有価証券報告書-第67期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善をベースに緩やかな回復が続くことが期待されていたものの、拡大する新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が抑制されるなど、非常に厳しい状況が続いております。
教育界においては、新しい「小学校学習指導要領」が2020年4月より実施されます。この新学習指導要領では、育成を目指す資質・能力が「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱として整理され、「主体的・対話的で深い学び」の視点での授業改善や、「社会に開かれた教育課程」の実現に向けた「カリキュラム・マネジメント」の一層の推進が求められています。学習評価については、昨年3月に「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」が教育委員会などに通知され、各学校・教育委員会などでは、研修や研究、学習評価についての改善の検討が行われています。
また、文部科学省は、長時間勤務が問題となっている教師の処遇改善を目指し、昨年3月に「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」を教育委員会へ通知しました。このガイドラインでは、教師の時間外勤務の上限時間の目安を「月45時間、年360時間」と定め、変形労働時間制の導入や学校徴収金の徴収・管理事務の負担軽減、外部人材の活用、ICTの導入による校務の効率化など、具体的な時間縮減例が示されています。
このような情勢を背景に、当社グループは主力である小学校図書教材においては、価格や付録などの厳しい競争が進むなか、基礎・基本の定着や活用する力の育成と評価を念頭に、教育現場のニーズに応えた改訂を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して459,486千円増加し、18,301,178千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して177,851千円増加し、4,934,011千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して281,635千円増加し、13,367,167千円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は73.0%で引き続き比較的高い数値を維持しております。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高12,410,194千円(前年同期比3.6%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益809,622千円(前年同期比7.3%減)、経常利益833,305千円(前年同期比6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益553,565千円(前年同期比4.7%減)となりました。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルスの感染の拡大による影響は軽微でありましたが、2[事業等のリスク]に記載した通り、新型コロナウイルスの感染拡大の第2波の発生により、再び小学校・中学校が全国的に休校になった場合、学校で使用される出版物、教材・教具の受注が変動し、セグメントの出版及びセグメントの教具の両セグメントの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
・出版
小学校図書教材においては、教育現場の実態や動向を分析し、多様なニーズを的確に捉えたことにより、基礎・基本の確実な定着と思考力・判断力・表現力を確認できる教材が教育現場から支持を得ることができました。
テストなどの評価教材では、基礎・基本から活用までの学習内容が確実に確認できる企画や、児童が前学年までに学習した内容が確認できる企画、基礎的な読解力などが確認できる新企画が教育現場から好評を得ることができました。冊子型の教師用書では、きめ細かく採点基準を提示し、授業やつまずいた児童へのサポートに活用できるデジタル教材の企画を採用し、児童の学力の定着と向上を図っております。また、テストに付属する得点集計ソフトによる採点処理業務の負担軽減など、教師の働き方改革を支援する企画も定着し、実績が増加いたしました。
ドリル教材などの習熟教材では、基礎から発展的な内容まで児童の発達段階に合わせて学習できる企画に加え、ノート学習やスキル学習の提案を行いましたが、実績がわずかに減少いたしました。
社会科の学習教材では、児童が様々な資料や情報を活用する力を育むことをねらいとした企画が功を奏し、「社会科資料集」の実績が増加いたしました。
また、新学習指導要領が先行実施されている特別活動の教材の「楽しい学校生活」や道徳の教材の「道徳ノート」、英語の教材の「Get Active!」、「英語プリント」は、各学校が作成する年間指導計画に基づいて活用されております。
季刊物教材の「夏休み教材」、「冬休み教材」では、活用する力を育む企画や教育現場が求める企画を提案したことにより、実績が増加いたしました。
中学校図書教材では、教育現場のニーズを的確に捉えた新学期用教材の新刊などを発刊したことにより、実績が増加いたしました。また、夏休み・冬休み用の季刊物教材においても新刊を発行し、実績を維持することができました。
この結果、当セグメントの売上高は8,713,872千円(前年同期比4.9%増)、営業利益は1,463,386千円(前年同期比6.7%減)となりました。
・教具
小学校教材・教具においては、新入学の児童が使用する「さんすうらんど」や「新1年生用品」では、基礎的な知識の習得や創造力を育む企画、児童への安全性を配慮した企画が功を奏し、実績が増加いたしました。
