有価証券報告書-第61期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 14:16
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国の経済は、第3四半期までにおいては、消費税率引き上げに加えて台風など自然災害の影響もあり個人消費は一時的な減速がみられたものの雇用・所得環境の着実な改善を背景に緩やかな増加傾向が継続しておりましたが、この冬、いわゆる新型コロナウイルス感染症が瞬く間にパンデミック(世界的大流行)を引き起こすまでに拡散すると、国内においては感染爆発による医療体制の崩壊を回避すべく、特定の事業者において営業活動の自粛、一般企業にはテレワーク推進、そして全国民に向けて不要不急の外出の自粛が求められることとなり、その結果、経済全体に甚大な影響を及ぼす事態が予測されております。
このような状況において、当社グループにおきましては、引き続きデータベース制作部門の子会社集中による効率化と市販出版物における返品の抑制施策に注力しつつ、出版不況に加えてスマホアプリの普及により拡大する情報無料化の影響で収益が継続的に減少する事態に歯止めをかけるべく、地図・旅行情報に合わせて提供する付加価値戦略に基づく製品・サービスの投入を行ってまいりました。
具体的には5月に当社グループ旅ナカ事業戦略の先端に位置付けられる現地子会社GUAM OCEAN PARK CORPORATIONが運営するマリンアクティビティ施設『グアムオーシャンパーク』をグランドオープン、6月には旅マエ事業の新製品として、大人世代へ向けて、旅の楽しさを再発見できる旅行ガイドブックの新シリーズ『Re(アール・イー)』を創刊、「北海道」「東北」「東京」「北陸 金沢」「京都」「沖縄」の6エリアを、全国の主要な書店にて発売いたしました。また、旅ナカ事業のさらなる充実を図るため、7月には海外旅行客にも人気のある沖縄諸島でのツアー全般について主催会社として事業を行っている(株)セルリアンブルーの第三者割当増資を引き受け同社の株式を取得し、8月に上記GUAM OCEAN PARK CORPORATIONが、グアムにてフライボードやジェットスキー、バナナボートなどの現地マリンアクティビティに強みを持つAPRA DIVE & MARINE SPORTS, INC.の全事業を譲り受け、加えてグアムで現在一番人気であるパラセーリングについても当社として自社催行事業に取り入れるべく、11月にSUNNY SIDE UP GUAM INC.の全株式を取得し、同社を買収いたしました。
なお、人びとのより安心な暮らしをサポートすべく、認知症や迷子の方、ならびに遺失物等の早期発見支援サービスとして提供している『おかえりQR』は、7月に日本郵便(株)東京支社のご協力を得て東京都全域において、9月には同南関東支社、10月には同関東支社のご協力を得て、首都圏全域において対面販売を開始いたしております。また、2020年3月には、長年のファンに向け二つのロングセラーシリーズ『ツーリングマップル』及び『山と高原地図』をリリースいたしました。
新型コロナウイルス感染症に対応すべく、政府より緊急事態宣言が発出された以後につきましては、働き方改革や業務効率化に向けた環境整備の一環として進めてきたテレワークをこれまで以上の規模で推進し、また、ロングセラー『山と高原地図』のスマホアプリを緊急事態宣言に基づく外出自粛期間に合わせて無償で提供するなど、政府の方針に沿った新たな取り組みも実施しております。
当連結会計年度における業績は、電子売上においては、引き続き無料ナビアプリの影響で当社PND(簡易型カーナビゲーション)組み込みアプリの売上が減少したことに加えてインバウンド事業で前年に大型入札案件の受注売上があった反動減もあり、売上高は2,024百万円となり、前連結会計年度に比べて245百万円減少いたしました。また、市販出版物では、業績悪化の要因となっている返品を抑制すべく当期も継続して市場在庫管理に注力したことにより、返品額は前連会計年度に比べて773百万円減少いたしました。しかし、長引く出版不況や拡大するスマホアプリの影響に加え、通過した地域に大きな被害をもたらした台風15号、19号の影響、今年に入ってからは特に2月以降に新型コロナウイルス感染症の影響による国内及び海外旅行需要の急激な低下やそれに伴う新刊出版物の先送りの影響も出て地図、実用書、雑誌、ガイドブックいずれのジャンルにおいても売上が前年に届かず、市販出版物全体の売上高としては、前連結会計年度に比べて514百万円減少し、4,478百万円となりました。また広告収入においては、市況の変化等の影響で前年に届かず、特別注文品においては、今年度は特に利益を重視するということで、利益が見込めない可能性のある案件はあえて見送る場合もあり、売上高は前連結会計年度に比べて減少いたしました。一方で、手数料収入は、前年6月に連結子会社となった(株)Kuquluの収益が加算されたこと、及び「グルヤク」「旅ナカ」関連サービスの拡大により前連結会計年度に比べて増加いたしました。なお、当連結会計年度より上記マリンアクティビティ施設『グアムオーシャンパーク』のグランドオープンに伴い新たに施設収入が加算されております。この結果、売上高合計は前連結会計年度に比べて712百万円(8.1%)減少し8,057百万円となりました。
