四半期報告書-第169期第3四半期(令和3年10月1日-令和3年12月31日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の我が国経済は、海外経済の回復に伴う輸出の増加などを背景に、持ち直しの動きが見られました。海外経済は、米国での個人消費や設備投資の増加、欧州での個人消費の回復など、持ち直しの動きが続いているものの、中国においてインフラ投資が減退したことや、新型コロナウイルス感染症の再拡大などの影響により全体としては回復ペースが鈍化しております。また、原材料及びエネルギー価格の高騰が長期化していることに加え、世界的な半導体不足や東南アジアでの感染症拡大などに伴う部品供給不足による、自動車減産の影響が拡大するなど、事業環境は依然として厳しい状況にあります。
このような中、当社は引き続きコスト削減をはじめとする収益改善や安定生産に取り組むとともに、販売価格の改善に努めてまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年同期に比べ2,737億円増収の1兆4,848億円となり、営業利益は前年同期比741億円増益の765億円、経常損益は前年同期比883億円改善の787億円の利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比502億円増益の540億円となりました。
当第3四半期連結累計期間のセグメント毎の状況は次のとおりであります。
[鉄鋼アルミ]
(鉄鋼)
鋼材の販売数量は、自動車及び建築向けを中心に前年同期を上回りました。販売価格は、鋼材市況の上昇や原料価格上昇分の販売価格への転嫁などにより、前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比36.2%増の5,425億円となりました。経常損益は、原料価格上昇分の販売価格への転嫁時期のずれによる減益要因がある一方、販売数量の増加や原料価格の上昇に伴う在庫評価影響の改善などにより、前年同期比581億円改善の263億円の利益となりました。
(アルミ板)
アルミ板の販売数量は、飲料用缶材向けの拡販に加え、自動車向け需要の増加及び拡販により、前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比22.9%増の1,205億円となりました。経常損益は、販売数量の増加に加え、在庫評価影響による損益が前年同期に比べて改善したこともあり、前年同期比56億円改善の50億円の利益となりました。
鉄鋼アルミ全体では、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比33.6%増の6,631億円となり、経常損益は、前年同期比638億円改善の313億円の利益となりました。
[素形材]
素形材の販売数量は、自動車向けを中心に、サスペンション、アルミ押出、銅板、鉄粉などで前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比41.2%増の2,345億円となりました。経常損益は、販売数量の増加に加え、銅市況の上昇に伴う在庫評価影響の改善などもあり、前年同期比180億円改善の71億円の利益となりました。
[溶接]
溶接材料の販売数量は、国内では自動車及び建築鉄骨向けを中心に、前年同期を上回りました。海外では東南アジアにおける自動車及び建設機械向け需要が回復したことなどにより、前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比10.0%増の572億円となり、経常利益は、前年同期比17億円増益の27億円となりました。
[機械]
当第3四半期連結累計期間の受注高は、設備投資の回復などにより、前年同期比61.3%増の1,467億円となり、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は1,220億円となりました。※
また、当第3四半期連結累計期間の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い前年度の受注が低調であったため、前年同期比5.6%減の1,186億円となり、経常利益は、案件構成差により前年同期比0億円減益の85億円となりました。
※受注高について、従来は当社及び主要な連結子会社の受注高を集計しておりました。第2四半期連結会計期間より当社及び全ての連結子会社の受注高を集計する方法に変更しております。これに伴い、前年同期の受注高も再集計し、比較しております。
[エンジニアリング]
当第3四半期連結累計期間の受注高は、還元鉄関連事業の受注などにより、前年同期比46.4%増の1,362億円となり、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は3,232億円となりました。
また、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比並の898億円となる一方、経常利益は、還元鉄関連事業の売上増加などの案件構成差により、前年同期比57億円増益の90億円となりました。
[建設機械]
