有価証券報告書-第78期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)当期の経営成績の概況
(全般の概況)
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日)は、新型コロナウイルスを起因とする経済活動制限が多くの国で緩和される一方、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高騰、部品・原材料不足の深刻化、米国を中心としたインフレによる需要抑制など、世界経済の先行き不透明感が強まりました。また為替は前年比で円安となりました。当社グループの主要な需要業界の動向としては、半導体市場は、第5世代移動通信システム(5G)関連やPC、データセンター向けの需要の拡大により、中長期的にはメモリー、ロジック半導体共に需要が拡大する一方、足元におきましては過剰在庫やメモリー市況の価格下落などの要因により成長が鈍化しております。フラットパネルディスプレイ市場はテレワークの推進などによる巣ごもり需要等からの反動によりパネル市況の低迷が続いておりましたが、在庫水準適正化に伴い第2四半期連結会計期間を底に緩やかに回復の傾向が見られます。バイオ医薬品市場は引き続き高い成長となりました。世界の自動車生産台数は、半導体不足や中国ロックダウンなどによる自動車メーカーの減産の影響により、需要が軟調に推移したものの、第4四半期連結会計期間から緩やかな回復基調にあります。
このような状況のもと当社グループにおきましては、2025年3月期連結会計年度に向けた経営方針に沿い持続性(サステナビリティ)と強靭性(レジリエンス)を重ね持った企業体となるために事業構造及び経営体制の強化を進め、積極的な研究開発および投資を実行し、事業を推し進めてまいりました。その中でもコア事業と位置付けるデジタルソリューション事業とライフサイエンス事業につきましては中長期的な成長に向け注力致しました。半導体材料事業を中心とするデジタルソリューション事業においては、アジア市場における電子材料事業活動の強化、顧客満足度の向上、サービス提供の迅速化を目的に、中国に現地法人を設立しました。韓国では当社電子材料事業の販売代理店の完全子会社化を完了いたしました。また、製品開発におきましては、第5世代(5G)・第6世代(6G)移動通信システムや自動運転の本格化などを背景に実装材料を新たに開発・上市いたしました。事業の選択と集中をより明確化し、EUVフォトレジストやメタルオキサイドレジスト等への積極投資と共に、コスト構造の見直しや効率化を推進し強靭な事業基盤を構築してまいります。ライフサイエンス事業につきましてはグループ企業のKBI Biopharma, Inc.(KBI)による欧米でのCDMO事業(バイオ医薬品の開発・製造受託事業)の新工場の立ち上げおよび収益性強化に向けた取り組みを進めました。また、Crown Bioscience International(Crown Bioscience)による臨床生体試料の提供および解析において、業界をリードしているIndivumed Services GmbH & Co. KGのIndivuServ事業部門の買収、日本国内における前臨床向けサービスの更なる拡大にむけた株式会社Crown Bioscience & MBLの設立など、将来の事業拡大に向けた施策を確実に実行いたしました。
以上の結果、当期の業績といたしましては、売上収益4,088億80百万円(前期比19.9%増)となり、前期比では増収となりました。コア営業利益は、340億25百万円(前期比21.4%減)となり、前期比では減益となりました。営業利益は、293億70百万円(前期比32.9%減)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、157億84百万円(前期比57.7%減)となりました。
(部門別の概況と分析)
当社グループは、「デジタルソリューション事業」、「ライフサイエンス事業」、「合成樹脂事業」の3事業を報告セグメントとしております。報告セグメントの位置づけは下図の通りです。

<デジタルソリューション事業部門>デジタルソリューション事業部門は前期比で増収減益となりました。
半導体材料事業は、円安影響に加え、主要顧客の先端デバイスが立ち上がるなど、最先端フォトレジストを中心に販売が堅調でした。加えて、プロセス材料等においても主要顧客向け製品が順調に立ち上がりました。アジア市場における電子材料事業活動の強化、顧客満足度の向上、サービス提供の迅速化を目的に、台湾、中国に現地法人を設立しました。韓国では当社電子材料事業の販売代理店を完全子会社化いたしました。製品開発におきましては、第5世代(5G)・第6世代(6G)移動通信システムや自動運転の本格化などを背景に実装材料を新たに開発・上市いたしました。一方、メモリー、ロジック半導体向け材料ともに第3四半期連結会計期間から足元にかけ、過剰在庫やメモリー市況の価格下落などの要因により成長が鈍化しております。洗浄剤につきましても、需要減に起因した米国工場の販売減少により大幅な事業規模の縮小を行いました。以上の結果、売上収益は前期を上回り、コア営業利益は前期を下回りました。