図工教材の「彫刻刀」では、高品質のステンレス刃が受け入れられたことや、児童の嗜好に合わせたデザイン性に富んだ収納バッグを採用したことにより、実績が増加いたしました。
家庭科布教材の「エプロン」、「ナップザック」では、デザインにおける児童の嗜好の多様化や分散発注の影響もあり、実績が減少いたしました。
「書道セット」では、高品質の筆が受け入れられたことや用具を収納するバッグのデザインがニーズに合致したことにより、実績が増加いたしました。
中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」では、ラインナップの充実やデザイン・配色が生徒の嗜好に合致したことや、教師へのきめ細かいサポートが受け入れられ、実績が増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,696,322千円(前年同期比0.9%増)、営業利益は235,037千円(前年同期比22.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して14,173千円減少して4,375,807千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は455,248千円で、前連結会計年度と比較して470,435千円減少(前年同期の資金収支は925,684千円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益が109,272千円減少、たな卸資産の増加額が532,827千円増加、仕入債務の増加額が242,152千円増加、法人税等の支払額が130,467千円減少したことによります。
営業活動によるキャッシュ・フローは経営成績のところでも記載しましたが、教科書改訂が行われると出版物を改訂するために編集費用が増加します。そのために改訂編集費用の増加により、営業活動によるキャッシュ・フローが減少いたします。決算期ごとに営業活動によるキャッシュ・フローの推移をみていきますと、2015年3月期448,625千円、2016年3月期210,562千円、2017年3月期937,729千円、2018年3月期1,487,472千円、2019年3月期925,684千円、2020年3月期455,248千円となっていますが、2015年3月期は2015年度品の改訂編集費用の支払いが一部発生し、2016年3月期は2015年度品の改訂編集費用の支払いの増加により他の決算期と比べて減少しています。また、2020年3月期は2020年度品の改訂編集費用の支払いが一部発生し、2019年3月期と比較すると減少しています。過去の例から予想いたしますと、2021年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは減少すると予想しています。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は△363,482千円で、前連結会計年度と比較して39,097千円増加(前年同期の資金収支は△402,580千円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、定期預金の預入による支出が200,000千円増加、投資有価証券(社債)の取得による支出が199,959千円減少、投資有価証券(社債)の償還による収入が100,070千円増加したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券(株式)の取得による支出はほとんどありませんが、社債の取得による支出と社債の償還による収入の増減が影響を受けます。また、設備投資につきましては、セグメントの出版における製品の製作は外注の印刷会社に委託しますので、印刷機械等の有形固定資産の取得による支出はほとんどありません。セグメントの教具における製品の製作も外注に依存していますが、裁縫セット、画材セット等を製作するために必要な金型の取得による支出があります。その他に有形固定資産の取得による支出の主な内容は本社建物等の改修費用であります。今後は、基幹システムの再構築や出版物のデジタル化に伴う費用等の無形固定資産の取得による支出を予定しています。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は△105,939千円で、前連結会計年度と比較して117,912千円増加(前年同期の資金収支は△223,851千円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、短期借入金の純増減額が120,000千円増加、配当金の支払額が2,162千円増加したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2008年3月期より配当金の支払額については、文溪堂単体の当期純利益の40%相当額を目処に年間配当金総額を決定しております。なお、利益水準にかかわらず最低年間配当金として、1株当たり7円50銭を目標としており、配当金の支払額は当期純利益により変動いたします。また、短期借入金の純増減額につきましては、文溪堂単体の借入金はほとんど発生しておりませんが、子会社の㈱学宝社において教科書改訂に伴い出版物を改訂するために編集費用の増加により短期借入金が発生する場合があります。現在のところ、財務活動による資金調達は内部資金及び金融機関からの借入金で対応できると認識しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は18,301,178千円となり、前連結会計年度末と比較して459,486千円増加しました。
流動資産の残高は10,848,008千円で、前連結会計年度末と比較して653,638千円増加しました。流動資産の主な増減は、現金及び預金の増加185,826千円、受取手形及び売掛金の減少67,025千円、セグメントの出版における小学校図書教材の全面改訂による外注加工賃の増加により仕掛品の増加451,987千円であります。
