有価証券報告書-第37期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 9:04
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141項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気に足踏み感が漂うものの雇用環境や家計部門は緩やかに回復しております。しかしながら消費税の増税による景気後退懸念などから不透明な状況となっております。
当社グループの主力事業が属するわが国医薬品業界においては、ジェネリック医薬品の処方拡大や薬価制度の抜本改革といった医療費抑制の流れが加速するなど、引き続き厳しい環境下に推移いたしました。
このような状況の下、当社グループのセグメント別での業績は、次のとおりとなりました。
<診断・試薬事業>研究用試薬関連の領域は、非常に流動的であり、競争が激しい市場でありますが、売上は前期比微増となりました。研究用試薬関連につきましては、主力製品であるEIA測定キット・抗体において、国内販売が落ち込む一方、数年前から本格的に取り組み始めた海外の販促活動が奏功し、新たな地域における代理店網を拡大していることから売上増加となっております。また、受託については、今まで培ってきた抗体領域での定評のもと、ポリクローナル抗体作製、モノクローナル抗体作製、ELISA構築などを行っており、関連売上を含めて前期とほぼ同等の売上を計上することができました。
医薬品関連につきましては、主力の体外診断用医薬品の牛海綿状脳症測定キットにおいては、当社製品がほぼ独占状態にありますが、BSE全頭検査において、2013年に厚生労働省による全頭検査見直しにより、需要が不安定となっているため、当期については前期と比べ売上は減少いたしました。一方、海外でのアミロイドβ関連の製品は売上が増加いたしました。
その結果、当セグメントの売上高は588,014千円、(前年同期比2.9%減)、営業利益67,079千円(前年同期比47.4%減)となりました。
<遺伝子組換えカイコ事業>当事業においては、各種抗体等の受託の売上のほか、iPS細胞等の培養足場材として有用であるラミニン511-E8が次第に認知度を高めており、売上が増加いたしました。
一方、当事業では、遺伝子組換えカイコを用いた医薬品製造を実現させるべく、その製造技術の開発を進めているところであり、事業の重点を研究開発に置いております。なかでも抗HIV抗体に関しては、株式会社CUREDが所有する抗HIV抗体のADCC活性を当社の遺伝子組換えカイコ技術を用いて飛躍的に増強させ、HIV感染症の治癒を可能にする画期的な抗体医薬品の開発を進めております。現在、薬効・薬理試験が順調に進展しており、試験結果を開示する準備を進めているところです。また、医薬品製造において最も懸念される遺伝子組換えカイコの系統・バンク管理等に関してPMDAへ戦略相談を行い、当社が計画している①遺伝子組換えカイコの作出工程および系統管理方法、②遺伝子組換えカイコの大量飼育工程における品質・工程管理およびGMP管理の開始点に関する考え方に対して同意を得ることができております。
その結果、当セグメントの売上高は30,606千円(前年同期比40.1%増)、営業損失は247,914千円(前年同期は179,240千円の営業損失)となりました。
なお、当事業においては、継続して積極的に研究開発費を投じ、中長期的に企業価値の向上を目指します。
<検査事業>当期の売上は前期と比較し9.8%増加しております。当事業の主力サービスであるLipoSEARCHによる血中リポタンパク質の詳細なプロファイリング検査において、製薬企業からの大口の受注が寄与し、またメタボ軽減のトレンドから、食品企業からの取引も増加しつつあります。生活習慣病関連においては、国内よりも海外の方がより深刻な状況であり、測定ニーズも高いことが予想されることから、海外での売上を増加するべく、海外導出を検討しております。現在、そのためのシステムを構築し、検証作業を行っているところであります。
また、診断・試薬部門と共同でELISA測定の受注を始めてから3年となり、前期には大幅な売上の増加を果たしております。当期も前期に匹敵する受注を獲得することができ、主力のLipoSEARCH測定に次ぐ第2の柱の事業として育ちつつあります。
その結果、当セグメントの売上高は127,392千円、(前年同期比9.8%増)、営業利益12,847千円(前年同期比20.8%増)となりました。
<化粧品関連事業>当事業においては、「ネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンⅠ」配合化粧品「フレヴァン」シリーズの国内通信販売の売上は減少いたしましたが、中国での販売が承認されたことから、中国向けの販売を開始し、売上高が増加しております。しかしながら、当第4四半期連結会計期間に予定していた中国向けの販売においては、製品デリバリー等の影響や中国販売代理店と知的財産権等の取扱について協議しているため、出荷は2020年3月期第2四半期連結会計期間を見込んでおります。また、新たに台湾、ベトナム等の東南アジアへの販売ルートの開拓が進行しております。
