有価証券報告書-第122期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気が緩やかに回復しているものの、長期化する地政学リスクや為替相場の変動、原材料・エネルギー価格の高止まりが続くなど不安定な状況となりました。また、インバウンド需要における購買対象の多様化や消費行動の変化等もあり、当社グループを取り巻く事業環境については予断を許さない状況が続きました。
このような状況のなか、快適な生活を支える価値を創出し続ける企業を目指し、イノベーション創出とグローバル貢献を果たすための事業構造の創造を進めるため、2024年度よりスタートした中期経営計画「CREATION 2026」を推進し、その重点テーマである「事業ポートフォリオの再構築」「グローバル企業化」「人的資本経営」を実行し、『NICHIBAN GROUP 2030 VISION』実現に向けて取り組んでまいりました。
①事業ポートフォリオの再構築
・テープ事業セグメントの抜本的収益改善
・成長事業と新領域へ経営資源を重点配分
②グローバル企業化
・販売3拠点の成長追求
・2030年度グローバル比率30%実現に向けた機能拡充
・グループ全体のグローバル企業化の推進
③人的資本経営
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
・自己変革し成長する自律的人財の育成
・従業員の健康とエンゲージメントの向上
・新人事制度の導入
以上の取組を実施いたしました結果、売上高は、グローバルフィールドにおける「ロイヒつぼ膏TMコインプラスター」の韓国での上市や工業品フィールドにおける「たばねらTMテープ」の価格改定が寄与し、前年同期比2.0%増の504億7千万円となりました。
営業利益は、ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上高減少並びに原材料高騰等に伴うテープ事業の売上原価の増加等により、前年同期比12.2%減の22億7千万円となりました。
経常利益は、営業利益の減少等により、前年同期比8.9%減の24億4千2百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少の影響と、本社及び東京オフィスの移転に係る特別損失1億3千3百万円の計上、安城工場における脱溶剤化に伴う設備の撤去に係る特別損失1億8千3百万円の計上等により、前年同期比15.7%減の16億5千2百万円となりました。
なお、ROE(自己資本当期純利益率)は前年同期比0.8ポイント低下の3.8%となりました。
(連結業績の概要)

(営業利益の前期比増減)

(フィールド別売上高、前期比増減)
■工業品フィールド、ECフィールド、グローバルフィールド(メディカル事業)が拡大
■ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上高減少により収益性低下
■テープ事業セグメントにおける生産再編、価格改定効果等により収益性改善

