有価証券報告書-第133期(2024/01/01-2024/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
為替レートの前提
当期の経済環境は、一部では足踏みも見られるものの緩やかに回復してきています。我が国においては雇用や所得の環境が改善するなかで消費者物価が上昇しています。今後も経済の緩やかな回復が続くことが期待されますが、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクがあり、金利や物価の動向などに加え、中東地域をめぐる情勢でも不確実性が高い状況です。
当社グループを取り巻く情勢につきましては、一部自動車メーカーの生産停止に伴う影響を受けたことや、インフレ等の影響による市況停滞もあり、当期のタイヤ販売本数は前期を下回りました。一方で為替変動の影響などもあり、前期に引き続き利益状況が大幅に改善しました。そのようななか、当社グループは2027年を目標年度とする中期計画の実現に向けて経営基盤強化を目指す全社プロジェクトを強力に推進するとともに、顧客ニーズに対応した高機能商品を開発・増販するなど、競争力の強化にグループを挙げて取り組みました。また、米国タイヤ工場について生産終了および当該子会社の解散の意思決定を行ったことに加え、欧州の医療用ゴム事業と国内フィットネス事業の売却を完了するなど、構造改革を強力に推進しました。
この結果、当社グループの連結業績は、売上収益は1,211,856百万円(前期比2.9%増)、事業利益は87,941百万円(前期比13.2%増)、営業利益は11,186百万円(前期比82.7%減)となり、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は9,865百万円(前期比73.4%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(タイヤ事業)
タイヤ事業の売上収益は、1,046,394百万円(前期比4.0%増)、事業利益は76,181百万円(前期比19.8%増)となりました。
国内新車用タイヤは、一部自動車メーカーにおける減産の影響に加え、8月末の台風の影響などもあり、販売量は前期を大きく下回りました。
国内市販用タイヤは、夏タイヤの販売本数が前期を上回りましたが、冬タイヤについては前年を下回りました。低採算品を戦略的に減らしたこともあり、全体の販売本数は前期を下回りました。当社独自の新技術「アクティブトレッド」を搭載した次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER」を10月に発売し、市場で高い評価をいただくとともに、初年度販売目標を上回りました。
海外新車用タイヤについては、アジア圏における日系自動車メーカー向けを中心に大きく減少しました。
海外市販用タイヤは、前期を若干下回る販売となりました。アジア・大洋州地域において、中国では市況低迷の影響で低水準にとどまっています。東南アジアでも総じて市況が低調でしたが、アジア・太平洋地域全体では前期並みの水準となりました。欧州地域においてはFALKENブランドの強みであるオールシーズンタイヤ等の拡販を進めたことの効果はありましたが、一時的な供給不足もあり、前期を下回りました。米州地域においては、北米では前期より微減となったものの、主力商品のワイルドピークシリーズを中心に増販したほか、二輪車用タイヤも堅調に推移しました。南米においては海上運賃の下落などを背景にマーケットに輸入品が増加し厳しい販売環境となるなか、当社は販売代理店と連携しながら拡販に努め、前期を上回りました。
以上の結果、タイヤ販売本数は前期を下回ったものの、為替影響もありタイヤ事業の売上収益は前期を上回り、事業利益についても増益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は、125,650百万円(前期比0.8%減)、事業利益は7,878百万円(前期比36.9%減)となりました。
ゴルフ用品はSRIXONゴルフクラブの健闘や為替の円安効果があったものの、韓国の市況悪化や北米での競争環境激化などの影響を受け、売上収益は前期を下回りました。
テニス用品は欧州で減収となりましたが、日本・北米での増販により、売上収益は前期を上回りました。
ウェルネス事業は、ゴルフスクール・テニススクールを除き、対象会社の全株式を12月上旬に新たな株主へ譲渡いたしました。
以上の結果、スポーツ事業の売上収益は前期を下回り、事業利益についても主力のゴルフ事業が日本・北米・韓国など主要市場で減速したことなどにより減益となりました。
(産業品他事業)
産業品他事業の売上収益は、39,812百万円(前期比10.3%減)、事業利益は3,725百万円(前期比132.3%増)となりました。
医療用ゴム製品については、欧州の製造・販売子会社株式の譲渡を1月末に実施したことや、国内の生産能力増強工事に伴う工場の稼働一時停止により減収となりました。その他、生活用品なども減収となりましたが、インフラ事業、OA機器用ゴム部品、制振ダンパーは増収となりました。