化粧品原料「ネオシルクⓇ-ヒト型コラーゲンⅠ」については、欧州代理店において、欧州での効果試験が完了し、販売が開始されました。
その結果、当セグメントの売上高は42,803千円、(前年同期比101.3%増)、営業損失6,654千円(前年同期は8,651千円の営業損失)となりました。
これらの結果、連結業績は下記のとおりとなりました。
売上高は781,215千円(前年同期比3.0%増)となりました。営業損益においては経費節減に努めている一方、遺伝子組換えカイコ事業での研究開発への注力や業務改善を目的とする基幹システムのシステム開発費用一括計上などにより販管費が増加したことから営業損失は173,680千円(前年同期は48,791千円の営業損失)、経常損益につきましては、遺伝子組換えカイコ事業の研究項目への国からの助成金の収入や為替差益の計上等によりまして、経常損失は155,747千円(前年同期は49,013千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は、保有する土地の減損損失を計上したこと等により167,319千円(前年同期は52,637千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
② 財政状態
・ 流動資産
当連結会計年度における流動資産の残高は、前連結会計年度と比較して29.6%減の2,111,776千円となりました。減少した主な要因は、投資有価証券の取得や、親会社株主に帰属する当期純損失の計上及び借入金の返済等により「現金及び預金」が減少したこと等によるものであります。
・ 固定資産
当連結会計年度における固定資産の残高は、前連結会計年度と比較して195.3%増の876,537千円となりました。この要因は、当期において、遺伝子組換えカイコ事業での重要な共同研究開発先である株式会社CUREDへの出資等によるものであります。
・ 流動負債
当連結会計年度における流動負債の残高は、前連結会計年度と比較して82.2%増の550,422千円となりました。発行している転換社債型新株予約権付社債のうち償還期限が1年内を迎えた銘柄277,704千円及び返済期限が1年内となった長期借入金113,456千円を固定負債から振替えたこと、借入金を150,588千円返済したことよるものが大きな要因となっております。
・ 固定負債
当連結会計年度における固定負債の残高は、前連結会計年度と比較して70.0%減の292,128千円となりました。発行している転換社債型新株予約権付社債のうち償還期限が1年内を迎えた銘柄277,704千円及び返済期限が1年内となった長期借入金113,456千円を流動負債へ振替えたことが大きな要因となっております。
・ 純資産
当連結会計年度における純資産の残高は、前連結会計年度と比較して6.3%増の2,145,763千円となりました。当期は「親会社株主に帰属する当期純損失」167,319千円を計上しましたが、新株予約権の行使により資本金、資本準備金がそれぞれ156,208千円増加したこと等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の期末残高は、前連結会計年度に比べ959,067千円減少し1,491,808千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により支出した資金は243,935千円(前年は73,847千円の獲得)となりました。
当社グループでは当面の間、購入した有形固定資産及び無形固定資産として計上すべき資産を同勘定科目で計上せず、即時費用処理を行っており、キャッシュ・フロー上もその購入に係る支出は営業キャッシュ・フローとして計上しております。こうしたことが相俟って税金等調整前当期純損失を164,002千円計上及び化粧品関連事業での在庫の増強のためたな卸資産が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により支出した資金は593,279千円(前年は6,278千円の支出)となりました。
この主な要因は、株式会社CUREDの第三者割当増資を引き受け持分法適用関連会社となり、この出資による支出が598,400千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により支出した資金は126,320千円(前年は138,300千円の支出)となりました。
この主な要因は、長期借入金の返済による支出164,088千円によるものであります。
(注) 用語解説については、「第4提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等」の末尾に記載しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
診断・試薬事業167,6605.2
遺伝子組換えカイコ事業81,57924.1
検査事業46,32214.6
化粧品関連事業
合計295,56111.3

