推移いたしました。決算期ごとに営業活動によるキャッシュ・フローの推移をみていきますと、2016年3月期210,562千円、2017年3月期937,729千円、2018年3月期1,487,472千円、2019年3月期925,684千円、2020年3月期455,248千円、2021年3月期781,903千円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は31,533千円で、前連結会計年度と比較して395,016千円増加(前年同期の資金収支は△363,482千円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、定期預金の預入による支出が200,000千円減少、定期預金の払戻による収入が100,000千円増加、有価証券の償還による収入が200,000千円増加したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券(株式)の取得による支出はほとんどありませんが、社債の取得による支出と社債の償還による収入の増減により影響を受けます。また、設備投資につきましては、セグメントの出版における製品の製作は外注の印刷会社に委託いたしますので、印刷機械等の有形固定資産の取得による支出はほとんどありません。セグメントの教具における製品の製作も外注に依存しておりますが、裁縫セット、画材セット等を製作するために必要な金型の取得による支出が発生する場合があります。その他に有形固定資産の取得による支出の主な内容は本社建物等の改修費用であります。今後は、基幹システムの再構築や出版物のデジタル化に伴う費用等の無形固定資産の取得による支出を予定しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は△134,580千円で、前連結会計年度と比較して28,641千円減少(前年同期の資金収支は△105,939千円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、短期借入金の純増減額が120,000千円減少、長期借入れによる収入が40,000千円増加、配当金の支払額が51,254千円減少したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2008年3月期より配当金の支払額については、文溪堂単体の当期純利益の40%相当額を目処に年間配当金総額を決定しております。なお、利益水準にかかわらず最低年間配当金として、1株当たり7円50銭を目標としており、配当金の支払額は当期純利益により変動いたします。また、短期借入金の純増減額につきましては、文溪堂単体の借入金はほとんど発生しておりませんが、子会社の㈱学宝社において教科書改訂に伴い出版物の改訂編集費用の増加により借入金が発生する場合があります。現在のところ、財務活動による資金調達は内部資金及び金融機関からの借入金で対応できると認識しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は18,739,556千円となり、前連結会計年度末と比較して438,378千円増加しました。
流動資産の残高は11,602,484千円で、前連結会計年度末と比較して754,475千円増加しました。流動資産の主な増減は、現金及び預金の増加578,856千円、受取手形及び売掛金の増加113,733千円、セグメントの出版における小学校図書教材の全面改訂による外注加工賃の増加により仕掛品の増加138,082千円であります。
固定資産の残高は7,137,072千円で、前連結会計年度末と比較して316,097千円減少しました。固定資産の主な増減は、建物及び構築物の増加97,753千円、減損損失の計上により土地の減少350,282千円、投資有価証券の減少75,660千円であります。
流動負債の残高は4,471,917千円で、前連結会計年度末と比較して389,794千円増加しました。流動負債の主な増減は、支払手形及び買掛金の増加83,959千円、セグメントの出版における小学校図書教材の改訂編集費用の減少により電子記録債務の減少87,774千円、未払消費税等(流動負債その他)の増加157,697千円であります。
固定負債の残高は840,181千円で、前連結会計年度末と比較して11,706千円減少しました。固定負債の主な増減は、セグメントの出版の子会社において中学校図書教材の全面改訂による外注加工賃の増加により長期借入金の増加39,824千円、繰延税金負債の増加13,889千円、退職給付に係る負債の減少47,437千円であります。
純資産は13,427,458千円で、前連結会計年度末と比較して60,291千円増加しました。純資産の主な増減は、利益剰余金の減少12,862千円、その他有価証券評価差額金の増加63,784千円、退職給付に係る調整累計額の減少11,110千円であります。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は13,049,786千円(前年同期比5.1%増)となりました。売上高が増加した主な要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上原価は7,838,566千円(前年同期比7.0%増)、売上総利益は5,211,219千円(前年同期比2.4%増)となりました。売上原価が増加した主な要因は、売上高の増加と出版物の改訂年度の編集費用の処理により、改訂初年度50%にて計算された原価の製品を販売したためであります。また、売上総利益が増加した主な要因は、売上高が増加したためであります。
販売費及び一般管理費は4,355,774千円(前年同期比1.8%増)となりました。主な増加科目は、売上増に伴う出荷個数の増加や外部委託発送の増加などにより荷造運搬費が51,554千円増加、セグメントの出版において次期の販売促進のための出版物の無料見本の増加等により広告宣伝費が14,163千円増加、給与及び手当が44,575千円増加、建物の改修費用等の修繕費が18,755千円増加いたしました。主な減少科目は、コロナウイルス感染症の拡大による出張を控えたこと等により旅費交通費が71,821千円減少いたしました。以上の結果、営業利益は855,444千円(前年同期比5.6%増)となりました。
営業外収益は前連結会計年度の62,073千円から増加し65,739千円となりました。増加の主な要因は、雑収入の増加4,201千円によります。また、営業外費用は前連結会計年度の38,390千円から増加し40,939千円となりました。以上の結果、経常利益は880,244千円(前年同期比5.6%増)となりました。