以上の結果、産業品他事業の売上収益は前期を下回りましたが、欧州の医療用ゴム製品子会社の株式譲渡の影響を除くと前期を上回りました。事業利益については前期の2倍以上と、大幅な増益となりました。
②財政状態の状況
(注)ROAは連結ベースの事業利益に基づき算出しております。
当連結会計年度末の資産合計は、1,341,123百万円と前連結会計年度末に比べて74,391百万円増加しました。棚卸資産などの増加などにより流動資産が45,043百万円増加しました。また、繰延税金資産の増加などにより非流動資産は29,348百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、665,313百万円と前連結会計年度末に比べて40,011百万円増加し、有利子負債残高は、331,218百万円と前連結会計年度末に比べて20,286百万円増加しました。
当連結会計年度末の資本合計は675,810百万円と前連結会計年度末に比べて34,380百万円増加しました。うち親会社の所有者に帰属する持分は656,134百万円と前連結会計年度末に比べて32,020百万円増加しました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は48.9%、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,494円54銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,131百万円増加し、当連結会計年度末には100,382百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、104,325百万円(前連結会計年度比65,475百万円の収入の減少)となりました。
これは主として、法人所得税の支払27,474百万円などの減少要因があったものの、減損損失45,124百万円の計上、減価償却費及び償却費の計上83,168百万円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、64,659百万円(前連結会計年度比2,429百万円の支出の増加)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出56,797百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、35,623百万円(前連結会計年度比59,945百万円の支出の減少)となりました。
これは主として、短期借入金で43,997百万円増加したものの、長期借入金及び社債の返済で35,000百万円減少したほか、配当金の支払21,561百万円、リース負債の返済20,267百万円を行ったことなどによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
②受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であり、ごく一部の製品(防舷材等)についてのみ受注生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの中期計画における数値目標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載のとおりですが、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた主なものは、直接原価の増加と為替円安による影響であります。
主力のタイヤ事業において、当連結会計年度においては、人件費の上昇により直接原価が増加したことや、原材料面では、天然ゴム価格が高騰したことが減益要因となりました。販売面では、新車用タイヤでは国内において自動車メーカーの減産の影響があったことや、海外においても東南アジアや中国での自動車メーカーへの納入減少の影響により販売数量は前連結会計年度を下回りました。市販用タイヤでは国内市場において夏タイヤの増販や10月に発売した「SYNCHRO WEATHER」の好調な売れ行きがあったものの、年初の暖冬影響による冬タイヤの販売数量の減少や低採算品を戦略的に減らしたことにより、販売数量が前連結会計年度を下回りました。また、海外市場でも市販用タイヤは前連結会計年度を若干下回る販売となりました。一方で、高機能商品の更なる拡販、北米事業の構造改革の効果など、収益力の向上を目指して様々な対策に取り組んだことから、構成の良化が増益要因となりました。また、北米アンチダンピング関税や北米アロケーション益がプラスとなり数量・構成他は増益要因となりました。そのほか、固定費での人件費増加や、経費ではDX推進費用や広告宣伝費が増加したことなどの影響によりそれぞれ減益要因となりました。為替については、円安傾向に推移したため、増益要因となりました。
