有価証券報告書-第150期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

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2022/06/30 9:53
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績等の概況
当連結会計年度の業績は下記のとおりであります。
(単位:百万円)
区 分2021年3月期2022年3月期増減額増減率
売上高38,16541,4013,2358.5%
営業利益256675419163.2%
経常利益62289827644.4%
親会社株主に帰属する
当期純利益
60072512520.9%

当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、ワクチン接種の進展に伴い経済社会活動が段階的に再開され、緩やかな回復が見られたものの、年明け以降、新たな変異株の出現による感染再拡大の影響により感染症収束の見通しは依然立たず、景気の回復は鈍化しました。
加えて、想定を上回る原油や原材料価格の高騰、急激な円安の進行や半導体を中心とした電子部品の供給不足、さらにはロシアによるウクライナへの軍事侵攻を契機に国内外において企業の経済活動の停滞が一層懸念され、地政学上のリスク等世界的な不確実性の高まりから、今後の経済に与える影響は先行き不透明な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループは、既存の事業領域における競争力強化と顧客満足の向上および周辺事業領域への拡大に引き続き努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高が414億1百万円で前年度比32億3千5百万円の増収(8.5%増)、営業利益は6億7千5百万円で前年度比4億1千9百万円の増益(163.2%増)、経常利益は8億9千8百万円で前年度比2億7千6百万円の増益(44.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億2千5百万円で前年度比1億2千5百万円の増益(20.9%増)となりました。
なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。
「売上高年度別推移」 (百万円) 「営業利益年度別推移」 (百万円)
0102010_007.png※業績予想の数値は全て2021年5月19日の公表値
「経営成績の四半期推移」 (百万円)
0102010_008.png
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
0102010_009.png
(インキ事業)
(単位:百万円)
区 分2021年3月期2022年3月期増減額増減率
売上高11,40113,1971,79615.8%
セグメント利益20834213464.7%

インキ事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
オフセットインキおよび印刷用材料は、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が落ち込んだ前年度からは折込チラシ、旅行関連、イベント企画等の印刷物に対して一定の回復が見られました。そのような状況下で、更なる選択と集中による売り上げ確保に努めた結果、前年度に比べ売上高は増加いたしました。利益面では第3四半期からの原材料価格高騰の影響を受けましたが、経費削減等に努めた結果、増加いたしました。
グラビアインキは、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が落ち込んだ前年度からは行楽・イベント関連需要が持ち直しつつあり、一定の回復が見られました。また、ライスインキ、バイオマスインキ等の環境対応インキや印刷物に新たな価値を付与する機能性インキが伸長、荒川塗料工業㈱の連結子会社化等が寄与し、前年度に比べ売上高は増加いたしました。しかし、利益面では第3四半期からの原材料価格高騰の影響により前年度並みとなりました。
インクジェットインクは、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が落ち込んだ前年度から、受託インクが主要市場である北米やEU諸国における市況が一定の回復が見られたことに加え、産業用機能性インクにおいても、建材用、メディカル用途が伸長したことにより、前年度に比べ売上高・利益ともに増加いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、インキ事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収増益となりました。
今後のインキ事業を取り巻く各製品の市場環境について、オフセットインキおよび印刷用材料はデジタル化への移行による商業印刷の減少等の構造的な市場縮小が継続、グラビアインキはパッケージ分野の市場が堅調に推移、インクジェットインクは産業用市場を中心に拡大するものと見込んでおります。
各製品の市場環境が異なっていることから、事業内ポートフォリオの再構築を進めることで、収益力の向上を目指してまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
0102010_010.png
(化成品事業)
(単位:百万円)
区 分2021年3月期2022年3月期増減額増減率
売上高18,40920,2431,83310.0%
セグメント利益1,0921,63754550.0%