特別損失はセグメントの出版おける連結子会社の収益性の低下等により、減損損失を354,177千円計上いたしました。法人税等合計は371,052千円(前年同期比81.1%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は151,727千円(前年同期比72.5%減)となりました。
なお、当社では、セグメントの出版では、定期的に実施される教科書改訂に伴い出版物を改訂しているために、下記のような出版物の改訂年度の編集費用の処理方法を行っております。「第5[経理の状況]2[財務諸表等](1)[財務諸表]4.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項」参照
教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用は、改訂初年度50%、2年度30%、3年度20%に按分して製品原価を計算しております。当期の小学校図書教材においては、2020年度品の出版物は改訂初年度にあたるため、教科書改訂に伴う改訂編集費用は50%にて計算しております。
上記の出版物の改訂年度の編集費用の処理により、通常は、改訂初年度50%にて計算された原価の製品を販売した決算期の売上原価が高くなり、2年度目、3年度目、4年度目と売上原価が小さくなる傾向があります。ただし、仮に改訂初年度の決算期における売上が減少し、売上を挽回するために2年度目に製品の部分改訂を実施し、編集費用が増加すると売上原価が上昇する要因となります。この2年度以降の部分改訂の編集費用は繰り延べ処理をせずに製造原価を計算しております。また、改訂初年度の前年の決算期においては、改訂する前の製品が次期(改訂初年度)に使用することができず在庫処分となり、その費用が売上原価の増加につながります。なお、通常、中学校の教科書改訂に伴う出版物の改訂は小学校の1年後に実施されます。
経営上の目標数値については、売上高経常利益率8%を目指しております。前期の売上高経常利益率は6.7%、今期は6.7%であり、目標数値を達成しておりません。
セグメントごとの経営成績に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
売上高につきましては、出版が9,288,231千円、教具が3,761,554千円となっており、売上高割合は出版が71.2%、教具が28.8%となっております。
報告セグメントに配分していない管理部門の販売管理費等の全社費用を除いたセグメント利益では、出版が1,482,349千円で売上高セグメント利益率は15.9%、教具が327,315千円で8.7%であります。両セグメントの利益率の差の主な要因は、出版は製作ロット数が多くなれば1冊当たりの原価が低くなりますが、教具は1個当たりの原価が低くならないことが挙げられます。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおり、当社グループの主力商品であるセグメントの出版の出版物は、独占禁止法の再販売価格維持制度の対象となっており、この制度が廃止された場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。営業活動による資金収支に影響を与える要因として編集費用があります。教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が発生した決算期は、改訂編集費用の支払いが多くなり、営業活動による収支が悪化する傾向にあります。
運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。決算日現在、短期借入金は100,175千円、長期借入金は40,193千円であります。
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料や加工賃、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。資金繰りの面では必要な手元資金を確保しておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、事業活動に影響が出て、突発的な資金手当てが必要となった場合には、借入金にて十分な対応が可能と判断しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用した会計方針は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項]」をご参照下さい。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、決算日現在で入手可能な情報を基に検証等を行っております。会計上の見積りにおける新型コロナウイルスの感染拡大の影響については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](重要な会計上の見積り)」をご参照下さい。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う影響により社会経済活動が制限され、景気は厳しい状況で推移いたしました。1度目の緊急事態宣言の解除後は、感染拡大の防止策を講じつつ各種活動が段階的に再開されるなかで持ち直しの動きがみられておりましたが、感染の再拡大が続き収束の見通しが立たないことから、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
教育界においては、2020年4月より新しい「小学校学習指導要領」が実施されました。この新学習指導要領では、育成を目指す資質・能力が「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱として整理され、「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善や「社会に開かれた教育課程」の実現に向けた「カリキュラム・マネジメント」の一層の推進が求められております。
