有価証券報告書-第171期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、物価上昇や世界的な需要低迷を背景に一部で足踏みが見られるものの、個人消費や企業の生産活動を中心に持ち直しの傾向が継続しました。海外経済は、米国では堅調な雇用情勢及び個人消費を背景に景気は底堅く推移している一方、欧州では金利上昇に伴う景気の下押し圧力により足踏み状態が続きました。また、中国では金融緩和等により景気の押上げが図られているものの、不動産市場の低迷などにより国内需要は伸び悩んでおり、景気回復ペースは不透明な状況が続きました。
このような中、当社はKOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)に掲げる「安定収益基盤の確立」に向けた重点施策を着実に実行するとともに、引き続きものづくり力の強化や販売価格の改善に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比706億円増収の2兆5,431億円となり、営業利益は、鉄鋼アルミでの販売数量の減少や在庫評価影響の悪化などがあったものの、原料炭価格の下落と販売価格改善の進展に伴う鉄鋼メタルスプレッドの改善、機械・エンジニアリングでの売上高の増加、電力での神戸発電所4号機の稼働や燃料費調整の時期ずれ影響の改善、売電価格に関する一過性の増益影響(売電価格の指標となる石炭の輸入貿易統計価格と当社購入価格の差異)などにより、前連結会計年度比1,002億円増益の1,866億円となりました。経常利益は、建設機械における北米でのエンジン認証に関する補償金収入の剥落や、自動車向けアルミパネル事業の再構築に伴う持分法による投資損失の計上などの減益要因があったものの、営業利益の増益により、前連結会計年度比540億円増益の1,609億円となりました。特別損益として、素形材などで固定資産の減損損失や、自動車向けアルミパネル事業の再構築に伴う合弁契約関連費用引当金の計上があったものの、子会社において固定資産の譲渡益を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比369億円増益の1,095億円となりました。
当連結会計年度のセグメント毎の状況は、次のとおりであります。
なお、従来、「その他」の区分に含めていたコベルコ科研は、所管の変更に伴い、当連結会計年度より「機械」セグメントに含めております。以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を所管変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
<素材系事業>[鉄鋼アルミ]
(鉄鋼)
鋼材の販売数量は、自動車向けの需要が増加した一方、厚板工場・仕上圧延機の更新影響などにより減少したことから、前連結会計年度を下回りました。販売価格は価格改善の進展などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比2.0%減の8,916億円となりました。経常利益は、原料炭価格の下落と販売価格改善の進展に伴うメタルスプレッドの改善があったものの、販売数量の減少や在庫評価影響の悪化などにより、前連結会計年度比97億円減益の392億円となりました。
(アルミ板)
アルミ板の販売数量は、自動車向けは前連結会計年度並であった一方、需要の調整局面にあるIT・半導体向けの大幅な減少により、前連結会計年度を下回りました。販売価格は、価格改善の進展などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比2.2%減の1,911億円となりました。経常損益は、販売数量の減少や在庫評価益の縮小に加えて、自動車向けアルミパネル事業の再構築に伴う持分法による投資損失の計上により、前連結会計年度比160億円悪化の231億円の損失となりました。
鉄鋼アルミ全体では、売上高は、前連結会計年度比2.0%減の1兆827億円となり、経常利益は、前連結会計年度比258億円減益の161億円となりました。
[素形材]
素形材の販売数量は、造船向け需要を取り込んだ鋳鍛鋼、自動車向け需要が回復したアルミ押出、サスペンションで前連結会計年度を上回りました。一方、IT・半導体向け需要の減少により、銅板、アルミ鋳鍛で前連結会計年度を下回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比7.3%増の2,981億円となり、経常利益は、固定費を中心としたコストの増加などがあったものの、販売数量の増加や販売価格改善の進展などにより、前連結会計年度比22億円増益の32億円となりました。
[溶接]
溶接材料の販売数量は、国内は前連結会計年度並の一方、中国、東南アジアでの需要回復が遅れ、中国での日系自動車・建設機械向け需要減等により、前連結会計年度を下回りました。販売価格は価格改善の進展などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比5.8%増の935億円となり、経常利益は、販売数量は減少したものの、販売価格改善の進展などにより、前連結会計年度比20億円増益の49億円となりました。
<機械系事業>[機械]
受注高は、石油化学やエネルギー分野を中心に好調に推移したこと等により、前連結会計年度比2.9%増の2,737億円となり、受注残高は2,518億円となりました。
売上高は、既受注案件の進捗やサービス案件の増加により、前連結会計年度比15.3%増の2,345億円となり、経常利益は、好調な受注を受けた受注採算の改善もあり、前連結会計年度比138億円増益の296億円となりました。
[エンジニアリング]