固定資産の残高は7,453,170千円で、前連結会計年度末と比較して194,151千円減少しました。固定資産の主な増減は、建物及び構築物の増加28,635千円、ソフトウエアの減少30,197千円、投資有価証券(社債)の減少199,144千円であります。
流動負債の残高は4,082,123千円で、前連結会計年度末と比較して285,812千円増加しました。流動負債の主な増減は、支払手形及び買掛金の増加65,906千円、セグメントの出版における小学校図書教材の全面改訂による外注加工賃の増加により電子記録債務の増加244,528千円、セグメントの出版の子会社において短期借入金の増加108,875千円、前受金(流動負債その他)の減少102,933千円であります。
固定負債の残高は851,887千円で、前連結会計年度末と比較して107,960千円減少しました。固定負債の主な増減は、繰延税金負債の減少15,772千円、退職給付に係る負債の減少102,010千円であります。
純資産は13,367,167千円で、前連結会計年度末と比較して281,635千円増加しました。純資産の主な増減は、利益剰余金の増加337,728千円、その他有価証券評価差額金の減少78,328千円、退職給付に係る調整累計額の増加22,339千円であります。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は12,410,194千円(前年同期比3.6%増)となりました。売上高が増加した主な要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上原価は7,325,375千円(前年同期比5.3%増)、売上総利益は5,084,818千円(前年同期比1.3%増)となりました。売上原価が増加した主な要因は、売上高の増加とセグメントの出版において2020年度は出版物の改訂のため2019年度の製品が使用不可となり在庫処分額が増加したことによります。また、売上総利益が増加した主な要因は、売上高が増加したためであります。
販売費及び一般管理費は4,275,195千円(前年同期比3.1%増)となりました。主な増加科目は、売上増に伴う出荷個数の増加や外部委託発送の増加などにより荷造運搬費が80,809千円増加、セグメントの出版において次期の販売促進のための出版物の無料見本の増加等により広告宣伝費が56,164千円増加しました。主な減少科目は、給与及び手当が23,165千円、負担金(その他の経費)が17,641千円、それぞれ減少しました。以上の結果、営業利益は809,622千円(前年同期比7.3%減)となりました。
営業外収益は前連結会計年度の59,618千円から増加し62,073千円となりました。増加の主な要因は、雑収入の増加2,919千円によります。また、営業外費用は前連結会計年度の37,993千円から増加し38,390千円となりました。以上の結果、経常利益は833,305千円(前年同期比6.9%減)となりました。
特別利益は建物等の売却により固定資産売却益を13,424千円計上しました。特別損失はセグメントの出版の一部の部門の収益性の低下に伴い工具器具備品等の減損損失を84,261千円計上しました。法人税等合計は204,860千円(前年同期比28.4%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は553,565千円(前年同期比4.7%減)となりました。
なお、当社では、セグメントの出版では、定期的に実施される教科書改訂に伴い出版物を改訂しているために、下記のような出版物の改訂年度の編集費用の処理方法を行っております。「第5[経理の状況]2[財務諸表等](1)[財務諸表]4.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項」参照
2015年度の教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用は、改訂初年度50%、2年度30%、3年度20%に按分して製品原価を計算しております。当期の小学校図書教材においては、2019年度品の出版物は改訂5年目にあたるため、教科書改訂に伴う改訂編集費用の負担はありません。
なお、2020年度に小学校教科書の改訂がなされました。そのため、2020年度品の出版物は、改訂に伴う編集費用の50%にて製品原価を計算します。
上記の出版物の改訂年度の編集費用の処理により、通常は、改訂初年度50%にて計算された原価の製品を販売した決算期の売上原価が高くなり、2年度目、3年度目、4年度目と売上原価が小さくなる傾向があります。5年度目は改訂初年度に繰り延べされた編集費用はありませんが、次年度において出版物が改訂されるために5年度目の製品が次期に使用できなく在庫処分となり、その費用が売上原価の増加につながります。つまり、2015年度の教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が零で在庫処分が少なく売上原価率が低かった4年度目に該当する2019年3月期の売上総利益が増加いたしました。また、仮に改訂初年度の決算期の売上が減少し、売上を挽回するために2年度目に製品の部分改訂の編集費用が増加すると売上原価が上昇する要因となります。この2年度以降の部分改訂の編集費用は繰り延べ処理をせずに製造原価を計算しています。なお、通常、中学校の教科書改訂に伴う出版物の改訂は小学校の1年後に実施されます。
経営上の目標数値については、売上高経常利益率8%を目指しております。前期の売上高経常利益率は7.4%、今期は6.7%であり、0.7ポイント下げております。
セグメントごとの経営成績に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