当社グループのセグメントの概要は次のとおりです。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、成長事業への経営資源の重点配分及び全社視点での事業戦略体制の見直しを目的に「事業戦略本部」を設置し、その傘下に、販路別に以下の営業統括部・本部を設置しております。
・顧客を機軸とした新たな営業推進体制の強化とブランド戦略の再構築のために、「コンシューマー営業統括本部」を設置し、ヘルスケア、EC、ステーショナリーの各営業担当管掌を管轄させております。
・より顧客に密着した営業活動を推進し、新規開発案件探索、顧客拡大のために、「医療材営業統括部」、「工業品営業統括部」を置いております。
・グローバル企業化実現に向けて、全社戦略との一貫性を高め、より積極的な事業活動を展開するために、「グローバル事業本部」を設置しております。
当社グループは、以上の営業担当管掌に、各販売子会社を加えた事業フィールドとして、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「ステーショナリーフィールド」、「医療材フィールド」、「工業品フィールド」及び「グローバルフィールド」を設定しております。
経営資源の配分の決定及び業績の評価については、取り扱う製品、商品の性質や、市場、製造方法の類似性に基づき、「メディカル事業」、「テープ事業」の単位で行っていることから、当社グループの事業セグメントとしては、「メディカル事業」、「テープ事業」と認識し、これを報告セグメントとしております。
「メディカル事業」、「テープ事業」セグメントと各事業フィールドとの関係は以下のとおりです。
事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。
メディカル事業
(ヘルスケアフィールド)
ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、中国人観光客減少に加え、酷暑や暖冬の影響を受けるなど、不安定な販売環境となりました。
このような状況のなか、高機能救急絆創膏「ケアリーヴTM」シリーズについては、国内需要拡大に向けて認知度向上のためにテレビCMなどの広告媒体を活用したPR活動やイベントの実施など積極的に展開したことにより、売上高は前年同期を上回りました。一方、鎮痛消炎剤「ロイヒTM」シリーズについては、国内消費は堅実に推移したものの、インバウンド需要における購買対象の多様化や消費行動の変化等もあり、売上高は前年同期を下回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は153億8百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
(医療材フィールド)
医療機関向け医療材料市場におきましては、材料費や医薬品費の高騰に加え、働き方改革に伴う人件費の上昇や病院の経営不振が重なり、販売環境は依然として厳しい状況が続きました。
このような状況のなか、止血製品シリーズ「セサブリックTM」については、ワクチン接種需要が堅調に推移したことにより、前年同期を上回りました。また、縫合創用ドレッシング「サージフィットTM」については、国立大学病院及び急性期病院においてその有用性が高く評価され、採用を拡大しております。
一方で、手術後の傷あとケアテープ「アトファインTM」は、ユーザーへの認知が進み需要自体は伸長しているものの、消費者の購買先がECサイトへ移行している影響を受け、術後ケアシリーズ「アスカブリックTM」全体の売上高は前年同期を下回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は56億7千5百万円(前年同期比1.1%減)となりました。
((メディカル事業に係る)ECフィールド)
EC市場におきましては、大手通販サイトのシステム障害の影響を受けましたが、オンライン購買に対するWEBマーケティングの取組を強化してきたことにより、高機能救急絆創膏「ケアリーヴTM」シリーズは前年同期を上回りました。また、手術後の傷あとケアテープ「アトファインTM」の売上高も、前年同期を上回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は11億5千5百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
((メディカル事業に係る)グローバルフィールド)
