四半期報告書-第152期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが第5類に移行し、行動制限が解除されたことにより、社会経済活動正常化への動きが一段と進み、企業業績・個人消費ともに緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、今後も不安定な国際情勢や世界的な金融引き締めによる影響が懸念され、景気の先行きは依然不透明な状況が継続しております。
このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および事業領域の拡大を進め、また、原材料等の価格上昇分について、製品の販売価格改定を実施してまいりました。
この結果、下記の表に記載のとおり、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が329億8千8百万円で前年同四半期比5億5千3百万円の増収(1.7%増)、営業利益は6億7千5百万円で、製品の販売価格改定等の交易条件の改善により、前年同四半期比5億9千8百万円の増益(780.3%増)、経常利益は9億4千3百万円で、前年同四半期における米国連結子会社の出資分配益の計上等により、前年同四半期比38億6千9百万円の減益(80.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億8千6百万円で前年同四半期比27億9千5百万円の減益(78.0%減)となりました。
なお、2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社(決算日2月末日)で発生した火災による当第3四半期の連結損益影響はありませんが、当期末への連結損益影響につきましては現在精査中であります。
第4四半期以降も日本経済の緩やかな回復基調は継続すると見込んでおりますが、原油価格や為替の動向等による当社グループの業績への影響が不透明な状況であるため、引き続き市況を注視しながら競争力強化と顧客満足の向上および事業領域の拡大を進めてまいります。
(単位:百万円)
「売上高・営業利益の第3四半期業績推移」 (単位:百万円)

次に、セグメント別に概況をご報告いたします。
当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当第3四半期連結累計期間の売上高とセグメント利益又は損失(△)の構成は以下のとおりであります。
詳細につきましては、「第4「経理の状況」1「四半期連結財務諸表」「注記事項」(セグメ
ント情報等)」をご参照ください。
第3四半期業績推移
セグメント売上高 (単位:百万円) セグメント利益又は損失(△)(単位:百万円)

(インキ事業)
オフセットインキおよび印刷用材料は、産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、行動制限解除に伴い各種イベント等が増加したことで、商業印刷において需要回復が継続いたしました。そのような状況下、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が一定程度進捗したことにより、前年同四半期に比べ売上高は増加いたしました。また、売上高の増加に加え、前期末に実施した固定資産の減損処理に伴う減価償却費の減少等により、利益は改善いたしました。
グラビアインキは、新規顧客への販売継続および製品販売価格改定が進捗したものの、物価高に伴う消費意欲低下の影響等により、売上高は前年同四半期並みになりました。また、環境に配慮した製品や高付加価値製品である機能性インキが伸長したこと等により、利益は改善いたしました。
インクジェットインクは、建材用途等の自社製品が低調に推移したものの、欧米向け受託製品の需要が徐々に回復してきた結果、前年同四半期に比べ売上高は増加いたしました。一方、利益は販売構成差により減少いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、インキ事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、前年同四半期に比べ増収となり、利益は損失を計上した前年同四半期から黒字転換いたしました。
今後のインキ事業につきまして、オフセットインキは、産業構造の変化に伴う市場縮小が今後も継続することが考えられますので、製品開発および重点顧客への販売活動を強化し、今後更なる事業構造改革に努めてまいります。グラビアインキは軟包装分野の需要が堅調に推移し、インクジェットインクは中長期的には産業用途の需要拡大が見込まれますので、製品開発および販売活動を強化してまいります。また、引き続き、事業全体を通じて収益力向上に向けて製品ポートフォリオの再構築を進めてまいります。
(単位:百万円)
(化成品事業)
自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドは、半導体不足の緩和に伴う国内自動車生産台数増加の影響が継続したことにより、前年同四半期に比べ売上高は大きく増加いたしました。
包装材・容器用マスターバッチは、物価高に伴う消費意欲低下の継続および環境対応の影響等により、前年同四半期に比べ売上高は減少いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、化成品事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が一定程度進捗したことにより、前年同四半期に比べ増収となりました。一方、タイ国連結子会社が好調であったものの、包装材・容器用マスターバッチの減収影響が大きく、減益となりました。