このような10年先の社会を見据えた新しい教育が始まりましたが、新型コロナウイルスの感染が広がり、全国すべての小学校・中学校・高等学校の臨時休業が昨年の3月から5月末まで続きました。教育現場ではオンライン授業や教師による家庭訪問などの対応、学校再開後は時間割編成の変更、年間行事の見直し、清掃消毒作業など様々な対応に追われてまいりました。そのようななか、文部科学省は子供たちの学びを保障する観点から、1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワーク環境を整備することで、子供たち一人ひとりの資質・能力を一層確実に育成するための「GIGAスクール構想」の前倒しを進めております。
このような情勢を背景に、当社グループは主力である小学校図書教材においては、価格や付録などの厳しい競争が進むなか、基礎・基本の定着や活用する力の育成と評価を念頭に、教育現場のニーズに応えた改訂を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して438,378千円増加し、18,739,556千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して378,087千円増加し、5,312,098千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して60,291千円増加し、13,427,458千円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は71.6%で引き続き比較的高い数値を維持しております。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高13,049,786千円(前年同期比5.1%増)と、増収となりました。利益につきましては、営業利益855,444千円(前年同期比5.6%増)、経常利益880,244千円(前年同期比5.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益151,727千円(前年同期比72.5%減)となりました。
なお、当連結会計年度において、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、将来の回収可能性を検討した結果、連結子会社の収益性の低下等により、減損損失354,177千円を特別損失に計上しております。
また、2[事業等のリスク]に記載した通り、新型コロナウイルス感染症の更なる拡大や変異ウイルスの蔓延等により再び緊急事態宣言が発令され臨時休業等が実施されると、出版物や教材・教具の受注が変動し、セグメントの出版及びセグメントの教具の両セグメントの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
・出版
小学校図書教材においては、本年度より「新学習指導要領」が全面実施されましたが、コロナ禍にありながら、求められる基礎・基本の確実な定着と思考力・判断力・表現力を確認できる教材として、全国の教育現場から支持を得ることができました。
テストなどの評価教材では、基礎的な読解力などが確認できる新企画に加え、きめ細かく採点基準を提示した冊子型の教師用書、教師の採点処理業務の負担を軽減する得点集計用ソフトが教育現場から好評を得ることができました。また、本年度より新たに小学校5・6年生で英語が教科化され、教育現場のニーズに合わせたテストを開発したことなどにより、評価教材の実績伸長に寄与いたしました。
ドリル教材などの習熟教材では、基礎から発展的な内容まで児童の発達段階に合わせて学習できる企画に加え、ノート学習やスキル学習の提案が受け入れられ、実績が増加いたしました。
季刊物教材では、新型コロナウイルス感染症による夏季・冬季の休業期間の短縮の影響で夏休み・冬休み教材の実績が減少しましたが、学年末のしあげ教材では、学力の定着が確認できる企画が支持され、実績が増加いたしました。
中学校図書教材では、新学期用教材は実績が増加いたしましたが、夏季・冬季の休業期間の短縮により夏休み・冬休み教材の実績が大幅に減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は9,288,231千円(前年同期比6.5%増)、営業利益は1,482,349千円(前年同期比1.2%増)となりました。
・教具
小学校教材・教具においては、長期間の臨時休業措置がとられた影響により厳しい状況が続き、休業期間中は実績が減少いたしました。しかし、年間履修内容の遅れを夏季休業期間の短縮や土曜授業の実施などで取り戻した結果、ほぼ昨年実績まで回復いたしました。
「裁縫セット」や「画材セット」などの希望採用教材は、学校再開後徐々に受注が回復し、実績が増加いたしました。
新入学の児童が使用する「さんすうらんど」や「新1年生用品」では、新型コロナウイルス感染症対策のため、保護者説明会や販売方法が見直されたことなどにより、実績がわずかに減少いたしました。
家庭科布教材の「エプロン」では、製作手順やポイントが布にプリントされた企画が支持されたことにより、実績が増加いたしました。また、新たに短時間で製作できる「マスク」を開発し、全国の教育現場から支持を得ることができました。
中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」では、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、ミシンを使用しない手縫い教材などを積極的に啓発したことにより、実績は増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,761,554千円(前年同期比1.7%増)、営業利益は327,315千円(前年同期比39.2%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して678,856千円増加して5,054,664千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は781,903千円で、前連結会計年度と比較して326,654千円増加(前年同期の資金収支は455,248千円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、税金等調整前当期純利益が235,645千円減少、減損損失が269,916千円増加、たな卸資産の増加額が259,919千円減少、仕入債務の減少額が317,468千円増加したことによります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、経営成績の分析に記載したように2020年度の教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が、改訂初年度の50%にて製品原価を計算しているため、減少すると予想しておりましたが、評価教材のテストや習熟教材のドリル等の主力製品が好調であったことから、増加に推移いたしました。