ディスプレイ材料事業は、引き続き成長が期待される中国市場において、注力している大型TV用液晶パネル向けの配向膜と絶縁膜などの競争力のある製品を中心に拡販を進めましたが、パネルメーカーの大幅な在庫調整により販売が減少しました。以上の結果、売上収益とコア営業利益は前期を下回りました。
エッジコンピューティング事業はスマートフォン市場の低迷等に起因したNIR(近赤外線)カットフィルターの販売減により減収減益でした。
以上の結果、当期のデジタルソリューション事業部門の売上収益は1,704億39百万円(前期比3.3%
増)、コア営業利益277億90百万円(同28.7%減)となりました。
<ライフサイエンス事業部門>ライフサイエンス事業は、主にCDMO事業、CRO事業(医薬品の開発受託事業)の販売拡大、診断薬事
業の好調及び為替が円安に推移したことにより売上収益は前期を上回りました。コア営業利益
は、CDMO事業を行う当社グループのKBI Biopharma, Inc.での新工場の立ち上げに伴う費用の増加等は
あるものの、株式会社医学生物学研究所(MBL)での新型コロナウィルス抗原検査キットの販売が好調に
推移し、前期を上回りました。
以上の結果、当期のライフサイエンス事業部門の売上収益は1,264億78百万円(前期比74.6%増)、コア営業利益84億50百万円(同166.7%増)となりました。
<合成樹脂事業部門>合成樹脂事業は、自動車業界、家電や電子機器等の市場が軟調に推移したことにより販売数量は前
期を下回りましたが、販売単価の上昇により売上収益は前期を上回りました。コア営業利益は販売数
量の減少により前期を下回りました。
以上の結果、当期の合成樹脂事業部門の売上収益は958億2百万円(前期比5.7%増)、コア営業利
益18億53百万円(同65.2%減)となりました。
(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
経営方針では、今後の社会の発展に重要であり、市場の成長が期待され、技術革新の要求が高く当社グループの強みを発揮できる、デジタルソリューション事業とライフサイエンス事業をコア事業と定めました。2024年度の数値目標としましては、デジタルソリューション事業とライフサイエンス事業の拡大の結果、二事業で売上収益3,000億円以上、過去最高利益の更新、全社の株主資本利益率(ROE)10%以上を目指します。また、各事業については投下資本利益率(ROIC)による投下資本リターンの管理を行い、その最大化を図っていきます。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の生産品目であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
このため、生産実績につきましては、(1)当期の経営成績の概況 における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
②受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)当期の財政状態の概況と分析
①資産
総資産は、主にエラストマー事業の譲渡に伴う売却目的保有に分類される処分グループに係る資産の減少により前期比948億16百万円減少し、7,145億55百万円となりました。
②負債
負債は、主にエラストマー事業の譲渡に伴う売却目的保有に分類される処分グループに係る負債の減少により前期比610億12百万円減少し、3,336億20百万円となりました。
③資本
資本は、主に自己株式の取得及び消却並びに配当金の支払等により前期比338億4百万円減少し、3,809億35百万円となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況と分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比270億73百万円増加し、726億40百万円となりました。
営業活動による資金収支は、292億70百万円の収入(前期は182億71百万円の収入)となりました。主な内訳は、税引前利益298億46百万円であります。
投資活動による資金収支は、40億46百万円の支出(前期は631億17百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産等の取得による支出312億2百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出231億16百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入511億60百万円で
あります。
財務活動による資金収支は、152億3百万円の支出(前期は229億94百万円の収入)となりました。主な内訳は、自己株式の取得による支出301億37百万円、配当金の支払額147億91百万円、長期借入金の借入れによる収入267億68百万円であります。
なお、当社グループでは、年間事業計画に基づく資金計画を作成し、直接調達と間接調達そして短期と長期の適切なバランスなどを考慮し、流動性リスクを管理しております。
