有価証券報告書-第70期(2023/04/01-2024/03/31)
1 経営成績等の状況の概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの経済正常化への動きが一段と進むなか、個人消費や設備投資といった内需面に弱さが残るものの、堅調な企業業績を背景とした雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の回復が順調に進むなど、全体的には緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、歴史的な円安の進行を主因とする物価の上昇や実質賃金のマイナスが継続している状況に加え、ウクライナ情勢の長期化、中国経済の先行き懸念といった不安定な海外情勢についても注視する必要があり、国内経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループが関連する上水道・下水道業界及び住宅機器関連業界につきましては、政府による住宅取得支援策や低金利の継続が住宅購入層の需要を一定程度下支えしている状況にはありますが、建築資材価格や人件費上昇による住宅価格の高騰に加え、将来的な金利上昇リスクの顕在化などから、新設住宅着工戸数は大きな落ち込みで推移しており、厳しい経営環境にあります。
このような状況のなか、当社グループは、「人々をゆたかにする心と技術をはぐくみ、社会のために幸せを創造する」という企業理念のもと、持続的な成長の実現を図るため中期経営計画「Look Forward 2023」で掲げた3つの施策「成長ドライバーの創出」「事業基盤整備」「ESGを意識した取り組み」を推進してまいりました。
当連結会計年度における業績につきましては、戸建住宅の着工戸数が大きく落ち込むなか、価格改定や主力製品の売上確保、重点販売品目の拡販を行ったことで売上面では前期を上回る結果となりましたが、鋳物や金属、ゴム、段ボールといった原材料価格高騰の影響を大きく受けたことにより、利益面では前期を下回る結果となりました。
この結果、売上高は239億25百万円(前期比1.8%増)、営業利益17億73百万円(同8.9%減)、経常利益20億72百万円(同6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益13億62百万円(同6.8%減)となりました。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
①管工機材
管工機材セグメントにつきましては、主力製品である戸建住宅向け製品の売上確保やビル設備分野製品「ビニコア」の拡販を重点的に行った他、各種原材料価格高騰による影響を軽減すべく価格改定を実施したことで売上高は前期を上回りました。一方、利益面では、主要原材料である塩ビ樹脂価格が高止まりしていることに加え、鋳物や金属、ゴム、段ボールといった各種原材料価格高騰の影響を価格改定や原価低減などの取組みにより吸収するまでには至らず、前期を下回る結果となりました。
以上により、売上高は216億44百万円(前期比2.3%増)、セグメント利益17億42百万円(同11.4%減)となりました。
②水・環境エンジニアリング
水・環境エンジニアリングセグメントにつきましては、官需案件において給排水衛生設備や農業用排水のポンププラントをはじめとした各種工事の受注が、年間を通して安定かつ効率的に獲得できたことで計画通りに推移いたしました。
一方、民需案件につきましては、お客様の「業務の効率化」と「環境保護」を目的とした多様な水処理システムの提案を食品工場を中心に積極的に実施してまいりましたが、価格面での競争が激しく受注は低調な結果となりました。
以上により、売上高は12億49百万円(前期比4.4%減)、セグメント利益24百万円(同48.1%減)となりました。
③各種プラスチック成形
各種プラスチック成形セグメントにつきましては、円安や国際情勢の激化を背景とした製造業の国内回帰への動きが高まるなか受注回復への期待がありましたが、国内製造業の戻りはまだまだ鈍く引き続き厳しい経営環境にあります。このような状況のなか、新規案件の受注獲得活動と並行して、自社ブランド製品の販路拡大に向けた営業活動を新潟県内の企業を中心に展開し売上・利益の確保に努めてまいりました。
製品の受注は引き続き減少傾向にありますが、金型生産の受注により売上が確保できたことに加え、人員適正化による原価低減に努めたことで、業績は前期と同水準での着地となりました。
以上により、売上高は12億4百万円(前期比0.5%減)、セグメント利益25百万円(同4.8%減)となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ28億47百万円増加し、493億53百万円となりました。これは主として、株価上昇に伴う投資有価証券の増加17億59百万円等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ7億84百万円増加し、89億32百万円となりました。これは主として、投資有価証券の含み益増加に伴う繰延税金負債の増加6億12百万円等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ20億63百万円増加し、404億20百万円となりました。これは主として、投資有価証券の株価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加12億72百万円や親会社株主に帰属する当期純利益の計上13億62百万円等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は112億41百万円となり、前連結会計年度末と比べ10億41百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、26億15百万円の収入となりました(前連結会計年度は17億84百万円の収入)。これは主に、税金等調整前当期純利益20億91百万円や減価償却費10億20百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、7億61百万円の支出となりました(前連結会計年度は15億94百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出6億14百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億12百万円の支出となりました(前連結会計年度は8億12百万円の支出)。これは主に、配当金の支払額7億46百万円等によるものであります。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1)重要な会計方針及び重要な会計上の見積り並びに当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針及び連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り並びに当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「1 経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」に記載しております。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況