この結果、前連結会計年度に対し、数量・構成他で約273億円、為替で約135億円がそれぞれ増益要因となったものの、原材料で約78億円、販売価格で約17億円、直接原価で約116億円、固定費で約41億円、経費で約30億円の減益要因となり、タイヤ事業全体で事業利益は前連結会計年度に比べ約126億円の増益となりました。
スポーツ事業及び産業品他事業の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度 事業利益の増減要因
以上の結果、売上収益は1,211,856百万円と前連結会計年度に比べ34,457百万円(2.9%)の増収、事業利益は87,941百万円と前連結会計年度に比べ10,271百万円(13.2%)の増益となり、事業利益率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント上昇し、7.3%となりました。
その他の収益及び費用では、減損損失や事業再構築費用を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ63,575百万円の減益となりました。
この結果、営業利益は11,186百万円と前連結会計年度に比べ53,304百万円(△82.7%)の減益となり、営業利益率は前連結会計年度に比べ4.6ポイント低下し、0.9%となりました。
金融収益及び費用では、前連結会計年度での為替差損が為替差益に転じたことにより、前連結会計年度に比べ6,788百万円の増益となりました。
以上の結果、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は9,865百万円と前連結会計年度に比べ27,183百万円(△73.4%)の減益となりました。
中期計画における目標達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載の施策に取り組んでまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは39,666百万円のプラスとなり、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載の方針に基づき、配当金の支払21,561百万円を行いました。
今後、主に世界各地での増販に合わせた高機能タイヤの生産能力増強のための設備投資を引き続き行っていきますが、販売数量の増加と採算性の改善により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を実現しながら、必要に応じ金融市場や金融機関からの調達も活用するなど、「成長」と「流動性の確保並びに財務体質の向上」との両立を図りながら、2023年2月14日公表の中期計画で目標としているD/Eレシオ0.6の達成を目指す中で、当連結会計年度ではD/Eレシオ0.5を達成しました。なお、当社と国内子会社、当社と一部の海外子会社との間でCMS(キャッシュマネジメントシステム)による資金融通を行っており、当社グループ内での資金効率向上を図っております。
また、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「A+(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。
①経営成績の状況
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減率 | ||
| 百万円 | 百万円 | % | ||
| 売上収益 | 1,177,399 | 1,211,856 | 2.9 | |
| タイヤ事業 | 1,006,381 | 1,046,394 | 4.0 | |
| スポーツ事業 | 126,647 | 125,650 | △0.8 | |
| 産業品他事業 | 44,371 | 39,812 | △10.3 | |
| 事業利益 | 77,670 | 87,941 | 13.2 | |
| タイヤ事業 | 63,572 | 76,181 | 19.8 | |
| スポーツ事業 | 12,482 | 7,878 | △36.9 | |
| 産業品他事業 | 1,603 | 3,725 | 132.3 | |
| 調整額 | 13 | 157 | - | |
| 営業利益 | 64,490 | 11,186 | △82.7 | |
| 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 37,048 | 9,865 | △73.4 | |
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
為替レートの前提
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | ||||
| 1米ドル当たり | 141 | 円 | 152 | 円 | 11 | 円 |
| 1ユーロ当たり | 152 | 円 | 164 | 円 | 12 | 円 |
