有価証券報告書-第59期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/19 9:13
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133項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景とした緩やかな景気回復が続いたものの、不安定な地政学情勢に伴うエネルギーコストの高止まりや、円安基調の継続による原材料価格の上昇など、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。
当業界におきましては、建築基準法改正前の駆け込み需要に伴う建築確認申請の遅延等が大きく持家着工戸数に影響し、前年同期比で約10%以上の減少と低水準で推移しております。また物価上昇に伴う住宅建設コストの上昇や、実質賃金の伸び悩みによる消費マインドの低迷を背景に、新設住宅着工戸数が持続的な減少傾向にあり、特に当社製品の主要需要先である注文住宅市場においては、厳しい状況が継続いたしました。
このような経営環境のもと、当社では国内住宅会社の採用棟数増加・工事受注拡大、一方でアジア圏を中心とした海外向け販売の拡大(前年同期比65.2%増)、オウンドメディアによる非住宅分野への広告活動等の営業活動推進を行ってまいりました。しかしながら持家着工戸数の減少の影響と、前年同期に製品価格改定前の駆け込み需要があったことから、売上高につきましては前年同期比4.5%減の6,505百万円となりました。
一方、損益面につきましては、販売量に応じた柔軟な生産体制、人員の適正配置、製造ラインの燃料転換によるコスト削減、製造工程の生産効率向上や品質改善のための設備投資等を行ってまいりましたが、各種物価上昇の影響から、原材料費や設備維持・更新にかかる修繕費等が幅広く製造原価を押し上げました。
この結果、当事業年度における売上原価率は、前年同期比0.6ポイント増の74.3%となり、売上総利益は前年同期比6.7%減の1,669百万円となりました。
販売費及び一般管理費におきましては、継続的なコスト削減を行い、前年同期比5.0%減の1,523百万円となりました。
以上の結果、当事業年度の業績は、売上高6,505百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益146百万円(前年同期比20.9%減)、経常利益302百万円(前年同期比33.7%減)、当期純利益373百万円(前年同期比208.0%増)の減収増益となりました。
なお前年同期には営業外収益で受取保険金139百万円、特別損失で減損損失244百万円を計上しております。また当事業年度には、固定資産(土地)の譲渡に伴う固定資産売却益として233百万円を特別利益に計上しております。
なお、当事業年度の経営成績及び、原材料、運送費、消耗修繕費、梱包費、さらには人材確保環境の変化に伴う人件費等の上昇、中東情勢・円安の影響によるエネルギー価格の不透明化等を踏まえ、2026年6月より製品価格の改定を実施しており、引き続き適正取引価格の浸透に注力してまいります。
② 財務状態の状況
当事業年度の資産につきましては、現金及び預金の増加196百万円(前事業年度末比10.6%増)等がありましたが、有形固定資産の減少965百万円(前事業年度末比9.4%減)等により、14,840百万円(前事業年度末比5.3%減)となりました。
負債につきましては、短期借入金の減少400百万円(前事業年度末比30.8%減)、仕入債務の減少398百万円(前事業年度末比40.5%減)等により2,717百万円(前事業年度末比27.6%減)となりました。
純資産につきましては、利益剰余金の増加325百万円(前事業年度末比5.1%増)等により12,122百万円(前事業年度末比1.7%増)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて296百万円増加し、1,736百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、使用した資金は、111百万円となりました(前年同期間は、576百万円の獲得)。
営業活動による資金の増加要因としては、主に税引前当期純利益535百万円及び減価償却費の156百万円等によるものです。
一方、営業活動による資金の減少要因としては、主に仕入債務の減少額409百万円及び固定資産売却益233百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、得られた資金は、1,015百万円となりました(前年同期間は、439百万円の支出)。
投資活動による資金の増加要因としては、主に固定資産の売却による収入1,322百万円等によるものです。
一方、投資活動による資金の減少要因としては、主に定期預金の預入による支出額1,124百万円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、607百万円となりました(前年同期間に比べ、272百万円の増加)。
財務活動による資金の減少要因としては、主に短期借入金の減少額400百万円等によるものです。
(2) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別金額(千円)前年同期比(%)
J形瓦1,533,51990.7
F形瓦3,892,872100.4
陶板壁材・その他164,73276.2
合計5,591,12396.6

(注) 金額は平均売価によっております。
② 仕入実績
当事業年度の製品の仕入実績及び商品の仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別金額(千円)前年同期比(%)
製品J形瓦57,24776.6
F形瓦165,46993.4
陶板壁材・その他19,52169.3
小計242,23886.5
商品その他307,85794.0
合計550,09590.5

(注) 1.金額は仕入価格によっております。
2.商品の「その他」は、副資材が主力であります。
③ 受注実績
当社は受注見込みによる生産方式をとっておりますので、該当事項はありません。
④ 販売実績
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別金額(千円)前年同期比(%)
製品J形瓦1,548,99586.1
F形瓦4,019,63898.5
陶板壁材・その他152,99768.2
小計5,721,63193.7
商品その他427,09596.8
工事売上356,683132.0
合計6,505,41095.5