決算期ごとに営業活動によるキャッシュ・フローの推移をみていきますと、2016年3月期210,562千円、2017年3月期937,729千円、2018年3月期1,487,472千円、2019年3月期925,684千円、2020年3月期455,248千円、2021年3月期781,903千円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は31,533千円で、前連結会計年度と比較して395,016千円増加(前年同期の資金収支は△363,482千円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、定期預金の預入による支出が200,000千円減少、定期預金の払戻による収入が100,000千円増加、有価証券の償還による収入が200,000千円増加したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券(株式)の取得による支出はほとんどありませんが、社債の取得による支出と社債の償還による収入の増減により影響を受けます。また、設備投資につきましては、セグメントの出版における製品の製作は外注の印刷会社に委託いたしますので、印刷機械等の有形固定資産の取得による支出はほとんどありません。セグメントの教具における製品の製作も外注に依存しておりますが、裁縫セット、画材セット等を製作するために必要な金型の取得による支出が発生する場合があります。その他に有形固定資産の取得による支出の主な内容は本社建物等の改修費用であります。今後は、基幹システムの再構築や出版物のデジタル化に伴う費用等の無形固定資産の取得による支出を予定しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は△134,580千円で、前連結会計年度と比較して28,641千円減少(前年同期の資金収支は△105,939千円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、短期借入金の純増減額が120,000千円減少、長期借入れによる収入が40,000千円増加、配当金の支払額が51,254千円減少したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2008年3月期より配当金の支払額については、文溪堂単体の当期純利益の40%相当額を目処に年間配当金総額を決定しております。なお、利益水準にかかわらず最低年間配当金として、1株当たり7円50銭を目標としており、配当金の支払額は当期純利益により変動いたします。また、短期借入金の純増減額につきましては、文溪堂単体の借入金はほとんど発生しておりませんが、子会社の㈱学宝社において教科書改訂に伴い出版物の改訂編集費用の増加により借入金が発生する場合があります。現在のところ、財務活動による資金調達は内部資金及び金融機関からの借入金で対応できると認識しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 出版(千円) | 9,035,290 | 103.4 |
| 教具(千円) | 2,511,349 | 104.2 |
| 合計(千円) | 11,546,639 | 103.6 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 出版(千円) | 9,288,231 | 106.5 |
| 教具(千円) | 3,761,554 | 101.7 |
| 合計(千円) | 13,049,786 | 105.1 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は18,739,556千円となり、前連結会計年度末と比較して438,378千円増加しました。
流動資産の残高は11,602,484千円で、前連結会計年度末と比較して754,475千円増加しました。流動資産の主な増減は、現金及び預金の増加578,856千円、受取手形及び売掛金の増加113,733千円、セグメントの出版における小学校図書教材の全面改訂による外注加工賃の増加により仕掛品の増加138,082千円であります。
固定資産の残高は7,137,072千円で、前連結会計年度末と比較して316,097千円減少しました。固定資産の主な増減は、建物及び構築物の増加97,753千円、減損損失の計上により土地の減少350,282千円、投資有価証券の減少75,660千円であります。
流動負債の残高は4,471,917千円で、前連結会計年度末と比較して389,794千円増加しました。流動負債の主な増減は、支払手形及び買掛金の増加83,959千円、セグメントの出版における小学校図書教材の改訂編集費用の減少により電子記録債務の減少87,774千円、未払消費税等(流動負債その他)の増加157,697千円であります。
固定負債の残高は840,181千円で、前連結会計年度末と比較して11,706千円減少しました。固定負債の主な増減は、セグメントの出版の子会社において中学校図書教材の全面改訂による外注加工賃の増加により長期借入金の増加39,824千円、繰延税金負債の増加13,889千円、退職給付に係る負債の減少47,437千円であります。
純資産は13,427,458千円で、前連結会計年度末と比較して60,291千円増加しました。純資産の主な増減は、利益剰余金の減少12,862千円、その他有価証券評価差額金の増加63,784千円、退職給付に係る調整累計額の減少11,110千円であります。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は13,049,786千円(前年同期比5.1%増)となりました。売上高が増加した主な要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上原価は7,838,566千円(前年同期比7.0%増)、売上総利益は5,211,219千円(前年同期比2.4%増)となりました。売上原価が増加した主な要因は、売上高の増加と出版物の改訂年度の編集費用の処理により、改訂初年度50%にて計算された原価の製品を販売したためであります。また、売上総利益が増加した主な要因は、売上高が増加したためであります。
