有価証券報告書-第146期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)におけるわが国の経済は、株価の上昇、企業収益の改善により、景気は緩やかな回復基調が継続しておりましたが、海外の政策動向や地政学的リスクの高まり等により、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは、既存の事業領域における競争力強化と周辺事業領域の拡大に引き続き努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が448億6千6百万円で前年度比9億1千6百万円の増収(2.1%増)、営業利益は14億6千4百万円で前年度比2億8千2百万円の増益(23.9%増)、経常利益は17億2千4百万円で前年度比2億5千9百万円の増益(17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億5千7百万円で前年度比1億4千2百万円の増益(14.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(インキ事業)
オフセットインキは、市場の縮小化が継続する厳しい環境の中で売上確保に努めましたが、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
グラビアインキは、新たな需要の開発に取り組みましたが、顧客事情による商権喪失もあり、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
インクジェットインクは、産業用機能性インクと受託インクが増加し、数量および売上高は前年度に比べ大幅に増加いたしました。
印刷用材料および印刷機械は、オフセットインキと同様に市場の縮小化が継続する厳しい環境の中、売上維持に努めましたが、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
この結果、インキ事業の売上高は、141億円で前年度比9億5百万円の減収(6.0%減)、セグメント利益は3億9千7百万円で前年度比2億2千9百万円の減益(36.6%減)となりました。
(化成品事業)
合成樹脂用着色剤は、食品・日用品包装向けの着色製品および機能製品、自動車向け、住宅関連向けの着色製品の受注が好調に推移し、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。
合成樹脂成形材料は、好調な国内外の需要に支えられ、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。
この結果、化成品事業の売上高は、223億2千5百万円で前年度比20億5千2百万円の増収(10.1%増)、セグメント利益は21億3千4百万円で前年度比4億4千万円の増益(26.0%増)となりました。
(加工品事業)
工業材料は、水処理用資材が前年度並みに推移するとともに、太陽光発電用資材の需要が拡大し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
土木資材は、第3四半期より本格的に市場へ投入したグランドセルが好調に推移したものの、震災復興向け土木資材の工事減に伴う販売減により、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
一軸延伸フィルムおよび農業用資材は、順調に推移し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
この結果、加工品事業の売上高は、81億4千万円で前年度比2億4千万円の減収(2.9%減)、セグメント利益は売上構成の変化により5億5千1百万円で前年度比1億1千9百万円の増益(27.8%増)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸事業の売上高は、2億9千9百万円で前年度比1千万円の増収(3.7%増)、セグメント利益は1億5千7百万円で前年度比1千5百万円の増益(11.1%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は467億5千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億8千3百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加12億8千7百万円、たな卸資産の増加2億6千1百万円、有形固定資産の増加8千9百万円及び投資有価証券の時価上昇等に伴う増加2億1百万円等によるものです。
負債合計は232億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加15億6千8百万円、短期借入金の減少9億9千万円、長期借入金の増加4億6百万円、繰延税金負債の増加1億4千5百万円、退職給付に係る負債の減少4億4千2百万円等によるものです。
純資産の部は234億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億3千万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加9億9千5百万円及びその他の包括利益累計額の増加3億2百万円等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は17億1千万円で、前連結会計年度末に比べ1千1百万円の増加(0.