有価証券報告書-第55期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 9:20
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151項目
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の継続的な改善に伴う個人消費の増大及び企業収益の増加等が見られ、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、当社のコア事業が属する印刷業界では、電子化による紙媒体の需要低下や競争激化に伴う受注価格の下落が続くなど厳しい経営環境が続きました。
このような状況のもと、当社は第3次中期経営計画「KOSAIDO Re-Innovation」に基づき、「コア事業の競争力強化及び再構築、事業ポートフォリオ改編」、「組織再編、制度意識改革」、「経営管理体制の強化」、「財務体質改善、経営指標改善」及び「子会社のガバナンス強化」を重要な経営課題として、着実な利益の確保を目指してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(a) 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて26億41百万円減少し、769億96百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて20億95百万円減少し、309億8百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5億45百万円減少し、460億88百万円となりました。
(b) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、連結売上高、連結営業利益は、買収した子会社が寄与した一方で、当社グループを取り巻く経営環境は依然厳しい状況が続いており、前年同期比で連結売上高は減収、連結営業利益は増益となりました。連結経常利益は貸倒引当金繰入額等の計上により減益、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した固定資産売却益(38億16百万円)等が減少し、さらに減損損失等の計上により、対前年同期比で大幅な減益となり、親会社株主に帰属する当期純損失となりました。その結果、連結売上高は361億95百万円(前年同期比0.7%減)、連結営業利益は22億50百万円(同3.2%増)、連結経常利益は16億37百万円(同0.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は3億24百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益32億71百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
情報セグメントにおきましては、印刷事業及び出版事業は依然厳しい事業環境にあり、人材事業で新たに連結対象となった子会社の売上が寄与いたしましたが、売上高は274億37百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益は86百万円(同26.7%減)となりました。
葬祭セグメントにおきましては、葬儀の簡素化傾向が続いておりますが、売上高は87億45百万円(前年同期比1.0%増)、セグメント利益につきましては26億78百万円(同6.2%増)となりました。
その他セグメントにおきましては、売上高は12百万円(前年同期比108.1%増)、セグメント利益2百万円(前年同期セグメント損失4百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、借入金等の返済等や有形及び無形固定資産の取得による支出等の減少要因により相殺されたものの、増加要因である税金等調整前当期純利益が4億99百万円(前年同期比89.0%減)及び減価償却費23億40百万円を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ13億39百万円(同9.4%増)増加し、当連結会計年度末には156億33百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ40百万円(前年同期比0.9%減)減少し44億32百万円となりました。これは主に、増加要因である税金等調整前当期純利益の計上が減少したものの、減少要因である有形固定資産売却損益が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、前連結会計年度に比べ74億40百万円減少し15億30百万円(前年同期は59億10百万円増加)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の売却による収入が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、前連結会計年度に比べ60億86百万円増加し15億49百万円(前年同期は76億35百万円減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額が増加したこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
情報21,015△0.6
合計21,015△0.6

(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.葬祭、その他は、生産実績の記載が困難であるため、省略しております。
3.セグメント間取引は消去しております。
(b) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
情報25,855△0.33,3542.3
合計25,855△0.33,3542.3

(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.葬祭、その他は、受注の記載が困難であるため記載を省略しております。
3.セグメント間取引は消去しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
情報27,437△1.3
葬祭8,7451.0
その他12108.1
合計36,195△0.7