資金調達及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、製造販売にかかる原材料費、経費、販売費及び一般管理費等の運転資金、設備投資、M&Aを含む事業投資、有利子負債の返済になります。これら資金需要に対しては主に営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行により対応しております。
当社グループは年間事業計画に基づく資金計画を作成し、事業拡大と財務体質強化に配慮しつつ、直接調達と間接調達そして短期と長期の適切なバランスなどを考慮し、流動性リスクを管理しております。なお、当社グループは、当連結会計年度末現在において、1,000億円を上限とした社債発行登録ならびに400億円を上限としたコマーシャル・ペーパー発行枠の設定を行っており、資金調達手段の多様化も進めております。
また、資金の効率的な活用を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の導入、グループ内の資金調達・管理の一元化を進めております。
(重要な会計方針及び見積り)
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計方針、5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
(全般の概況)
当連結会計年度(2022年4月1日から2023年3月31日)は、新型コロナウイルスを起因とする経済活動制限が多くの国で緩和される一方、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高騰、部品・原材料不足の深刻化、米国を中心としたインフレによる需要抑制など、世界経済の先行き不透明感が強まりました。また為替は前年比で円安となりました。当社グループの主要な需要業界の動向としては、半導体市場は、第5世代移動通信システム(5G)関連やPC、データセンター向けの需要の拡大により、中長期的にはメモリー、ロジック半導体共に需要が拡大する一方、足元におきましては過剰在庫やメモリー市況の価格下落などの要因により成長が鈍化しております。フラットパネルディスプレイ市場はテレワークの推進などによる巣ごもり需要等からの反動によりパネル市況の低迷が続いておりましたが、在庫水準適正化に伴い第2四半期連結会計期間を底に緩やかに回復の傾向が見られます。バイオ医薬品市場は引き続き高い成長となりました。世界の自動車生産台数は、半導体不足や中国ロックダウンなどによる自動車メーカーの減産の影響により、需要が軟調に推移したものの、第4四半期連結会計期間から緩やかな回復基調にあります。
このような状況のもと当社グループにおきましては、2025年3月期連結会計年度に向けた経営方針に沿い持続性(サステナビリティ)と強靭性(レジリエンス)を重ね持った企業体となるために事業構造及び経営体制の強化を進め、積極的な研究開発および投資を実行し、事業を推し進めてまいりました。その中でもコア事業と位置付けるデジタルソリューション事業とライフサイエンス事業につきましては中長期的な成長に向け注力致しました。半導体材料事業を中心とするデジタルソリューション事業においては、アジア市場における電子材料事業活動の強化、顧客満足度の向上、サービス提供の迅速化を目的に、中国に現地法人を設立しました。韓国では当社電子材料事業の販売代理店の完全子会社化を完了いたしました。また、製品開発におきましては、第5世代(5G)・第6世代(6G)移動通信システムや自動運転の本格化などを背景に実装材料を新たに開発・上市いたしました。事業の選択と集中をより明確化し、EUVフォトレジストやメタルオキサイドレジスト等への積極投資と共に、コスト構造の見直しや効率化を推進し強靭な事業基盤を構築してまいります。ライフサイエンス事業につきましてはグループ企業のKBI Biopharma, Inc.(KBI)による欧米でのCDMO事業(バイオ医薬品の開発・製造受託事業)の新工場の立ち上げおよび収益性強化に向けた取り組みを進めました。また、Crown Bioscience International(Crown Bioscience)による臨床生体試料の提供および解析において、業界をリードしているIndivumed Services GmbH & Co. KGのIndivuServ事業部門の買収、日本国内における前臨床向けサービスの更なる拡大にむけた株式会社Crown Bioscience & MBLの設立など、将来の事業拡大に向けた施策を確実に実行いたしました。
以上の結果、当期の業績といたしましては、売上収益4,088億80百万円(前期比19.9%増)となり、前期比では増収となりました。コア営業利益は、340億25百万円(前期比21.4%減)となり、前期比では減益となりました。営業利益は、293億70百万円(前期比32.9%減)となりました。また、親会社の所有者に帰属する当期利益は、157億84百万円(前期比57.7%減)となりました。
| (単位:百万円) | ||||||
| 区 分 | 前期 | 当期 | 増減 | |||