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千万円の収入となりました(前連結会計年度は23億5千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億1千7百万円、減価償却費12億4百万円が計上され、売上債権の増加12億8千8百万円、仕入債務の増加15億6千8百万円、たな卸資産の増加2億5千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億5千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は8億6千5百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億3千7百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億9千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億3千万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億9千万円、長期借入による純増額4億7千4百万円、配当金の支払額1億6千2百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 [ ]内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は仕入価額(消費税等抜き)によっております。
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、繰延税金資産の回収可能性の検討等には、過去の実績や合理的な見積りを勘案した判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等について
生産効率の向上や原材料要因による製造コストの低減等もあり、売上高は448億6千6百万円で前年度比9億1千6百万円の増収(2.1%増)、営業利益は14億6千4百万円で前年度比2億8千2百万円の増益(23.9%増)、経常利益は17億2千4百万円で前年度比2億5千9百万円の増益(17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億5千7百万円で前年度比1億4千2百万円の増益(14.0%増)となりました。
インキ事業は商業・出版印刷の市場の縮小化が進み、厳しい状況であります。化成品事業および加工品事業は、新規案件の開拓、既存顧客への拡販もあり、好調に推移いたしました。
また、インキ事業、化成品事業、加工品事業の各事業間シナジーの推進を実現してまいりました。今後につきましてもさらなるシナジーを追求した共同案件を推進してまいります。
財政状態の状況につきましては、当連結会計年度末の総資産が467億5千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億8千3百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加12億8千7百万円、たな卸資産の増加2億6千1百万円、有形固定資産の増加8千9百万円及び投資有価証券の時価上昇等に伴う増加2億1百万円等によるものです。
負債合計は232億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加15億6千8百万円、短期借入金の減少9億9千万円、長期借入金の増加4億6百万円、繰延税金負債の増加1億4千5百万円、退職給付に係る負債の減少4億4千2百万円等によるものです。
純資産の部は234億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億3千万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加9億9千5百万円及びその他の包括利益累計額の増加3億2百万円等によるものです。この結果、自己資本比率は49.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.6%増加となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高が17億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ1千1百万円の増加(0.7%増)となりました。
なお、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費等の収入が、有形固定資産の取得等の支出を上回り9億1千2百万円の収入となりました。(前連結会計年度は14億9千4百万円の収入)
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千万円の収入となりました(前連結会計年度は23億5千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億1千7百万円、減価償却費12億4百万円が計上され、売上債権の増加12億8千8百万円、仕入債務の増加15億6千8百万円、たな卸資産の増加2億5千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億5千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は8億6千5百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億3千7百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億9千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億3千万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億9千万円、長期借入による純増額4億7千4百万円、配当金の支払額1億6千2百万円等によるものです。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
