有価証券報告書-第48期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 15:08
【資料】
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【項目】
137項目

(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績
当連結会計年度における売上高は41,438百万円(前期比0.5%増)、営業利益は10,248百万円(前期比9.7%増)、経常利益は10,330百万円(前期比8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,935百万円(前期比17.7%増)となり売上高、各利益のすべてが過去最高を更新いたしました。
なお、当連結会計年度中にマレーシアにおけるロックダウンにより、Maruwa(Malaysia)Sdn.Bhd.の操業が停止となり、休止期間中の固定費を特別損失として計上しております。ロックダウンの段階的な解除により稼働率は回復しつつあります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
セラミック部品事業の売上高は32,783百万円(前期比5.2%増)、セグメント利益は9,858百万円(前期比11.1%増)となりました。
照明機器事業の売上高は8,654百万円(前期比14.0%減)、セグメント利益は1,177百万円(前期比16.2%減)となりました。
②生産及び受注の実績
a.生産実績
セグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
セラミック部品事業(百万円)31,795104.3
照明機器事業(百万円)2,25882.4
合計(百万円)34,054102.5

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績及び受注残高
セグメントごとの受注実績及び受注残高は、次のとおりであります。
セグメントの名称受注実績
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)受注残高
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
セラミック部品事業(百万円)36,362123.411,671130.9
照明機器事業(百万円)8,10676.31,44468.9
合計(百万円)44,469110.913,116119.1

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
セグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前期比(%)
セラミック部品事業(百万円)32,783105.2
照明機器事業(百万円)8,65486.0
合計(百万円)41,438100.5

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③財政状態
当連結会計年度末における総資産は、78,059百万円となり、前連結会計年度末と比較して10.4%増加しました。
負債は11,715百万円となり、前連結会計年度末と比較して4.3%増加しました。
純資産は、66,344百万円となり、前連結会計年度末と比較して11.6%増加しました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は85.0%となり、前連結会計年度末に比べ0.9ポイント上昇しました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は有形固定資産等の取得による支出等の要因があるものの、税金等調整前当期純利益の増加等により前連結会計年度末に比べ4,773百万円増加し、当連結会計年度末には33,888百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
④キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは10,713百万円の収入となり、前連結会計年度末と比較して5百万円の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは5,376百万円の支出となり、前連結会計年度末と比較して104百万円の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは801百万円の支出となり、前連結会計年度末と比較して2,222百万円の増加となりました。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①経営成績
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により大きな影響を受け、限定的な経済活動を強いられるなど厳しい状況が続きました。
エレクトロニクス市場におきましては、次世代高速通信の拡大や通信ネットワークの増強、情報通信技術の用途の拡がりや、EVの普及に伴う車載市場や半導体関連市場の需要は高まりました。また、各国が掲げる脱炭素の実現に向けた取り組みが、材料や電子部品の小型化・高性能化などの要求を高め、中長期的に成長する市場となってきました。
このような状況の中、MARUWAグループにおきましては創業から培ってきた材料技術により優れた特性の材料を開発・製造し、それらの材料技術に回路設計、実験評価、実装、シミュレーションなどの要素技術を融合することにより技術革新を推し進めてまいりました。
さらに、将来を見据えた技術開発のための設備投資や開発投資を行うとともに、事業の見直しや整理、ものづくりの原点である歩留まりやリードタイムの短縮の改善活動をおこなってまいりました。また、100年に一度の変革期にやるべき事、新しい時代への働き方改革などへ向けて業務の効率化も図ってまいりました。
当連結会計年度における事業活動の結果として、売上高営業利益率は24.7%となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
セラミック部品事業においては、材料技術や要素技術を活かした差別化製品が堅調に推移し、歩留まり改善やリードタイムの短縮による在庫削減活動に力を入れるなど、収益性の向上に向けた体質強化に取り組みました。
当連結会計年度におけるセグメント利益率は30.1%となりました。前連結会計年度に続き、高い利益率を維持しており、当社グループの製品は市場において引き続き良いポジションに位置しているものと考えております。
照明機器事業においては、感染症拡大に伴う公共事業案件の工期の遅れなどがありましたが、高輝度性能や配光性能が向上した製品、高演色光源を利用した製品などに注力し、収益性向上に向けた工程改善を積極的に進めました。
当連結会計年度におけるセグメント利益率は13.6%となり、前連結会計年度に続き、2桁の利益率を達成しました。これは、過去から取り組んできた収益に特化した事業戦略への取り組みによる効果が出てきたものと考えております。
②財政状態
当連結会計年度末の総資産については、たな卸資産の減少に努める一方で、事業が堅調に推移したことによる現預金の増加や中長期的な成長に向けた設備投資により、前連結会計年度末に比べて増加しました。
当連結会計年度末における純資産合計については、事業が堅調に推移したことなどにより、前連結会計年度末に比べて増加しました。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ5百万円減少し、10,713百万円の収入となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加したものの、たな卸資産の減少額が減少したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ104百万円増加し、5,376百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、801百万円の支出(前連結会計年度は、1,420百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入れによる収入及び長期借入れによる収入が減少したこと、短期借入金の返済による支出が増加したことによるものであります。
その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ4,773百万円増加し、33,888百万円となりました。
当社グループの資金需要の主なものは、製造費用や販売費及び一般管理費など、事業運営に関わる費用であります。資本の財源としましては、自己資金及び金融機関からの借入などにより資金調達を行うこととしております。
事業運営に関わる費用のほか、差別化製品の旺盛な需要に対応するために生産能力の拡大及び生産性向上のための設備投資、将来の収益獲得に向けた更なる差別化製品の開発とAIやIoT技術を活用した製造技術などに対する継続的な投資が必要であると考えております。また、世界経済の低迷とその長期化、自然災害や予想を超えた感染症発生と拡大による経済不況などの不測の事態に備え、金融機関からの資金調達をしております。株主への利益還元につきましては、安定的な配当継続や向上を重視することとしております。詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項は、当社グループの連結財務諸表の作成において会計上の見積りに影響を及ぼすと考えております。
(セラミック部品事業における棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産について収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しており、取得原価と連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、営業循環過程から外れた滞留在庫については、収益性の低下の事実を反映するため帳簿価額を処分見込価額まで切下げております。
営業循環過程から外れた滞留在庫の識別は、棚卸資産の滞留又は処分の実績、製品のライフサイクル等を総合的に勘案して判断しております。
そのため、市場の動向、電子部品メーカーの需要予測の変化などを要因として保有する棚卸資産が過剰となった場合には、滞留在庫の対象とすべき棚卸資産が増加する可能性があり、棚卸資産の評価に影響する可能性があります。