四半期報告書-第61期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/02/12 15:19
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、消費の落ち込みに加え、企業業績や雇用環境の悪化が見られ、減速傾向にあります。また、緊急事態宣言の解除や経済対策の実施により、景気悪化の底打ちが見られましたが、冬季にかけての感染の再拡大に伴い、経済活動の制限や外出自粛要請が再度行われるなど、厳しい状況が続いております。
世界経済におきましては、新型コロナウイルスの感染拡大により、各国の経済は低迷いたしました。一方、感染拡大防止策の緩和や新型コロナウイルスワクチンの実用化を背景に、先進国を中心に景気は持ち直しつつありますが、感染の再拡大やワクチン接種の遅延等が懸念されており、先行き不透明な状況が続いております。
当社を取り巻く業界においても、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は大きく、全般的に需要は減少しております。自動車関連では、各自動車メーカーで工場の稼働停止や減産が行われ、世界的に生産・販売台数が減少いたしました。家電分野では、感染拡大防止策の実施に伴う経済活動の制限を背景に、国内外で需要が落ち込みました。一方、テレワークや在宅勤務の増加により、電子ペンやプリンターなど一部では一定の需要を維持しております。医療機器関連では、各国における経済活動の制限に影響を受けつつも、健康志向の増加に伴う医療ニーズの高まりを背景に、需要は底堅く推移いたしました。
このような経済環境の中、当社グループにおきましては、付加価値の高い製品の受注や省力化に向けた生産体制の強化、内製化の推進などを続けてまいりましたが、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とした取引先からの受注減に伴い、売上高は減少いたしました。その結果、当第3四半期連結累計期間における業績は、売上高は143億8千5百万円と前年同四半期と比べ20億4千万円(12.4%)の減収、営業利益は8億9千5百万円と前年同四半期と比べ3千2百万円(3.5%)の減益、経常利益は為替差損の増加などにより8億7百万円と前年同四半期と比べ1億9千1百万円(19.2%)の減益となりました。また、連結子会社であるハントンスプリングインダストリーズSDN.BHD.の解散及び清算を決議したことに伴い発生した関係会社整理損失引当金繰入額4億6千4百万円の計上などにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は4千5百万円と前年同四半期と比べ4億5千2百万円(90.9%)の減益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。
① プラスチック成形事業
当セグメントにおきましては、テレワークや在宅勤務の増加などを背景に、電子ペン部品の売上高は好調に推移しております。しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大により、多数の取引先からの受注が減少し、プラスチック成形事業全体では減収・減益となりました。その結果、当第3四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて135億3千7百万円と前年同四半期と比べ17億3百万円(11.2%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は9億4千9百万円と前年同四半期と比べ4千5百万円(4.5%)の減益となりました。
② 精密プレス部品事業
当セグメントにおきましては、医療機器と電子ペン部品の売上高は堅調に推移いたしました。一方、デジタルカメラ関連部品及び自動車向け電装品関係部品の売上高は、市場の縮小や半導体の供給不足の影響で受注の回復が見込めない状況となっており、大幅な減収が続いております。その結果、当第3四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて6億9千4百万円と前年同四半期と比べ3億2千6百万円(32.0%)の減収となり、セグメント損失(営業損失)は8千2百万円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)8千8百万円)となりました。
③ プリント基板事業
当セグメントにおきましては、設計部門では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う受注減少により、設計業務の売上高は減収となりましたが、パッケージ基板の受注は回復しつつあります。検査部門では、付加価値を付けた特殊基板の受注が増加し、売上高も好調に推移いたしました。その結果、当第3四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて2億3百万円と前年同四半期と比べ2千万円(9.2%)の減収となりましたが、セグメント利益(営業利益)は2千8百万円と前年同四半期と比べ5百万円(26.8%)の増益となりました。
当第3四半期連結会計期間末の財政状態は、流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ30億6千1百万円増加し、168億2千9百万円となりました。現金及び預金が14億2千8百万円、受取手形及び売掛金が7億3千6百万円、有価証券が7億4千6百万円それぞれ増加したことなどが主な要因です。
固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ3億2千6百万円減少し、71億9千5百万円となりました。有形固定資産が3億5千1百万円減少したことなどが主な要因です。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ27億3千4百万円増加し、240億2千4百万円となりました。
また、流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ27億6千3百万円増加し、88億8千万円となりました。支払手形及び買掛金が7億1千9百万円、短期借入金が16億円、関係会社整理損失引当金が4億6千7百万円それぞれ増加したことなどが主な要因です。
固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ8千9百万円増加し、34億2千3百万円となりました。その他(固定負債)が9千8百万円増加したことなどが主な要因です。
この結果、負債の部は、前連結会計年度末に比べ28億5千3百万円増加し、123億3百万円となりました。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1億1千8百万円減少し、117億2千1百万円となりました。為替換算調整勘定が1億1百万円減少したことなどが主な要因です。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、特に定めておりません。
(3) 研究開発活動
該当事項はありません。
(4) 生産、受注及び販売の実績
新型コロナウイルスの感染拡大と、それに伴う緊急事態宣言や外出自粛要請の影響を受け、当社の売上高は大きく減少し、当第3四半期連結累計期間における売上高は前年同期比12.4%の減収となりました。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループの取り扱い品目は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション、電子ペン部品等であり、個人消費の動向をはじめ全般的な景気動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループ内の取引は、基本的に米ドルによる取引であるため為替の動向次第では当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響につきましては、当第3四半期連結累計期間において多数の得意先からの受注が減少し、売上高の減少などが生じております。このような状況の中、当社グループは、柔軟な生産体制を構築し事業環境の変化に備えると同時に、顧客各社の動向を注視し着実な受注活動を行い、新型コロナウイルスの感染拡大による影響に対応していく所存であります。今後の見通しにつきましては、需要の減退や感染拡大防止策に伴う一定の経済活動の制限が全世界的に続くことが予想され、当社グループの事業全体に大きな影響を与えると考えられます。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループでは、各部署からの最新の情報等を入手し、今後の事業展開の判断材料となるよう全取締役、各部署長及び海外現地社長による会議を毎週開催しております。また、経営環境の変化に速やかに対応できるよう、主要な部署に取締役を配置しております。
今後におきましても、取引先の要求に対して、高技術化、省力化で対応できるよう、当社グループ全体で機敏な営業展開に努めるとともに、積極的に新規分野への進出を視野に入れ事業活動を展開してまいります。特に、主力のデジタル家電機器関連、自動車関連部品を中心とした受注及び収益力の拡大を図り、更なる新事業を開拓するため、設備投資等による新技術の開発や業務の効率化を図ります。また、製造のグローバル化に対応するため海外企業間の直接取引を拡大し、連結業績の向上に努めてまいります。