有価証券報告書-第51期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における売上高は61,564百万円(前期比4.7%増)、営業利益は19,801百万円(前期比1.7%減)、経常利益は21,121百万円(前期比0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は15,216百万円(前期比1.3%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
セラミック部品事業の売上高は53,232百万円(前期比6.3%増)、セグメント利益は20,026百万円(前期比0.9%減)となりました。
照明機器事業の売上高は8,332百万円(前期比4.3%減)、セグメント利益は1,130百万円(前期比0.4%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、122,515百万円となり、前連結会計年度末と比較して13.4%増加しました。
負債は、13,311百万円となり、前連結会計年度末と比較して3.7%減少しました。
純資産は、109,203百万円となり、前連結会計年度末と比較して15.9%増加しました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は89.1%となり、前連結会計年度末に比べ1.9ポイント増加しました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、有形固定資産等の取得による支出等の要因があるものの、前連結会計年度末に比べ5,427百万円増加し、55,013百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは17,222百万円の収入となり、前連結会計年度末と比較して1,575百万円の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは10,814百万円の支出となり、前連結会計年度末と比較して2,059百万円の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは1,363百万円の支出となり、前連結会計年度末と比較して519百万円の減少となりました。
③生産及び受注の実績
a.生産実績
セグメントごとの生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比(%) |
セラミック部品事業(百万円) | 50,855 | 112.1 |
照明機器事業(百万円) | 2,165 | 110.5 |
合計(百万円) | 53,021 | 112.0 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
b.受注実績及び受注残高
セグメントごとの受注実績及び受注残高は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注実績 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比(%) | 受注残高 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比(%) |
セラミック部品事業(百万円) | 50,164 | 95.1 | 24,063 | 88.7 |
照明機器事業(百万円) | 8,578 | 101.6 | 1,598 | 118.2 |
合計(百万円) | 58,743 | 96.0 | 25,662 | 90.1 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
c.販売実績
セグメントごとの販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前期比(%) |
セラミック部品事業(百万円) | 53,232 | 106.3 |
照明機器事業(百万円) | 8,332 | 95.7 |
合計(百万円) | 61,564 | 104.7 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
①経営成績
当連結会計年度は、中国経済が依然として回復不透明な状況が続く中、半導体を中心とした米中対立が長期化 し、サプライチェーン再構築の動きが加速しました。また、各国でインフレ圧力に対応した金融引き締めが継続 されたほか、国内では為替相場の変動に加え、マイナス金利の解除により金融市場の変化が見られました。一方で、生成AIを始めとする新たな技術について、グローバルの各市場でその幅広い活用に向けた動きが活発化しました。
そのような状況の中、当社グループでは、中国市場向けで回復の遅れが見られたものの、新エネルギー車向け、半導体製造装置向けは堅調に推移したほか、新規市場向けで業績が拡大し今後のさらなる需要期待が高まりました。利益面では、中国通信向け高付加価値製品の本格回復の遅れが見られました。また、期末に中国関連の滞留債権の処理を行ったことで当社業績予想(2024年1月開示)から下振れとなりました。なお、当債権については現在も一部分割入金が行われておりますが、引当金を計上しております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
セラミック部品事業においては、中国市場向けで回復の遅れが見られたものの、新エネルギー車向け、半導体製造装置向けが堅調に推移したほか、新規市場向けで業績が拡大しました。
以上の結果、売上高53,232百万円(前期比6.3%増)、セグメント利益20,026百万円(前期比0.9%減)となりました。
照明機器事業においては、ショールームを起点としたオフィス照明案件の獲得、脱炭素社会に向けたLED照明導入の公共事業案件の獲得に注力するとともに、急激な円安、部材価格高騰に対応した高採算案件への特化を図り、利益の確保に努めました。
以上の結果、売上高8,332百万円(前期比4.3%減)、セグメント利益1,130百万円(前期比0.4%減)となりました。
②財政状態
当連結会計年度末における流動資産は83,485百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,850百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金、売掛金が増加したことによるものです。固定資産は39,029百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,632百万円増加いたしました。これは主に設備投資により有形固定資産が増加したことによるものです。
これらの結果、総資産は122,515百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,483百万円増加いたしました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ1,575百万円増加し、17,222百万円の収入となりました。これは主に、法人税等の支払額が減少したことによるものであります。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ2,059百万円増加し、10,814百万円の支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が増加したことによるものであります。財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ519百万円減少し、1,363百万円の支出となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が減少したことによるものであります。
その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5,427百万円増加し、55,013百万円となりました。
当社グループの主な資金需要は、成長分野への設備投資や研究開発投資、配当支払、事業運営の運転資金となっております。脱炭素社会が進展する中、新エネルギー車・5G・半導体などの市場で、市場が拡大され、技術革新による市場の変化が加速しております。当社グループは、数年先を見据えた設備投資や研究開発投資を引き続き行ってまいります。
資金の調達は、主に自己資金から、一部を金融機関からの借入れにより行っております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項は、当社グループの連結財務諸表の作成において会計上の見積りに影響を及ぼすと考えております。
(セラミック部品事業における棚卸資産の評価)
当社グループは、棚卸資産について収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しており、取得原価と連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、営業循環過程から外れた滞留在庫については、収益性の低下の事実を反映するため帳簿価額を処分見込価額まで切下げております。
営業循環過程から外れた滞留在庫の識別は、棚卸資産の滞留又は処分の実績、製品のライフサイクル等を総合的に勘案して判断しております。
そのため、市場の動向、電子部品メーカーの需要予測の変化などを要因として保有する棚卸資産が過剰となった場合には、滞留在庫の対象とすべき棚卸資産が増加する可能性があり、棚卸資産の評価に影響する可能性があります。