化成品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
着色剤、添加剤等のマスターバッチは、第3四半期からの原材料価格高騰の影響および国内自動車メーカーの減産影響を受けましたが、新型コロナウイルス感染症により低迷していた衣料品、化粧品、日用品向け等の一般包装資材関係が一定の回復を見せたことに加え、既存顧客への販売強化および新規顧客開拓に努めた結果、前年度に比べ売上高・利益ともに増加いたしました。
樹脂コンパウンドは、前年度に比べ自動車用途は一定の回復を見せましたが、電子機器関係、OA機器関係および日用品等が低調に推移いたしました。既存顧客への販売強化および新規顧客開拓に努めた結果、前年度に比べ売上高は増加いたしましたが、第3四半期からの原材料価格高騰の影響もあり、利益は前年度並みとなりました。
この結果、上記の表に記載のとおり、化成品事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収増益となりました。
今後の化成品事業を取り巻く各製品の市場環境について、着色剤、添加剤等のマスターバッチ、樹脂コンパウンドともに市場・用途が多岐にわたっており、その利便性からも一定程度の需要は見込まれるものの、脱プラスチック化の流れや法規制の強化等による影響は継続するものと見込んでおります。
環境問題への関心の高まりを機会と捉え、バイオプラスチックベースの着色剤等の環境対応製品の開発・拡販を進めるとともに、リサイクル材の活用や、サーキュラーエコノミーへの参画等を推進してまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
0102010_011.png
(加工品事業)
(単位:百万円)
区 分2021年3月期2022年3月期増減額増減率
売上高8,3087,871△437△5.3%
セグメント利益946618△328△34.7%

加工品事業における各製品の当連結会計年度の概況をご報告いたします。
ネトロン工材は、当年度に生産能力を増強した水処理用資材が伸長したこと等により、前年度に比べ売上高は増加いたしましたが、利益は新規設備の償却費の増加等の影響により減少いたしました。
ネトロン包材は、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が落ち込んだ水産向けが一定の回復を見せたことや、環境対応新製品が好評であったこともあり、前年度に比べ売上高は若干増加いたしましたが、利益については販売構成差もあり、前年度並みとなりました。
一軸延伸フィルムは、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が落ち込んだ贈答品包装用途が一定の回復をみせたこと等により、前年度に比べ売上高は増加いたしましたが、利益は第3四半期からの原材料価格高騰の影響もあり減少いたしました。
土木資材は、防災・減災需要拡大および国土強靭化計画の延長に伴い、独自工法により地位を確立しているジオセルおよびその周辺部材が好調に推移いたしましたが、災害復興需要が旺盛であった前年度に比べると売上高・利益ともに減少いたしました。
農業資材は、原油高の影響により、高い保温性を有する高機能内張カーテン資材が好調でありましたが、新型コロナウイルス感染症影響による投資意欲の低迷が続いていることもあり、前年度に比べ売上高・利益ともに減少いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、加工品事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ減収減益となりました。
今後の加工品事業を取り巻く各製品の市場環境について、ネトロン®では水処理用途の市場の伸長、土木資材では国土強靭化計画継続により防災・減災需要の拡大は継続するものと見込んでおります。
一方、一軸延伸フィルムではキャッシュレス化の影響、農業資材では国内耕作面積の減少はいずれも継続するものと見込んでおります。
市場が伸長している分野におきましては、生産能力の増強や新製品開発・拡販等を推し進めるとともに、包装資材や農業資材におきましては、環境問題への関心の高まりを機会と捉え、バイオプラスチックベースの環境対応製品の開発・拡販を進めてまいります。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
0102010_012.png
(不動産賃貸事業)
(単位:百万円)
区 分2021年3月期2022年3月期増減額増減率
売上高45894394.4%
セグメント利益45550-

不動産賃貸事業は、前年度に建設した戸建賃貸住宅「パレットパークタウン」および本社ビル賃貸オフィス稼働が堅調に推移いたしました。
この結果、上記の表に記載のとおり、不動産賃貸事業の当連結会計年度の業績は、前年度に比べ増収増益となりました。
「売上高・セグメント利益の年度別推移と四半期推移」 (百万円)
0102010_013.png
②財政状態の状況
(単位:百万円)
区 分2021年3月期2022年3月期増減額増減率
資産45,78347,3091,5263.3%
負債20,56621,6191,0525.1%
純資産25,21625,6904731.9%

