有価証券報告書-第66期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 14:40
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142項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に、全体としては緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、相次ぐ自然災害や米中の貿易摩擦などの影響により、先行きは不透明な状況が続いております。
教育界においては、文部科学省から一昨年3月に告示された次期の「小学校及び中学校学習指導要領」では、育成を目指す資質・能力を「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力・人間性等」の3つの柱として整理するとともに、「主体的・対話的で深い学び」の視点から授業改善を求めています。さらに、「社会に開かれた教育課程」の実現に向けて「カリキュラム・マネジメント」の一層の確立が求められています。また、各学校・教育委員会などでは、小学校では2020年度、中学校では2021年度からの新学習指導要領の全面実施に向けて、研修や研究が活発に行われています。
一方、文部科学省は、長時間勤務が問題となっている教師の処遇改善を目指し、本年3月に「学校における働き方改革に関する取組の徹底について」を各教育委員会へ通知しました。策定したガイドラインでは、教師の時間外勤務の上限の目安時間を「月45時間、年360時間」と定めています。この通知では、変形労働時間制の導入や児童生徒の登下校時刻の見直し、学校徴収金の徴収・管理事務の負担軽減、外部人材の活用、ICTの導入による校務の効率化など、具体的な時間縮減例が示されています。
このような情勢を背景に、当社グループは主力である小学校図書教材においては、価格や付録などの厳しい競争が進むなか、基礎・基本の定着や活用する力の育成と評価を念頭に、教育現場のニーズに応えた改訂を行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して358,702千円増加し、17,841,691千円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末と比較して8,892千円減少し、4,756,159千円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末と比較して367,594千円増加し、13,085,532千円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高11,969,474千円(前年同期比2.0%増)と、増収となりました。また、利益につきましては、営業利益874,162千円(前年同期比16.2%増)、経常利益895,787千円(前年同期比15.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益581,410千円(前年同期比14.7%増)となりました。
セグメントの経営成績は、次のとおりであります。
・出版
小学校では、基礎的・基本的な知識や技能の定着はもとより、習得した知識や技能を日常の課題解決のなかで活用できる力を育てる授業が進められています。
また、教育現場では、「全国学力・学習状況調査」の分析結果に基づき、様々な施策が講じられています。
そのような状況のなか、小学校図書教材においては、教育現場の実態や動向を分析し、多様なニーズを的確に捉えたことにより、基礎・基本の確実な定着と思考力・判断力・表現力を確認できる教材が教育現場から支持を得ることができました。
テストなどの評価教材では、基礎・基本から活用までの学習内容が確実に確認できる企画や冊子型の教師用書を採用したことにより、教師の採点業務に関わる利便性をさらに向上させました。また、テスト付属の校務支援システムによるテスト実施後の採点処理業務の負担軽減や児童へのサポートなど、学校や教師の働き方改革を支援する提案が受け入れられ、実績が増加いたしました。
ドリルなどの習熟教材では、基礎的な学習内容が着実に定着する企画やノート学習などの提案を行ってまいりましたが、発注の分散化の影響もあり、実績が減少いたしました。
季刊物教材の「夏休み用学習教材」、「冬休み用学習教材」では、活用する力を育む企画を提案したことなどが受け入れられ、実績が増加いたしました。
また、新学習指導要領の実施に伴う教育現場のニーズに応えるため、特別活動用教材の「楽しい学校生活」や英語教材の「Get Active!」、道徳教材の「道徳ノート」を新刊として発行いたしました。
中学校図書教材では、教育現場のニーズを的確に捉えたことにより「数学ワークブック」、「漢字練習帳」、「入試関連教材」の受注が増加し、新刊の「中学3年間の総まとめ教材」を発行したことにより、実績が増加いたしました。一方で、季刊物教材については、他社との競合や発注の分散化の影響もあり、実績が減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は8,306,677千円(前年同期比4.0%増)、営業利益は1,570,017千円(前年同期比10.8%増)となりました。
・教具
小学校教材・教具においては、「裁縫セット」や「彫刻刀」では、新企画商品を提案いたしましたが、発注の分散化の影響もあり、実績が減少いたしました。
「書道セット」では、高品質の筆が受け入れられたことや用具を収納するバッグのデザインに工夫を凝らしたことにより、実績が増加いたしました。
中学校・高等学校向けの家庭科教材ブランド「クロッサム」では、新企画を採用し商品ラインナップの充実を図ったことやデザインが教育現場のニーズと合致したことにより、実績が増加いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は3,662,797千円(前年同期比2.2%減)、営業利益は192,442千円(前年同期比5.9%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して299,252千円増加して4,389,981千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金収支は925,684千円で、前連結会計年度と比較して561,788千円減少(前年同期の資金収支は1,487,472千円)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローが減少した主な要因は、税金等調整前当期純利益が89,897千円増加、売上債権の増加額が311,207千円増加、たな卸資産の減少額が231,675千円減少、法人税等の支払額が151,469千円増加したことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金収支は△402,580千円で、前連結会計年度と比較して7,544千円増加(前年同期の資金収支は△410,124千円)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、定期預金の預入による支出が200,000千円減少、有価証券の償還による収入が682,284千円減少、投資有価証券の取得による支出が527,482千円減少したことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金収支は△223,851千円で、前連結会計年度と比較して30,248千円増加(前年同期の資金収支は△254,100千円)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローが増加した主な要因は、短期借入金の返済による支出が75,000千円減少、配当金の支払額が44,621千円増加したことによります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
出版(千円)8,163,26097.3
教具(千円)2,377,104101.1
合計(千円)10,540,36498.1