今後の化成品事業につきまして、自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドは、国内自動車生産回復の継続により需要が堅調に推移することが見込まれますので、製品開発および販売活動を強化してまいります。包装材・容器用マスターバッチは、環境対応の加速化による市場縮小の継続が考えられますが、新たな用途・分野への進出を目指すとともに、環境に配慮した製品開発および販売活動を強化してまいります。また、事業全体を通じてサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
(加工品事業)
ネトロン®(注)は、一部の軟包装用途が低調に推移したことに加え、工業材料である水処理用資材の輸出需要が一服した結果、売上高は前年同四半期に比べ減少いたしました。また、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が一定程度進捗したものの、十分ではなく、利益は減少いたしました。
一軸延伸フィルムは、ダンボール用途が低調であったものの、食品包装用途が堅調に推移いたしました。また、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品価格改定が進捗したことにより、前年同四半期に比べ売上高は増加いたしましたが、利益は前年同四半期並みになりました。
土木資材は、豪雨災害の復興需要の影響等により、防災・減災用途に使用されるジオセル工法の採用が引き続き増加していることで、前年同四半期に比べ売上高および利益ともに大幅に増加いたしました。
農業資材は、燃油価格上昇の影響により保温資材等の高機能製品が好調でありましたが、国内農業における産業構造の変化に伴う市場縮小により汎用製品の需要が低迷した影響が大きく、前年同四半期に比べ売上高は減少いたしました。一方、高付加価値製品の比率が向上したことにより、利益は前年同四半期並みになりました。
この結果、下記の表に記載のとおり、加工品事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、前年同四半期に比べ減収となりましたが、高付加価値製品比率の向上等により増益となりました。
今後の加工品事業につきまして、ネトロン®の水処理用資材は、徐々に需要が回復し、中長期的には市場拡大の継続が見込まれ、土木資材は、豪雨等の災害に対応するため国が「国土強靭化計画」を推進していることから、防災・減災用途製品の需要の高まりが見込まれますので、生産能力、製品開発および販売活動を強化してまいります。包装資材や農業資材は、環境対応の加速化および産業構造の変化に伴う市場縮小の継続が考えられますが、環境に配慮した製品需要の高まりが期待できますので、対応した製品開発および販売活動を強化してまいります。
(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。
(単位:百万円)
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、増収増益となりました。
(単位:百万円)
(2)財政状態の分析
(単位:百万円)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は511億8千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億8千9百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金の増加5億1千6百万円、受取手形の減少7千1百万円、売掛金の増加2億1千3百万円、電子記録債権の増加12億8千9百万円、棚卸資産の増加5億4千4百万円、有形固定資産の増加9千1百万円および投資有価証券の時価上昇等による増加5億9千8百万円等によるものです。
負債合計は227億2千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億8千9百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加16億4千7百万円、短期借入金の増加7億9千万円、1年内返済長期借入金の減少2億8千2百万円、未払法人税等の増加8千3百万円、賞与引当金の減少2億8千6百万円、長期借入金の減少5億4千1百万円および繰延税金負債の増加4億4千5百万円等によるものです。
純資産の部は、284億6千5百万円となり前連結会計年度末に比べ11億9千9百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加4億7千1百万円およびその他の包括利益累計額の増加7億1千3百万円等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
なお、当社グループは2023年12月に創立100周年を迎え、2030年に目指す姿として長期ビジョン
「TOKYOink Vision 2030」を策定いたしました。
当社グループは、企業理念である「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献
する。」と、目指すべき企業像として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実
現し続ける企業。」を掲げ、日々活動しております。
長期ビジョン策定にあたり、これからの持続可能な社会(サステナビリティ)のために何がで
きるのかの観点から、改めて「東京インキグループのパーパス(存在意義)」を問い直しまし
た。