グローバルにおけるメディカル事業については、重点地域であるアジア及び欧州において、高機能救急絆創膏「ケアリーヴTM」シリーズや止血製品シリーズ「セサブリックTM」を中心に、販売代理店と協力して現地密着型の営業活動を展開してまいりました。高機能救急絆創膏「ケアリーヴTM」シリーズは、韓国にて「ケアリーヴTM治す力TM防水タイプ」を上市しましたが、販売代理店の在庫調整等もあり、前年同期を下回りました。一方、今期に韓国で上市した「ロイヒつぼ膏TMコインプラスター」が売上増加に寄与しました。
その結果、フィールド全体としての売上高は27億9千6百万円(前年同期比13.4%増)となりました。
以上の結果、メディカル事業全体の売上高は249億3千6百万円(前年同期比1.4%増)となりました。一方で、ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上高減少により、セグメント利益は63億2千5百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
テープ事業
(ステーショナリーフィールド)
文具事務用品市場におきましては、DX化などで紙の消費が大きく減少し、オフィス需要が低迷するなか、オンライン購買拡大に伴う消費者の購買先の変化もあり、厳しい販売環境となりました。
このような状況のなか、主要製品である「セロテープ®」については、新製品「セロテープ® 小巻カッターつき〈まっすぐ切れるタイプ〉グリーンナノ配合」が売上増加に寄与し、またホームセンター等へ環境配慮型製品であることを積極的に訴求したことで他社品からの切り替え等もあり、売上高は前年同期を上回りました。また、両面テープ「ナイスタックTM」についても、使用シーン等を積極的に訴求した結果、売上高は前年同期を上回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は48億4千2百万円(前年同期比0.0%増)となりました。
(工業品フィールド)
産業用テープ市場におきましては、市場競争の激化や外部環境の変化等により、依然として厳しい販売環境が続きました。
このような状況のなか、主要製品の「セロテープ®」については、長年培った高い品質と信頼性を基盤に、天然素材を使用した環境配慮型製品であることを積極的に啓発し、今まで以上に多くの企業や自治体からの賛同をいただいた結果、売上高は前年同期を上回りました。また、「たばねらTMテープ」は第3四半期連結会計年度に実施した価格改定の効果もあり、売上高は前年同期を上回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は138億6千4百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
((テープ事業に係る)ECフィールド)
EC市場におきましては、大手通販サイトのシステム障害の影響を受けましたが、オンライン購買に対するWEBマーケティングの取組を強化してきたことにより、主力製品の「セロテープ®」については、売上高は前年同期を上回りました。また、両面テープ「ナイスタックTM」についても、売上高は前年同期を上回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は42億3百万円(前年同期比2.1%増)となりました。
((テープ事業に係る)グローバルフィールド)
グローバルにおけるテープ事業については、アジアと欧州を重点地域として、製品戦略を展開してまいりました。
「PanfixTMセルローステープ」については、販売代理店と協力して現地密着型の営業活動を展開しましたが、販売代理店の販売不振等により、売上高は前年同期を下回りました。また、和紙マスキングテープについては、中国市場のユーザーからの声を製品改善に反映させた「若竹TM増強版」を上市し売上に貢献しましたが、欧州での市況低迷の影響を受けたことにより、売上高は前年同期を下回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は26億2千3百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
以上の結果、テープ事業全体の売上高は255億3千4百万円(前年同期比2.7%増)となりました。また、「たばねらTMテープ」の価格改定の効果等もあり、セグメント利益は8億2千8百万円(前年同期比17.2%増)となりました。
調整額
報告セグメントに帰属しない一般管理費の計上等により、営業利益と報告セグメントの利益の合計額との調整額が48億8千3百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
(トピックス コンシューマー営業統括本部)


