有価証券報告書-第102期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

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2020/03/27 13:18
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
また、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため省略しております。
(2)経営成績
当連結会計年度における当社グループをとりまく経営環境は、米中貿易摩擦や香港抗議デモの激化など、世界経済の先行きは依然として不透明感が続いています。一方、わが国の経済は、相次ぐ自然災害や消費増税等の影響もありながら、政府による景気対策の継続などにより企業収益や雇用の改善をはじめ緩やかな回復基調が見られました。
そうした状況のなか、当社グループは「“あったらいいな”をカタチにする」をブランドスローガンに、お客様のニーズを満たす新製品の発売や既存製品の育成、今後の成長事業への投資に努めてまいりました。そして、当連結会計年度は、2017年から2019年までの3カ年にわたる中期経営計画の最終年度であり、計画策定時に掲げた連結業績目標は全て達成することができました。
その結果、売上高は168,052百万円(前連結会計年度比0.3%増)、営業利益は26,355百万円(同0.3%増)、経常利益は27,851百万円(同1.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19,139百万円(同6.2%増)となりました。
セグメントごとの経営成績の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度より、セグメント名称につきまして「国内家庭用品製造販売事業」を「国内事業」に、「海外家庭用品製造販売事業」を「国際事業」に、「通信販売事業」を「通販事業」に変更しました。
また、従来「その他」に含めておりましたKobayashi Pharmaceuticals of America,Inc.は、2019年1月1日付で、当社の連結子会社で「国際事業」に区分されるKobayashi Healthcare International,Inc.を存続会社とする吸収合併により消滅しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分方法に基づき作成した数値で比較しております。
国内事業
当事業では、蓄積疲労でお悩みの方に疲労タイプ別の処方を選べる漢方薬シリーズ「漢方ヒロレス」、代謝をあげて更年期などのむくみや脂肪に効果のある漢方薬「ビスラットアクリアEX」、美容液成分配合のつけて寝るだけでしっとりお肌を保湿する夜用マスク「しっとり美肌マスク」、これまでにないコンパクトさとシンプルなデザインでトイレ空間をおしゃれに演出するトイレ用芳香消臭剤「消臭元パルファムコンパクト」、古い角質をふきとることでお肌のターンオーバーを促進してシミ対策成分をお肌に浸透させる化粧水「ケシミンふきとり シミ対策液」など春に10品、秋に19品の新製品を発売し、売上に貢献しました。
既存品においては、ヘルスケアでは肥満改善薬「ナイシトール」、女性保健薬「命の母」、舌下錠タイプのいぼ痔治療薬「ヘモリンド」やちくのう症改善薬「チクナイン」などの漢方薬が、日用品では水洗トイレ用芳香洗浄剤「ブルーレット」や上質な香りのインテリアフレグランス「Sawaday香るStick」、おりもの専用シート「サラサーティ」など、スキンケアではニキビ・肌あれ予防の薬用ローション「オードムーゲ」やシミ対策スキンケア「ケシミン」などが好調に推移しましたが、カイロは暖冬の影響や出荷を計画的に抑制したことにより減収となりました。
その結果、売上高は137,083百万円(前連結会計年度比0.1%減)、セグメント利益(経常利益)は23,509百万円(同2.1%減)となりました。営業利益は23,497百万円(同3.1%減)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では6,777百万円、当連結会計年度では6,497百万円となっております。
(外部顧客への売上高の内訳)
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2018年12月期)
当連結会計年度
(2019年12月期)
増減
金額増減率(%)
ヘルスケア61,54662,3788321.4
日用品55,25055,8065561.0
スキンケア6,5907,6231,03215.7
カイロ6,9894,777△2,212△31.7
合計130,379130,5852060.2

国際事業
当事業では、米国・中国・東南アジアを中心に、カイロや額用冷却シート「熱さまシート」、外用消炎鎮痛剤「アンメルツ」などを販売しており、広告や販売促進など積極的に投資することで売上拡大に努めました。
その結果、売上高は27,575百万円(前連結会計年度比3.5%増)、セグメント利益(経常利益)は1,906百万円(同64.3%増)となりました。営業利益は1,727百万円(同56.9%増)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では994百万円、当連結会計年度では938百万円となっております。
(外部顧客への売上高の内訳)
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2018年12月期)
当連結会計年度
(2019年12月期)
増減
金額増減率(%)
米国9,8249,381△442△4.5
中国8,99410,0481,05311.7
東南アジア4,0184,58256414.1
その他2,8092,624△184△6.6
合計25,64626,6379913.9