| 金 額 | 構成比 | 金 額 | 構成比 | 金 額 | 比 率 | |
| 売上収益 | ||||||
| デジタルソリューション事業 | 165,030 | 48.4% | 170,439 | 41.7% | 5,409 | 3.3% |
| ライフサイエンス事業 | 72,452 | 21.2% | 126,478 | 30.9% | 54,026 | 74.6% |
| 合成樹脂事業 | 90,606 | 26.6% | 95,802 | 23.4% | 5,196 | 5.7% |
| その他事業 | 12,910 | 3.8% | 16,162 | 4.0% | 3,252 | 25.2% |
| 調整額 | 0 | 0.0% | - | -% | △0 | -% |
| 合計 | 340,997 | 100.0% | 408,880 | 100.0% | 67,883 | 19.9% |
| 国内売上収益 | 110,688 | 32.5% | 154,641 | 37.8% | 43,954 | 39.7% |
| 海外売上収益 | 230,310 | 67.5% | 254,239 | 62.2% | 23,929 | 10.4% |
| 区 分 | 前期 | 当期 | 増減 | |||
| 金 額 | 売上収益比 | 金 額 | 売上収益比 | 金 額 | 比 率 | |
| コア営業利益 | 43,306 | 12.7% | 34,025 | 8.3% | △9,282 | △21.4% |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 37,303 | 10.9% | 15,784 | 3.9% | △21,519 | △57.7% |
(部門別の概況と分析)
当社グループは、「デジタルソリューション事業」、「ライフサイエンス事業」、「合成樹脂事業」の3事業を報告セグメントとしております。報告セグメントの位置づけは下図の通りです。

<デジタルソリューション事業部門>デジタルソリューション事業部門は前期比で増収減益となりました。
半導体材料事業は、円安影響に加え、主要顧客の先端デバイスが立ち上がるなど、最先端フォトレジストを中心に販売が堅調でした。加えて、プロセス材料等においても主要顧客向け製品が順調に立ち上がりました。アジア市場における電子材料事業活動の強化、顧客満足度の向上、サービス提供の迅速化を目的に、台湾、中国に現地法人を設立しました。韓国では当社電子材料事業の販売代理店を完全子会社化いたしました。製品開発におきましては、第5世代(5G)・第6世代(6G)移動通信システムや自動運転の本格化などを背景に実装材料を新たに開発・上市いたしました。一方、メモリー、ロジック半導体向け材料ともに第3四半期連結会計期間から足元にかけ、過剰在庫やメモリー市況の価格下落などの要因により成長が鈍化しております。洗浄剤につきましても、需要減に起因した米国工場の販売減少により大幅な事業規模の縮小を行いました。以上の結果、売上収益は前期を上回り、コア営業利益は前期を下回りました。
ディスプレイ材料事業は、引き続き成長が期待される中国市場において、注力している大型TV用液晶パネル向けの配向膜と絶縁膜などの競争力のある製品を中心に拡販を進めましたが、パネルメーカーの大幅な在庫調整により販売が減少しました。以上の結果、売上収益とコア営業利益は前期を下回りました。
エッジコンピューティング事業はスマートフォン市場の低迷等に起因したNIR(近赤外線)カットフィルターの販売減により減収減益でした。
以上の結果、当期のデジタルソリューション事業部門の売上収益は1,704億39百万円(前期比3.3%
増)、コア営業利益277億90百万円(同28.7%減)となりました。
<ライフサイエンス事業部門>ライフサイエンス事業は、主にCDMO事業、CRO事業(医薬品の開発受託事業)の販売拡大、診断薬事
業の好調及び為替が円安に推移したことにより売上収益は前期を上回りました。コア営業利益
は、CDMO事業を行う当社グループのKBI Biopharma, Inc.での新工場の立ち上げに伴う費用の増加等は
あるものの、株式会社医学生物学研究所(MBL)での新型コロナウィルス抗原検査キットの販売が好調に
推移し、前期を上回りました。
以上の結果、当期のライフサイエンス事業部門の売上収益は1,264億78百万円(前期比74.6%増)、コア営業利益84億50百万円(同166.7%増)となりました。
<合成樹脂事業部門>合成樹脂事業は、自動車業界、家電や電子機器等の市場が軟調に推移したことにより販売数量は前
期を下回りましたが、販売単価の上昇により売上収益は前期を上回りました。コア営業利益は販売数
量の減少により前期を下回りました。
以上の結果、当期の合成樹脂事業部門の売上収益は958億2百万円(前期比5.7%増)、コア営業利
益18億53百万円(同65.2%減)となりました。
(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
