有価証券報告書-第132期(2023/01/01-2023/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
為替レートの前提
当期の世界経済は、インフレと金融引き締め策、ウクライナや中東における地政学的緊張などの影響があり、一部の地域において弱さがみられるものの持ち直してきています。我が国においても景気はこのところ一部に足踏みもみられますが、緩やかに回復している状況です。
当社グループを取り巻く情勢につきましては、海上輸送コストは高騰した前期と比較して大きく低下し、原材料価格高やエネルギーコスト高にも一服感がみられるようになってきたことで、前期と比較して利益状況は大幅に改善しました。そのような中、当社グループは2027年を目標年度とし策定した中期計画の実現に向けて経営基盤強化を目指す全社プロジェクトを強力に推進するとともに、顧客ニーズに対応した高機能商品を開発・増販するなど、競争力の強化にグループを挙げて取り組みました。
この結果、当社グループの連結業績は、売上収益は1,177,399百万円(前期比7.2%増)、事業利益は77,670百万円(前期比253.6%増)、営業利益は64,490百万円(前期比330.3%増)となり、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は37,048百万円(前期比293.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(タイヤ事業)
タイヤ事業の売上収益は、1,006,381百万円(前期比7.1%増)、事業利益は63,572百万円(前期比416.4%増)となりました。
国内新車用タイヤは、世界的な半導体不足による自動車メーカーの生産制約が下期以降徐々に解消され、前期より大きく増販することができました。
国内市販用タイヤは、冬タイヤの7月からの値上げの影響や暖冬で出荷が低調だったこともあり、前期から微減となりました。
海外新車用タイヤについては、中国やインドネシアでは減少となりましたが、欧米では増販でき、全体ではほぼ前年並みとなりました。
海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域において、中国での販売は新型コロナウイルス影響で大きく落ち込んだ前期を上回ったものの、市況低迷の影響を受け低水準にとどまっています。一方、インドネシア・アセアンにおいて市況悪化傾向が続いたことから販売が低調に推移するなど、前期を下回りました。米州地域においては、北米では低採算品の販売を計画的に抑制したこともあり前期を下回りましたが、主力のファルケンブランドにおいては市場で好評を得ているワイルドピークシリーズの販売が好調で前期を上回りました。南米においては海上運賃下落などを背景にマーケットに輸入品が増加しましたが、当社はほぼ計画通りの販売を行うことができ、前年並みとなりました。欧州地域においては長引くインフレにより消費者の購買力が低下しており、タイヤ交換率も低調に推移したことなどから前期を下回りました。
以上の結果、タイヤ事業の売上収益は前期を上回り、事業利益についても増益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は、126,647百万円(前期比8.6%増)、事業利益は12,482百万円(前期比39.6%増)となりました。
ゴルフ用品は、契約選手活躍の効果もあり北米・韓国などを中心に順調に販売を伸ばし、また23年12月に発売した13代目XXIOクラブが好調な滑り出しとなった結果、売上収益は前期を上回りました。
テニス用品は、物価高騰の影響などもあり販売数量は減少しましたが、海外での販売にかかる円安の影響もあり売上収益は前期並みとなりました。
ウェルネス事業では、値上げ効果や新規総合店の開店もあり、売上収益は前期を上回りました。
以上の結果、スポーツ事業の売上収益は前期を上回り、事業利益についても増益となりました。
(産業品他事業)
産業品他事業の売上収益は、44,371百万円(前期比5.3%増)、事業利益は1,603百万円(前期比135.8%増)となりました。
医療用ゴム製品事業の販売は国内外ともに堅調に推移し、インフラ事業も増収となりましたが、OA機器用ゴム部品事業は顧客の生産調整の影響で減収、生活用品事業も市況悪化による買い控え等、需要低迷により減収となりました。
以上の結果、産業品他事業の売上収益は前期を上回り、事業利益については増益となりました。
②財政状態の状況
(注)ROAは連結ベースの事業利益に基づき算出しております。
当連結会計年度末の資産合計は、1,266,732百万円と前連結会計年度末に比べて41,530百万円増加しました。現金及び現金同等物などの増加などにより流動資産が820百万円増加しました。また、有形固定資産の取得及び為替換算影響などにより非流動資産は40,710百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、625,302百万円と前連結会計年度末に比べて36,037百万円減少し、有利子負債残高は、310,932百万円と前連結会計年度末に比べて61,828百万円減少しました。