油圧ショベルの販売台数は、東南アジア、欧州を中心にインフラ投資の拡大を受けて需要が回復したことから、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年同期を上回りました。一方、クローラクレーンの販売台数は、顧客の工事着工遅れなどの影響を受けた日本や、エンジン認証問題の影響を受けた北米で前年同期を下回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比14.3%増の2,834億円となり、経常利益は、為替相場がドル、ユーロに対して円安となった影響などにより、前年同期比35億円増益の128億円となりました。
[電力]
販売電力量は、真岡発電所における法定点検の実施に伴う稼働日数差などにより、前年同期を下回りました。電力単価は発電用石炭価格の上昇の影響を受け、前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比9.7%増の585億円となり、経常利益は、稼働日数減少の影響により前年同期比38億円減益の77億円となりました。
[その他]
当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比5.8%増の181億円となり、経常利益は、前年同期比9億円増益の24億円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることなどから、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要があり、当第3四半期連結会計期間末の有利子負債の構成は、返済期限が1年以内のものが1,169億円、返済期限が1年を超えるものが5,706億円となっております。
当第3四半期連結会計期間末現在の実績
(単位:億円)
※1 当第3四半期連結会計期間末現在の有利子負債の内訳
(単位:億円)
※2 当第3四半期連結会計期間末現在の有利子負債の内訳(プロジェクトファイナンスを含む)
(単位:億円)
(2) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、鉄鋼アルミにおける販売実績が著しく増加しております。詳細については、「(1)財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は、232億円であります。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更内容は、次のとおりであります。
本社部門では、2021年4月1日付で、全社横断で新製品・新事業の企画を担当する「事業開発部」を新設しました。事業開発部ではグループ内の多様な知的資産を掛け合せ、新規事業化を推進していきます。特に、水素社会への移行については、これを成長機会と捉え、当社グループの機械・エンジニアリングの技術を組み合わせた新規事業化に取り組んでいきます。
技術開発本部では、2021年4月1日付で、「デジタルイノベーション技術センター」を新設しました。KOBELCOグループが推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略において、ICT・AI分野の先端技術の開発と事業適用を強化・加速する目的で、デジタル分野の人材・技術・情報を集約しました。お客様との共創やサプライチェーン連携、開発及び設計業務の革新、生産現場の自動化や多品種変量生産の高度化など、グループのバリューチェーンをデータでつなぎ、お客様起点で新たな価値創出を推進します。また、活動を通してDXを推進できる人材を育成します。
また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発」において「製鋼スラグを活用したCO2固定化プロセスの開発」のテーマを提案し、採択されました。鉄鋼製品の製造過程で発生する鉄鋼スラグは中に含まれるアルカリ成分がCO2と反応しやすく、CO2固定化に有用な素材として注目されています。環境負荷低減への更なる貢献を目指し、CO2固定化技術の開発を進めていきます。
また、従来品と比べて高い流動性の保持と強度を確保したジオポリマーを建設化学品メーカーのポゾリスソリューションズ(株)と共同開発しました。通常のコンクリート/モルタルと比べて従来ジオポリマーは流動性と強度に課題があり、使用用途が限られていました。鉄鋼製品の製造過程で使用した後のアルカリ性溶液も活用した独自の添加物によって課題を解消し、多用途化と低価格化に繋がる技術を開発しました。今後も製品化に向けて開発を進めてまいります。
[鉄鋼アルミ]
鉄鋼では、厚板分野において2023年度下期に加古川製鉄所厚板工場の仕上圧延機のリフレッシュ工事を実施することを決定しました。仕上圧延機は、加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で幅出し圧延後、製品の板厚まで圧延する設備です。リフレッシュ工事によって圧延機の剛性が向上し、圧延成形する際の変形が低減することで、寸法ばらつきが少ない厚鋼板の製造が可能となります。今後、圧延機の高剛性化を活かした更なる高機能厚鋼板、製造技術の開発を進めていきます。
また、加古川製鉄所内において、UDトラックス(株)と、同社が開発したレベル4自動運転技術(特定条件下における完全自動運転技術)搭載の大型トラックを用いた自動運搬技術の実証実験を行うことに基本合意しました。デジタルテクノロジーを活用することで、深刻化する製造現場のドライバー不足への一つのソリューションを創出することを目的としています。本実証実験を通じ、「超スマート社会」に不可欠となるスマート物流サービスと製造・物流現場のDXの促進を目指します。