「1 経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②契約債務
2024年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
③資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入費、製造経費の他、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
中期経営計画「SHIFT 2026」においては、財務の健全性を維持しながら成長投資に優先的に資金を投下することで、収益力の強化・資本効率の向上を図ることとしており、戦略・成長投資、金型・機械設備の維持更新及び株主還元に配分してまいります。
3 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
イ 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格により記載しております。
ロ 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は仕入価格により記載しております。
(2)受注実績
当社グループの主要製品は大部分が見込生産でありますが、一部(水・環境エンジニアリング及びプラスチック成形)については、受注生産を行っております。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格により記載しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍からの経済正常化への動きが一段と進むなか、個人消費や設備投資といった内需面に弱さが残るものの、堅調な企業業績を背景とした雇用・所得環境の改善、インバウンド需要の回復が順調に進むなど、全体的には緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、歴史的な円安の進行を主因とする物価の上昇や実質賃金のマイナスが継続している状況に加え、ウクライナ情勢の長期化、中国経済の先行き懸念といった不安定な海外情勢についても注視する必要があり、国内経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。
当社グループが関連する上水道・下水道業界及び住宅機器関連業界につきましては、政府による住宅取得支援策や低金利の継続が住宅購入層の需要を一定程度下支えしている状況にはありますが、建築資材価格や人件費上昇による住宅価格の高騰に加え、将来的な金利上昇リスクの顕在化などから、新設住宅着工戸数は大きな落ち込みで推移しており、厳しい経営環境にあります。
このような状況のなか、当社グループは、「人々をゆたかにする心と技術をはぐくみ、社会のために幸せを創造する」という企業理念のもと、持続的な成長の実現を図るため中期経営計画「Look Forward 2023」で掲げた3つの施策「成長ドライバーの創出」「事業基盤整備」「ESGを意識した取り組み」を推進してまいりました。
当連結会計年度における業績につきましては、戸建住宅の着工戸数が大きく落ち込むなか、価格改定や主力製品の売上確保、重点販売品目の拡販を行ったことで売上面では前期を上回る結果となりましたが、鋳物や金属、ゴム、段ボールといった原材料価格高騰の影響を大きく受けたことにより、利益面では前期を下回る結果となりました。
この結果、売上高は239億25百万円(前期比1.8%増)、営業利益17億73百万円(同8.9%減)、経常利益20億72百万円(同6.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益13億62百万円(同6.8%減)となりました。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
①管工機材
管工機材セグメントにつきましては、主力製品である戸建住宅向け製品の売上確保やビル設備分野製品「ビニコア」の拡販を重点的に行った他、各種原材料価格高騰による影響を軽減すべく価格改定を実施したことで売上高は前期を上回りました。一方、利益面では、主要原材料である塩ビ樹脂価格が高止まりしていることに加え、鋳物や金属、ゴム、段ボールといった各種原材料価格高騰の影響を価格改定や原価低減などの取組みにより吸収するまでには至らず、前期を下回る結果となりました。
以上により、売上高は216億44百万円(前期比2.3%増)、セグメント利益17億42百万円(同11.4%減)となりました。
②水・環境エンジニアリング
水・環境エンジニアリングセグメントにつきましては、官需案件において給排水衛生設備や農業用排水のポンププラントをはじめとした各種工事の受注が、年間を通して安定かつ効率的に獲得できたことで計画通りに推移いたしました。
一方、民需案件につきましては、お客様の「業務の効率化」と「環境保護」を目的とした多様な水処理システムの提案を食品工場を中心に積極的に実施してまいりましたが、価格面での競争が激しく受注は低調な結果となりました。
以上により、売上高は12億49百万円(前期比4.4%減)、セグメント利益24百万円(同48.1%減)となりました。
③各種プラスチック成形
各種プラスチック成形セグメントにつきましては、円安や国際情勢の激化を背景とした製造業の国内回帰への動きが高まるなか受注回復への期待がありましたが、国内製造業の戻りはまだまだ鈍く引き続き厳しい経営環境にあります。このような状況のなか、新規案件の受注獲得活動と並行して、自社ブランド製品の販路拡大に向けた営業活動を新潟県内の企業を中心に展開し売上・利益の確保に努めてまいりました。