(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間取引は消去しております。
3.相手先別販売実績については、総販売実績に対する割合が10%以上の販売先はないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 経営成績等
(イ) 財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて26億41百万円減少しております。主な要因は、「流動資産」が9億69百万円増加したものの「固定資産」が35億82百万円減少したこと等によるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて20億95百万円減少しております。主な要因は、「流動負債」が34億95百万円増加したものの「固定負債」が55億90百万円減少したこと等よるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べて5億45百万円減少しております。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失3億24百万円を計上したこと等によるものであります。
(ロ) 経営成績
(売上高)
売上高は、印刷業界における、電子化による紙媒体の需要低下や競争激化に伴う受注価格の下落が続くなど厳しい経営環境が続いており、人材事業で新たに連結対象となった子会社の売上が寄与及び葬祭セグメントで増収となったものの、当社のコア事業である印刷事業及び人材事業を含む情報セグメントで減収となり、、当社グループ全体で減収となりました。その結果、連結売上高は361億95百万円(前年同期比0.7%減)となりました。
(営業利益)
営業利益は、印刷業界における競争激化に伴う受注価格の下落等となりましたが、葬祭事業の費用減少等により増益となりました。その結果、連結営業利益は22億50百万円(同3.2%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前期は東京都内の拠点等の資産売却による特別利益の発生により、大幅な増益となりましたが、葬祭事業における減損損失等の計上により、大幅な減益となり、その結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3億24百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益32億71百万円)となりました。
(ハ) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、当社グループのコア事業が属する印刷業界では、電子化による紙媒体の需要低下や競争激化に伴う受注価格の下落が続くなど厳しい経営環境が続いており、また、出版事業も縮小傾向にある市場の影響もあり、経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、当社グループは、コア事業の競争力強化及び再構築、事業ポートフォリオの見直し、業態・組織の変革の実施、経営管理体制の強化を図り、着実な利益の確保を目指してまいりしました。
(c) 資本の財源及び資金の流動性
(イ) 資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの印刷事業、出版事業、人材事業、ライフスタイルデザイン事業、葬祭事業に関わる経費、各事業についての一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、印刷事業と葬祭事業における設備投資等があります。
(ロ) 財政政策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入と社債の発行により資金調達を行っており、資金調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう、金利スワップなどの手段を活用しております。また、国内金融機関において総額40億円のコミットメントラインを設定しており、流動性の補完にも対応が可能となっており、グループ全体の借入金等の削減も図っております。
(d) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ) 情報セグメント
売上高は、印刷事業及び出版事業は依然厳しい事業環境にあり、人材事業で新たに連結対象となった子会社の売上が寄与いたしましたが、前年同期比1.3%減の274億37百万円となりました。
セグメント利益は、競争激化に伴う受注価格の下落等が続いており、前年同期比26.7%減の86百万円となりました。
セグメント資産は、固定資産の減少等により、前年連結会計年度に比べ17億49百万円減少の334億57百万円となりました。
(ロ) 葬祭セグメント
売上高は、葬儀の簡素化傾向が続いておりますが、前年同期比1.0%増の87億45百万円となりました。
セグメント利益は、四ツ木斎場の経費減少等もあり、前年同期比6.2%増の26億78百万円となりました。
セグメント資産は、四ツ木斎場に隣接する施設「お花茶屋会館」の減損損失等により連結会計年度に比べ8億34百万円減少の517億81百万円となりました。
(ハ) その他セグメント
売上高は、前年同期比108.1%増の12百万円となりました。
セグメント利益は、2百万円(前年同期セグメント損失4百万円)となりました
セグメント資産は、14百万円減少の8億30百万円となりました。
③ 中期経営計画の進捗
当社グループは、第3次中期経営計画「KOSAIDO Re-Innovation」において、「収益力の向上、財務体質の改善」を目指す姿とし、営業利益34億円、ROE5%、株主資本比率35%を達成目標としており、中期経営計画の2年目である当連結会計年度は、買収した子会社が寄与した一方、主要事業である印刷事業・人材事業において依然厳しい状況が続いており営業利益22億50百万円、ROE△1.2%となり計画を下回る結果となりました。株主資本比率35%は前期の拠点集約による資産リストラにより目標が達成となりました。
営業利益及びROEにつきましては進捗状況の大幅な遅れがあります。収益性の改善、不採算事業の縮小、撤退、固定費削減による利益改善、コア事業再構築による収益力向上を図り目標達成に向けて取り組んでまいります。