[素形材]
チタンでは、燃料電池セパレータ用チタン圧延材である「NC(Nano-Carbon composite coat)チタン」(以下、NCチタン)を開発し、2020年12月より販売されているトヨタ自動車(株)(以下、トヨタ自動車)の新型MIRAI向けに出荷しています。NCチタンはセパレータに求められる高い耐食性と導電性に加えプレス成型性も兼ね備えており、燃料電池スタックの小型・高性能化のみならず、お客様の生産性向上にも貢献することが可能であり、トヨタ自動車と共に世界で初めて量産化に成功したものです。このたび、NCチタンが素形材産業の技術水準の進歩向上に著しく貢献したことを評価され、一般財団法人素形材センター主催の「第37回 素形材産業技術賞」において、トヨタ自動車と共に「経済産業大臣賞」を受賞しました。今後もCO₂削減に資する技術・製品・サービスを提供してまいります。
[溶接]
溶接材料では、造船や橋梁等で使用される防錆塗装鋼板の水平すみ肉溶接における気孔欠陥の大幅な抑制と、深溶け込み特性を特長とする2電極の「ハイブリッドタンデムマグ溶接法」を開発しました。先行極では、専用のソリッドワイヤ「FAMILIARC™ MG-50HM」の埋もれアークにより、深溶け込みと大電流炭酸ガス溶接での低スパッタを両立します。後行極では、専用のスラグ系FCWである「FAMILIARC™ MX-50HM」により、形状良好なビードを形成します。従来はSAW法が適用されていた下向き突合せ溶接でも、本施工法の深溶け込み特性を活かした高速溶接により、溶接ひずみの低減が可能になります。
溶接システムでは、制御時間、フィードバック周期に優れたハイエンドアーク溶接電源「SENSARC™ RA500」を開発し、販売開始しました。本電源では、新たなパルス制御法を採用し、小電流から500A程度の大電流まで安定したアークを提供することにより、溶接の「高品質化」・「高能率化」・「環境負荷低減」に貢献します。また、今後、当社の高能率溶接法である「大電流MAGプロセス」や「タンデムアークプロセス」なども順次搭載してまいります。インターフェイス機能も充実させ、当社多関節型ロボットARCMAN™(CBコントローラ)との接続だけでなく、可搬型溶接ロボット「石松」や各種自動溶接装置との接続が可能です。
また、建築鉄骨や建設機械、橋梁、造船など中厚板向けロボットシステムの安定した溶接を支援するためのパッケージソフト「AP-SUPPORT™」に、生産データや溶接データをレポート化、グラフ表示する機能に加えて、溶接ロボットシステムに設置したカメラで、ロボットのトーチ先端位置を追従しながら常時撮影し、生産データと映像を連携する機能を開発しました。安定生産支援ソフト「AP-SUPPORT™」によって溶接施工記録など生産情報を見える化し、チョコ停や溶接不良の原因分析を支援することで溶接ロボットシステムの更なる生産性向上に貢献します。これからも「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」として課題解決につながる製品及びサービスを創出し、提供してまいります。
[機械]
産業機械関連分野では、当社社員が2000年からアメリカ機械学会(The American Society of Mechanical Engineers(以下、ASME))※ のボイラー及び圧力容器コード委員会のメンバーとして、特に高圧技術におけるASMEボイラー及び圧力容器コードの開発と規格の改良に取り組み、主に海外での石油・エンジニアリングメーカー向け高圧圧力容器の製造に活かされております。このたび、これまでの長年の圧力容器での開発・製造及びASMEでの活動において多大なる貢献が評価され、ASMEより圧力容器分野での規格化に貢献した人に贈られる「ASME J. Hall Taylor Medal」及び、圧力容器に関する優秀な技術論文での「PVPD Conference Award」を受賞いたしました。
※ASME(The American Society of Mechanical Engineers、アメリカ機械学会)とは機械工学を中心とした分野の規格化や標準化、工場認定などの活動を推進するアメリカの民間団体です。1914年に動力用ボイラーの規格をつくり、現在ではボイラーをはじめ圧力容器や原子力発電所用機器などの規格を発行し、それが世界標準になっております。
[建設機械]
ショベルでは、コベルコ建機(株)(以下、コベルコ建機)が目指す“K-DIVE CONCEPT”「働く人を中心とした建設現場のテレワークシステム」(以下、K-DIVE)を推進するため(株)センシンロボティクス(以下、センシンロボティクス)と遠隔操作における現場見える化の開発に向けて協業することにしました。
コベルコ建機は「誰でも働ける現場へKOBELCO IoT」をテーマにICTロードマップを策定、その実現に向けて中長期的な研究・開発を進めています。現在開発を進めている遠隔操作システム、K-DIVEはそのひとつの柱であり、クラウドマッチングシステムと建設機械の遠隔操作を融合させることで特定の人・場所・時間などの制約を受けずに建設現場での施工が可能となる「建設現場のテレワーク化」を目指しています。この実現により深刻化する建設技能者の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安全確保等が可能になると考えています。