(トピックス 医療材フィールド)

(トピックス 工業品フィールド)

(トピックス グローバルフィールド)


生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
②受注実績
当社グループは需要見込による生産方式をとっております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3.テープ事業においては、主要原材料であるセロハンの価格が上昇したことにより、原材料価格が前年同期比で上昇しました。これを受け、主要製品である「セロテープ®」等について価格改定を実施し、商品・製品への適正な価格転嫁を図った結果、販売価格も前年同期比で上昇しています。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ2億9千5百万円減少し、673億7百万円となりました。流動資産は5億6千5百万円の減少、固定資産は2億6千9百万円の増加となりました。
流動資産の減少は、2025年11月の本社及び東京オフィス移転に係る固定資産の取得における支出や、中小受託取引適正化法対応のための支払サイト短縮等により、現金及び預金が9億3千2百万円減少したこと等によるものです。なお、2026年6月償還予定の債券を固定資産から流動資産に振り替えたことを主な理由として、有価証券は3億9千8百万円増加いたしました。
固定資産の増加は、2025年11月の本社及び東京オフィス移転に係る固定資産の取得等により有形固定資産が2億2千8百万円増加したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
メディカル事業
当連結会計年度末のメディカル事業の資産は、前連結会計年度末と比べ2億9千4百万円増加し、266億4千万円となりました。
テープ事業
当連結会計年度末のテープ事業の資産は、前連結会計年度末と比べ4億1千5百万円減少し、197億8千6百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末と比べ14億3千4百万円減少し、229億8千1百万円となりました。流動負債は、1億6千7百万円の増加、固定負債は、16億1百万円の減少となりました。
流動負債の増加は、中小受託取引適正化法対応のための支払サイト短縮等により電子記録債務が14億5千3百万円減少した一方で、2026年6月返済予定の借入金を固定負債から流動負債に振り替えたことにより1年内返済予定の長期借入金が20億円増加したこと等によるものです。
固定負債の減少は、2026年6月返済予定の借入金を固定負債から流動負債に振り替えたこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ11億3千8百万円増加し、443億2千5百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.0ポイント上昇し、65.9%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ7億9千5百万円(5.6%)減少し、135億1千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ11億5千万円(31.2%)減少し、25億4千万円となりました。当連結会計年度の主な内容は税金等調整前当期純利益21億2千5百万円の計上、減価償却費28億4千3百万円の計上、仕入債務の減少額19億4千1百万円、法人税等の支払額10億7百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ5億4千3百万円(32.1%)増加し、22億3千8百万円となりました。これは主に、2025年11月の本社及び東京オフィスの移転や、工場の生産設備に係る設備投資等の有形固定資産の取得による支出19億4百万円があったこと、旧本社及び旧東京オフィスの原状回復等に係る資産除去債務の履行による支出9千8百万円の支出があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ3億5千万円(45.9%)増加し、11億1千4百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出3億4千2百万円があったこと、配当金の支払額7億1千2百万円の支出があったこと等によるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、株主の皆様への利益還元とのバランスを考えながら、企業体質の強化及び設備投資、コスト競争力向上のための技術開発等の資金需要に備えるために内部留保の充実を図っております。
資金調達は、自己資金を基本とし、自己資金で賄えない場合は金融機関から借入れることとしております。
なお、資金調達の柔軟性及び機動性を確保するため、取引銀行と30億円の貸出コミットメント契約(借入未実行残高30億円)を締結しております。
当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料・商品の仕入の他製造経費・販売経費等の営業費用によるものです。また設備資金の需要のうち主なものは、埼玉工場、安城工場、医薬品安城工場及び製造子会社における絆創膏・粘着テープ等の製造設備の新設又は更新によるものです。
2026年3月31日現在、当社グループの借入金の残高は20億円で、その内の一部について金利スワップ取引を利用することで、その全額を円建ての固定金利にて国内銀行より調達しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、景気が緩やかに回復しているものの、長期化する地政学リスクや為替相場の変動、原材料・エネルギー価格の高止まりが続くなど不安定な状況となりました。また、インバウンド需要における購買対象の多様化や消費行動の変化等もあり、当社グループを取り巻く事業環境については予断を許さない状況が続きました。
このような状況のなか、快適な生活を支える価値を創出し続ける企業を目指し、イノベーション創出とグローバル貢献を果たすための事業構造の創造を進めるため、2024年度よりスタートした中期経営計画「CREATION 2026」を推進し、その重点テーマである「事業ポートフォリオの再構築」「グローバル企業化」「人的資本経営」を実行し、『NICHIBAN GROUP 2030 VISION』実現に向けて取り組んでまいりました。
①事業ポートフォリオの再構築
・テープ事業セグメントの抜本的収益改善
・成長事業と新領域へ経営資源を重点配分
②グローバル企業化
・販売3拠点の成長追求
・2030年度グローバル比率30%実現に向けた機能拡充
・グループ全体のグローバル企業化の推進
③人的資本経営
・ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進
・自己変革し成長する自律的人財の育成
・従業員の健康とエンゲージメントの向上
・新人事制度の導入
以上の取組を実施いたしました結果、売上高は、グローバルフィールドにおける「ロイヒつぼ膏TMコインプラスター」の韓国での上市や工業品フィールドにおける「たばねらTMテープ」の価格改定が寄与し、前年同期比2.0%増の504億7千万円となりました。
営業利益は、ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上高減少並びに原材料高騰等に伴うテープ事業の売上原価の増加等により、前年同期比12.2%減の22億7千万円となりました。
経常利益は、営業利益の減少等により、前年同期比8.9%減の24億4千2百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益の減少の影響と、本社及び東京オフィスの移転に係る特別損失1億3千3百万円の計上、安城工場における脱溶剤化に伴う設備の撤去に係る特別損失1億8千3百万円の計上等により、前年同期比15.7%減の16億5千2百万円となりました。
なお、ROE(自己資本当期純利益率)は前年同期比0.8ポイント低下の3.8%となりました。
(連結業績の概要)

(営業利益の前期比増減)

(フィールド別売上高、前期比増減)
■工業品フィールド、ECフィールド、グローバルフィールド(メディカル事業)が拡大
■ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上高減少により収益性低下
■テープ事業セグメントにおける生産再編、価格改定効果等により収益性改善