損益面におきましては、売上原価において、グループ内製化の推進により外注費が減少、加えて前連結会計年度に実施した希望退職者の募集に応じた社員の減員に伴い労務費も減少したために、返品調整引当金繰入差額の負担は増加したものの、売上の減少分を超えて減少することとなり、その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて増加いたしました。販売費及び一般管理費においては、売上原価における労務費と同様に社員の減員に伴い人件費が大幅に減少、貸倒引当金繰入額、旅費交通費、業務委託費等においても減少した結果、前連結会計年度に比べて減少いたしました。これにより営業損失は68百万円と前連結会計年度に比べて587百万円改善いたしました。(前連結会計年度は、営業損失655百万円)。これに伴い経常利益は605百万円改善し、15百万円となりました(前連結会計年度は、経常損失590百万円)。また、当社が保有していた横浜営業所の土地及び建物を外部企業に譲渡し固定資産売却益161百万円を特別利益として計上いたしました。さらに特別損失においては、前連結会計年度に計上した減損損失751百万円及び特別退職金413百万円に規模において相当するような費用が当連結会計年度では発生しなかったことから、前連結会計年度に比べて1,200百万円改善しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて1,945百万円改善し、129百万円となりました(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失1,815百万円)。
b.財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、18,817百万円となり、前連結会計年度末に比べ877百万円(4.5%)減少いたしました。この主な要因は、仕掛品が177百万円、販売用不動産が208百万円、のれんが74百万円、無形固定資産その他が252百万円それぞれ増加し、投資その他の資産の貸倒引当金が46百万円減少した一方で、現金及び預金が876百万円、受取手形及び売掛金が249百万円、商品及び製品が40百万円、建物及び構築物が153百万円、土地が126百万円、投資有価証券が154百万円減少したことであります。負債合計は、3,605百万円となり、前連結会計年度末に比べ803百万円(18.2%)減少いたしました。この主な要因は、支払手形及び買掛金が117百万円、未払費用が535百万円、流動負債その他が42百万円、繰延税金負債が65百万円減少したことであります。純資産においては、前連結会計年度末に比べその他有価証券評価差額金が123百万円、退職給付に係る調整累計額が53百万円、新株予約権が25百万円減少し、また、下記記載の通り資本剰余金から1,790百万円を利益剰余金に振り替えたことで、資本剰余金が同額減少し、利益剰余金は、それに加えて親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことで1,920百万円増加しております。これにより純資産合計は73百万円(0.5%)減少し、15,212百万円となりました。なお、2019年6月27日開催の定時株主総会において決議いたしましたとおり、資本準備金の額のうち1,790百万円を減少し、その全額をその他資本剰余金に振り替えた後、さらにその他資本剰余金から同額を繰越利益剰余金に振り替えることで、同額分の欠損填補を行っております。
この結果、自己資本比率は80.8%と3.3ポイント改善しております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローにおいて540百万円の資金を使用、投資活動によるキャッシュ・フローにおいて332百万円の資金を使用、財務活動によるキャッシュ・フローにおいて0百万円の資金を使用した結果、現金及び現金同等物の増減額が875百万円減少となり、その期末残高は4,970百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は540百万円となり、前連結会計年度に比べ48百万円減少しました。
これは主に、前連結会計年度における税金等調整前当期純損失1,771百万円が当連結会計年度において税金等調整前当期純利益166百万円となり1,937百万円増加したことに対して、前連結会計年度において減損損失751百万円、特別退職金413百万円がそれぞれあったこと、たな卸資産の増減額が137百万円の増加となり404百万円増加したこと、特別退職金の支払額413百万円があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は332百万円となり、9百万円増加しました。
これは主に、有形固定資産の売却による収入が191百万円増加したこと、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が135百万円減少したことに対して、有形固定資産の取得による支出110百万円、無形固定資産の取得による支出89百万円がそれぞれ増加したこと、前連結会計年度において投資有価証券の清算による収入80百万円があったこと、当連結会計年度において事業譲受による支出81百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は0百万円となり、前連結会計年度に比べ363百万円減少しました。
これは主に、配当金の支払額が363百万円減少したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。
区分当連結会計年度(千円)
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
市販出版物
地図2,102,446△5.5
雑誌4,123,379△8.5
ガイドブック677,763△37.2
実用書243,332△0.8
小計7,146,921△11.3
特別注文品495,611△16.6
電子売上2,037,777167.2
合計9,680,3102.8