パーパス(存在意義):「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する
パーパスとバリュー(行動指針)の浸透を推し進めることで、新たな価値を創造できる人材の
創出、マインドの醸成を図り、高効率で安定した企業基盤を構築するとともに、製品・サービス
を通じて持続可能な価値を提供し、環境・社会と共存共栄できる企業経営を推進してまいりま
す。
2030年までのビジョンとして、「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」を掲げ、サ
ステナブル対応製品比率向上、温室効果ガス排出量削減などを目標とし、期間中の中期経営計画
で具体的な施策を実行してまいります。
詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLより、長期ビジョン「TOKYOink
Vision 2030」をご覧ください。
長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載しました「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載に重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、8億9千3百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数の著しい増減はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の位置付けが第5類に移行し、行動制限が解除されたことにより、社会経済活動正常化への動きが一段と進み、企業業績・個人消費ともに緩やかな回復基調が継続されました。一方で、原材料価格の高止まり、円安とエネルギーコスト上昇等による物価高は依然として続いており、今後も不安定な国際情勢や世界的な金融引き締めによる影響が懸念され、景気の先行きは依然不透明な状況が継続しております。
このような状況の中、当社グループは、競争力強化と顧客満足の向上および事業領域の拡大を進め、また、原材料等の価格上昇分について、製品の販売価格改定を実施してまいりました。
この結果、下記の表に記載のとおり、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高が329億8千8百万円で前年同四半期比5億5千3百万円の増収(1.7%増)、営業利益は6億7千5百万円で、製品の販売価格改定等の交易条件の改善により、前年同四半期比5億9千8百万円の増益(780.3%増)、経常利益は9億4千3百万円で、前年同四半期における米国連結子会社の出資分配益の計上等により、前年同四半期比38億6千9百万円の減益(80.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は7億8千6百万円で前年同四半期比27億9千5百万円の減益(78.0%減)となりました。
なお、2023年12月に連結子会社である荒川塗料工業株式会社(決算日2月末日)で発生した火災による当第3四半期の連結損益影響はありませんが、当期末への連結損益影響につきましては現在精査中であります。
第4四半期以降も日本経済の緩やかな回復基調は継続すると見込んでおりますが、原油価格や為替の動向等による当社グループの業績への影響が不透明な状況であるため、引き続き市況を注視しながら競争力強化と顧客満足の向上および事業領域の拡大を進めてまいります。
(単位:百万円)
23年3月期 第3四半期 | 24年3月期 第3四半期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 32,434 | 32,988 | 553 | 1.7% |
営業利益 | 76 | 675 | 598 | 780.3% |
経常利益 | 4,813 | 943 | △3,869 | △80.4% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 3,582 | 786 | △2,795 | △78.0% |
「売上高・営業利益の第3四半期業績推移」 (単位:百万円)

次に、セグメント別に概況をご報告いたします。
当社グループの報告セグメントはインキ事業、化成品事業、加工品事業、不動産賃貸事業から構成されており、当第3四半期連結累計期間の売上高とセグメント利益又は損失(△)の構成は以下のとおりであります。
詳細につきましては、「第4「経理の状況」1「四半期連結財務諸表」「注記事項」(セグメ
ント情報等)」をご参照ください。
第3四半期業績推移
セグメント売上高 (単位:百万円) セグメント利益又は損失(△)(単位:百万円)

(インキ事業)
オフセットインキおよび印刷用材料は、産業構造の変化に伴う市場縮小が継続する中、行動制限解除に伴い各種イベント等が増加したことで、商業印刷において需要回復が継続いたしました。そのような状況下、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が一定程度進捗したことにより、前年同四半期に比べ売上高は増加いたしました。また、売上高の増加に加え、前期末に実施した固定資産の減損処理に伴う減価償却費の減少等により、利益は改善いたしました。
グラビアインキは、新規顧客への販売継続および製品販売価格改定が進捗したものの、物価高に伴う消費意欲低下の影響等により、売上高は前年同四半期並みになりました。また、環境に配慮した製品や高付加価値製品である機能性インキが伸長したこと等により、利益は改善いたしました。