当社グループのセグメントの概要は次のとおりです。
当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務諸表が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものであります。
当社は、成長事業への経営資源の重点配分及び全社視点での事業戦略体制の見直しを目的に「事業戦略本部」を設置し、その傘下に、販路別に以下の営業統括部・本部を設置しております。
・顧客を機軸とした新たな営業推進体制の強化とブランド戦略の再構築のために、「コンシューマー営業統括本部」を設置し、ヘルスケア、EC、ステーショナリーの各営業担当管掌を管轄させております。
・より顧客に密着した営業活動を推進し、新規開発案件探索、顧客拡大のために、「医療材営業統括部」、「工業品営業統括部」を置いております。
・グローバル企業化実現に向けて、全社戦略との一貫性を高め、より積極的な事業活動を展開するために、「グローバル事業本部」を設置しております。
当社グループは、以上の営業担当管掌に、各販売子会社を加えた事業フィールドとして、「ヘルスケアフィールド」、「ECフィールド」、「ステーショナリーフィールド」、「医療材フィールド」、「工業品フィールド」及び「グローバルフィールド」を設定しております。
経営資源の配分の決定及び業績の評価については、取り扱う製品、商品の性質や、市場、製造方法の類似性に基づき、「メディカル事業」、「テープ事業」の単位で行っていることから、当社グループの事業セグメントとしては、「メディカル事業」、「テープ事業」と認識し、これを報告セグメントとしております。
「メディカル事業」、「テープ事業」セグメントと各事業フィールドとの関係は以下のとおりです。
| 事業フィールド | メディカル 事業 | テープ 事業 | ||
| 国内 | コンシューマー 営業統括本部 | ヘルスケアフィールド | 〇 | |
| ECフィールド | 〇 | 〇 | ||
| ステーショナリーフィールド | 〇 | |||
| 医療材フィールド | 〇 | |||
| 工業品フィールド | 〇 | |||
| 海外 | グローバルフィールド | 〇 | 〇 | |
事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。
メディカル事業
(ヘルスケアフィールド)
ドラッグストアを中心とした大衆薬市場におきましては、中国人観光客減少に加え、酷暑や暖冬の影響を受けるなど、不安定な販売環境となりました。
このような状況のなか、高機能救急絆創膏「ケアリーヴTM」シリーズについては、国内需要拡大に向けて認知度向上のためにテレビCMなどの広告媒体を活用したPR活動やイベントの実施など積極的に展開したことにより、売上高は前年同期を上回りました。一方、鎮痛消炎剤「ロイヒTM」シリーズについては、国内消費は堅実に推移したものの、インバウンド需要における購買対象の多様化や消費行動の変化等もあり、売上高は前年同期を下回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は153億8百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
(医療材フィールド)
医療機関向け医療材料市場におきましては、材料費や医薬品費の高騰に加え、働き方改革に伴う人件費の上昇や病院の経営不振が重なり、販売環境は依然として厳しい状況が続きました。
このような状況のなか、止血製品シリーズ「セサブリックTM」については、ワクチン接種需要が堅調に推移したことにより、前年同期を上回りました。また、縫合創用ドレッシング「サージフィットTM」については、国立大学病院及び急性期病院においてその有用性が高く評価され、採用を拡大しております。
一方で、手術後の傷あとケアテープ「アトファインTM」は、ユーザーへの認知が進み需要自体は伸長しているものの、消費者の購買先がECサイトへ移行している影響を受け、術後ケアシリーズ「アスカブリックTM」全体の売上高は前年同期を下回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は56億7千5百万円(前年同期比1.1%減)となりました。
((メディカル事業に係る)ECフィールド)
EC市場におきましては、大手通販サイトのシステム障害の影響を受けましたが、オンライン購買に対するWEBマーケティングの取組を強化してきたことにより、高機能救急絆創膏「ケアリーヴTM」シリーズは前年同期を上回りました。また、手術後の傷あとケアテープ「アトファインTM」の売上高も、前年同期を上回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は11億5千5百万円(前年同期比1.9%増)となりました。