売上高につきましては、出版が8,713,872千円、教具が3,696,322千円となっており、売上高割合は出版が70.2%、教具が29.8%となっております。
報告セグメントに配分していない管理部門の販売管理費等の全社費用を除いたセグメント利益では、出版が1,463,386千円で売上高セグメント利益率は16.7%、教具が235,037千円で6.3%であります。両セグメントの利益率の差の主な要因は、出版は製作ロット数が多くなれば1冊当たりの原価が低くなりますが、教具は1個当たりの原価が低くならないことがあげられます。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおり、当社グループの主力商品であるセグメントの出版の出版物は、独占禁止法の再販売価格維持制度の対象となっており、この制度が廃止された場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。営業活動による資金収支に影響を与える要因として編集費用があります。教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が発生した決算期は、改訂編集費用の支払いが多くなり、営業活動による収支が悪化する傾向にあります。
運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。決算日現在、短期借入金は110,204千円、長期借入金は369千円であります。
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料や加工賃、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。資金繰りの面では必要な手元資金を確保しておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、事業活動に影響が出て、突発的な資金手当てが必要となった場合には、借入金にて十分な対応が可能と判断しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用した会計方針は第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項]をご参照下さい。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、決算日現在で入手可能な情報を基に検証等を行っております。会計上の見積りにおける新型コロナウイルスの感染拡大の影響については、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](追加情報)をご参照下さい。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善をベースに緩やかな回復が続くことが期待されていたものの、拡大する新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が抑制されるなど、非常に厳しい状況が続いております。
教育界においては、新しい「小学校学習指導要領」が2020年4月より実施されます。この新学習指導要領では、育成を目指す資質・能力が「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱として整理され、「主体的・対話的で深い学び」の視点での授業改善や、「社会に開かれた教育課程」の実現に向けた「カリキュラム・マネジメント」の一層の推進が求められています。学習評価については、昨年3月に「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について」が教育委員会などに通知され、各学校・教育委員会などでは、研修や研究、学習評価についての改善の検討が行われています。
また、文部科学省は、長時間勤務が問題となっている教師の処遇改善を目指し、昨年3月に「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」を教育委員会へ通知しました。このガイドラインでは、教師の時間外勤務の上限時間の目安を「月45時間、年360時間」と定め、変形労働時間制の導入や学校徴収金の徴収・管理事務の負担軽減、外部人材の活用、ICTの導入による校務の効率化など、具体的な時間縮減例が示されています。
このような情勢を背景に、当社グループは主力である小学校図書教材においては、価格や付録などの厳しい競争が進むなか、基礎・基本の定着や活用する力の育成と評価を念頭に、教育現場のニーズに応えた改訂を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して459,486千円増加し、18,301,178千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して177,851千円増加し、4,934,011千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して281,635千円増加し、13,367,167千円となりました。当連結会計年度末の自己資本比率は73.0%で引き続き比較的高い数値を維持しております。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高12,410,194千円(前年同期比3.6%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益809,622千円(前年同期比7.3%減)、経常利益833,305千円(前年同期比6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益553,565千円(前年同期比4.7%減)となりました。