インクジェットインクは、建材用途等の自社製品が低調に推移したものの、欧米向け受託製品の需要が徐々に回復してきた結果、前年同四半期に比べ売上高は増加いたしました。一方、利益は販売構成差により減少いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、インキ事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、前年同四半期に比べ増収となり、利益は損失を計上した前年同四半期から黒字転換いたしました。
今後のインキ事業につきまして、オフセットインキは、産業構造の変化に伴う市場縮小が今後も継続することが考えられますので、製品開発および重点顧客への販売活動を強化し、今後更なる事業構造改革に努めてまいります。グラビアインキは軟包装分野の需要が堅調に推移し、インクジェットインクは中長期的には産業用途の需要拡大が見込まれますので、製品開発および販売活動を強化してまいります。また、引き続き、事業全体を通じて収益力向上に向けて製品ポートフォリオの再構築を進めてまいります。
(単位:百万円)
23年3月期 第3四半期 | 24年3月期 第3四半期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 10,550 | 10,883 | 333 | 3.2% |
セグメント利益又は損失(△) | △431 | 225 | 657 | - |
(化成品事業)
自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドは、半導体不足の緩和に伴う国内自動車生産台数増加の影響が継続したことにより、前年同四半期に比べ売上高は大きく増加いたしました。
包装材・容器用マスターバッチは、物価高に伴う消費意欲低下の継続および環境対応の影響等により、前年同四半期に比べ売上高は減少いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、化成品事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が一定程度進捗したことにより、前年同四半期に比べ増収となりました。一方、タイ国連結子会社が好調であったものの、包装材・容器用マスターバッチの減収影響が大きく、減益となりました。
今後の化成品事業につきまして、自動車用マスターバッチおよび樹脂コンパウンドは、国内自動車生産回復の継続により需要が堅調に推移することが見込まれますので、製品開発および販売活動を強化してまいります。包装材・容器用マスターバッチは、環境対応の加速化による市場縮小の継続が考えられますが、新たな用途・分野への進出を目指すとともに、環境に配慮した製品開発および販売活動を強化してまいります。また、事業全体を通じてサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを進めてまいります。
(単位:百万円)
23年3月期 第3四半期 | 24年3月期 第3四半期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 15,792 | 16,019 | 226 | 1.4% |
セグメント利益 | 305 | 188 | △117 | △38.3% |
(加工品事業)
ネトロン®(注)は、一部の軟包装用途が低調に推移したことに加え、工業材料である水処理用資材の輸出需要が一服した結果、売上高は前年同四半期に比べ減少いたしました。また、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品販売価格改定が一定程度進捗したものの、十分ではなく、利益は減少いたしました。
一軸延伸フィルムは、ダンボール用途が低調であったものの、食品包装用途が堅調に推移いたしました。また、原材料価格およびエネルギーコストの上昇に対して製品価格改定が進捗したことにより、前年同四半期に比べ売上高は増加いたしましたが、利益は前年同四半期並みになりました。
土木資材は、豪雨災害の復興需要の影響等により、防災・減災用途に使用されるジオセル工法の採用が引き続き増加していることで、前年同四半期に比べ売上高および利益ともに大幅に増加いたしました。
農業資材は、燃油価格上昇の影響により保温資材等の高機能製品が好調でありましたが、国内農業における産業構造の変化に伴う市場縮小により汎用製品の需要が低迷した影響が大きく、前年同四半期に比べ売上高は減少いたしました。一方、高付加価値製品の比率が向上したことにより、利益は前年同四半期並みになりました。
この結果、下記の表に記載のとおり、加工品事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、前年同四半期に比べ減収となりましたが、高付加価値製品比率の向上等により増益となりました。
今後の加工品事業につきまして、ネトロン®の水処理用資材は、徐々に需要が回復し、中長期的には市場拡大の継続が見込まれ、土木資材は、豪雨等の災害に対応するため国が「国土強靭化計画」を推進していることから、防災・減災用途製品の需要の高まりが見込まれますので、生産能力、製品開発および販売活動を強化してまいります。包装資材や農業資材は、環境対応の加速化および産業構造の変化に伴う市場縮小の継続が考えられますが、環境に配慮した製品需要の高まりが期待できますので、対応した製品開発および販売活動を強化してまいります。
(注)ネトロン®は三井化学株式会社の登録商標です。
(単位:百万円)
23年3月期 第3四半期 | 24年3月期 第3四半期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 6,031 | 6,018 | △12 | △0.2% |