製品の受注は引き続き減少傾向にありますが、金型生産の受注により売上が確保できたことに加え、人員適正化による原価低減に努めたことで、業績は前期と同水準での着地となりました。
以上により、売上高は12億4百万円(前期比0.5%減)、セグメント利益25百万円(同4.8%減)となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ28億47百万円増加し、493億53百万円となりました。これは主として、株価上昇に伴う投資有価証券の増加17億59百万円等によるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ7億84百万円増加し、89億32百万円となりました。これは主として、投資有価証券の含み益増加に伴う繰延税金負債の増加6億12百万円等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ20億63百万円増加し、404億20百万円となりました。これは主として、投資有価証券の株価上昇に伴うその他有価証券評価差額金の増加12億72百万円や親会社株主に帰属する当期純利益の計上13億62百万円等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は112億41百万円となり、前連結会計年度末と比べ10億41百万円の増加となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、26億15百万円の収入となりました(前連結会計年度は17億84百万円の収入)。これは主に、税金等調整前当期純利益20億91百万円や減価償却費10億20百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、7億61百万円の支出となりました(前連結会計年度は15億94百万円の支出)。これは主に、有形固定資産の取得による支出6億14百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億12百万円の支出となりました(前連結会計年度は8億12百万円の支出)。これは主に、配当金の支払額7億46百万円等によるものであります。
2 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
(1)重要な会計方針及び重要な会計上の見積り並びに当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。
重要な会計方針及び連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り並びに当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「1 経営成績等の状況の概要 (1)経営成績の状況」に記載しております。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況
「1 経営成績等の状況の概要 (3)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
②契約債務
2024年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円) | |||||
契約債務 | 合計 | 1年以内 | 1年超3年以内 | 3年超5年以内 | 5年超 |
短期借入金 | 330 | 330 | - | - | - |
③資金需要
当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入費、製造経費の他、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。
中期経営計画「SHIFT 2026」においては、財務の健全性を維持しながら成長投資に優先的に資金を投下することで、収益力の強化・資本効率の向上を図ることとしており、戦略・成長投資、金型・機械設備の維持更新及び株主還元に配分してまいります。
3 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
イ 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
管工機材 (百万円) | 21,665 | 99.5 |
水・環境エンジニアリング(百万円) | 825 | 83.9 |
各種プラスチック成形(百万円) | 1,198 | 89.0 |
合計 (百万円) | 23,689 | 98.3 |
(注)金額は販売価格により記載しております。
ロ 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
管工機材 (百万円) | 516 | 104.2 |
水・環境エンジニアリング(百万円) | 2 | 235.8 |
各種プラスチック成形(百万円) | 73 | 370.1 |
合計 (百万円) | 591 | 114.6 |
(注)金額は仕入価格により記載しております。
(2)受注実績
当社グループの主要製品は大部分が見込生産でありますが、一部(水・環境エンジニアリング及びプラスチック成形)については、受注生産を行っております。
セグメント別 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) | |
水・環境エンジニアリング | 受注高 (百万円) | 878 | 169.1 |
受注残高(百万円) | 349 | 117.8 | |
各種プラスチック成形 | 受注高 (百万円) | 1,022 | 89.4 |
受注残高(百万円) | 108 | 73.2 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 金額は販売価格により記載しております。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
管工機材 (百万円) | 21,628 | 102.3 |
水・環境エンジニアリング(百万円) | 1,249 | 95.7 |
各種プラスチック成形(百万円) | 1,047 | 99.2 |
合計 (百万円) | 23,925 | 101.8 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
であります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
渡辺パイプ株式会社 | 3,063 | 13.04 | 3,066 | 12.82 |