インキ事業の関与する、印刷市場における商業・出版印刷の減少に起因した競争激化、また全事業において、原材料価格の変動による影響があります。
c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
事業運営上必要な運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入調達、設備投資資金は金融機関からの長期借入調達を基本としております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当連結会計年度において、原材料要因もあり連結経常利益15億円の数値目標には到達いたしましたが、改めて各戦略と基盤整備を当社グループ一丸となって遂行し、企業価値の向上を図ってまいります。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(インキ事業)
売上高は、141億円で前年度比9億5百万円の減収(6.0%減)、セグメント利益は3億9千7百万円で前年度比2億2千9百万円の減益(36.6%減)となりました。
セグメント資産は、154億5千3百万円で前連結会計年度末に比べ2億3千8百万円の減少となりました。
インキ事業は、オフセットインキの関与する印刷市場における商業・出版印刷の市場規模縮小が、当社グループの想定を超えて継続しており、同業各社との価格等競争激化を招いております。
グラビアインキは機能性や意匠性、バイオマス由来材料を使用した製品に注力するも、全体の数量は下落しており、厳しい状況が継続するものと想定しております。
一方、インクジェットインクは「TIC-JET」のシステム販売による産業用用途の拡大により、前連結会計年度と比較し、大幅に業績を伸ばしており、今後更なる成長が期待されます。
インキ事業の今後の見通しは、オフセットインキの市場縮小による衰退に伴い、グラビアインキ、インクジェットインクへ移行することを指向し、事業として更なる合理化、抜本的な構造改革が必要と認識しております。
(化成品事業)
売上高は、223億2千5百万円で前年度比20億5千2百万円の増収(10.1%増)、セグメント利益は21億3千4百万円で前年度比4億4千万円の増益(26.0%増)となりました。
セグメント資産は、190億1千万円で前連結会計年度末に比べ17億1千4百万円の増加となりました。
化成品事業は、既存領域であるポリオレフィンから周辺領域である非ポリオレフィンを強化すべく、生産設備の増強等により、事業領域の更なる拡大を図っております。
添加剤マスターバッチは、顧客ニーズの吸上げによる、更なる高付加価値化、多用途化を付与した製品群を拡大させております。
また、土岐第2工場のクリーン環境下における新製品につきましては、ユーザーとの共同開発テーマを積極的に進め、差別化した新製品の開発に注力しております。
海外の事業につきましては、タイ子会社による設備投資の増強が完了し、投資効果により計画を上回る結果となりました。今後はタイを拠点としてASEAN地域での新規受注を推進し、事業を軌道に乗せるための活動を一層進めていく予定であります。
さらに、生産拠点の再構築に着手し、大阪工場に新たな建屋、生産設備を増強する予定であり、主力である吉野原工場の再構築も含めた全社最適による競争力向上を目指してまいります。
(加工品事業)
売上高は、81億4千万円で前年度比2億4千万円の減収(2.9%減)、セグメント利益は売上構成の変化により5億5千1百万円で前年度比1億1千9百万円の増益(27.8%増)となりました。
セグメント資産は、52億2千7百万円で前連結会計年度末に比べ3億1千2百万円の増加となりました。
加工品事業は、ネトロン工材の水処理用資材が、前年並みに推移しましたが、海外での需要が引き続き見込めることから、積極的な販売政策を図っております。また、メガソーラー等太陽光発電資材の需要が大幅に拡大したことも追い風となりました。
ネトロン包材は、既存品に加え、新規製品の「スタンディングネット」の拡販や、水産向け包材等が好調であります。
ネトロン工材、ネトロン包材ともに、既存品の新規用途を探索しており、新たなニーズ獲得による競争力向上を目指しております。
土木資材は「テラセル」をはじめ、より付加価値の高い「グランドセル」を市場投入し、新たな工法の開発による用途拡大が収益に寄与いたしました。
一軸延伸フィルムは、食品用途やコイン包装用途が主軸であり、食品用途向け新規案件が販売増加に寄与いたしました。今後、食品用途以外の産業用途向けの需要開発を推進してまいります。
農業資材は、多層断熱被覆資材である「エナジーキーパー」の市場での認知度が徐々に高まってきました。多層化構造で保温率約90%を実現し、大幅にエネルギーコストを抑えることが出来ることから、ハウス栽培での、貯蔵、育苗をはじめ用途は食糧や観賞用植物まで拡大しております。
(不動産賃貸事業)
売上高は、2億9千9百万円で前年度比1千万円の増収(3.7%増)、セグメント利益は1億5千7百万円で前年度比1千5百万円の増益(11.1%増)となりました。
セグメント資産は、21億5千9百万円で前連結会計年度末に比べ7千8百万円の減少となりました。
不動産賃貸事業は、埼玉県その他の地域において、倉庫及びオフィスビルを賃貸しております。当連結会計年度における売上高及びセグメント利益は安定しており、当社グループとしましては、保有不動産の有効活用を目的とした事業運営を行っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)におけるわが国の経済は、株価の上昇、企業収益の改善により、景気は緩やかな回復基調が継続しておりましたが、海外の政策動向や地政学的リスクの高まり等により、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の中、当社グループは、既存の事業領域における競争力強化と周辺事業領域の拡大に引き続き努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高が448億6千6百万円で前年度比9億1千6百万円の増収(2.1%増)、営業利益は14億6千4百万円で前年度比2億8千2百万円の増益(23.9%増)、経常利益は17億2千4百万円で前年度比2億5千9百万円の増益(17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億5千7百万円で前年度比1億4千2百万円の増益(14.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(インキ事業)