なお、当連結会計年度において、新型コロナウイルスの感染の拡大による影響は軽微でありましたが、2[事業等のリスク]に記載した通り、新型コロナウイルスの感染拡大の第2波の発生により、再び小学校・中学校が全国的に休校になった場合、学校で使用される出版物、教材・教具の受注が変動し、セグメントの出版及びセグメントの教具の両セグメントの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
・出版
小学校図書教材においては、教育現場の実態や動向を分析し、多様なニーズを的確に捉えたことにより、基礎・基本の確実な定着と思考力・判断力・表現力を確認できる教材が教育現場から支持を得ることができました。
テストなどの評価教材では、基礎・基本から活用までの学習内容が確実に確認できる企画や、児童が前学年までに学習した内容が確認できる企画、基礎的な読解力などが確認できる新企画が教育現場から好評を得ることができました。冊子型の教師用書では、きめ細かく採点基準を提示し、授業やつまずいた児童へのサポートに活用できるデジタル教材の企画を採用し、児童の学力の定着と向上を図っております。また、テストに付属する得点集計ソフトによる採点処理業務の負担軽減など、教師の働き方改革を支援する企画も定着し、実績が増加いたしました。
ドリル教材などの習熟教材では、基礎から発展的な内容まで児童の発達段階に合わせて学習できる企画に加え、ノート学習やスキル学習の提案を行いましたが、実績がわずかに減少いたしました。
社会科の学習教材では、児童が様々な資料や情報を活用する力を育むことをねらいとした企画が功を奏し、「社会科資料集」の実績が増加いたしました。
また、新学習指導要領が先行実施されている特別活動の教材の「楽しい学校生活」や道徳の教材の「道徳ノート」、英語の教材の「Get Active!」、「英語プリント」は、各学校が作成する年間指導計画に基づいて活用されております。
季刊物教材の「夏休み教材」、「冬休み教材」では、活用する力を育む企画や教育現場が求める企画を提案したことにより、実績が増加いたしました。
中学校図書教材では、教育現場のニーズを的確に捉えた新学期用教材の新刊などを発刊したことにより、実績が増加いたしました。また、夏休み・冬休み用の季刊物教材においても新刊を発行し、実績を維持することができました。
この結果、当セグメントの売上高は8,713,872千円(前年同期比4.9%増)、営業利益は1,463,386千円(前年同期比6.7%減)となりました。
・教具
小学校教材・教具においては、新入学の児童が使用する「さんすうらんど」や「新1年生用品」では、基礎的な知識の習得や創造力を育む企画、児童への安全性を配慮した企画が功を奏し、実績が増加いたしました。
図工教材の「彫刻刀」では、高品質のステンレス刃が受け入れられたことや、児童の嗜好に合わせたデザイン性に富んだ収納バッグを採用したことにより、実績が増加いたしました。
家庭科布教材の「エプロン」、「ナップザック」では、デザインにおける児童の嗜好の多様化や分散発注の影響もあり、実績が減少いたしました。
「書道セット」では、高品質の筆が受け入れられたことや用具を収納するバッグのデザインがニーズに合致したことにより、実績が増加いたしました。
中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」では、ラインナップの充実やデザイン・配色が生徒の嗜好に合致したことや、教師へのきめ細かいサポートが受け入れられ、実績が増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,696,322千円(前年同期比0.9%増)、営業利益は235,037千円(前年同期比22.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して14,173千円減少して4,375,807千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は455,248千円で、前連結会計年度と比較して470,435千円減少(前年同期の資金収支は925,684千円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益が109,272千円減少、たな卸資産の増加額が532,827千円増加、仕入債務の増加額が242,152千円増加、法人税等の支払額が130,467千円減少したことによります。
営業活動によるキャッシュ・フローは経営成績のところでも記載しましたが、教科書改訂が行われると出版物を改訂するために編集費用が増加します。そのために改訂編集費用の増加により、営業活動によるキャッシュ・フローが減少いたします。決算期ごとに営業活動によるキャッシュ・フローの推移をみていきますと、2015年3月期448,625千円、2016年3月期210,562千円、2017年3月期937,729千円、2018年3月期1,487,472千円、2019年3月期925,684千円、2020年3月期455,248千円となっていますが、2015年3月期は2015年度品の改訂編集費用の支払いが一部発生し、2016年3月期は2015年度品の改訂編集費用の支払いの増加により他の決算期と比べて減少しています。また、2020年3月期は2020年度品の改訂編集費用の支払いが一部発生し、2019年3月期と比較すると減少しています。過去の例から予想いたしますと、2021年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは減少すると予想しています。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は△363,482千円で、前連結会計年度と比較して39,097千円増加(前年同期の資金収支は△402,580千円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、定期預金の預入による支出が200,000千円増加、投資有価証券(社債)の取得による支出が199,959千円減少、投資有価証券(社債)の償還による収入が100,070千円増加したことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券(株式)の取得による支出はほとんどありませんが、社債の取得による支出と社債の償還による収入の増減が影響を受けます。