経営方針では、今後の社会の発展に重要であり、市場の成長が期待され、技術革新の要求が高く当社グループの強みを発揮できる、デジタルソリューション事業とライフサイエンス事業をコア事業と定めました。2024年度の数値目標としましては、デジタルソリューション事業とライフサイエンス事業の拡大の結果、二事業で売上収益3,000億円以上、過去最高利益の更新、全社の株主資本利益率(ROE)10%以上を目指します。また、各事業については投下資本利益率(ROIC)による投下資本リターンの管理を行い、その最大化を図っていきます。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の生産品目であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様でなく、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことは行っておりません。
このため、生産実績につきましては、(1)当期の経営成績の概況 における各セグメント業績に関連付けて記載しております。
②受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示しますと、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||
| セグメントの名称 | 金額 | 前期比(%) |
| デジタルソリューション事業 | 170,439 | 3.3% |
| ライフサイエンス事業 | 126,478 | 74.6% |
| 合成樹脂事業 | 95,802 | 5.7% |
| その他事業 | 16,162 | 25.2% |
| 調整額 | - | -% |
| 合計 | 408,880 | 19.9% |
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)当期の財政状態の概況と分析
①資産
総資産は、主にエラストマー事業の譲渡に伴う売却目的保有に分類される処分グループに係る資産の減少により前期比948億16百万円減少し、7,145億55百万円となりました。
②負債
負債は、主にエラストマー事業の譲渡に伴う売却目的保有に分類される処分グループに係る負債の減少により前期比610億12百万円減少し、3,336億20百万円となりました。
③資本
資本は、主に自己株式の取得及び消却並びに配当金の支払等により前期比338億4百万円減少し、3,809億35百万円となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況と分析
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期比270億73百万円増加し、726億40百万円となりました。
営業活動による資金収支は、292億70百万円の収入(前期は182億71百万円の収入)となりました。主な内訳は、税引前利益298億46百万円であります。
投資活動による資金収支は、40億46百万円の支出(前期は631億17百万円の支出)となりました。主な内訳は、有形固定資産等の取得による支出312億2百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出231億16百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入511億60百万円で
あります。
財務活動による資金収支は、152億3百万円の支出(前期は229億94百万円の収入)となりました。主な内訳は、自己株式の取得による支出301億37百万円、配当金の支払額147億91百万円、長期借入金の借入れによる収入267億68百万円であります。
なお、当社グループでは、年間事業計画に基づく資金計画を作成し、直接調達と間接調達そして短期と長期の適切なバランスなどを考慮し、流動性リスクを管理しております。
資金調達及び資金の流動性
当社グループの資金需要は、製造販売にかかる原材料費、経費、販売費及び一般管理費等の運転資金、設備投資、M&Aを含む事業投資、有利子負債の返済になります。これら資金需要に対しては主に営業キャッシュ・フロー、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行により対応しております。
当社グループは年間事業計画に基づく資金計画を作成し、事業拡大と財務体質強化に配慮しつつ、直接調達と間接調達そして短期と長期の適切なバランスなどを考慮し、流動性リスクを管理しております。なお、当社グループは、当連結会計年度末現在において、1,000億円を上限とした社債発行登録ならびに400億円を上限としたコマーシャル・ペーパー発行枠の設定を行っており、資金調達手段の多様化も進めております。
また、資金の効率的な活用を目的としてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の導入、グループ内の資金調達・管理の一元化を進めております。
(重要な会計方針及び見積り)
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計方針、5.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。