当連結会計年度末の総資産は473億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億2千6百万円増加いたしました。主な要因は、現金及び預金の増加4億6千万円、受取手形、電子記録債権及び売掛金の増加4億2千2百万円、棚卸資産の増加9億4千5百万円、投資有価証券の減少3億3千9百万円、退職給付に係る資産の増加3億6千3百万円等によるものです。
負債合計は216億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億5千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形及び買掛金の増加6億5千6百万円、短期借入金の増加5億3百万円、未払法人税等の増加1億3百万円、未払消費税等の増加9千3百万円、長期借入金の減少1億4千5百万円等によるものです。
純資産の部は256億9千万円となり、前連結会計年度末に比べ4億7千3百万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加5億1千7百万円、その他の包括利益累計額の減少3千7百万円等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
区 分2021年3月期2022年3月期増減額
営業活動によるキャッシュ・フロー1,9421,428△513
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,668△1,040628
フリー・キャッシュ・フロー273387114
財務活動によるキャッシュ・フロー1,31939△1,280
現金及び現金同等物の期末残高3,1613,622460

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億2千2百万円で、前連結会計年度末に比べ4億6千万円の増加(14.6%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、14億2千8百万円の収入となりました(前連結会計年度は19億4千2百万円の収入)。主な要因は、税金等調整前当期純利益9億4千4百万円、減価償却費14億9千1百万円が計上され、売上債権の増加4億2百万円、棚卸資産の増加9億3千9百万円、仕入債務の増加6億4千9百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、10億4千万円の支出となりました(前連結会計年度は16億6千8百万円の支出)。主な要因は、有形固定資産の取得による支出15億5千4百万円、投資有価証券の売却による収入1億4千4百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、3千9百万円の収入となりました(前連結会計年度は13億1千9百万円の収入)。主な要因は、短期借入金の純増額5億3百万円、長期借入による純減額1億5千1百万円、配当金の支払額2億9百万円等によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産数量合計(トン)前年同期比(%)
インキ事業27,461
(6,158)
[1,798]
115.2
(108.1)
[89.1]
化成品事業45,140
(141)
[18,118]
110.9
(106.4)
[94.6]
加工品事業4,548
(-)
[2,006]
92.6
(-)
[96.1]
不動産賃貸事業-
(-)
[-]
-
(-)
[-]
合計77,150
(6,299)
[21,923]
111.1
(108.1)
[94.2]

(注)1 ( )内数字は自家消費分を示し、かつ内数であります。
2 [ ]内数字は外注分を示し、かつ内数であります。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(百万円)前年同期比(%)
インキ事業1,79893.4
化成品事業279116.9
加工品事業3,51187.7
不動産賃貸事業--
合計5,58990.7

c.受注実績
当社グループは主として見込生産を行っております。なお、化成品の一部で受注生産を行っているものもありますが、特に受注残高を示すほどのものではありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)
インキ事業13,197115.8
化成品事業20,243110.0
加工品事業7,87194.7
不動産賃貸事業89194.4
合計41,401108.5

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の財政状態
当連結会計年度末の総資産は473億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億2千6百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆資産の部
(単位:百万円)
摘要2021年3月期2022年3月期増減額主な内容分析
流動資産現預金3,1633,624460現預金を月商の過半数超水準維持による事業運営
売上債権14,34514,767422前年度から売上の一定程度回復による売上債権増
棚卸資産7,8308,776945製品+375、仕掛品+197、原材料+366他
その他31534832
25,65527,5161,861売上の一定程度回復による流動資産増
固定資産有・無形
固定資産
14,63614,6404減価償却費見合いの新規設備投資
投資
その他
5,4925,153△339・保有株式評価減△292、同株式売却△46
・米国連結子会社での持分法適用による出資分配金△359
・退職給付に係る資産増+363
20,12819,793△334
資産合計45,78347,3091,526財務基盤強化として手許流動性の確保継続

セグメント資産の状況
(単位:百万円)
2021年3月期2022年3月期増減額主な内容分析
インキ事業16,48516,916430売上債権の増加
化成品事業19,57120,6021,030売上債権、棚卸資産の増加
加工品事業5,8816,282401ネトロン生産設備増強
不動産賃貸事業685663△22
報告セグメント合計42,62444,4651,840