当連結会計年度末の資本合計は641,430百万円と前連結会計年度末に比べて77,567百万円増加しました。うち親会社の所有者に帰属する持分は624,114百万円と前連結会計年度末に比べて77,914百万円増加しました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は49.3%、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,372円90銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16,405百万円増加し、当連結会計年度末には90,251百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、169,800百万円(前連結会計年度比141,931百万円の収入の増加)となりました。
これは主として、法人所得税の支払20,723百万円などの減少要因があったものの、税引前利益62,745百万円の計上、減価償却費及び償却費の計上78,559百万円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、62,230百万円(前連結会計年度比16,467百万円の支出の減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出63,295百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、95,568百万円(前連結会計年度は41,556百万円の資金の増加)となりました。
これは主として、短期借入金、長期借入金及び社債の返済で70,584百万円減少したほか、配当金の支払5,264百万円、リース負債の返済16,847百万円を行ったことなどによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
②受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であり、ごく一部の製品(防舷材等)についてのみ受注生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの中期計画における数値目標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載のとおりですが、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた主なものは、海上輸送コストや原材料価格の負担減と販売価格の改善であります。
主力のタイヤ事業において、当連結会計年度においては、海上輸送コストや原材料価格の低下や販売価格の値上げが増益要因となり、事業利益は前連結会計年度に比べ513億円の増益となりました。原材料面では、天然ゴム価格及び石油系原材料価格が低下し、増益要因となりました。販売面では、新車用タイヤでは半導体等不足の影響の緩和により自動車メーカーの生産が回復してきたことから販売数量は前連結会計年度を上回ったものの、市販用タイヤでは冬タイヤが暖冬などの影響を受けたため、販売数量が僅かに前連結会計年度を下回りました。そのほか、未実現利益などの影響を受けて数量・構成他は減益要因となりました。直接原価は人件費上昇やエネルギーコスト上昇の影響が大きく、また固定費での人件費増加や、経費ではDX推進費用が増加したことなどの影響によりそれぞれ減益要因となりました。為替については、円安傾向に推移したため、増益要因となりました。
この結果、前連結会計年度に対し、原材料で約171億円、販売価格で約254億円、海上運賃で約414億円、為替で約43億円がそれぞれ増益要因となったものの、数量・構成他で約191億円、直接原価で約85億円、固定費で約40億円、経費で約53億円の減益要因となりました。高機能商品の更なる拡販、海外工場における生産性の改善など、収益力の向上を目指して様々な対策に取り組んだことから、値上げ効果や海上運賃の下落によりタイヤ事業全体では前連結会計年度の事業利益を大幅に上回りました。
スポーツ事業及び産業品他事業の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度 事業利益の増減要因
以上の結果、売上収益は1,177,399百万円と前連結会計年度に比べ78,735百万円(7.2%)の増収、事業利益は77,670百万円と前連結会計年度に比べ55,707百万円(253.6%)の増益となり、事業利益率は前連結会計年度に比べ4.6ポイント上昇し、6.6%となりました。
その他の収益及び費用では、減損損失を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ6,205百万円の減益となりました。
この結果、営業利益は64,490百万円と前連結会計年度に比べ49,502百万円(330.3%)の増益となり、営業利益率は前連結会計年度に比べ4.1ポイント上昇し、5.5%となりました。
金融収益及び費用では、前連結会計年度での為替差益が為替差損に転じたことにより、前連結会計年度に比べ9,250百万円の減益となりました。
以上の結果、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は37,048百万円と前連結会計年度に比べ27,633百万円(293.5%)の増益となりました。
中期計画における目標達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載の施策に取り組んでまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは107,570百万円のプラスとなり、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載の方針に基づき、配当金の支払5,264百万円を行いました。