当期の経済環境は、一部では足踏みも見られるものの緩やかに回復してきています。我が国においては雇用や所得の環境が改善するなかで消費者物価が上昇しています。今後も経済の緩やかな回復が続くことが期待されますが、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクがあり、金利や物価の動向などに加え、中東地域をめぐる情勢でも不確実性が高い状況です。
当社グループを取り巻く情勢につきましては、一部自動車メーカーの生産停止に伴う影響を受けたことや、インフレ等の影響による市況停滞もあり、当期のタイヤ販売本数は前期を下回りました。一方で為替変動の影響などもあり、前期に引き続き利益状況が大幅に改善しました。そのようななか、当社グループは2027年を目標年度とする中期計画の実現に向けて経営基盤強化を目指す全社プロジェクトを強力に推進するとともに、顧客ニーズに対応した高機能商品を開発・増販するなど、競争力の強化にグループを挙げて取り組みました。また、米国タイヤ工場について生産終了および当該子会社の解散の意思決定を行ったことに加え、欧州の医療用ゴム事業と国内フィットネス事業の売却を完了するなど、構造改革を強力に推進しました。
この結果、当社グループの連結業績は、売上収益は1,211,856百万円(前期比2.9%増)、事業利益は87,941百万円(前期比13.2%増)、営業利益は11,186百万円(前期比82.7%減)となり、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は9,865百万円(前期比73.4%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(タイヤ事業)
タイヤ事業の売上収益は、1,046,394百万円(前期比4.0%増)、事業利益は76,181百万円(前期比19.8%増)となりました。
国内新車用タイヤは、一部自動車メーカーにおける減産の影響に加え、8月末の台風の影響などもあり、販売量は前期を大きく下回りました。
国内市販用タイヤは、夏タイヤの販売本数が前期を上回りましたが、冬タイヤについては前年を下回りました。低採算品を戦略的に減らしたこともあり、全体の販売本数は前期を下回りました。当社独自の新技術「アクティブトレッド」を搭載した次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER」を10月に発売し、市場で高い評価をいただくとともに、初年度販売目標を上回りました。
海外新車用タイヤについては、アジア圏における日系自動車メーカー向けを中心に大きく減少しました。
海外市販用タイヤは、前期を若干下回る販売となりました。アジア・大洋州地域において、中国では市況低迷の影響で低水準にとどまっています。東南アジアでも総じて市況が低調でしたが、アジア・太平洋地域全体では前期並みの水準となりました。欧州地域においてはFALKENブランドの強みであるオールシーズンタイヤ等の拡販を進めたことの効果はありましたが、一時的な供給不足もあり、前期を下回りました。米州地域においては、北米では前期より微減となったものの、主力商品のワイルドピークシリーズを中心に増販したほか、二輪車用タイヤも堅調に推移しました。南米においては海上運賃の下落などを背景にマーケットに輸入品が増加し厳しい販売環境となるなか、当社は販売代理店と連携しながら拡販に努め、前期を上回りました。
以上の結果、タイヤ販売本数は前期を下回ったものの、為替影響もありタイヤ事業の売上収益は前期を上回り、事業利益についても増益となりました。
(スポーツ事業)
スポーツ事業の売上収益は、125,650百万円(前期比0.8%減)、事業利益は7,878百万円(前期比36.9%減)となりました。
ゴルフ用品はSRIXONゴルフクラブの健闘や為替の円安効果があったものの、韓国の市況悪化や北米での競争環境激化などの影響を受け、売上収益は前期を下回りました。
テニス用品は欧州で減収となりましたが、日本・北米での増販により、売上収益は前期を上回りました。
ウェルネス事業は、ゴルフスクール・テニススクールを除き、対象会社の全株式を12月上旬に新たな株主へ譲渡いたしました。
以上の結果、スポーツ事業の売上収益は前期を下回り、事業利益についても主力のゴルフ事業が日本・北米・韓国など主要市場で減速したことなどにより減益となりました。
(産業品他事業)
産業品他事業の売上収益は、39,812百万円(前期比10.3%減)、事業利益は3,725百万円(前期比132.3%増)となりました。
医療用ゴム製品については、欧州の製造・販売子会社株式の譲渡を1月末に実施したことや、国内の生産能力増強工事に伴う工場の稼働一時停止により減収となりました。その他、生活用品なども減収となりましたが、インフラ事業、OA機器用ゴム部品、制振ダンパーは増収となりました。
以上の結果、産業品他事業の売上収益は前期を下回りましたが、欧州の医療用ゴム製品子会社の株式譲渡の影響を除くと前期を上回りました。事業利益については前期の2倍以上と、大幅な増益となりました。
②財政状態の状況