今回の協業ではセンシンロボティクスの得意とするドローンやLiDAR※1を活用した各種データの収集、3D点群マップを基にした測量結果や水流シミュレーションの3D図面への反映による情報可視化、それらのコックピットへのリアルタイム伝送等のシステム構築と実装に向けた開発を共同で進めます。これらがK-DIVEに実装されることで稼働現場の様々な情報、例えば機械周辺の状況や埋設物の有無、土の形状や体積等を可視化し、オペレータが効率的かつ安全・安心して働ける遠隔施工現場が実現するとともに現場状況の確認や作業指示等に利用することで現場関係者のコミュニケーションが飛躍的に高まるものと考えています。
また、同じくK-DIVEの技術確立のため、コベルコ建機と北海道総合通信網(株)(以下、HOTnet)は建設機械の超長距離及び多接続切り替え遠隔操作に関する実証実験を実施しました。今回の実証実験は、2020年9月に実施した札幌・帯広間での総距離約300㎞の遠隔操作実証実験に続くもので、札幌市内に建機の操縦席、コックピットを設置し、コックピットとの総距離300㎞となる北海道帯広市とコックピットとの総距離1,800㎞となる広島市のコベルコ建機五日市工場内にある2台の建設機械をコックピットで切り替えながら遠隔操作しました。HOTnetは通信事業者としてのノウハウや強みを活かし、K-DIVEに必要不可欠なネットワーク構築と自社データセンター及びクラウドサービスの連携実現に協力しました。実証実験では約1,800㎞の遠隔地でも実際に機械に搭乗して操作した場合とほぼ同等の品質(通信遅延、作業効率等)で遠隔操作が可能であることに加え、オペレータが異なる場所にある複数の機械を切り替えながら効率的に作業できることを確認し、2022年以降の段階的な実用化に向けた大きな成果となりました。
また、同じくK-DIVEの推進のため、コベルコ建機と日本電気(株)(以下、NEC)は建設機械の遠隔操作の普及に向けた技術開発協定を締結しました。NECは建設機械の操縦者が長時間にわたって安定した遠隔操作を行うことができる重機遠隔操縦サービス※2を提供しています。本サービスは、適応遠隔制御技術※3によって建設機械の遠隔操作に最も重要となる無線環境下での安定的な映像配信とスムーズな遠隔操作を可能にします。両社は本協定に基づく取組みの第一弾として、コベルコ建機五日市工場(広島)に設置したK-DIVEのコックピットとNEC我孫子事業場(千葉)の実証フィールドにある油圧ショベルを、NECの重機遠隔操縦サービスを用いて接続し、安定した映像配信とスムーズな作業操作が可能か検証する実証実験を実施しました。結果として、両社のシステムを連携した場合でも、お互いのシステムの性能(通信状況、作業性等)を損なうことなく遠隔操作が可能であることを実証できたとともに、より多くのお客様が遠隔操作可能な環境の提供に向けて大きく前進しました。
クレーンでは、クローラクレーンとして求められる基本性能の進化、安全性の向上、快適な作業環境等を追求したモデルチェンジ機「Mastertech7200G NEO」を2021年10月1日より販売開始しました。本機では、新規開発したつり荷水平移動アシスト機能(ブームの動きに合わせてフック高さを自動で調整、つり荷の水平移動をアシストする)、タワー自立アシスト機能(格納状態からタワー自立までの作業及びタワー自立から格納までの作業を1レバーで可能とする)、アクセルコントロール機能(アクセルを絞った状態では操作レバーを大きく動かしてもウインチドラムは動かず、アクセルの開放状態によって自動変速する)、傾斜ジブキャッチ機能(従来、タワー角度90度にて行っていたジブの張出・格納作業を80度の状態で安全に作業可能とする)を搭載しました。
※1 LiDARとは「Light Detection and Ranging」の略称でレーザ光により対象物までの距離や性質を計測・特定などを行う光センサー技術です。
※2 重機遠隔操縦サービスとは建設現場にWi-Fiやローカル5Gなどの無線ネットワークを構築し、現場のカメラ映像を遠隔地にいる操縦者がリアルタイムに確認しながら重機を操縦できるようにするものです。
※3 適応遠隔制御技術とは通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合う安定した映像配信と制御が可能な技術です。本技術の活用により、映像配信の遅延を予測して安定した映像を伝送するとともに、建機操作コマンドの到達遅延も予測し、操作の行き過ぎの発生を抑制することができます。
(4) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間において、重要な変更があったものはありません。
また、当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。