通販事業
当事業では、栄養補助食品、スキンケア製品等の通信販売を行っており、広告やダイレクトメールを中心とした販売促進による、新規顧客の開拓と既存顧客への購入促進に努めました。
その結果、売上高は9,768百万円(前連結会計年度比4.7%減)、セグメント利益(経常利益)は240百万円(同61.4%増)となりました。営業利益は236百万円(同65.2%増)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおりません。
その他
その他には、運送業、合成樹脂容器の製造販売、保険代理業、不動産管理、広告企画制作等が含まれ、各社は独立採算で経営し、資材やサービス提供についてその納入価格の見直しを適宜行いました。
その結果、売上高6,697百万円(前連結会計年度比0.4%増)、セグメント利益(経常利益)は2,628百万円(同4.3%増)となりました。営業利益は716百万円(同10.9%増)となりました。
売上高には、セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでおり、その金額は前連結会計年度では5,461百万円、当連結会計年度では5,635百万円となっております。
(3)経営上の目標の達成状況について
当社グループは、2016年11月に発表しました中期経営計画の業績目標にも掲げましたとおり、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、ROEを重要な経営指標としており、その進捗状況については以下のとおりであります。
2019年12月期
実績
2019年12月期
目標値
売上高1,680億円1,650億円
営業利益263億円230億円
親会社株主に帰属する
当期純利益
191億円170億円
ROE11.3%10.0%

当連結会計年度は、2017年から2019年までの3カ年にわたる中期経営計画の最終年度であり、計画策定時に掲げた連結業績目標は全て達成することができました。今後も企業価値を高め、より一層株主価値向上に努めてまいります。
(4)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
国内事業140,073104.6
国際事業25,78598.2
通販事業9,66097.0
報告セグメント計175,519103.2
その他3,21391.4
合計178,733102.9

(注) 1. 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当社及び連結子会社は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
国内事業137,08399.9
国際事業27,575103.5
通販事業9,76895.3
報告セグメント計174,427100.2
その他6,697100.4
セグメント間の内部売上高又は振替高△13,07198.8
合計168,052100.3

(注) 1.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
株式会社PALTAC77,59246.379,40447.2
株式会社あらた17,29010.316,86710.0

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5)資本の財源及び資金の流動性
①財政状態
当連結会計年度の財政状態は以下のとおりです。
総資産は、前連結会計年度末に比べ4,611百万円増加し、233,398百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加(1,123百万円)、受取手形及び売掛金の増加(1,432百万円)、商品及び製品の増加(773百万円)、仕掛品の増加(614百万円)、土地の増加(623百万円)、建設仮勘定の増加(1,006百万円)、のれんの減少(1,658百万円)等によるものです。
負債は、前連結会計年度末に比べ1,797百万円減少し、60,740百万円となりました。主な要因は、未払金の減少(1,312百万円)等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末に比べ6,408百万円増加し、172,657百万円となり、自己資本比率は74.0%となりました。主な要因は、利益剰余金の増加(13,792百万円)、自己株式の増加(7,999百万円)等によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2018年12月期)
当連結会計年度
(2019年12月期)
増減
営業活動によるキャッシュ・フロー20,00720,08982
投資活動によるキャッシュ・フロー△8,062△5,0722,989
フリー・キャッシュ・フロー11,94415,0173,072
財務活動によるキャッシュ・フロー△4,285△14,581△10,295
現金及び現金同等物期末残高55,91656,272356

営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は20,089百万円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が26,804百万円、減価償却費が3,731百万円、売上債権の増加額が1,426百万円、たな卸資産の増加額が1,020百万円、仕入債務の減少額が993百万円、未払金の減少額が785百万円、利息及び配当金の受取額が1,019百万円、法人税等の支払額が7,829百万円あったためです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は5,072百万円となりました。これは主に、定期預金の預入による支出が52,836百万円、定期預金の払戻による収入が52,154百万円、有形固定資産の取得による支出が4,379百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が1,054百万円、事業譲渡による収入が600百万円あったためです。
財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は14,581百万円となりました。これは主に、自己株式の取得による支出が8,014百万円、配当金の支払額が5,333百万円あったためです。
以上の結果、現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度より356百万円増加し56,272百万円となりました。
(注)フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。
フリー・キャッシュ・フロー = 営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー
③資金需要
当社グループにおきましては、原材料等の仕入れ、研究開発費及び販売費などの運転資金のほか、競争力強化と事業の拡充・発展を目的とした研究開発投資、設備投資、製品導入等に主たる資金需要が生じます。これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローの創出による調達を基本としております。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標
前連結会計年度当連結会計年度
(2018年12月期)(2019年12月期)
自己資本比率(%)72.774.0
時価ベースの
自己資本比率(%)
255.7310.4
キャッシュ・フロー
対有利子負債比率(年)
0.00.0
インタレスト・
カバレッジ・レシオ(倍)
753.81,631.3

(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
※各指標はいずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※株式時価総額は期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式数を除く)により算出しております。
※営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。