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 百万円 | 百万円 | 百万円 | |
| 資産合計 | 1,266,732 | 1,341,123 | 74,391 |
| 負債合計 | 625,302 | 665,313 | 40,011 |
| 資本合計 | 641,430 | 675,810 | 34,380 |
| 親会社の所有者に 帰属する持分 | 624,114 | 656,134 | 32,020 |
| 親会社所有者帰属 持分比率(%) | 49.3 | 48.9 | △0.4 |
| ROE(%) | 6.3 | 1.5 | △4.8 |
| ROA(%) | 6.2 | 6.7 | 0.5 |
| 有利子負債 | 310,932 | 331,218 | 20,286 |
| D/E レシオ(倍) | 0.5 | 0.5 | - |
| 1株当たり親会社 所有者帰属持分 | 2,372円90銭 | 2,494円54銭 | 121円64銭 |
(注)ROAは連結ベースの事業利益に基づき算出しております。
当連結会計年度末の資産合計は、1,341,123百万円と前連結会計年度末に比べて74,391百万円増加しました。棚卸資産などの増加などにより流動資産が45,043百万円増加しました。また、繰延税金資産の増加などにより非流動資産は29,348百万円増加しました。
当連結会計年度末の負債合計は、665,313百万円と前連結会計年度末に比べて40,011百万円増加し、有利子負債残高は、331,218百万円と前連結会計年度末に比べて20,286百万円増加しました。
当連結会計年度末の資本合計は675,810百万円と前連結会計年度末に比べて34,380百万円増加しました。うち親会社の所有者に帰属する持分は656,134百万円と前連結会計年度末に比べて32,020百万円増加しました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は48.9%、1株当たり親会社所有者帰属持分は2,494円54銭となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,131百万円増加し、当連結会計年度末には100,382百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、104,325百万円(前連結会計年度比65,475百万円の収入の減少)となりました。
これは主として、法人所得税の支払27,474百万円などの減少要因があったものの、減損損失45,124百万円の計上、減価償却費及び償却費の計上83,168百万円などの増加要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、64,659百万円(前連結会計年度比2,429百万円の支出の増加)となりました。
これは主として、有形固定資産の取得による支出56,797百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、35,623百万円(前連結会計年度比59,945百万円の支出の減少)となりました。
これは主として、短期借入金で43,997百万円増加したものの、長期借入金及び社債の返済で35,000百万円減少したほか、配当金の支払21,561百万円、リース負債の返済20,267百万円を行ったことなどによるものであります。
(2)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| タイヤ事業 | 875,446 | 108.8 |
| スポーツ事業 | 64,095 | 93.6 |
| 産業品他事業 | 28,034 | 72.1 |
| 合計 | 967,575 | 106.1 |
| (注)1.金額は、販売価格によっております。 | ||
| 2.当連結会計年度において、産業品他事業の生産実績に著しい変動がありました。これは、欧州の製造・販 売子会社株式の譲渡を1月末に実施したことや、国内の生産能力増強工事に伴う工場の稼働一時停止等に よるものであります。 | ||
②受注実績
当社グループの製品は、大部分が見込生産であり、ごく一部の製品(防舷材等)についてのみ受注生産を行っております。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| タイヤ事業 | 1,046,394 | 104.0 |
| スポーツ事業 | 125,650 | 99.2 |
| 産業品他事業 | 39,812 | 89.7 |
| 合計 | 1,211,856 | 102.9 |
| (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。 | ||
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに準拠して作成されております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、会計上の見積りや前提が必要となりますが、当社グループは、過去の実績、又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。
