有価証券報告書-第129期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/29 14:57
【資料】
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【項目】
135項目
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
前連結会計年度当連結会計年度増減率
百万円百万円%
売上収益893,310790,817△11.5
タイヤ事業767,551679,860△11.4
スポーツ事業84,70570,257△17.1
産業品他事業41,05440,700△0.9
事業利益又は
事業損失(△)
54,39143,388△20.2
タイヤ事業46,68740,949△12.3
スポーツ事業4,291△741-
産業品他事業3,3973,186△6.2
調整額16△6-
営業利益33,06538,70117.0
親会社の所有者に
帰属する当期利益
12,07222,59687.2

(注)事業利益又は事業損失(△)は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
為替レートの前提
前連結会計年度当連結会計年度増減
1米ドル当たり109107△2
1ユーロ当たり122122-

当期の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による移動制限と広範囲かつ長期間に亘る経済活動の停滞により、上半期は極めて厳しい状況となりました。下半期の前半は地域によっては回復がみられるようになりましたが、後半に入ると、欧米では感染が再拡大し、欧州の一部の地域ではロックダウンが行われるなど、全体としては厳しい状況で推移しました。
わが国経済においても、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞により個人消費や輸出、生産の減少に伴い雇用情勢も悪化しました。各種政策の効果もあって、持ち直しの動きもみられましたが、厳しい状況で推移しました。
当社グループを取り巻く情勢につきましては、天然ゴム価格や石油系原材料価格は下落し、低位に推移しましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による景気の悪化により、販売環境が大きく悪化したことに加え、新興国通貨安が進行したこともあり、非常に厳しい状況で推移しました。
このような情勢のもと、2025年を目標年度とした中期計画の実現に向けて、経営基盤の強化と収益力の向上を目指して、ウィズコロナを踏まえた様々な対策に取り組みましたが、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減退が大きく、厳しい事業運営を強いられました。
この結果、当社グループの連結業績は、売上収益は790,817百万円(前期比11.5%減)、事業利益は43,388百万円(前期比20.2%減)と前期に比べて減収・減益となりましたが、のれん・固定資産の減損損失の計上額が大きく減少したこと等により営業利益は38,701百万円(前期比17.0%増)、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は22,596百万円(前期比87.2%増)と大きく増益となりました。
不透明で変化の激しい環境に柔軟に対応し、更なる成長を果たすために、当社グループでは当社の存在意義を改めて明確にし、ブレない指針として全社員をはじめとする全てのステークホルダーと共有することが必要と考え、新企業理念体系として「Our Philosophy」を定めました。あらゆる意思決定の拠り所、行動の起点とすることで、経済的価値、社会的価値の向上と持続可能な社会の発展の貢献に努めてまいる所存です。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(タイヤ事業)
タイヤ事業の売上収益は、679,860百万円(前期比11.4%減)、事業利益は40,949百万円(前期比12.3%減)となりました。
国内新車用タイヤは、納入車種拡大によるシェアアップや低燃費タイヤを中心とする高機能商品の拡販を進めましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により自動車メーカーの生産台数が大幅に減少したことから、売上収益は前期を下回りました。
国内市販用タイヤは、新商品「VEURO VE304(ビューロ ブイイー サンマルヨン)」をはじめとする「ダンロップ」ブランドの低燃費タイヤを中心に、高機能商品の拡販に加えて、新技術の「ナノ凹凸(オウトツ)ゴム」を採用したダンロップ史上最高の氷上性能を実現したスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX 03(ウインター マックス ゼロスリー)」の展開・拡販に努めましたが、新型コロナウイルス感染症による影響を受け市場が低迷したことにより、売上収益は前期を下回りました。
海外新車用タイヤは、新型コロナウイルス感染症の影響により多くの地域で自動車メーカーの大幅な減産が発生したことにより、売上収益は前期を下回りました。
海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域では、特に上半期の中国において新型コロナウイルス感染症の感染拡大阻止に向けた大規模な都市封鎖が行われたこともあり、需要は大きく落ち込みました。欧州・アフリカ地域及び米州地域においても、同様に、新型コロナウイルス感染症の影響により市場が低調となりました。下半期に入り、地域により市場の回復度合いは異なりますが、中国・北米地域などの市況の回復の早い地域を中心に、高機能商品の積極的な拡販を進めました。
以上の結果、タイヤ事業の売上収益は前期を下回り、減益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は、70,257百万円(前期比17.1%減)、事業損失は741百万円(前期は4,291百万円の利益)となりました。
ゴルフ用品は、北米、欧州中心に新型コロナウイルス感染症に伴う市場縮小に6月以降反転が見られ、強化してきたデジタル系マーケティング・販売チャネル関係強化、新商品の効果もあり下半期は海外で前年同期比増収となるも、上半期の販売減を補うには至らず、売上収益は前期を下回りました。
また、テニス用品は、下半期はゴルフ用品と同様海外で前年同期比増収となるも、新型コロナウイルス感染症の影響や、6月にバボラ社との国内販売代理店契約を終了したことによる減収が響き、通年の売上収益では前期を下回りました。
ウェルネス事業でも新型コロナウイルス感染症の影響によりスポーツクラブの一時休業を実施したこと等により会員数が減少しましたが、6月以降、感染予防に万全の対策を期しつつ全拠点で営業を再開し、利用者は徐々に戻りつつあるものの売上収益は前期を下回りました。
以上の結果、スポーツ事業の売上収益は前期を下回り、事業損失となりました。
(産業品他事業)
産業品他事業の売上収益は、40,700百万円(前期比0.9%減)、事業利益は3,186百万円(前期比6.2%減)となりました。
医療用精密ゴム部品や制振ダンパーが堅調に推移し、新型コロナウイルス感染症の影響で使い切り手袋の需要が増えましたが、OA機器用精密ゴム部品では主要OA機器メーカーのプリンター・コピー機の生産減少、インフラ系商材における受注減もあり減収となりました。
以上の結果、産業品他事業の売上収益は前期を下回り、減益となりました。
②財政状態の状況
前連結会計年度当連結会計年度増減
百万円百万円百万円
資産合計1,035,484974,805△60,679
資本合計475,537467,097△8,440
親会社の所有者に
帰属する持分
460,800454,743△6,057
親会社所有者帰属
持分比率(%)
44.546.62.1
ROE(%)2.64.92.3
ROA(%)5.24.3△0.9
有利子負債325,490276,739△48,751
D/E レシオ(倍)0.70.6△0.1
1株当たり親会社
所有者帰属持分
1,752円07銭1,729円05銭△23円02銭