当連結会計年度末の負債合計は216億1千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ10億5千2百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆負債の部
(単位:百万円)
摘要2021年3月期2022年3月期増減額主な内容分析
流動負債仕入債務8,3959,051656前年度から売上の一定程度回復に伴う仕入債務増
短期借入金
(1年内含)
4,6715,169497運転資金の確保
その他1,9652,102136未払法人税等増+103
15,03216,3221,289売上の一定程度回復に伴う流動負債増
固定負債長期借入金3,9693,824△145約定返済減△1,581、当期設備借入+1,430
その他1,5641,472△91
5,5335,296△237
負債合計20,56621,6191,052運転資金・設備資金に対する調達余力の確保

純資産の部は256億9千万円となり、前連結会計年度末に比べ4億7千3百万円増加いたしました。分析・検討内容は、以下のとおりであります。
◆純資産の部
(単位:百万円)
摘要2021年3月期2022年3月期増減額主な内容分析
株主資本24,18624,703517利益剰余金+517
その他の
包括利益累計額
876839△37保有株式評価減△206、為替換算調整勘定+158
非支配株主持分154147△6
純資産合計25,21625,690473・利益確保による純資産増も、総資産増により自己資本比率54.0%(前年度比0.7ポイント減)

0102010_014.pngb.当社グループの当連結会計年度の経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高が414億1百万円で前年度比32億3千5百万円の増収(8.5%増)、営業利益は6億7千5百万円で前年度比4億1千9百万円の増益(163.2%増)、経常利益は8億9千8百万円で前年度比2億7千6百万円の増益(44.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7億2千5百万円で前年度比1億2千5百万円の増益(20.9%増)となりました。
その内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症拡大による経済活動の停滞から一定の回復が見られたことによる売上高の増加が主要因であると認識しております。
各事業セグメント別では、主要製品が多岐の市場にわたるため、前年度に新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受けたインキ事業、化成品事業は需要の一定の回復が見られたことで、増収・増益となっております。一方、加工品事業では、一軸延伸フィルムは新型コロナウイルス感染症拡大の影響から一定の回復が見られ、ネトロン工材の水処理用資材は堅調に推移いたしました。しかし、農業資材は新型コロナウイルス感染症拡大の影響からの回復が遅れており、土木資材は災害復興需要に落ち着きが見られたことから、加工品事業全体では減収・減益となっております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響は長期化しており、生活に密接に関連した製品を多岐にわたり展開している当社グループへの今後の業績に与える影響は依然極めて不透明な状況にあると認識しております。
こうした状況の中、当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす要因については、新型コロナウイルス感染症の長期化による経済活動の停滞による影響だけでなく、同感染症影響による生活様式や消費動向の変化、主要原料である樹脂や顔料等の原材料価格動向等が挙げられます。特に直近ではウクライナ情勢の緊迫化により加速した原油高等による原材料価格高騰が業績に与える影響は大きいと認識しております。
また、中長期の市場環境として、デジタル技術の急速な進展によるライフスタイルの変化、商業・出版印刷市場のデジタル化へのシフト、サステナビリティへの意識の高まりによる脱プラスチックの流れ等、当社グループ製品の需要動向全体に影響を及ぼす市場環境変化が加速していることも当社グループの経営成績に大きな影響を及ぼす要因と認識しております。
2021年度は中期経営計画「TOKYOink 2020」の最終年度でありました。中期経営計画の数値目標
である連結経常利益15億円に関しましては、コア事業周辺領域への製品展開、既存製品の収益維持に努めてきたこともあり、第145期(2017年3月期)、第146期(2018年3月期)に達成をいたしましたが、その後は未達成となりました。既存主力製品の市場縮小の加速化や新型コロナウイルス感染症拡大による需要の変化等、さまざまな外部環境変化が計画策定時の想定以上に進行したことや、原油高等に起因する原材料価格高騰に十分な対応ができなかったこと等が原因であると認識しております。
c.新中期経営計画「TOKYOink 2024」