また、設備投資につきましては、セグメントの出版における製品の製作は外注の印刷会社に委託しますので、印刷機械等の有形固定資産の取得による支出はほとんどありません。セグメントの教具における製品の製作も外注に依存していますが、裁縫セット、画材セット等を製作するために必要な金型の取得による支出があります。その他に有形固定資産の取得による支出の主な内容は本社建物等の改修費用であります。今後は、基幹システムの再構築や出版物のデジタル化に伴う費用等の無形固定資産の取得による支出を予定しています。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は△105,939千円で、前連結会計年度と比較して117,912千円増加(前年同期の資金収支は△223,851千円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、短期借入金の純増減額が120,000千円増加、配当金の支払額が2,162千円増加したことによります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、2008年3月期より配当金の支払額については、文溪堂単体の当期純利益の40%相当額を目処に年間配当金総額を決定しております。なお、利益水準にかかわらず最低年間配当金として、1株当たり7円50銭を目標としており、配当金の支払額は当期純利益により変動いたします。また、短期借入金の純増減額につきましては、文溪堂単体の借入金はほとんど発生しておりませんが、子会社の㈱学宝社において教科書改訂に伴い出版物を改訂するために編集費用の増加により短期借入金が発生する場合があります。現在のところ、財務活動による資金調達は内部資金及び金融機関からの借入金で対応できると認識しております。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 出版(千円) | 8,731,228 | 106.9 |
| 教具(千円) | 2,408,991 | 101.3 |
| 合計(千円) | 11,140,219 | 105.6 |
(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 出版(千円) | 8,713,872 | 104.9 |
| 教具(千円) | 3,696,322 | 100.9 |
| 合計(千円) | 12,410,194 | 103.6 |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は18,301,178千円となり、前連結会計年度末と比較して459,486千円増加しました。
流動資産の残高は10,848,008千円で、前連結会計年度末と比較して653,638千円増加しました。流動資産の主な増減は、現金及び預金の増加185,826千円、受取手形及び売掛金の減少67,025千円、セグメントの出版における小学校図書教材の全面改訂による外注加工賃の増加により仕掛品の増加451,987千円であります。
固定資産の残高は7,453,170千円で、前連結会計年度末と比較して194,151千円減少しました。固定資産の主な増減は、建物及び構築物の増加28,635千円、ソフトウエアの減少30,197千円、投資有価証券(社債)の減少199,144千円であります。
流動負債の残高は4,082,123千円で、前連結会計年度末と比較して285,812千円増加しました。流動負債の主な増減は、支払手形及び買掛金の増加65,906千円、セグメントの出版における小学校図書教材の全面改訂による外注加工賃の増加により電子記録債務の増加244,528千円、セグメントの出版の子会社において短期借入金の増加108,875千円、前受金(流動負債その他)の減少102,933千円であります。
固定負債の残高は851,887千円で、前連結会計年度末と比較して107,960千円減少しました。固定負債の主な増減は、繰延税金負債の減少15,772千円、退職給付に係る負債の減少102,010千円であります。
純資産は13,367,167千円で、前連結会計年度末と比較して281,635千円増加しました。純資産の主な増減は、利益剰余金の増加337,728千円、その他有価証券評価差額金の減少78,328千円、退職給付に係る調整累計額の増加22,339千円であります。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は12,410,194千円(前年同期比3.6%増)となりました。売上高が増加した主な要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上原価は7,325,375千円(前年同期比5.3%増)、売上総利益は5,084,818千円(前年同期比1.3%増)となりました。売上原価が増加した主な要因は、売上高の増加とセグメントの出版において2020年度は出版物の改訂のため2019年度の製品が使用不可となり在庫処分額が増加したことによります。また、売上総利益が増加した主な要因は、売上高が増加したためであります。
販売費及び一般管理費は4,275,195千円(前年同期比3.1%増)となりました。主な増加科目は、売上増に伴う出荷個数の増加や外部委託発送の増加などにより荷造運搬費が80,809千円増加、セグメントの出版において次期の販売促進のための出版物の無料見本の増加等により広告宣伝費が56,164千円増加しました。主な減少科目は、給与及び手当が23,165千円、負担金(その他の経費)が17,641千円、それぞれ減少しました。以上の結果、営業利益は809,622千円(前年同期比7.3%減)となりました。
