有価証券報告書-第112期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善や堅調な雇用・所得環境を背景に緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外においては、欧米を中心に堅調さを維持しているものの、米国の保護主義的政策、中東や東アジア等での国際的緊張の高まりなど、世界経済の先行きは不透明な状況が継続しております。
このような状況のもと、当連結会計年度における当社グループの売上高は、自動車製品関連事業を中心とした国内外での受注増加により572億6千万円(前期比19.3%増)となりました。
損益面につきましては、売上増収に対応し生産性の向上に努めましたが、原材料価格の高騰、新規部品生産立上げ費用や固定費の増加により営業利益は32億8千6百万円(前期比3.9%増)、経常利益は58億8千1百万円(前期比12.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は39億6千万円(前期比17.1%減)となりました。
なお、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は、主に持分法による投資利益が前期比で減少すること(前期は米国関連会社における固定資産売却益9億6千万円を計上)等により、前期を下回っております。
前年同期との比較については、以下のとおりとなっております。
| 売上高 (百万円) | 営業利益 (百万円) | 経常利益 (百万円) | 親会社株主に帰属 する当期純利益 (百万円) | |
| 当連結会計年度 | 57,260 | 3,286 | 5,881 | 3,960 |
| 前連結会計年度 | 47,998 | 3,162 | 6,741 | 4,778 |
| 増減率(%) | 19.3% | 3.9% | △12.8% | △17.1% |
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
塗料関連事業
当セグメントの業績につきましては、売上高は工事関連売上が堅調に推移し、前期比増収を牽引しましたが、セグメント利益は原材料価格の高騰、固定費増加により前期を下回りました。
品種別売上高につきましては、建築・構築物用塗料のうち、床用塗料が新規顧客の確保、拡販等により前期比0.6%増加しました。一方、国内需要の低迷、機能性塗料の多様化等に起因する競争激化の影響から、防水用塗料は前期比2.7%減少し、屋根用塗料は前期比8.0%減少しました。
工事関連売上の集合住宅大規模改修工事につきましては、工事契約物件の増加や工事の順調な進捗により前期比28.5%増と大きく伸張しました。
この結果、当セグメントの売上高は161億2千4百万円(前期比5.9%増)、セグメント利益は4億4千8百万円(前期比37.2%減)となりました。
自動車製品関連事業
当セグメントの業績につきましては、売上高は国内外で新規部品を中心に受注が増加し、前期を大きく上回りました。セグメント利益についても、大幅な増収により前期を上回りましたが、新規部品生産立上げ費用や固定費の増加など売上原価の高止まりでセグメント利益率は低下しました。
品種別売上高につきましては、主力製品の吸・遮音材が、当社グループにとって新規部品となる自動車用フロアカーペット等の受注増加により前期比39.6%増と大きく伸張しました。
また、制振材は前期比4.7%増、防錆塗料は前期比3.2%増、原材料輸出等のその他売上は前期比13.4%増といずれも前期を上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は411億2千2百万円(前期比25.5%増)、セグメント利益は28億3千万円(前期比16.0%増)となりました。
その他
保険代理業の売上高は1千3百万円(前期比1.9%減)、セグメント利益は6百万円(前期比11.0%減)となりました。
(注)各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高消去後の数値を記載しております。
② キャッシュ・フロ-の状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8億1千2百万円減少し、77億4千3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、62億3千5百万円の収入(前期比6億9千1百万円の減少)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益57億6千9百万円、売上債権の増加額32億8千6百万円、仕入債務の増加額21億1千7百万円、利息及び配当金の受取額19億2千4百万円、法人税等の支払額9億4千2百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、73億2千6百万円の支出(前期比12億7千万円の増加)となりました。この主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出72億5千5百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、2億3千2百万円の収入(前期比9億7千7百万円の減少)となりました。この主な要因は、長期借入れによる収入26億1千8百万円、長期借入金の返済による支出15億5千7百万円、配当金の支払額7億7百万円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 塗料関連事業 | 8,896 | △2.2 |
| 自動車製品関連事業 | 28,923 | 23.4 |
| 合計 | 37,819 | 16.2 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当グループは受注による生産は僅かであり、主として見込生産によっておりますので、受注並びに受注残高について特に記載すべき事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 塗料関連事業 | 16,124 | 5.9 |
| 自動車製品関連事業 | 41,122 | 25.5 |
| その他 | 13 | △1.9 |
| 合計 | 57,260 | 19.3 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱中外 | 5,814 | 12.1 | 6,456 | 11.3 |
| ㈱本田技研工業 | 5,058 | 10.5 | 6,375 | 11.1 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1[連結財務諸表等][連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項]」に記載のとおりであります。連結財務諸表の作成においては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき、会計上の見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これら見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討
a.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ92億6千1百万円増加し、572億6千万円(前期比19.3%増)となりました。また、地域別売上高では中国での売上が54億8千万円(前期比38.3%増)と大きく伸張しました。これは主に自動車製品関連事業における自動車用防音材(吸・遮音材)を中心に国内及び海外連結子会社で受注が増加したことによるものです。
各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、塗料関連事業が28.2%、自動車製品関連事業が71.8%となりました。セグメント別の売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ13億3千5百万円増加し、125億9千7百万円(前期比11.9%増)となりました。一方、売上総利益率は前期比1.5ポイント減少し22.0%となりました。これは主に自動車製品関連事業での生産設備増強による減価償却費の増加等、売上原価の増加によるものです。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ12億1千2百万円増加し、93億1千1百万円(前期比15.0%増)となりましたが、売上高比率では前期比0.6ポイント減少しました。
以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ1億2千3百万円増加し、32億8千6百万円(前期比3.9%増)となりました。一方、営業利益率は前期比0.9ポイント減少し、5.7%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、持分法による投資利益が前期比11億4千7百万円減少(前期は米国関連会社における固定資産売却益9億6千万円を計上)したことで、前連結会計年度に比べ10億8千4百万円減少し、27億4千6百万円(前期比28.3%減)となりました。営業外費用は前連結会計年度に比べ1億1百万円減少し、1億5千1百万円(前期比40.3%減)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ8億5千9百万円減少し、58億8千1百万円(前期比12.8%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ8億1千8百万円減少し、39億6千万円(前期比17.1%減)となりました。
b.財政状態の分析
(資産の部)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ100億5千5百万円増加し、770億4千3百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少8億1千2百万円、受取手形及び売掛金の増加17億8千7百万円、電子記録債権の増加15億2千5百万円、有形固定資産の増加61億4千4百万円、投資有価証券の増加7億3千1百万円によるものです。
(負債の部)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ59億2千1百万円増加し、333億6千8百万円となりました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加21億2千万円、短期借入金の増加3億1千9百万円、未払法人税等の増加1億8千7百万円、流動負債のその他の増加23億6千7百万円、長期借入金の増加10億1千9百万円によるものです。
(純資産の部)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ41億3千4百万円増加し、436億7千4百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加32億5千万円、その他有価証券評価差額金の増加3億4千6百万円、非支配株主持分の増加6億5千8百万円によるものです。自己資本比率は2.7%減少し52.2%となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用になります。投資を目的とした資金需要は、主に生産設備等への投資によるものです。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子債務は85億4百万円、キャッシュ・フロー対有利子負債比率は1.4%となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は77億4千3百万円となっております。