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、製造原価によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称仕入高(千円)前年同期比(%)
診断・試薬事業20,750△7.6
遺伝子組換えカイコ事業
検査事業
化粧品関連事業62,599273.7
合計83,349112.5

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 受注実績
当社グループは、主として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
d. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
診断・試薬事業582,778△3.1
遺伝子組換えカイコ事業30,23239.0
検査事業125,4009.9
化粧品関連事業42,803101.3
合計781,2153.0

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
(自 2017年4月1日(自 2018年4月1日
至 2018年3月31日)至 2019年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
岩井化学薬品㈱81,59310.882,81210.6
㈱ニッピ80,77010.774,4709.5

(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の分析
当社グループは診断・試薬事業、遺伝子組換えカイコ事業、検査事業及び化粧品関連事業により構成されており、当連結会計年度の当社グループの業績の分析につきましては、次のとおりであります。
診断・試薬事業は、当社の創業以来の基幹事業であり、製薬企業や医療関係の大学研究所等に対し、研究用試薬や体外診断用医薬品等の製造販売や抗体関連の受託サービス、さらに、医薬品原料のシーズ開発を行っており、その技術力については顧客からの信頼をいただいております。しかしながら、当社の事業基盤である研究用試薬や受託サービスを展開している国内市場は、その規模に比して競合他社が多数存在し、将来的な収益の伸張に限界があり、また、研究者のテーマにより需要が不安定な要素があります。さらに、体外診断用医薬品や医薬品原料シーズの開発は、資金と時間がかかることが想定されます。そのような状況にあって、海外市場に目を向け、従来は米国、欧州それぞれ主に1社の代理店により海外への販売を行ってまいりましたが、海外での学会等へ積極的に出展し、アカデミアや代理店等とのコミュニケーションの機会を増やしたことが奏功し、アジア、欧州をはじめ、海外における代理店網が13社に増強されております。これにより当セグメントにおける海外向け売上は前年度と比較して31%増とはっきりした成果として表れております。一方、国内売り上げについては、牛海綿状脳症測定キットの全頭検査縮小の影響で、前年度と比較して12%減となっております。この結果、売上高は588,014千円、営業利益は67,079千円となっております。
遺伝子組換えカイコ事業につきましては、株式会社CUREDとの共同研究(抗HIV抗体)をはじめ様々な共同研究を実施しております。今後もこれまで培ってきたノウハウを基に、遺伝子組換えカイコによる有用タンパク質の特徴を最大限に活かし、社会に貢献し得るターゲットについて研究開発を進めてまいります。当事業は現在の収益を見込むことではなく、次世代の当社グループの新たな根幹を担う事業に成長させることを目標として活動しており、重点的に研究開発に取り組んでおり、研究開発費は前期と比較し49.8%増加し164,212千円となっております。以上の結果、売上高は30,606千円、営業損失は247,914千円となりました。
検査事業につきましては、当期の売上は前期と比較し9.8%増加し、売上高は127,392千円、営業利益12,847千円となりました。当事業の主力サービスであるLipoSEARCHによる血中リポタンパク質の詳細なプロファイリング検査において、製薬企業から大口の受注が発生したことが主因であります。しかしながら、その他国内製薬企業の開発パイプラインからは脂質異常症関連治療薬の項目が少なくなっており、短期的には大口受注は期待できない状況です。一方、海外では、生活習慣病関連においては国内よりもより深刻な状況であり測定ニーズも高いことが予想されますが、まだまだLipoSEARCHの認知度が低く、また、現状のように検体を海外から日本に送付して測定する体制には限界があります。よって、大きく売上増を求めるためには、測定システム自体を海外へ導出し、海外での測定拠点を増やして測定件数を増やすことが必須であると考えます。現在、そのためのシステムを構築し、検証作業を行っているところであります。また、診断・試薬部門と共同でELISA測定の受注を始めてから3年となり、主力のLipoSEARCH測定に次ぐ第2の柱の事業として育ちつつあります。今後も脂質・糖代謝、認知症関連領域などで相乗効果を発揮して売り上げ増につなげてまいります。
化粧品関連事業につきましては、国内において、通信販売や群馬県を中心とした地道な活動を行ってまいりました。当期においては、アジアを中心とする海外に目を向け、販売を開始したことが一つの転機となり、中国での販売が承認され、中国向けの販売を開始することができました。、その結果、売上高が増加し、当期売上のうち7割強が中国向け代理店への売上となっております。以上により、当セグメントの売上高は42,803千円となり営業損益は、店舗の増改築等を実施したため、営業損失6,654千円となりました。
原価、経費等につきましては、引き続き経費削減に努めているところではありますが、一方、遺伝子組換えカイコ事業の共同研究が順調に進捗していることから研究開発費用を重点的に配分しており、またそれに伴う人員の増強も行っております。また、当期においては業務改善を目的とする基幹システムのシステム開発費用一括計上などにより多額の費用が計上されたこと等により販管費が大幅に増加しております。なお、当社グループでは設備投資した費用は会計上、固定資産には計上しておらず購入時に即時費用処理を行っております。この結果、営業損失は173,680千円、経常損失は155,747千円、親会社株主に帰属する当期純損失は167,319千円となりました。
② 資本の財源、資金の流動性について
資本の財源については、自己資金で賄うことを基本としておりますが、状況に応じて金融機関からの借入や新株発行による増資(新株予約権の行使によるものも含む)等によるものも考慮に入れております。現在当社では新株予約権や転換社債型新株予約権付社債を発行しており、当連結会計年度においても行使による増資が行われております。当連結会計年度につきましては資金の支出は遺伝子組換えカイコ事業に関連する共同研究企業への出資や、原材料の調達や販売費及び一般管理費といった運転資金が主なものでありました。
資金の流動性につきましては、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローが243,935千円の支出、投資活動によるキャッシュ・フローが593,279千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが126,320千円の支出でありますが、現金及び現金同等物の期末残高は1,491,808千円であり、各キャッシュ・フローの規模等を勘案し、十分な手元流動性を確保しているものと考えております。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、運転資金での支出が主なものであり、重要な設備投資は予定しておりませんので、先に述べましたとおり、現金及び現金同等物で十分賄える見込みであります。

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