営業外収益は前連結会計年度の59,618千円から増加し62,073千円となりました。増加の主な要因は、雑収入の増加2,919千円によります。また、営業外費用は前連結会計年度の37,993千円から増加し38,390千円となりました。以上の結果、経常利益は833,305千円(前年同期比6.9%減)となりました。
特別利益は建物等の売却により固定資産売却益を13,424千円計上しました。特別損失はセグメントの出版の一部の部門の収益性の低下に伴い工具器具備品等の減損損失を84,261千円計上しました。法人税等合計は204,860千円(前年同期比28.4%減)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は553,565千円(前年同期比4.7%減)となりました。
なお、当社では、セグメントの出版では、定期的に実施される教科書改訂に伴い出版物を改訂しているために、下記のような出版物の改訂年度の編集費用の処理方法を行っております。「第5[経理の状況]2[財務諸表等](1)[財務諸表]4.その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項」参照
2015年度の教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用は、改訂初年度50%、2年度30%、3年度20%に按分して製品原価を計算しております。当期の小学校図書教材においては、2019年度品の出版物は改訂5年目にあたるため、教科書改訂に伴う改訂編集費用の負担はありません。
なお、2020年度に小学校教科書の改訂がなされました。そのため、2020年度品の出版物は、改訂に伴う編集費用の50%にて製品原価を計算します。
上記の出版物の改訂年度の編集費用の処理により、通常は、改訂初年度50%にて計算された原価の製品を販売した決算期の売上原価が高くなり、2年度目、3年度目、4年度目と売上原価が小さくなる傾向があります。5年度目は改訂初年度に繰り延べされた編集費用はありませんが、次年度において出版物が改訂されるために5年度目の製品が次期に使用できなく在庫処分となり、その費用が売上原価の増加につながります。つまり、2015年度の教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が零で在庫処分が少なく売上原価率が低かった4年度目に該当する2019年3月期の売上総利益が増加いたしました。また、仮に改訂初年度の決算期の売上が減少し、売上を挽回するために2年度目に製品の部分改訂の編集費用が増加すると売上原価が上昇する要因となります。この2年度以降の部分改訂の編集費用は繰り延べ処理をせずに製造原価を計算しています。なお、通常、中学校の教科書改訂に伴う出版物の改訂は小学校の1年後に実施されます。
経営上の目標数値については、売上高経常利益率8%を目指しております。前期の売上高経常利益率は7.4%、今期は6.7%であり、0.7ポイント下げております。
セグメントごとの経営成績に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
売上高につきましては、出版が8,713,872千円、教具が3,696,322千円となっており、売上高割合は出版が70.2%、教具が29.8%となっております。
報告セグメントに配分していない管理部門の販売管理費等の全社費用を除いたセグメント利益では、出版が1,463,386千円で売上高セグメント利益率は16.7%、教具が235,037千円で6.3%であります。両セグメントの利益率の差の主な要因は、出版は製作ロット数が多くなれば1冊当たりの原価が低くなりますが、教具は1個当たりの原価が低くならないことがあげられます。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおり、当社グループの主力商品であるセグメントの出版の出版物は、独占禁止法の再販売価格維持制度の対象となっており、この制度が廃止された場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。営業活動による資金収支に影響を与える要因として編集費用があります。教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が発生した決算期は、改訂編集費用の支払いが多くなり、営業活動による収支が悪化する傾向にあります。
運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。決算日現在、短期借入金は110,204千円、長期借入金は369千円であります。
当社グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料や加工賃、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。資金繰りの面では必要な手元資金を確保しておりますが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、事業活動に影響が出て、突発的な資金手当てが必要となった場合には、借入金にて十分な対応が可能と判断しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用した会計方針は第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項]をご参照下さい。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、決算日現在で入手可能な情報を基に検証等を行っております。会計上の見積りにおける新型コロナウイルスの感染拡大の影響については、第5[経理の状況]1[連結財務諸表等][注記事項](追加情報)をご参照下さい。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。