オフセットインキは、市場の縮小化が継続する厳しい環境の中で売上確保に努めましたが、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
グラビアインキは、新たな需要の開発に取り組みましたが、顧客事情による商権喪失もあり、数量および売上高は前年度に比べ減少いたしました。
インクジェットインクは、産業用機能性インクと受託インクが増加し、数量および売上高は前年度に比べ大幅に増加いたしました。
印刷用材料および印刷機械は、オフセットインキと同様に市場の縮小化が継続する厳しい環境の中、売上維持に努めましたが、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
この結果、インキ事業の売上高は、141億円で前年度比9億5百万円の減収(6.0%減)、セグメント利益は3億9千7百万円で前年度比2億2千9百万円の減益(36.6%減)となりました。
(化成品事業)
合成樹脂用着色剤は、食品・日用品包装向けの着色製品および機能製品、自動車向け、住宅関連向けの着色製品の受注が好調に推移し、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。
合成樹脂成形材料は、好調な国内外の需要に支えられ、数量および売上高は前年度に比べ増加いたしました。
この結果、化成品事業の売上高は、223億2千5百万円で前年度比20億5千2百万円の増収(10.1%増)、セグメント利益は21億3千4百万円で前年度比4億4千万円の増益(26.0%増)となりました。
(加工品事業)
工業材料は、水処理用資材が前年度並みに推移するとともに、太陽光発電用資材の需要が拡大し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
土木資材は、第3四半期より本格的に市場へ投入したグランドセルが好調に推移したものの、震災復興向け土木資材の工事減に伴う販売減により、売上高は前年度に比べ減少いたしました。
一軸延伸フィルムおよび農業用資材は、順調に推移し、売上高は前年度に比べ増加いたしました。
この結果、加工品事業の売上高は、81億4千万円で前年度比2億4千万円の減収(2.9%減)、セグメント利益は売上構成の変化により5億5千1百万円で前年度比1億1千9百万円の増益(27.8%増)となりました。
(不動産事業)
不動産賃貸事業の売上高は、2億9千9百万円で前年度比1千万円の増収(3.7%増)、セグメント利益は1億5千7百万円で前年度比1千5百万円の増益(11.1%増)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は467億5千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億8千3百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加12億8千7百万円、たな卸資産の増加2億6千1百万円、有形固定資産の増加8千9百万円及び投資有価証券の時価上昇等に伴う増加2億1百万円等によるものです。
負債合計は232億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加15億6千8百万円、短期借入金の減少9億9千万円、長期借入金の増加4億6百万円、繰延税金負債の増加1億4千5百万円、退職給付に係る負債の減少4億4千2百万円等によるものです。
純資産の部は234億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億3千万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加9億9千5百万円及びその他の包括利益累計額の増加3億2百万円等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は17億1千万円で、前連結会計年度末に比べ1千1百万円の増加(0.7%増)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千万円の収入となりました(前連結会計年度は23億5千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億1千7百万円、減価償却費12億4百万円が計上され、売上債権の増加12億8千8百万円、仕入債務の増加15億6千8百万円、たな卸資産の増加2億5千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億5千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は8億6千5百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億3千7百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億9千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億3千万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億9千万円、長期借入による純増額4億7千4百万円、配当金の支払額1億6千2百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 生産数量合計(トン) | 前年同期比(%) |