今後、主に世界各地での増販に合わせた高機能タイヤの生産能力増強のための設備投資を引き続き行っていきますが、販売数量の増加と採算性の改善により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を実現しながら、必要に応じ金融市場や金融機関からの調達も活用するなど、「成長」と「流動性の確保並びに財務体質の向上」との両立を図りながら、2023年2月14日公表の中期計画で目標としているD/Eレシオ0.6の達成を目指す中で、当連結会計年度ではD/Eレシオ0.5を達成しました。なお、当社と国内子会社、当社と一部の海外子会社との間でCMS(キャッシュマネジメントシステム)による資金融通を行っており、当社グループ内での資金効率向上を図っております。
また、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「A+(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。
①経営成績の状況
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | ||
| 百万円 | 百万円 | % | ||
| 売上収益 | 1,098,664 | 1,177,399 | 7.2 | |
| タイヤ事業 | 939,941 | 1,006,381 | 7.1 | |
| スポーツ事業 | 116,597 | 126,647 | 8.6 | |
| 産業品他事業 | 42,126 | 44,371 | 5.3 | |
| 事業利益 | 21,963 | 77,670 | 253.6 | |
| タイヤ事業 | 12,311 | 63,572 | 416.4 | |
| スポーツ事業 | 8,943 | 12,482 | 39.6 | |
| 産業品他事業 | 680 | 1,603 | 135.8 | |
| 調整額 | 29 | 13 | - | |
| 営業利益 | 14,988 | 64,490 | 330.3 | |
| 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 9,415 | 37,048 | 293.5 | |
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
為替レートの前提
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||||
| 1米ドル当たり | 132 | 円 | 141 | 円 | 9 | 円 |
| 1ユーロ当たり | 138 | 円 | 152 | 円 | 14 | 円 |
当期の世界経済は、インフレと金融引き締め策、ウクライナや中東における地政学的緊張などの影響があり、一部の地域において弱さがみられるものの持ち直してきています。我が国においても景気はこのところ一部に足踏みもみられますが、緩やかに回復している状況です。
当社グループを取り巻く情勢につきましては、海上輸送コストは高騰した前期と比較して大きく低下し、原材料価格高やエネルギーコスト高にも一服感がみられるようになってきたことで、前期と比較して利益状況は大幅に改善しました。そのような中、当社グループは2027年を目標年度とし策定した中期計画の実現に向けて経営基盤強化を目指す全社プロジェクトを強力に推進するとともに、顧客ニーズに対応した高機能商品を開発・増販するなど、競争力の強化にグループを挙げて取り組みました。
この結果、当社グループの連結業績は、売上収益は1,177,399百万円(前期比7.2%増)、事業利益は77,670百万円(前期比253.6%増)、営業利益は64,490百万円(前期比330.3%増)となり、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は37,048百万円(前期比293.5%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(タイヤ事業)
タイヤ事業の売上収益は、1,006,381百万円(前期比7.1%増)、事業利益は63,572百万円(前期比416.4%増)となりました。
国内新車用タイヤは、世界的な半導体不足による自動車メーカーの生産制約が下期以降徐々に解消され、前期より大きく増販することができました。
国内市販用タイヤは、冬タイヤの7月からの値上げの影響や暖冬で出荷が低調だったこともあり、前期から微減となりました。
海外新車用タイヤについては、中国やインドネシアでは減少となりましたが、欧米では増販でき、全体ではほぼ前年並みとなりました。
海外市販用タイヤは、アジア・大洋州地域において、中国での販売は新型コロナウイルス影響で大きく落ち込んだ前期を上回ったものの、市況低迷の影響を受け低水準にとどまっています。一方、インドネシア・アセアンにおいて市況悪化傾向が続いたことから販売が低調に推移するなど、前期を下回りました。米州地域においては、北米では低採算品の販売を計画的に抑制したこともあり前期を下回りましたが、主力のファルケンブランドにおいては市場で好評を得ているワイルドピークシリーズの販売が好調で前期を上回りました。南米においては海上運賃下落などを背景にマーケットに輸入品が増加しましたが、当社はほぼ計画通りの販売を行うことができ、前年並みとなりました。欧州地域においては長引くインフレにより消費者の購買力が低下しており、タイヤ交換率も低調に推移したことなどから前期を下回りました。