加えて、経常的な設備更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の我が国経済は、海外経済の回復に伴う輸出の増加などを背景に、持ち直しの動きが見られました。海外経済は、米国での個人消費や設備投資の増加、欧州での個人消費の回復など、持ち直しの動きが続いているものの、中国においてインフラ投資が減退したことや、新型コロナウイルス感染症の再拡大などの影響により全体としては回復ペースが鈍化しております。また、原材料及びエネルギー価格の高騰が長期化していることに加え、世界的な半導体不足や東南アジアでの感染症拡大などに伴う部品供給不足による、自動車減産の影響が拡大するなど、事業環境は依然として厳しい状況にあります。
このような中、当社は引き続きコスト削減をはじめとする収益改善や安定生産に取り組むとともに、販売価格の改善に努めてまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年同期に比べ2,737億円増収の1兆4,848億円となり、営業利益は前年同期比741億円増益の765億円、経常損益は前年同期比883億円改善の787億円の利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比502億円増益の540億円となりました。
当第3四半期連結累計期間のセグメント毎の状況は次のとおりであります。
[鉄鋼アルミ]
(鉄鋼)
鋼材の販売数量は、自動車及び建築向けを中心に前年同期を上回りました。販売価格は、鋼材市況の上昇や原料価格上昇分の販売価格への転嫁などにより、前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比36.2%増の5,425億円となりました。経常損益は、原料価格上昇分の販売価格への転嫁時期のずれによる減益要因がある一方、販売数量の増加や原料価格の上昇に伴う在庫評価影響の改善などにより、前年同期比581億円改善の263億円の利益となりました。
(アルミ板)
アルミ板の販売数量は、飲料用缶材向けの拡販に加え、自動車向け需要の増加及び拡販により、前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比22.9%増の1,205億円となりました。経常損益は、販売数量の増加に加え、在庫評価影響による損益が前年同期に比べて改善したこともあり、前年同期比56億円改善の50億円の利益となりました。
鉄鋼アルミ全体では、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比33.6%増の6,631億円となり、経常損益は、前年同期比638億円改善の313億円の利益となりました。
[素形材]
素形材の販売数量は、自動車向けを中心に、サスペンション、アルミ押出、銅板、鉄粉などで前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比41.2%増の2,345億円となりました。経常損益は、販売数量の増加に加え、銅市況の上昇に伴う在庫評価影響の改善などもあり、前年同期比180億円改善の71億円の利益となりました。
[溶接]
溶接材料の販売数量は、国内では自動車及び建築鉄骨向けを中心に、前年同期を上回りました。海外では東南アジアにおける自動車及び建設機械向け需要が回復したことなどにより、前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比10.0%増の572億円となり、経常利益は、前年同期比17億円増益の27億円となりました。
[機械]
当第3四半期連結累計期間の受注高は、設備投資の回復などにより、前年同期比61.3%増の1,467億円となり、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は1,220億円となりました。※
また、当第3四半期連結累計期間の売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴い前年度の受注が低調であったため、前年同期比5.6%減の1,186億円となり、経常利益は、案件構成差により前年同期比0億円減益の85億円となりました。
※受注高について、従来は当社及び主要な連結子会社の受注高を集計しておりました。第2四半期連結会計期間より当社及び全ての連結子会社の受注高を集計する方法に変更しております。これに伴い、前年同期の受注高も再集計し、比較しております。
[エンジニアリング]
当第3四半期連結累計期間の受注高は、還元鉄関連事業の受注などにより、前年同期比46.4%増の1,362億円となり、当第3四半期連結会計期間末の受注残高は3,232億円となりました。
また、当第3四半期連結累計期間の売上高は前年同期比並の898億円となる一方、経常利益は、還元鉄関連事業の売上増加などの案件構成差により、前年同期比57億円増益の90億円となりました。
[建設機械]
油圧ショベルの販売台数は、東南アジア、欧州を中心にインフラ投資の拡大を受けて需要が回復したことから、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた前年同期を上回りました。一方、クローラクレーンの販売台数は、顧客の工事着工遅れなどの影響を受けた日本や、エンジン認証問題の影響を受けた北米で前年同期を下回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比14.3%増の2,834億円となり、経常利益は、為替相場がドル、ユーロに対して円安となった影響などにより、前年同期比35億円増益の128億円となりました。
[電力]