(注)1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
出版(千円)8,306,677104.0
教具(千円)3,662,79797.7
合計(千円)11,969,474102.0

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用した会計方針は第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項]をご参照下さい。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は17,841,691千円となり、前連結会計年度末と比較して358,702千円増加しました。
流動資産の残高は10,194,369千円で、前連結会計年度末と比較して443,450千円増加しました。流動資産の主な増減は、現金及び預金の増加299,252千円、有価証券の増加200,250千円、商品及び製品の減少110,872千円、仕掛品の増加32,461千円、原材料の増加34,639千円であります。
固定資産の残高は7,647,321千円で、前連結会計年度末と比較して84,748千円減少しました。固定資産の主な増減は、ソフトウエアの減少15,604千円、投資有価証券の減少63,571千円であります。
当連結会計年度末の負債合計は4,756,159千円となり、前連結会計年度末と比較して8,892千円減少しました。流動負債の残高は3,796,310千円で、前連結会計年度末と比較して15,914千円減少しました。流動負債の主な増減は、支払手形及び買掛金の減少12,052千円、電子記録債務の増加91,385千円、未払法人税等の減少102,610千円、未払費用(流動負債その他)の増加86,665千円、前受金(流動負債その他)の減少59,333千円であります。
固定負債の残高は959,848千円で、前連結会計年度末と比較して7,022千円増加しました。固定負債の主な増減は、繰延税金負債の増加46,777千円、役員退職慰労引当金の増加17,762千円、退職給付に係る負債の減少57,384千円であります。
当連結会計年度末の純資産合計は13,085,532千円となり、前連結会計年度末と比較して367,594千円増加しました。純資産の主な増減は、利益剰余金の増加368,074千円、その他有価証券評価差額金の減少28,805千円、退職給付に係る調整累計額の増加28,504千円であります。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は11,969,474千円(前年同期比2.0%増)となりました。売上高が増加した主な要因は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
売上原価は6,950,592千円(前年同期比0.1%減)、売上総利益は5,018,882千円(前年同期比5.2%増)となりました。売上総利益が増加した主な要因は、売上高の増加と、教科書改訂に伴う改訂編集費用の負担割合が、前期は20%でありましたが、当期は負担がないためであります。
販売費及び一般管理費は4,144,720千円(前年同期比3.2%増)となりました。主な増加科目は、売上高の増加や運賃の値上げにより荷造運搬費が48,747千円増加、給与及び手当が60,384千円増加しました。主な減少科目は、役員報酬が10,083千円、修繕費(その他の経費)が9,022千円、旅費交通費(その他の経費)が6,008千円それぞれ減少しました。以上の結果、営業利益は874,162千円(前年同期比16.2%増)となりました。
営業外収益は前連結会計年度の64,773千円から減少し59,618千円となりました。減少の主な要因は、貸倒引当金戻入額(雑収入)の減少3,107千円によります。また、営業外費用は前連結会計年度の39,146千円から減少し37,993千円となりました。以上の結果、経常利益は895,787千円(前年同期比15.1%増)となりました。
特別損失は政策保有株式の一部に評価損が発生し、投資有価証券評価損を26,878千円計上しました。法人税等合計は286,287千円(前年同期比5.6%増)となりました。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は581,410千円(前年同期比14.7%増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因としては、第2[事業の状況]2[事業等のリスク]に記載のとおり、当社グループの主力商品である出版物は、独占禁止法の再販売価格維持制度の対象となっており、この制度が廃止された場合、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。営業活動による資金収支に影響を与える要因として編集費用があります。教科書改訂に伴う出版物の改訂編集費用が発生した決算期は、改訂編集費用の支払いが多くなり、営業活動による収支が悪化する傾向にあります。
運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。2019年3月31日現在、短期借入金は1,328千円、長期借入金は573千円と少額であり、内部資金で運用をしているのが現状であります。
経営上の目標数値については、経常利益率8%を目指しております。前期の経常利益率は6.6%、今期の経常利益率は7.4%であり、0.8ポイント好転いたしました。
セグメントごとの経営成績に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
売上高につきましては、出版が8,306,677千円、教具が3,662,797千円となっており、売上高割合は出版が69.4%、教具が30.6%となっております。
報告セグメントに配分していない管理部門の販売管理費等の全社費用を除いたセグメント利益では、出版が1,570,017千円で売上高セグメント利益率は18.9%、教具が192,442千円で5.2%であります。両セグメントの利益率の差の主な要因は、出版は製作ロット数が多くなれば1冊当たりの原価が低くなりますが、教具は1個当たりの原価が低くならないことがあげられます。

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