(注)ROAは連結ベースの事業利益に基づき算出しております。
当連結会計年度末の資産合計は、974,805百万円と前連結会計年度末に比べて60,679百万円減少しました。棚卸資産の減少などにより流動資産が23,402百万円減少しました。また、投資抑制及び為替換算影響による有形固定資産の減少などにより非流動資産は37,277百万円減少しました。
当連結会計年度末の負債合計は、507,708百万円と前連結会計年度末に比べて52,239百万円減少し、有利子負債残高は、276,739百万円と前連結会計年度末に比べて48,751百万円減少しました。
当連結会計年度末の資本合計は467,097百万円と前連結会計年度末に比べて8,440百万円減少しました。うち親会社の所有者に帰属する持分は454,743百万円と前連結会計年度末に比べて6,057百万円減少しました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は46.6%、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,729円05銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ13,572百万円増加し、当連結会計年度末には74,203百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、123,504百万円(前連結会計年度比32,046百万円の収入の増加)となりました。
これは主として、営業債務及びその他の債務の減少1,993百万円、法人所得税の支払9,178百万円などの減少要因があったものの、税引前利益29,771百万円の計上、減価償却費及び償却費の計上67,665百万円、棚卸資産の減少25,027百万円、営業債権及びその他の債権の減少5,991百万円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、45,594百万円(前連結会計年度比17,823百万円の支出の減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出41,681百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、61,881百万円(前連結会計年度比20,902百万円の支出の増加)となりました。
これは主として、短期借入金、長期借入金及び社債が純額で40,945百万円減少したほか、配当金の支払7,890百万円を行ったことなどによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
タイヤ事業551,834△18.0%
スポーツ事業43,237△11.2%
産業品他事業29,2382.7%
合計624,309△16.8%
(注)1.金額は、販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