2021年度までの中期経営計画「TOKYOink 2020」の取り組みの成果および対処すべき課題を踏まえた中で、2022年度からの3カ年の新中期経営計画「TOKYOink 2024」を策定いたしました。
計画の策定にあたっては、下記に記載の外部環境変化への対応および2020年度に導入した全社的リスクマネジメント(ERM)での全社重要リスクの選定(詳細は「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」参照)等のプロセスを経た上で、当社としての重点課題(マテリアリティ)を経営課題と重要リスクの側面から特定しております。
ESG課題への対応を推進し、企業価値の向上、企業活動と社会課題解決の両立を目指し、市場が
求める価値を追求し、その中でも環境・社会に貢献する製品・サービスを提供し続けることで、国内の景気・経済動向に左右されない高収益体質のメーカーになるべく、将来の成長に向けた再スタートの期間と位置付けた計画として策定しています。
対処すべき外部環境変化と全社重要リスク
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マテリアリティの特定
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新中期経営計画「TOKYOink 2024」概要
0102010_017.png
「TOKYOink 2024」の経営目標達成のための経営方針である
1.市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供
2.低成長時代にも耐えうる高効率な運営体制の実現
のもとに定めた基本戦略と事業戦略の概略を以下に示します。
(5つの基本戦略)
①「ESG経営の推進」では、企業に求められるESG課題への対応を推進し、サステナブルな社会の実現と企業価値の向上、企業活動と社会課題解決の両立を目指してまいります。
②「新製品開発・新規事業探索」では、当社のコア技術を活用し、企業理念と目指すべき企業像に込めた想いである、「伝える」「彩る」「守る」をキーワードとした製品開発を行ってまいります。
③「高効率運営体制の実現」では、低成長時代に耐えうる高収益体質のメーカーになるために、省力化の推進や高効率体制の推進に努めてまいります。
④「成長投資」では、新製品開発、効率化、安全対策等の投資を積極的に行ってまいります。
⑤「資本効率・株主還元」では、資本効率の向上と財務の健全性確保、事業成長を支える財務基盤の最適化、積極的かつ継続的な株主還元の実現に向けて活動してまいります。
(事業戦略)
インキ事業では、主力インキ事業領域はポートフォリオ変革を進め、環境対応製品、デジタル化への転換を推進し、高バイオマスインキ、環境対応インキ、産業用インクジェットインクの開発推進で収益獲得を目指してまいります。
化成品事業では、主力合成樹脂市場での成長機会を追求し、サーキュラーエコノミー参画を推進し、機能性マスターバッチ、自動車用着色材を主力に環境対応製品の拡大による成長を目指してまいります。
加工品事業では、市場の伸長が期待できる水処理部材や防災減災資材を主力に特長ある新規製品の開発を推進し、ネトロン®・土木資材を軸に各製品セグメントの特徴を活かし、ニッチトップ戦略により高収益化を目指してまいります。
当社の「企業理念(ありたい姿)」「目指すべき企業像(あるべき姿)」を原点とし、昨今、関心が高まっているESG課題への対応を強化するとともに、事業環境の変化に耐えうる運営体制を構築・運用することで、目標達成を目指したいと考えております。
なお、当社は2023年12月に創立100周年を迎えます。
新中期経営計画「TOKYOink 2024」では100周年に合わせ、次の100年に向けて更なる成長を遂げるための「長期ビジョン」を策定し、公表することを検討しております。
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新中期経営計画「TOKYOink 2024」の詳細につきましては、当社ホームページに「中期経営計画「TOKYOink 2024」(PDF資料)」を掲載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループでは高収益メーカーへの成長の通過点として、2020年度連結経常利益15億円を目標とする5か年の経営計画「TOKYOink 2020」を策定しており、その中の経営戦略において、財務戦略の基本方針を掲げております。
◆財務戦略の基本方針
経営基盤の強化と株主価値の向上を基本とし、財務リスクの対応を図り、事業戦略に応じた最適な資本構成を構築することを骨子として、財務体質の向上と資本効率を高めることを財務戦略の基本方針としております。
当社グループは、「暮らしを彩る、暮らしに役立つものづくりで、社会に貢献する。」を企業理念として、「色彩を軸に、市場が求める価値をお客様と共に創造、実現し続ける企業。」を目指し、高収益メーカーへの成長の通過点とするための中期経営計画「TOKYOink 2020」に取り組んでまいりました。2016年度から2020年度の5カ年計画として策定いたしましたが、新型コロナウイルス感染症の経営環境への影響が見通せない状況であったため、2021年度まで1年延長して取り組みを行ってまいりました。