販売電力量は、真岡発電所における法定点検の実施に伴う稼働日数差などにより、前年同期を下回りました。電力単価は発電用石炭価格の上昇の影響を受け、前年同期を上回りました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比9.7%増の585億円となり、経常利益は、稼働日数減少の影響により前年同期比38億円減益の77億円となりました。
[その他]
当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比5.8%増の181億円となり、経常利益は、前年同期比9億円増益の24億円となりました。
②資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることなどから、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要があり、当第3四半期連結会計期間末の有利子負債の構成は、返済期限が1年以内のものが1,169億円、返済期限が1年を超えるものが5,706億円となっております。
当第3四半期連結会計期間末現在の実績
(単位:億円)
| 前連結会計年度末 | 当四半期連結会計期間末 | |
| 有利子負債 ※1 | 7,857 | 6,875 |
| 有利子負債 ※2 (プロジェクトファイナンスを含む) | 9,878 | 9,354 |
| 株主資本 | 7,197 | 7,761 |
※1 当第3四半期連結会計期間末現在の有利子負債の内訳
(単位:億円)
| 合計 | 1年内 | 1年超 | |
| 短期借入金 | 321 | 321 | - |
| 長期借入金 | 5,743 | 496 | 5,247 |
| 社債 | 810 | 351 | 459 |
| 合計 | 6,875 | 1,169 | 5,706 |
※2 当第3四半期連結会計期間末現在の有利子負債の内訳(プロジェクトファイナンスを含む)
(単位:億円)
| 合計 | 1年内 | 1年超 | |
| 短期借入金 | 321 | 321 | - |
| 長期借入金 | 8,221 | 564 | 7,657 |
| 社債 | 810 | 351 | 459 |
| 合計 | 9,354 | 1,237 | 8,116 |
(2) 生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、鉄鋼アルミにおける販売実績が著しく増加しております。詳細については、「(1)財政状態及び経営成績の状況」をご覧ください。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は、232億円であります。
また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更内容は、次のとおりであります。
本社部門では、2021年4月1日付で、全社横断で新製品・新事業の企画を担当する「事業開発部」を新設しました。事業開発部ではグループ内の多様な知的資産を掛け合せ、新規事業化を推進していきます。特に、水素社会への移行については、これを成長機会と捉え、当社グループの機械・エンジニアリングの技術を組み合わせた新規事業化に取り組んでいきます。
技術開発本部では、2021年4月1日付で、「デジタルイノベーション技術センター」を新設しました。KOBELCOグループが推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略において、ICT・AI分野の先端技術の開発と事業適用を強化・加速する目的で、デジタル分野の人材・技術・情報を集約しました。お客様との共創やサプライチェーン連携、開発及び設計業務の革新、生産現場の自動化や多品種変量生産の高度化など、グループのバリューチェーンをデータでつなぎ、お客様起点で新たな価値創出を推進します。また、活動を通してDXを推進できる人材を育成します。
また、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2排出削減・有効利用実用化技術開発」において「製鋼スラグを活用したCO2固定化プロセスの開発」のテーマを提案し、採択されました。鉄鋼製品の製造過程で発生する鉄鋼スラグは中に含まれるアルカリ成分がCO2と反応しやすく、CO2固定化に有用な素材として注目されています。環境負荷低減への更なる貢献を目指し、CO2固定化技術の開発を進めていきます。
また、従来品と比べて高い流動性の保持と強度を確保したジオポリマーを建設化学品メーカーのポゾリスソリューションズ(株)と共同開発しました。通常のコンクリート/モルタルと比べて従来ジオポリマーは流動性と強度に課題があり、使用用途が限られていました。鉄鋼製品の製造過程で使用した後のアルカリ性溶液も活用した独自の添加物によって課題を解消し、多用途化と低価格化に繋がる技術を開発しました。今後も製品化に向けて開発を進めてまいります。
[鉄鋼アルミ]
鉄鋼では、厚板分野において2023年度下期に加古川製鉄所厚板工場の仕上圧延機のリフレッシュ工事を実施することを決定しました。仕上圧延機は、加熱炉で加熱したスラブを粗圧延機で幅出し圧延後、製品の板厚まで圧延する設備です。リフレッシュ工事によって圧延機の剛性が向上し、圧延成形する際の変形が低減することで、寸法ばらつきが少ない厚鋼板の製造が可能となります。今後、圧延機の高剛性化を活かした更なる高機能厚鋼板、製造技術の開発を進めていきます。