((メディカル事業に係る)グローバルフィールド)
グローバルにおけるメディカル事業については、重点地域であるアジア及び欧州において、高機能救急絆創膏「ケアリーヴTM」シリーズや止血製品シリーズ「セサブリックTM」を中心に、販売代理店と協力して現地密着型の営業活動を展開してまいりました。高機能救急絆創膏「ケアリーヴTM」シリーズは、韓国にて「ケアリーヴTM治す力TM防水タイプ」を上市しましたが、販売代理店の在庫調整等もあり、前年同期を下回りました。一方、今期に韓国で上市した「ロイヒつぼ膏TMコインプラスター」が売上増加に寄与しました。
その結果、フィールド全体としての売上高は27億9千6百万円(前年同期比13.4%増)となりました。
以上の結果、メディカル事業全体の売上高は249億3千6百万円(前年同期比1.4%増)となりました。一方で、ヘルスケアフィールドにおける高粗利製品の売上高減少により、セグメント利益は63億2千5百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
テープ事業
(ステーショナリーフィールド)
文具事務用品市場におきましては、DX化などで紙の消費が大きく減少し、オフィス需要が低迷するなか、オンライン購買拡大に伴う消費者の購買先の変化もあり、厳しい販売環境となりました。
このような状況のなか、主要製品である「セロテープ®」については、新製品「セロテープ® 小巻カッターつき〈まっすぐ切れるタイプ〉グリーンナノ配合」が売上増加に寄与し、またホームセンター等へ環境配慮型製品であることを積極的に訴求したことで他社品からの切り替え等もあり、売上高は前年同期を上回りました。また、両面テープ「ナイスタックTM」についても、使用シーン等を積極的に訴求した結果、売上高は前年同期を上回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は48億4千2百万円(前年同期比0.0%増)となりました。
(工業品フィールド)
産業用テープ市場におきましては、市場競争の激化や外部環境の変化等により、依然として厳しい販売環境が続きました。
このような状況のなか、主要製品の「セロテープ®」については、長年培った高い品質と信頼性を基盤に、天然素材を使用した環境配慮型製品であることを積極的に啓発し、今まで以上に多くの企業や自治体からの賛同をいただいた結果、売上高は前年同期を上回りました。また、「たばねらTMテープ」は第3四半期連結会計年度に実施した価格改定の効果もあり、売上高は前年同期を上回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は138億6千4百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
((テープ事業に係る)ECフィールド)
EC市場におきましては、大手通販サイトのシステム障害の影響を受けましたが、オンライン購買に対するWEBマーケティングの取組を強化してきたことにより、主力製品の「セロテープ®」については、売上高は前年同期を上回りました。また、両面テープ「ナイスタックTM」についても、売上高は前年同期を上回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は42億3百万円(前年同期比2.1%増)となりました。
((テープ事業に係る)グローバルフィールド)
グローバルにおけるテープ事業については、アジアと欧州を重点地域として、製品戦略を展開してまいりました。
「PanfixTMセルローステープ」については、販売代理店と協力して現地密着型の営業活動を展開しましたが、販売代理店の販売不振等により、売上高は前年同期を下回りました。また、和紙マスキングテープについては、中国市場のユーザーからの声を製品改善に反映させた「若竹TM増強版」を上市し売上に貢献しましたが、欧州での市況低迷の影響を受けたことにより、売上高は前年同期を下回りました。
その結果、フィールド全体としての売上高は26億2千3百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
以上の結果、テープ事業全体の売上高は255億3千4百万円(前年同期比2.7%増)となりました。また、「たばねらTMテープ」の価格改定の効果等もあり、セグメント利益は8億2千8百万円(前年同期比17.2%増)となりました。
調整額
報告セグメントに帰属しない一般管理費の計上等により、営業利益と報告セグメントの利益の合計額との調整額が48億8千3百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
(トピックス コンシューマー営業統括本部)