計画期間内における財務戦略の主な取り組み、成果は以下のとおりです。
・財務基盤の最適化 … 投資判断基準の整備、付加価値を高める投資管理
成長投資を支える機動的な資金調達
・新しい会計基準、各種改正法令への対応
・企業価値向上のためのIR拡充 … 決算情報の記載充実化、決算説明会開始
・株主還元拡充 … 増配、株主優待開始、自己株式取得
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社グループの売上高が減少、収益力低下によって営業活動を原資とした運転資金が万一不足して財務体質悪化の事態に陥るリスクに備え、手許流動性の確保として以下の対応を図ってまいりました。
・現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持
・コミットメントラインによる短期借入金融資枠の増額
・コミットメントライン財務制限条項の見直し
当連結会計年度は、売上高が徐々に回復し、必要な運転資金も確保できていると判断し、通常時におけるコミットメントライン融資枠設定額に戻しましたが、事業展開に伴う資金調達として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
手許現預金は引き続き通常より手厚く保持することで、急激な売上減少等事業環境悪化に備えた対応を図っております。
今後もコロナ禍が継続する事業環境下において、適宜適切な財務リスクへの対応を図り、経営の守りを固めて安定した事業運営を遂行していくとともに、更なる企業価値向上へ向けた最適な資源配分や株主還元を実施し機動的な事業運営を引き続き行ってまいります。
2021年度までの中期経営計画「TOKYOink 2020」の取り組みの成果および対処すべき課題を踏まえた中で、2022年度からの3カ年の新中期経営計画「TOKYOink 2024」を策定いたしました。
新中期経営計画「TOKYOink 2024」の経営方針は下記のとおりです。
1.市場が求める価値の追求 とりわけ環境・社会に貢献する製品・サービスの提供
2.低成長時代にも耐えうる高効率な運営体制の実現
新中期経営計画「TOKYOink 2024」の基本戦略として「資本効率の向上と財務の健全性確保」、「事業成長を支える財務基盤の最適化」を掲げ、高効率な運営体制を実現することで、目標とする経営指標を達成し、更なる企業価値の向上を目指します。
〇目標とする経営指標
・効率性目標:ROS4%以上 ROE5%以上
・健全性目標:自己資本比率55%以上、D/Eレシオ0.3倍以下
〇資本効率の向上および財務健全性の確保により、コンパクトな経営の実現
・保有資産の最適化推進
・事業特性に応じた財務レバレッジ活用とコストを上回る生産性の実現
・資本コストを意識した持続的な成長・基盤投資
・最適資本構成を意識した機動的な資金需要への対応
b.キャッシュ・フローの状況の分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は36億2千2百万円で、前連結会計年度末に比べ4億6千万円の増加(14.6%増)となりました。
この資金の増加の要因は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報 a. 財務戦略の基本的な考え方」に記載のとおり、当連結会計年度も前連結会計年度に引き続き、現預金等手許資金を月商の過半数超の水準に維持した結果によるものであると考えます。
なお当社グループは、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動に支出されたキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローにつきまして、今後の事業展開に備えた設備等の投資や金融機関からの借入等負債返済へ充当可能な資金としての純額、若しくは、外部からの資金調達等の借入依存度を定量判断する目的として捉えており、基本的な考え方は、事業活動により獲得したキャッシュの創出額をベースに、投資の意思決定を経営判断していることから、当社の事業運営にとって有用な指標と認識しております。
新中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、成長性が見込まれる環境・社会貢献製品や特長ある新規開発製品により創出した営業キャッシュ・フローをベースに、新製品開発・新規事業の探索、省力化生産設備の導入、高効率化に向けたIT投資、安全・セキュリティ対策投資等、事業成長へ向けた必要な投資に振り向けることで、更なる企業価値の向上を目指します。
フリー・キャッシュ・フローの概況(6期分)
(単位:百万円)
区分2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
2022年
3月期
営業活動による
キャッシュ・フロー
2,3592,3701,6756611,9421,428
投資活動による
キャッシュ・フロー
△865△1,457△1,623△442△1,668△1,040
フリー・キャッシュ・フロー1,49491251218273387