販売費及び一般管理費は4,355,774千円(前年同期比1.8%増)となりました。主な増加科目は、売上増に伴う出荷個数の増加や外部委託発送の増加などにより荷造運搬費が51,554千円増加、セグメントの出版において次期の販売促進のための出版物の無料見本の増加等により広告宣伝費が14,163千円増加、給与及び手当が44,575千円増加、建物の改修費用等の修繕費が18,755千円増加いたしました。主な減少科目は、コロナウイルス感染症の拡大による出張を控えたこと等により旅費交通費が71,821千円減少いたしました。以上の結果、営業利益は855,444千円(前年同期比5.6%増)となりました。
営業外収益は前連結会計年度の62,073千円から増加し65,739千円となりました。増加の主な要因は、雑収入の増加4,201千円によります。また、営業外費用は前連結会計年度の38,390千円から増加し40,939千円となりました。以上の結果、経常利益は880,244千円(前年同期比5.6%増)となりました。
特別損失はセグメントの出版おける連結子会社の収益性の低下等により、減損損失を354,177千円計上いたしました。法人税等合計は371,052千円(前年同期比81.1%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は151,727千円(前年同期比72.5%減)となりました。
なお、当社では、セグメントの出版では、定期的に実施される教科書改訂に伴い出版物を改訂しているために、下記のような出版物の改訂年度の編集費用の処理方法を行っております。「第5[経理の状況]2[財務諸表等](1)[財務諸表]4.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項」参照
教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用は、改訂初年度50%、2年度30%、3年度20%に按分して製品原価を計算しております。当期の小学校図書教材においては、2020年度品の出版物は改訂初年度にあたるため、教科書改訂に伴う改訂編集費用は50%にて計算しております。
上記の出版物の改訂年度の編集費用の処理により、通常は、改訂初年度50%にて計算された原価の製品を販売した決算期の売上原価が高くなり、2年度目、3年度目、4年度目と売上原価が小さくなる傾向があります。ただし、仮に改訂初年度の決算期における売上が減少し、売上を挽回するために2年度目に製品の部分改訂を実施し、編集費用が増加すると売上原価が上昇する要因となります。この2年度以降の部分改訂の編集費用は繰り延べ処理をせずに製造原価を計算しております。また、改訂初年度の前年の決算期においては、改訂する前の製品が次期(改訂初年度)に使用することができず在庫処分となり、その費用が売上原価の増加につながります。なお、通常、中学校の教科書改訂に伴う出版物の改訂は小学校の1年後に実施されます。
経営上の目標数値については、売上高経常利益率8%を目指しております。前期の売上高経常利益率は6.7%、今期は6.7%であり、目標数値を達成しておりません。
セグメントごとの経営成績に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
売上高につきましては、出版が9,288,231千円、教具が3,761,554千円となっており、売上高割合は出版が71.2%、教具が28.8%となっております。
報告セグメントに配分していない管理部門の販売管理費等の全社費用を除いたセグメント利益では、出版が1,482,349千円で売上高セグメント利益率は15.9%、教具が327,315千円で8.7%であります。両セグメントの利益率の差の主な要因は、出版は製作ロット数が多くなれば1冊当たりの原価が低くなりますが、教具は1個当たりの原価が低くならないことが挙げられます。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおり、当社グループの主力商品であるセグメントの出版の出版物は、独占禁止法の再販売価格維持制度の対象となっており、この制度が廃止された場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。営業活動による資金収支に影響を与える要因として編集費用があります。教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が発生した決算期は、改訂編集費用の支払いが多くなり、営業活動による収支が悪化する傾向にあります。
運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。決算日現在、短期借入金は100,175千円、長期借入金は40,193千円であります。
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料や加工賃、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。資金繰りの面では必要な手元資金を確保しておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、事業活動に影響が出て、突発的な資金手当てが必要となった場合には、借入金にて十分な対応が可能と判断しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用した会計方針は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項]」をご参照下さい。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載の通りであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、決算日現在で入手可能な情報を基に検証等を行っております。会計上の見積りにおける新型コロナウイルスの感染拡大の影響については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](重要な会計上の見積り)」をご参照下さい。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。