インキ事業 | 30,831 (7,472) [3,882] | 95.5 (95.2) [90.6] |
化成品事業 | 52,414 (180) [18,813] | 117.2 (120.1) [112.5] |
加工品事業 | 4,782 (-) [-] | 106.4 (-) [-] |
不動産賃貸事業 | - (-) [-] | - (-) [-] |
合計 | 88,028 (7,653) [22,695] | 108.0 (95.6) [108.0] |
(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 [ ]内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前年同期比(%) |
インキ事業 | 3,063 | 87.9 |
化成品事業 | 152 | 172.0 |
加工品事業 | 4,436 | 92.8 |
不動産賃貸事業 | - | - |
合計 | 7,652 | 91.6 |
(注) 金額は仕入価額(消費税等抜き)によっております。
c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
インキ事業 | 14,100 | 94.0 |
化成品事業 | 22,325 | 110.1 |
加工品事業 | 8,140 | 97.1 |
不動産賃貸事業 | 299 | 103.7 |
合計 | 44,866 | 102.1 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債、繰延税金資産の回収可能性の検討等には、過去の実績や合理的な見積りを勘案した判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等について
生産効率の向上や原材料要因による製造コストの低減等もあり、売上高は448億6千6百万円で前年度比9億1千6百万円の増収(2.1%増)、営業利益は14億6千4百万円で前年度比2億8千2百万円の増益(23.9%増)、経常利益は17億2千4百万円で前年度比2億5千9百万円の増益(17.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は11億5千7百万円で前年度比1億4千2百万円の増益(14.0%増)となりました。
インキ事業は商業・出版印刷の市場の縮小化が進み、厳しい状況であります。化成品事業および加工品事業は、新規案件の開拓、既存顧客への拡販もあり、好調に推移いたしました。
また、インキ事業、化成品事業、加工品事業の各事業間シナジーの推進を実現してまいりました。今後につきましてもさらなるシナジーを追求した共同案件を推進してまいります。
財政状態の状況につきましては、当連結会計年度末の総資産が467億5千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億8千3百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形及び売掛金の増加12億8千7百万円、たな卸資産の増加2億6千1百万円、有形固定資産の増加8千9百万円及び投資有価証券の時価上昇等に伴う増加2億1百万円等によるものです。
負債合計は232億8千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ7億5千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加15億6千8百万円、短期借入金の減少9億9千万円、長期借入金の増加4億6百万円、繰延税金負債の増加1億4千5百万円、退職給付に係る負債の減少4億4千2百万円等によるものです。
純資産の部は234億7千2百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億3千万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加9億9千5百万円及びその他の包括利益累計額の増加3億2百万円等によるものです。この結果、自己資本比率は49.9%となり、前連結会計年度末に比べ0.6%増加となりました。
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高が17億1千万円となり、前連結会計年度末に比べ1千1百万円の増加(0.7%増)となりました。
なお、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリーキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費等の収入が、有形固定資産の取得等の支出を上回り9億1千2百万円の収入となりました。(前連結会計年度は14億9千4百万円の収入)
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、23億7千万円の収入となりました(前連結会計年度は23億5千9百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益17億1千7百万円、減価償却費12億4百万円が計上され、売上債権の増加12億8千8百万円、仕入債務の増加15億6千8百万円、たな卸資産の増加2億5千8百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、14億5千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は8億6千5百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出12億3千7百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億9千7百万円の支出となりました(前連結会計年度は14億3千万円の支出)。主な要因は、短期借入金の純減額9億9千万円、長期借入による純増額4億7千4百万円、配当金の支払額1億6千2百万円等によるものです。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