当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益や減価償却費、売上債権の増加、棚卸資産の増加および仕入債務の増加等による収入14億2千8百万円が計上され、有形固定資産の取得による支出や投資有価証券の売却による収入等10億4千万円を若干上回り、3億8千7百万円の収入となりました(前連結会計年度は2億7千3百万円の収入)。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況等の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりですが、分析や検討内容は以下のとおりであります。
連結キャッシュ・フローの主な分析
(単位:百万円)
項目2021年3月期2022年3月期増減額主な内容分析
営業活動CF税金等調整前当期純利益88994454利益確保
減価償却費1,3441,491146前年度より若干増
負ののれん発生益△219-219前年度は荒川塗料工業㈱の連結子会社化による
売上債権の増減額800△402△1,203前年度から売上の一定程度回復による売掛債権の増加
棚卸資産の増減額446△939△1,385前年度から売上の一定程度回復による在庫増加
仕入債務の増減額△5026491,151前年度から売上の一定程度回復に伴う仕入債務の増加
法人税等の支払額△526△123402米国子会社の法人税納税額減少
その他△291△190100
小計1,9421,428△513前年度と比較し一定程度回復した利益をベースに、事業運営上の必要資金確保
投資活動CF有形固定資産の取得△1,808△1,554253減価償却費見合いの新規設備投資
投資有価証券の売却383144△238CGCに基づく政策保有株式売却継続
売却額は前年度より減少
出資分配金による収入645426△219米国連結子会社の出資先からの分配金減少
連結範囲の変更を伴う
子会社株式取得による支出
△689-689前年度は荒川塗料工業㈱の連結子会社化に伴う株式取得
その他△200△56143
小計△1,668△1,040628前年度はM&A等成長戦略投資の支出増
当年度は事業投資等実施