当社グループが採用している会計方針のうち重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの中期計画における数値目標は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載のとおりですが、当連結会計年度の経営成績に重要な影響を与えた主なものは、直接原価の増加と為替円安による影響であります。
主力のタイヤ事業において、当連結会計年度においては、人件費の上昇により直接原価が増加したことや、原材料面では、天然ゴム価格が高騰したことが減益要因となりました。販売面では、新車用タイヤでは国内において自動車メーカーの減産の影響があったことや、海外においても東南アジアや中国での自動車メーカーへの納入減少の影響により販売数量は前連結会計年度を下回りました。市販用タイヤでは国内市場において夏タイヤの増販や10月に発売した「SYNCHRO WEATHER」の好調な売れ行きがあったものの、年初の暖冬影響による冬タイヤの販売数量の減少や低採算品を戦略的に減らしたことにより、販売数量が前連結会計年度を下回りました。また、海外市場でも市販用タイヤは前連結会計年度を若干下回る販売となりました。一方で、高機能商品の更なる拡販、北米事業の構造改革の効果など、収益力の向上を目指して様々な対策に取り組んだことから、構成の良化が増益要因となりました。また、北米アンチダンピング関税や北米アロケーション益がプラスとなり数量・構成他は増益要因となりました。そのほか、固定費での人件費増加や、経費ではDX推進費用や広告宣伝費が増加したことなどの影響によりそれぞれ減益要因となりました。為替については、円安傾向に推移したため、増益要因となりました。
この結果、前連結会計年度に対し、数量・構成他で約273億円、為替で約135億円がそれぞれ増益要因となったものの、原材料で約78億円、販売価格で約17億円、直接原価で約116億円、固定費で約41億円、経費で約30億円の減益要因となり、タイヤ事業全体で事業利益は前連結会計年度に比べ約126億円の増益となりました。
スポーツ事業及び産業品他事業の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度 事業利益の増減要因
以上の結果、売上収益は1,211,856百万円と前連結会計年度に比べ34,457百万円(2.9%)の増収、事業利益は87,941百万円と前連結会計年度に比べ10,271百万円(13.2%)の増益となり、事業利益率は前連結会計年度に比べ0.7ポイント上昇し、7.3%となりました。その他の収益及び費用では、減損損失や事業再構築費用を計上したこと等により、前連結会計年度に比べ63,575百万円の減益となりました。
この結果、営業利益は11,186百万円と前連結会計年度に比べ53,304百万円(△82.7%)の減益となり、営業利益率は前連結会計年度に比べ4.6ポイント低下し、0.9%となりました。
金融収益及び費用では、前連結会計年度での為替差損が為替差益に転じたことにより、前連結会計年度に比べ6,788百万円の増益となりました。
以上の結果、税金費用を計上した後の最終的な親会社の所有者に帰属する当期利益は9,865百万円と前連結会計年度に比べ27,183百万円(△73.4%)の減益となりました。
中期計画における目標達成に向けて、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針及び経営戦略等」に記載の施策に取り組んでまいります。
③キャッシュ・フローの状況の分析、資本の財源及び資金の流動性についての分析
キャッシュ・フローの分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリーキャッシュ・フローは39,666百万円のプラスとなり、「第4 提出会社の状況 3.配当政策」に記載の方針に基づき、配当金の支払21,561百万円を行いました。
今後、主に世界各地での増販に合わせた高機能タイヤの生産能力増強のための設備投資を引き続き行っていきますが、販売数量の増加と採算性の改善により営業活動によるキャッシュ・フローの拡大を実現しながら、必要に応じ金融市場や金融機関からの調達も活用するなど、「成長」と「流動性の確保並びに財務体質の向上」との両立を図りながら、2023年2月14日公表の中期計画で目標としているD/Eレシオ0.6の達成を目指す中で、当連結会計年度ではD/Eレシオ0.5を達成しました。なお、当社と国内子会社、当社と一部の海外子会社との間でCMS(キャッシュマネジメントシステム)による資金融通を行っており、当社グループ内での資金効率向上を図っております。
また、当連結会計年度末現在において、日本格付研究所(JCR)より「A+(長期)、J-1(短期)」の信用格付を取得しております。