(トピックス 医療材フィールド)

(トピックス 工業品フィールド)

(トピックス グローバルフィールド)


生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| メディカル事業 | 25,464 | △1.5 |
| テープ事業 | 20,384 | +0.7 |
| 合計 | 45,849 | △0.6 |
(注) 1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
②受注実績
当社グループは需要見込による生産方式をとっております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| メディカル事業 | 24,936 | +1.4 |
| テープ事業 | 25,534 | +2.7 |
| 合計 | 50,470 | +2.0 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ピップ株式会社 | 8,095 | 16.4 | 8,419 | 16.7 |
3.テープ事業においては、主要原材料であるセロハンの価格が上昇したことにより、原材料価格が前年同期比で上昇しました。これを受け、主要製品である「セロテープ®」等について価格改定を実施し、商品・製品への適正な価格転嫁を図った結果、販売価格も前年同期比で上昇しています。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ2億9千5百万円減少し、673億7百万円となりました。流動資産は5億6千5百万円の減少、固定資産は2億6千9百万円の増加となりました。
流動資産の減少は、2025年11月の本社及び東京オフィス移転に係る固定資産の取得における支出や、中小受託取引適正化法対応のための支払サイト短縮等により、現金及び預金が9億3千2百万円減少したこと等によるものです。なお、2026年6月償還予定の債券を固定資産から流動資産に振り替えたことを主な理由として、有価証券は3億9千8百万円増加いたしました。
固定資産の増加は、2025年11月の本社及び東京オフィス移転に係る固定資産の取得等により有形固定資産が2億2千8百万円増加したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
メディカル事業
当連結会計年度末のメディカル事業の資産は、前連結会計年度末と比べ2億9千4百万円増加し、266億4千万円となりました。
テープ事業
当連結会計年度末のテープ事業の資産は、前連結会計年度末と比べ4億1千5百万円減少し、197億8千6百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末と比べ14億3千4百万円減少し、229億8千1百万円となりました。流動負債は、1億6千7百万円の増加、固定負債は、16億1百万円の減少となりました。
流動負債の増加は、中小受託取引適正化法対応のための支払サイト短縮等により電子記録債務が14億5千3百万円減少した一方で、2026年6月返済予定の借入金を固定負債から流動負債に振り替えたことにより1年内返済予定の長期借入金が20億円増加したこと等によるものです。
固定負債の減少は、2026年6月返済予定の借入金を固定負債から流動負債に振り替えたこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ11億3千8百万円増加し、443億2千5百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う利益剰余金の増加等によるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末より2.0ポイント上昇し、65.9%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ7億9千5百万円(5.6%)減少し、135億1千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ11億5千万円(31.2%)減少し、25億4千万円となりました。当連結会計年度の主な内容は税金等調整前当期純利益21億2千5百万円の計上、減価償却費28億4千3百万円の計上、仕入債務の減少額19億4千1百万円、法人税等の支払額10億7百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ5億4千3百万円(32.1%)増加し、22億3千8百万円となりました。これは主に、2025年11月の本社及び東京オフィスの移転や、工場の生産設備に係る設備投資等の有形固定資産の取得による支出19億4百万円があったこと、旧本社及び旧東京オフィスの原状回復等に係る資産除去債務の履行による支出9千8百万円の支出があったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ3億5千万円(45.9%)増加し、11億1千4百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出3億4千2百万円があったこと、配当金の支払額7億1千2百万円の支出があったこと等によるものです。
(4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、株主の皆様への利益還元とのバランスを考えながら、企業体質の強化及び設備投資、コスト競争力向上のための技術開発等の資金需要に備えるために内部留保の充実を図っております。
資金調達は、自己資金を基本とし、自己資金で賄えない場合は金融機関から借入れることとしております。
なお、資金調達の柔軟性及び機動性を確保するため、取引銀行と30億円の貸出コミットメント契約(借入未実行残高30億円)を締結しております。
当社グループの運転資金の需要のうち主なものは、原材料・商品の仕入の他製造経費・販売経費等の営業費用によるものです。また設備資金の需要のうち主なものは、埼玉工場、安城工場、医薬品安城工場及び製造子会社における絆創膏・粘着テープ等の製造設備の新設又は更新によるものです。
2026年3月31日現在、当社グループの借入金の残高は20億円で、その内の一部について金利スワップ取引を利用することで、その全額を円建ての固定金利にて国内銀行より調達しております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。