②受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であり、ごく一部の製品(防舷材等)についてのみ受注生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
タイヤ事業679,860△11.4%
スポーツ事業70,257△17.1%
産業品他事業40,700△0.9%
合計790,817△11.5%
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
また、新型コロナウイルス感染症による影響については、感染症の再拡大による経済環境の悪化、下振れリスクが懸念され、先行きは予断を許さない状況でありますが、ウイズコロナの新常態において、翌連結会計年度では、世界の経済活動は前連結会計年度のレベルには回復しないものの、緩やかに回復に向かうものと仮定しております。
当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの中期計画における数値目標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載のとおりですが、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた主なものは、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の減少及び原材料価格の下落であります。
主力のタイヤ事業において、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症の影響による大幅な需要減少と、それに伴う操業度低下によるコストアップにより、大幅な減益となりました。原材料面では、天然ゴム価格及び石油系原材料価格が低位に推移したことにより、増益要因となりました。販売面では、国内外の市販市場において販売価格の改定を実施しましたが、新車向けで原材料単価連動制によるマイナスがあり、価格要因は若干の減益要因となりましたが、製品構成が良化したことにより、新型コロナウイルス感染症の影響を除いた数量・構成他は増益要因となりました。為替については、円高傾向で推移したことにより、減益要因となりました。一方、生産性改善をはじめとする原価低減に取り組んだことに加え、徹底した経費抑制により、直接原価、固定費及び経費は増益要因となりました。
この結果、前連結会計年度に対し、新型コロナウイルス感染症の影響で約460億円、為替で約44億円、販売価格で約1億円の減益要因となったものの、原材料価格全体で約261億円、経費で約88億円、数量・構成他で約67億円、直接原価で約22億円、固定費で約9億円が、それぞれ増益要因となりました。高機能商品の更なる拡販、海外工場における生産性の改善など、収益力の向上を目指して様々な対策に取り組みましたが、新型コロナウイルス感染症による需要減少の影響が大きく、タイヤ事業全体では減益となりました。
スポーツ事業及び産業品他事業の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
ご参考:当連結会計年度 事業利益の増減要因
0102010_004.png※コロナ影響の内訳は、タイヤ事業約460億円、スポーツ事業約66億円、産業品他事業約7億円となります。
以上の結果、売上収益は790,817百万円と前連結会計年度に比べ102,493百万円(△11.5%)の減収、事業利益は43,388百万円と前連結会計年度に比べ11,003百万円(△20.2%)の減益となり、売上収益事業利益率は前連結会計年度に比べ0.6ポイント低下し、5.5%となりました。
その他の収益及び費用では、前連結会計年度に多額ののれん・固定資産の減損損失を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ16,639百万円の増益となりました。
この結果、営業利益は38,701百万円と前連結会計年度に比べ5,636百万円(17.0%)の増収となり、売上収益営業利益率は前連結会計年度に比べ1.2ポイント上昇し、4.9%となりました。
金融収益及び費用では、為替差損及びデリバティブ評価損が増加したこと等により、前連結会計年度に比べ3,183百万円の減益となりました。
以上の結果、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は22,596百万円と前連結会計年度に比べ10,524百万円(87.2%)の増益となりました。
中期計画における目標達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載の施策に取り組んでまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは77,910百万円のプラスとなり、主に借入金等の返済40,954百万円及び配当金の支払7,890百万円に充当しております。なお、配当に関する基本方針は、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載のとおりとなります。
今後、主に世界各地での増販に合わせた高機能タイヤの生産能力増強のための設備投資を行っていく方針でありますが、販売数量の増加と採算性の改善により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を実現しながら、必要に応じ金融市場や金融機関からの調達も活用するなど、「成長」と「流動性の確保並びに財務体質の向上」との両立を図りながら、2020年2月13日公表の中期計画で目標としているD/Eレシオ0.5以下の達成を目指してまいります。なお、当社と国内子会社、当社と一部の海外子会社との間でCMS(キャッシュマネジメントシステム)による資金融通を行っており、当社グループ内での資金効率向上を図っております。
また、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「A+(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。

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