セグメント利益 | 367 | 433 | 65 | 17.9% |
(不動産賃貸事業)
不動産賃貸事業は、賃貸戸建て住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィスの稼働が堅調に推移いたしました。
この結果、下記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、増収増益となりました。
(単位:百万円)
23年3月期 第3四半期 | 24年3月期 第3四半期 | 増減額 | 増減率 | |
売上高 | 60 | 66 | 6 | 10.9% |
セグメント利益 | 34 | 41 | 6 | 20.4% |
(2)財政状態の分析
(単位:百万円)
区分 | 2023年3月期 | 2024年3月期 第3四半期 | 増減額 | 増減率 |
資産 | 47,797 | 51,186 | 3,389 | 7.1% |
負債 | 20,531 | 22,721 | 2,189 | 10.7% |
純資産 | 27,265 | 28,465 | 1,199 | 4.4% |
当第3四半期連結会計期間末の総資産は511億8千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ33億8千9百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金の増加5億1千6百万円、受取手形の減少7千1百万円、売掛金の増加2億1千3百万円、電子記録債権の増加12億8千9百万円、棚卸資産の増加5億4千4百万円、有形固定資産の増加9千1百万円および投資有価証券の時価上昇等による増加5億9千8百万円等によるものです。
負債合計は227億2千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ21億8千9百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加16億4千7百万円、短期借入金の増加7億9千万円、1年内返済長期借入金の減少2億8千2百万円、未払法人税等の増加8千3百万円、賞与引当金の減少2億8千6百万円、長期借入金の減少5億4千1百万円および繰延税金負債の増加4億4千5百万円等によるものです。
純資産の部は、284億6千5百万円となり前連結会計年度末に比べ11億9千9百万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加4億7千1百万円およびその他の包括利益累計額の増加7億1千3百万円等によるものです。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
なお、当社グループは2023年12月に創立100周年を迎え、2030年に目指す姿として長期ビジョン
「TOKYOink Vision 2030」を策定いたしました。
当社グループは、企業理念である「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献
する。」と、目指すべき企業像として「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実
現し続ける企業。」を掲げ、日々活動しております。
長期ビジョン策定にあたり、これからの持続可能な社会(サステナビリティ)のために何がで
きるのかの観点から、改めて「東京インキグループのパーパス(存在意義)」を問い直しまし
た。
パーパス(存在意義):「伝える」「彩る」「守る」ことで、豊かな未来を実現する
パーパスとバリュー(行動指針)の浸透を推し進めることで、新たな価値を創造できる人材の
創出、マインドの醸成を図り、高効率で安定した企業基盤を構築するとともに、製品・サービス
を通じて持続可能な価値を提供し、環境・社会と共存共栄できる企業経営を推進してまいりま
す。
2030年までのビジョンとして、「持続可能な価値を提供し続ける企業グループへ」を掲げ、サ
ステナブル対応製品比率向上、温室効果ガス排出量削減などを目標とし、期間中の中期経営計画
で具体的な施策を実行してまいります。
詳細につきましては、当社ホームページもしくは下記URLより、長期ビジョン「TOKYOink
Vision 2030」をご覧ください。
長期ビジョン「TOKYOink Vision 2030」掲載URL
https://www.tokyoink.co.jp/about/long_term_vision/
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前連結会計年度の有価証券報告書に記載しました「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載に重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、8億9千3百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数の著しい増減はありません。
(8)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、生産、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
(9)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備の著しい変動及び主要な設備の前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。