以上の結果、タイヤ事業の売上収益は前期を上回り、事業利益についても増益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は、126,647百万円(前期比8.6%増)、事業利益は12,482百万円(前期比39.6%増)となりました。
ゴルフ用品は、契約選手活躍の効果もあり北米・韓国などを中心に順調に販売を伸ばし、また23年12月に発売した13代目XXIOクラブが好調な滑り出しとなった結果、売上収益は前期を上回りました。
テニス用品は、物価高騰の影響などもあり販売数量は減少しましたが、海外での販売にかかる円安の影響もあり売上収益は前期並みとなりました。
ウェルネス事業では、値上げ効果や新規総合店の開店もあり、売上収益は前期を上回りました。
以上の結果、スポーツ事業の売上収益は前期を上回り、事業利益についても増益となりました。
(産業品他事業)
産業品他事業の売上収益は、44,371百万円(前期比5.3%増)、事業利益は1,603百万円(前期比135.8%増)となりました。
医療用ゴム製品事業の販売は国内外ともに堅調に推移し、インフラ事業も増収となりましたが、OA機器用ゴム部品事業は顧客の生産調整の影響で減収、生活用品事業も市況悪化による買い控え等、需要低迷により減収となりました。
以上の結果、産業品他事業の売上収益は前期を上回り、事業利益については増益となりました。
②財政状態の状況
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 百万円 | 百万円 | 百万円 | |
| 資産合計 | 1,225,202 | 1,266,732 | 41,530 |
| 資本合計 | 563,863 | 641,430 | 77,567 |
| 親会社の所有者に 帰属する持分 | 546,200 | 624,114 | 77,914 |
| 親会社所有者帰属 持分比率(%) | 44.6 | 49.3 | 4.7 |
| ROE(%) | 1.8 | 6.3 | 4.5 |
| ROA(%) | 1.9 | 6.2 | 4.3 |
| 有利子負債 | 372,760 | 310,932 | △61,828 |
| D/E レシオ(倍) | 0.7 | 0.5 | △0.2 |
| 1株当たり親会社 所有者帰属持分 | 2,076円74銭 | 2,372円90銭 | 296円16銭 |
(注)ROAは連結ベースの事業利益に基づき算出しております。
当連結会計年度末の資産合計は、1,266,732百万円と前連結会計年度末に比べて41,530百万円増加しました。現金及び現金同等物などの増加などにより流動資産が820百万円増加しました。また、有形固定資産の取得及び為替換算影響などにより非流動資産は40,710百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、625,302百万円と前連結会計年度末に比べて36,037百万円減少し、有利子負債残高は、310,932百万円と前連結会計年度末に比べて61,828百万円減少しました。
当連結会計年度末の資本合計は641,430百万円と前連結会計年度末に比べて77,567百万円増加しました。うち親会社の所有者に帰属する持分は624,114百万円と前連結会計年度末に比べて77,914百万円増加しました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は49.3%、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,372円90銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ16,405百万円増加し、当連結会計年度末には90,251百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、169,800百万円(前連結会計年度比141,931百万円の収入の増加)となりました。
これは主として、法人所得税の支払20,723百万円などの減少要因があったものの、税引前利益62,745百万円の計上、減価償却費及び償却費の計上78,559百万円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、62,230百万円(前連結会計年度比16,467百万円の支出の減少)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出63,295百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、95,568百万円(前連結会計年度は41,556百万円の資金の増加)となりました。
これは主として、短期借入金、長期借入金及び社債の返済で70,584百万円減少したほか、配当金の支払5,264百万円、リース負債の返済16,847百万円を行ったことなどによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| タイヤ事業 | 804,389 | 106.6% |
| スポーツ事業 | 68,469 | 114.7% |
| 産業品他事業 | 38,870 | 101.2% |
| 合計 | 911,728 | 106.9% |
| (注)金額は、販売価格によっております。 | ||