また、加古川製鉄所内において、UDトラックス(株)と、同社が開発したレベル4自動運転技術(特定条件下における完全自動運転技術)搭載の大型トラックを用いた自動運搬技術の実証実験を行うことに基本合意しました。デジタルテクノロジーを活用することで、深刻化する製造現場のドライバー不足への一つのソリューションを創出することを目的としています。本実証実験を通じ、「超スマート社会」に不可欠となるスマート物流サービスと製造・物流現場のDXの促進を目指します。
[素形材]
チタンでは、燃料電池セパレータ用チタン圧延材である「NC(Nano-Carbon composite coat)チタン」(以下、NCチタン)を開発し、2020年12月より販売されているトヨタ自動車(株)(以下、トヨタ自動車)の新型MIRAI向けに出荷しています。NCチタンはセパレータに求められる高い耐食性と導電性に加えプレス成型性も兼ね備えており、燃料電池スタックの小型・高性能化のみならず、お客様の生産性向上にも貢献することが可能であり、トヨタ自動車と共に世界で初めて量産化に成功したものです。このたび、NCチタンが素形材産業の技術水準の進歩向上に著しく貢献したことを評価され、一般財団法人素形材センター主催の「第37回 素形材産業技術賞」において、トヨタ自動車と共に「経済産業大臣賞」を受賞しました。今後もCO₂削減に資する技術・製品・サービスを提供してまいります。
[溶接]
溶接材料では、造船や橋梁等で使用される防錆塗装鋼板の水平すみ肉溶接における気孔欠陥の大幅な抑制と、深溶け込み特性を特長とする2電極の「ハイブリッドタンデムマグ溶接法」を開発しました。先行極では、専用のソリッドワイヤ「FAMILIARC™ MG-50HM」の埋もれアークにより、深溶け込みと大電流炭酸ガス溶接での低スパッタを両立します。後行極では、専用のスラグ系FCWである「FAMILIARC™ MX-50HM」により、形状良好なビードを形成します。従来はSAW法が適用されていた下向き突合せ溶接でも、本施工法の深溶け込み特性を活かした高速溶接により、溶接ひずみの低減が可能になります。
溶接システムでは、制御時間、フィードバック周期に優れたハイエンドアーク溶接電源「SENSARC™ RA500」を開発し、販売開始しました。本電源では、新たなパルス制御法を採用し、小電流から500A程度の大電流まで安定したアークを提供することにより、溶接の「高品質化」・「高能率化」・「環境負荷低減」に貢献します。また、今後、当社の高能率溶接法である「大電流MAGプロセス」や「タンデムアークプロセス」なども順次搭載してまいります。インターフェイス機能も充実させ、当社多関節型ロボットARCMAN™(CBコントローラ)との接続だけでなく、可搬型溶接ロボット「石松」や各種自動溶接装置との接続が可能です。
また、建築鉄骨や建設機械、橋梁、造船など中厚板向けロボットシステムの安定した溶接を支援するためのパッケージソフト「AP-SUPPORT™」に、生産データや溶接データをレポート化、グラフ表示する機能に加えて、溶接ロボットシステムに設置したカメラで、ロボットのトーチ先端位置を追従しながら常時撮影し、生産データと映像を連携する機能を開発しました。安定生産支援ソフト「AP-SUPPORT™」によって溶接施工記録など生産情報を見える化し、チョコ停や溶接不良の原因分析を支援することで溶接ロボットシステムの更なる生産性向上に貢献します。これからも「世界で最も信頼される溶接ソリューション企業」として課題解決につながる製品及びサービスを創出し、提供してまいります。
[機械]
産業機械関連分野では、当社社員が2000年からアメリカ機械学会(The American Society of Mechanical Engineers(以下、ASME))※ のボイラー及び圧力容器コード委員会のメンバーとして、特に高圧技術におけるASMEボイラー及び圧力容器コードの開発と規格の改良に取り組み、主に海外での石油・エンジニアリングメーカー向け高圧圧力容器の製造に活かされております。このたび、これまでの長年の圧力容器での開発・製造及びASMEでの活動において多大なる貢献が評価され、ASMEより圧力容器分野での規格化に貢献した人に贈られる「ASME J. Hall Taylor Medal」及び、圧力容器に関する優秀な技術論文での「PVPD Conference Award」を受賞いたしました。
※ASME(The American Society of Mechanical Engineers、アメリカ機械学会)とは機械工学を中心とした分野の規格化や標準化、工場認定などの活動を推進するアメリカの民間団体です。1914年に動力用ボイラーの規格をつくり、現在ではボイラーをはじめ圧力容器や原子力発電所用機器などの規格を発行し、それが世界標準になっております。
[建設機械]
ショベルでは、コベルコ建機(株)(以下、コベルコ建機)が目指す“K-DIVE CONCEPT”「働く人を中心とした建設現場のテレワークシステム」(以下、K-DIVE)を推進するため(株)センシンロボティクス(以下、センシンロボティクス)と遠隔操作における現場見える化の開発に向けて協業することにしました。