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものです。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の財政状態及び経営成績等は、売上高6,505百万円(前年同期比4.5%減)、営業利益146百万円(前年同期比20.9%減)、経常利益302百万円(前年同期比33.7%減)、当期純利益373百万円(前年同期比208.0%増)となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える外的要因としては、国内の持家着工数及び燃料価格の変動が挙げられます。国内の持家着工戸数は、景気動向や金利動向、政府による各種施策による影響を受け、燃料価格は国際的な原油価格の動向に影響を受けます。当事業年度においては、持家着工戸数が引き続き低水準で推移したこと等が上記経営成績に影響しております。
持家着工戸数は国内の景気動向等に左右されることから、今後も業績に影響を与える可能性があります。一方で、中東情勢をはじめとした国際情勢によって生じた資源・資材価格の高騰と、インフレ抑制を目的とした各国の金融引き締めによる円安進行が当事業年度の売上原価へ一定の影響があり、今後もエネルギーコストを中心とした市場動向により業績に影響を与える可能性があります。
経営方針・経営戦略につきましては、1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(1) 会社の経営の基本方針、(2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題についてに記載のとおりであります。
経営上の目標及びその達成状況を判断するための客観的な指標等については、装置産業である当社の事業内容を鑑み、売上高営業利益額の向上と、自己資本比率を中心とした財務体質の強化を目指しておりますが、前述の外部環境による影響に加え、先行的な設備投資や研究開発活動等によって左右されるため、具体的な数値目標は公表しておりません。なお、当事業年度としては、前述の外部環境の影響が大きく、コスト削減対策等を行ったものの、営業利益146百万円(前年同期比20.9%減)となりました。一方で、自己資本比率は固定資産売却の影響により81.7%となりました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、前述の(1) 経営成績等の概況及び分析③キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであり、財務方針については後述の② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報に記載のとおりであります。
なお、当社は粘土瓦の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しておりますが、前述の(2) 生産、受注及び販売の実績にて、製品の品種別に実績を記載しております。住宅様式の洋風化に伴い、従来の和風のJ形瓦から、洋風のF形瓦への需要の移行が継続しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の所要資金調達は大きく分けて設備投資資金・運転資金となっております。基本的には「営業活動によるキャッシュ・フロー」の増加を中心としながらも、多額の設備資金につきましては、その時点で最適な方法による調達を原則としております。
また、銀行借入金につきましては、阿久比工場用地・衣浦工場用地を始め、担保に供していない資産もあり、借入限度枠にも余裕があることから、手元流動性預金・手形割引とあわせ、緊急な支払にも対応可能な体制を整えております。
当面の設備投資資金・運転資金を超える必要以上の手元流動性資金の運用につきましては、借入金の返済を最優先としておりますが、生産活動の維持・改善を目的とした将来的な設備投資を考慮して適切に内部留保を行います。
・固定資産売却資金の使途について
当事業年度においては、固定資産の売却(阿久比工場敷地内の出荷ヤード未使用部分(土地)を含む)により1,322百万円を収入として計上しております。(前事業年度と合わせ約1,471百万円)
当該資金の資金使途としては、固定資産売却に係る費用(土壌改良工事等含む)に約270百万円、中小受託取引適正化法の施行に準じた中小受託事業者への支払サイト短縮に約300百万円、粘土瓦生産設備の取得に120百万円を充当することで経営体制の強化を図るとともに、自己株式の取得に157百万円、また、特別配当として42百万円(1株あたり6.0円)を株主様への還元(予定)とし、400百万円を借入金返済に充て財務体質改善を図っております。
残金約180百万円につきましては、当該売却益に係る法人税等の支払いや、従業員労働環境改善や生産性向上といった当面の設備投資に備え現預金として留保しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。
詳細は、 第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り) に記載のとおりであります。
なお、この財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要と考えられる会計方針は以下のとおりであります。
イ.固定資産の減損処理
保有する固定資産については管理会計上の事業区分を基本とし、賃貸資産及び遊休資産については個別物件ごとにグルーピングを行っており、グルーピングごとに減損の兆候の判定を行っております。
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定にあたっては、当社の共用資産を含む主要固定資産の経済的残存使用年数までの割引前将来キャッシュ・フローを使用いたします。
将来、市場環境の変化などにより、見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失が発生する可能性があります。
ロ.貸倒引当金の計上
貸倒引当金については、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
将来、顧客の財政状態が悪化し支払い能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
ハ.繰延税金資産の回収可能性の評価
繰延税金資産については、将来減算一時差異等に対して、将来の事業計画に基づく課税所得の見積りにより繰延税金資産の回収可能性を判断しておりますが、将来の不確実な経済状況の影響を受ける可能性があり、実際の業績が見積りと異なった場合、翌事業年度の財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

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