②受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であり、ごく一部の製品(防舷材等)についてのみ受注生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| タイヤ事業 | 1,006,381 | 107.1% |
| スポーツ事業 | 126,647 | 108.6% |
| 産業品他事業 | 44,371 | 105.3% |
| 合計 | 1,177,399 | 107.2% |
| (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 | ||
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの中期計画における数値目標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載のとおりですが、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた主なものは、海上輸送コストや原材料価格の負担減と販売価格の改善であります。
主力のタイヤ事業において、当連結会計年度においては、海上輸送コストや原材料価格の低下や販売価格の値上げが増益要因となり、事業利益は前連結会計年度に比べ513億円の増益となりました。原材料面では、天然ゴム価格及び石油系原材料価格が低下し、増益要因となりました。販売面では、新車用タイヤでは半導体等不足の影響の緩和により自動車メーカーの生産が回復してきたことから販売数量は前連結会計年度を上回ったものの、市販用タイヤでは冬タイヤが暖冬などの影響を受けたため、販売数量が僅かに前連結会計年度を下回りました。そのほか、未実現利益などの影響を受けて数量・構成他は減益要因となりました。直接原価は人件費上昇やエネルギーコスト上昇の影響が大きく、また固定費での人件費増加や、経費ではDX推進費用が増加したことなどの影響によりそれぞれ減益要因となりました。為替については、円安傾向に推移したため、増益要因となりました。
この結果、前連結会計年度に対し、原材料で約171億円、販売価格で約254億円、海上運賃で約414億円、為替で約43億円がそれぞれ増益要因となったものの、数量・構成他で約191億円、直接原価で約85億円、固定費で約40億円、経費で約53億円の減益要因となりました。高機能商品の更なる拡販、海外工場における生産性の改善など、収益力の向上を目指して様々な対策に取り組んだことから、値上げ効果や海上運賃の下落によりタイヤ事業全体では前連結会計年度の事業利益を大幅に上回りました。
スポーツ事業及び産業品他事業の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度 事業利益の増減要因
以上の結果、売上収益は1,177,399百万円と前連結会計年度に比べ78,735百万円(7.2%)の増収、事業利益は77,670百万円と前連結会計年度に比べ55,707百万円(253.6%)の増益となり、事業利益率は前連結会計年度に比べ4.6ポイント上昇し、6.6%となりました。その他の収益及び費用では、減損損失を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ6,205百万円の減益となりました。
この結果、営業利益は64,490百万円と前連結会計年度に比べ49,502百万円(330.3%)の増益となり、営業利益率は前連結会計年度に比べ4.1ポイント上昇し、5.5%となりました。
金融収益及び費用では、前連結会計年度での為替差益が為替差損に転じたことにより、前連結会計年度に比べ9,250百万円の減益となりました。
以上の結果、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は37,048百万円と前連結会計年度に比べ27,633百万円(293.5%)の増益となりました。
中期計画における目標達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載の施策に取り組んでまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは107,570百万円のプラスとなり、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載の方針に基づき、配当金の支払5,264百万円を行いました。
今後、主に世界各地での増販に合わせた高機能タイヤの生産能力増強のための設備投資を引き続き行っていきますが、販売数量の増加と採算性の改善により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を実現しながら、必要に応じ金融市場や金融機関からの調達も活用するなど、「成長」と「流動性の確保並びに財務体質の向上」との両立を図りながら、2023年2月14日公表の中期計画で目標としているD/Eレシオ0.6の達成を目指す中で、当連結会計年度ではD/Eレシオ0.5を達成しました。なお、当社と国内子会社、当社と一部の海外子会社との間でCMS(キャッシュマネジメントシステム)による資金融通を行っており、当社グループ内での資金効率向上を図っております。
また、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「A+(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。