コベルコ建機は「誰でも働ける現場へKOBELCO IoT」をテーマにICTロードマップを策定、その実現に向けて中長期的な研究・開発を進めています。現在開発を進めている遠隔操作システム、K-DIVEはそのひとつの柱であり、クラウドマッチングシステムと建設機械の遠隔操作を融合させることで特定の人・場所・時間などの制約を受けずに建設現場での施工が可能となる「建設現場のテレワーク化」を目指しています。この実現により深刻化する建設技能者の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安全確保等が可能になると考えています。
今回の協業ではセンシンロボティクスの得意とするドローンやLiDAR※1を活用した各種データの収集、3D点群マップを基にした測量結果や水流シミュレーションの3D図面への反映による情報可視化、それらのコックピットへのリアルタイム伝送等のシステム構築と実装に向けた開発を共同で進めます。これらがK-DIVEに実装されることで稼働現場の様々な情報、例えば機械周辺の状況や埋設物の有無、土の形状や体積等を可視化し、オペレータが効率的かつ安全・安心して働ける遠隔施工現場が実現するとともに現場状況の確認や作業指示等に利用することで現場関係者のコミュニケーションが飛躍的に高まるものと考えています。
また、同じくK-DIVEの技術確立のため、コベルコ建機と北海道総合通信網(株)(以下、HOTnet)は建設機械の超長距離及び多接続切り替え遠隔操作に関する実証実験を実施しました。今回の実証実験は、2020年9月に実施した札幌・帯広間での総距離約300㎞の遠隔操作実証実験に続くもので、札幌市内に建機の操縦席、コックピットを設置し、コックピットとの総距離300㎞となる北海道帯広市とコックピットとの総距離1,800㎞となる広島市のコベルコ建機五日市工場内にある2台の建設機械をコックピットで切り替えながら遠隔操作しました。HOTnetは通信事業者としてのノウハウや強みを活かし、K-DIVEに必要不可欠なネットワーク構築と自社データセンター及びクラウドサービスの連携実現に協力しました。実証実験では約1,800㎞の遠隔地でも実際に機械に搭乗して操作した場合とほぼ同等の品質(通信遅延、作業効率等)で遠隔操作が可能であることに加え、オペレータが異なる場所にある複数の機械を切り替えながら効率的に作業できることを確認し、2022年以降の段階的な実用化に向けた大きな成果となりました。
また、同じくK-DIVEの推進のため、コベルコ建機と日本電気(株)(以下、NEC)は建設機械の遠隔操作の普及に向けた技術開発協定を締結しました。NECは建設機械の操縦者が長時間にわたって安定した遠隔操作を行うことができる重機遠隔操縦サービス※2を提供しています。本サービスは、適応遠隔制御技術※3によって建設機械の遠隔操作に最も重要となる無線環境下での安定的な映像配信とスムーズな遠隔操作を可能にします。両社は本協定に基づく取組みの第一弾として、コベルコ建機五日市工場(広島)に設置したK-DIVEのコックピットとNEC我孫子事業場(千葉)の実証フィールドにある油圧ショベルを、NECの重機遠隔操縦サービスを用いて接続し、安定した映像配信とスムーズな作業操作が可能か検証する実証実験を実施しました。結果として、両社のシステムを連携した場合でも、お互いのシステムの性能(通信状況、作業性等)を損なうことなく遠隔操作が可能であることを実証できたとともに、より多くのお客様が遠隔操作可能な環境の提供に向けて大きく前進しました。
クレーンでは、クローラクレーンとして求められる基本性能の進化、安全性の向上、快適な作業環境等を追求したモデルチェンジ機「Mastertech7200G NEO」を2021年10月1日より販売開始しました。本機では、新規開発したつり荷水平移動アシスト機能(ブームの動きに合わせてフック高さを自動で調整、つり荷の水平移動をアシストする)、タワー自立アシスト機能(格納状態からタワー自立までの作業及びタワー自立から格納までの作業を1レバーで可能とする)、アクセルコントロール機能(アクセルを絞った状態では操作レバーを大きく動かしてもウインチドラムは動かず、アクセルの開放状態によって自動変速する)、傾斜ジブキャッチ機能(従来、タワー角度90度にて行っていたジブの張出・格納作業を80度の状態で安全に作業可能とする)を搭載しました。
※1 LiDARとは「Light Detection and Ranging」の略称でレーザ光により対象物までの距離や性質を計測・特定などを行う光センサー技術です。
※2 重機遠隔操縦サービスとは建設現場にWi-Fiやローカル5Gなどの無線ネットワークを構築し、現場のカメラ映像を遠隔地にいる操縦者がリアルタイムに確認しながら重機を操縦できるようにするものです。
※3 適応遠隔制御技術とは通信の実効伝送量を予測し、伝送量に見合う安定した映像配信と制御が可能な技術です。本技術の活用により、映像配信の遅延を予測して安定した映像を伝送するとともに、建機操作コマンドの到達遅延も予測し、操作の行き過ぎの発生を抑制することができます。
(4) 主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間において、重要な変更があったものはありません。
また、当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画はありません。
加えて、経常的な設備更新のための除却等を除き、重要な設備の除却等の計画はありません。