(単位:百万円)
項目2021年3月期2022年3月期増減額主な内容分析
財務活動CF短期借入金の純増減額726503△222運転資金確保
長期借入金による収入2,3701,430△940前年度は荒川塗料工業㈱買収により長期資金調達が多額
長期借入金の返済△1,446△1,581△135約定弁済による返済
自己株式の取得による支出△1△00
その他△328△31116配当金支払、ファイナンスリース債務返済
小計1,31939△1,280手許流動性の確保継続を含め、長期・短期借入金による資金調達

c.資本政策の基本的な方針
当社グループは、経営基盤の強化並びに今後の企業価値向上へ向けた内部留保を確保しつつ、株主の皆様への利益還元を経営の重要課題の一つと認識し、株主価値向上を目指した、安定的かつ継続的に配当することを基本方針としております。
決算年月2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
2022年
3月期
自己資本利益率 (ROE)4.9%5.5%4.3%2.8%2.5%2.9%
総資産経常利益率 (ROA)3.4%3.8%3.1%1.8%1.4%1.9%
売上高営業利益率 (ROS)2.7%3.3%2.8%1.4%0.7%1.6%
配当性向(連結)15.2%14.8%21.0%32.8%34.9%28.9%

自己資本利益率 (ROE):親会社株主に帰属する当期純利益/(純資産-非支配株主持分)
総資産経常利益率 (ROA):経常利益/総資産
売上高営業利益率 (ROS):営業利益/売上高
配当性向(連結):1株当たり配当金/1株当たり当期純利益
新中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、配当性向30%以上を目標とする経営指標としており、資本・財務状況および市場環境等を踏まえた上で、自己株式の取得も検討し、資本効率の向上を通じて株主利益の向上を図り、機動的な資本戦略と株主還元を実現してまいります。
当連結会計年度の配当性向は28.9%と前連結会計年度と比較し、6.0ポイント下回っておりますが、次期の連結業績予想に基づく配当性向は30%以上となる見込みであります。
d.資金調達の基本的な方針
当社グループの主な資金需要として、短期的な資金需要は主として製造費用、販売費および一般管理費等運転資金であり、営業活動により獲得したキャッシュ・フローをベースに金融機関からの短期借入金により資金調達を行っております。また、長期的な資金需要は主に生産性向上や新規拡充を目的とした設備投資や素材を活かす要素技術・加工技術の拡充等研究開発費用、事業戦略としてのコア事業の更なる強化/拡大…基盤強化戦略、コア事業周辺領域の事業拡大…成長戦略に向けた投資および株主還元としての配当支払い等であり、主として内部留保資金の活用や金融機関からの固定金利による長期借入金により資金調達を行っております。
なお当社グループは、財務戦略の一環として親会社、子会社間においての資金効率を高める目的で、グループ内キャッシュ・マネジメント・システムを実施しております。グループ全体の資金状況を可視化し、外部からの調達は親会社主導による一元化、資金需要のある子会社へ最適配分する一方、余剰資金のある子会社から資金調達を行うことで資金効率化、流動性管理の高度化を図っております。
前連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大による影響により、当社グループの売上高が減少、収益力低下によって営業活動を原資とした運転資金が万一不足して財務体質悪化の事態に陥るリスクに備え、手許流動性の確保として以下の対応を図ってまいりました。
・現預金等手許資金を月商の過半数超の水準で維持
・コミットメントラインによる短期借入金融資枠を34億円増額
・コミットメントライン財務制限条項の見直し
当連結会計年度は、前連結会計年度より売上が徐々に回復し、必要な運転資金も確保できていると判断し、前連結会計年度にコロナ禍における緊急的措置として増額したコミットメントライン融資枠34億円を更新せず、通常時における同融資枠40億円に設定額を戻しております。
手許現預金は引き続き手厚く保持することで、急激な売上減少等事業環境悪化に備え、コロナ禍においての運転資金管理への対応を図っており、事業展開に伴う資金調達として、短期借入金や長期借入金の金融機関に対する信用枠を十分確保しております。
なお、当連結会計年度末のコミットメントラインの借入実行残高は20億円、借入未実行残高は20億円であります。
新中期経営計画「TOKYOink 2024」においては、高効率な経営体制の実現を掲げ、資本効率の向上を目指し、保有資産の最適化推進や最適資本構成を意識した機動的な資金需要への対応を行い、総資産の圧縮による有利子負債の削減を目指します。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
2017年
3月期
2018年
3月期
2019年
3月期
2020年
3月期
2021年
3月期
2022年
3月期
自己資本比率(%)50.151.151.454.954.754.0
時価ベースの自己資本比率(%)17.222.514.711.312.412.6
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)3.22.94.410.94.66.4
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)63.871.351.019.354.743.1
D/Eレシオ(倍)0.330.290.310.300.350.36

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
D/Eレシオ:有利子負債/自己資本
(注1)いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
(注2)株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
(注3)キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
(注4)有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。
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2022年3月31日現在のD/Eレシオは0.36倍であり、運転資金・設備資金等借入額の増加により、前連結会計年度に引き続き上昇傾向となっております。
一方、ネットD/Eレシオは0.22倍であり、現預金等手許資金を月商の過半数超の水準に維持し、急激な売上減少等の事業環境悪化に対して備えたことで、低下傾向にあります。
新中期経営計画「TOKYOink 2024」に基づいた施策の実施により、有利子負債の水準を適正にコントロールしてまいります。
2022年3月31日現在、短期借入金、長期借入金やリース債務の内訳は以下のとおりであり、有利子負債の合計は91億9千4百万円となっております。
(契約債務)
2022年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
短期借入金3,6203,620---
長期借入金5,3731,5491,9831,337502
リース債務2018293240

(注) 連結貸借対照表の1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。
③重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおり、減損会計の検討には、合理的な見積りを勘案した判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うため、これらの見積りと異なる可能性があります。