インキ事業の関与する、印刷市場における商業・出版印刷の減少に起因した競争激化、また全事業において、原材料価格の変動による影響があります。
c.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
事業運営上必要な運転資金は、自己資金及び金融機関からの短期借入調達、設備投資資金は金融機関からの長期借入調達を基本としております。
d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
当連結会計年度において、原材料要因もあり連結経常利益15億円の数値目標には到達いたしましたが、改めて各戦略と基盤整備を当社グループ一丸となって遂行し、企業価値の向上を図ってまいります。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(インキ事業)
売上高は、141億円で前年度比9億5百万円の減収(6.0%減)、セグメント利益は3億9千7百万円で前年度比2億2千9百万円の減益(36.6%減)となりました。
セグメント資産は、154億5千3百万円で前連結会計年度末に比べ2億3千8百万円の減少となりました。
インキ事業は、オフセットインキの関与する印刷市場における商業・出版印刷の市場規模縮小が、当社グループの想定を超えて継続しており、同業各社との価格等競争激化を招いております。
グラビアインキは機能性や意匠性、バイオマス由来材料を使用した製品に注力するも、全体の数量は下落しており、厳しい状況が継続するものと想定しております。
一方、インクジェットインクは「TIC-JET」のシステム販売による産業用用途の拡大により、前連結会計年度と比較し、大幅に業績を伸ばしており、今後更なる成長が期待されます。
インキ事業の今後の見通しは、オフセットインキの市場縮小による衰退に伴い、グラビアインキ、インクジェットインクへ移行することを指向し、事業として更なる合理化、抜本的な構造改革が必要と認識しております。
(化成品事業)
売上高は、223億2千5百万円で前年度比20億5千2百万円の増収(10.1%増)、セグメント利益は21億3千4百万円で前年度比4億4千万円の増益(26.0%増)となりました。
セグメント資産は、190億1千万円で前連結会計年度末に比べ17億1千4百万円の増加となりました。
化成品事業は、既存領域であるポリオレフィンから周辺領域である非ポリオレフィンを強化すべく、生産設備の増強等により、事業領域の更なる拡大を図っております。
添加剤マスターバッチは、顧客ニーズの吸上げによる、更なる高付加価値化、多用途化を付与した製品群を拡大させております。
また、土岐第2工場のクリーン環境下における新製品につきましては、ユーザーとの共同開発テーマを積極的に進め、差別化した新製品の開発に注力しております。
海外の事業につきましては、タイ子会社による設備投資の増強が完了し、投資効果により計画を上回る結果となりました。今後はタイを拠点としてASEAN地域での新規受注を推進し、事業を軌道に乗せるための活動を一層進めていく予定であります。
さらに、生産拠点の再構築に着手し、大阪工場に新たな建屋、生産設備を増強する予定であり、主力である吉野原工場の再構築も含めた全社最適による競争力向上を目指してまいります。
(加工品事業)
売上高は、81億4千万円で前年度比2億4千万円の減収(2.9%減)、セグメント利益は売上構成の変化により5億5千1百万円で前年度比1億1千9百万円の増益(27.8%増)となりました。
セグメント資産は、52億2千7百万円で前連結会計年度末に比べ3億1千2百万円の増加となりました。
加工品事業は、ネトロン工材の水処理用資材が、前年並みに推移しましたが、海外での需要が引き続き見込めることから、積極的な販売政策を図っております。また、メガソーラー等太陽光発電資材の需要が大幅に拡大したことも追い風となりました。
ネトロン包材は、既存品に加え、新規製品の「スタンディングネット」の拡販や、水産向け包材等が好調であります。
ネトロン工材、ネトロン包材ともに、既存品の新規用途を探索しており、新たなニーズ獲得による競争力向上を目指しております。
土木資材は「テラセル」をはじめ、より付加価値の高い「グランドセル」を市場投入し、新たな工法の開発による用途拡大が収益に寄与いたしました。
一軸延伸フィルムは、食品用途やコイン包装用途が主軸であり、食品用途向け新規案件が販売増加に寄与いたしました。今後、食品用途以外の産業用途向けの需要開発を推進してまいります。
農業資材は、多層断熱被覆資材である「エナジーキーパー」の市場での認知度が徐々に高まってきました。多層化構造で保温率約90%を実現し、大幅にエネルギーコストを抑えることが出来ることから、ハウス栽培での、貯蔵、育苗をはじめ用途は食糧や観賞用植物まで拡大しております。
(不動産賃貸事業)
売上高は、2億9千9百万円で前年度比1千万円の増収(3.7%増)、セグメント利益は1億5千7百万円で前年度比1千5百万円の増益(11.1%増)となりました。
セグメント資産は、21億5千9百万円で前連結会計年度末に比べ7千8百万円の減少となりました。
不動産賃貸事業は、埼玉県その他の地域において、倉庫及びオフィスビルを賃貸しております。当連結会計年度における売上高及びセグメント利益は安定しており、当社グループとしましては、保有不動産の有効活用を目的とした事業運営を行っております。