(注)1.金額は販売価格によって記載しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループでは、民間企業や官公庁などに販売する特別注文品と電子売上の一部を受注生産しております。当連結会計年度の受注実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。
区分受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
特別注文品495,611△16.613,925△51.3
電子売上1,997,370△10.4112,147△19.3

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を区分ごとに示すと、次のとおりであります。
区分当連結会計年度(千円)
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
市販出版物
地図1,493,689△0.5
雑誌2,339,829△12.0
ガイドブック513,418△24.2
実用書131,611△15.9
小計4,478,549△10.3
特別注文品510,294△18.0
広告収入620,301△8.3
電子売上2,024,172△10.8
手数料収入285,45436.2
施設収入138,826-
合計8,057,599△8.1

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当連結会計年度より施設収入を追加しております。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
日本出版販売株式会社2,452,85628.02,213,00627.5
株式会社トーハン1,824,84420.81,742,78421.6

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては「第5 経理の状況」の冒頭に記載のとおり、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しております。
重要な会計方針に関する事項につきましては「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりでありますが、特に次の会計方針に関する事項が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすものと考えます。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に見積りを行っております。
(貸倒引当金)
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、回収不能見込額を計上しておりますが、取引先の財務状況の悪化等により支払能力が低下した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
(返品調整引当金)
当社グループは、製品の返品による損失に備えるため、返品見込額の売買利益相当額及び廃棄損相当額を計上しておりますが、通常の返品率を超える返品が発生した場合は、追加引当が必要となる可能性があります。
(退職給付費用および債務)
退職給付費用および退職給付債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。
実際の結果と前提条件との間に差異が生じた場合、または前提条件が変更された場合、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼす可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)を適用しております。
将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は「(1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性につきましては、当社グループの運転資金需要のうち主なものは製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要で主なものは、データベースやソフトウェア等の固定資産取得及び当社事業戦略に沿った提携先や当社事業との相乗効果が見込まれる事業会社への出資または取得(M&A)によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は内部資金及び銀行等金融機関からの借入や社債発行を基本としております。
なお当連結会計年度末における有利子負債の残高は770百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,970百万円となっております。

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