受注高は、還元鉄関連事業で海外大型案件を受注したことや廃棄物処理関連事業での堅調な受注などにより、前連結会計年度比36.0%増の2,143億円となり、受注残高は4,336億円となりました。
売上高は、前連結会計年度比17.5%増の1,706億円となり、経常利益は、前連結会計年度比82億円増益の124億円となりました。
[建設機械]
油圧ショベルの販売台数は、北米等で増加したものの、需要が低迷した中国やエンジン認証問題により欧州で減少したことから、前連結会計年度を下回りました。クローラクレーンの販売台数は、欧州でのエンジン認証問題や生産・出荷のずれにより減少したものの、エンジン認証問題対応の進展等で北米を中心に増加したことにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、販売台数の減少があるものの、販売価格改善の進展等により、前連結会計年度比5.8%増の4,040億円となり、経常利益は、販売価格改善の進展や円安による輸出採算の改善の一方、エンジン認証問題に関する補償金収入の剥落などにより、前連結会計年度比32億円減益の91億円となりました。
<電力事業>[電力]
販売電力量は、神戸発電所4号機の稼働により、前連結会計年度を上回りました。販売電力単価は発電用石炭価格の変動に伴い前連結会計年度比で下落しました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比2.6%減の3,159億円となり、経常利益は、神戸発電所4号機の稼働や、神戸発電所3・4号機における燃料費調整の時期ずれ影響の改善、神戸発電所1~4号機における売電価格に関する一過性の増益影響などにより、前連結会計年度比612億円増益の857億円となりました。
<その他>売上高は、前連結会計年度並の108億円となり、経常利益は、前連結会計年度並の48億円となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、将来の資金需要に備え現金及び預金が増加したことに加え、時価の上昇により投資有価証券が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ450億円増加し2兆9,197億円となりました。負債については、原料価格の下落等により支払手形及び買掛金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,046億円減少し1兆7,924億円となりました。純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことや、その他有価証券評価差額金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,496億円増加し1兆1,273億円となりました。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
(注)1.プロジェクトファイナンスを含まない
2.2021年度分借入金の前倒し調達(1,862億円)含む
前倒し調達除く2020年度D/Eレシオ:0.84倍
3.2022年度分借入金の前倒し調達(1,011億円)含む
前倒し調達除く2021年度D/Eレシオ:0.68倍
「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)の総括」については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(4)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における下記セグメントの生産実績は、次のとおりであります。
(注)粗鋼には、高砂製作所の電炉の生産数量を含めております。
b.受注実績
当連結会計年度における下記セグメントの受注実績は、次のとおりであります。
(注)従来、「その他」の区分に含めていたコベルコ科研(特殊合金他新材料(ターゲット材等)、各種材料の分析・解析等)は、所管の変更に伴い、当連結会計年度より「機械」セグメントに含めて開示しております。
なお、前連結会計年度の受注実績は、所管変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
c.販売実績
当連結会計年度におけるセグメント毎の販売実績は、次のとおりであります。
(注)1.従来、「その他」の区分に含めていたコベルコ科研(特殊合金他新材料(ターゲット材等)、各種材料の分析・解析等)は、所管の変更に伴い、当連結会計年度より「機械」セグメントに含めて開示しております。
なお、前連結会計年度の販売実績は、所管変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性に関する情報
①資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略
「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」における財務戦略の基本方針は、新規の設備投資・投融資を厳選したうえで、投資キャッシュ・フローを営業キャッシュ・フローの範囲内とし、2023年度末のD/Eレシオの目標を0.7倍以下とすることとしておりました。また、運転資金改善等の活動を継続して進めるとともに、営業キャッシュ・フローの下振れリスクに備えて、モニタリング強化による投資案件の精査・厳選、事業用資産の売却・流動化、政策保有株式売却等のバックアップ策の検討・準備を進めてまいりました。
本方針のもと、設備投資・投融資委員会を通じた新規設備投資・投融資の厳選、事業ポートフォリオ管理委員会によるキャッシュ・フローのモニタリングを継続するとともに、ROIC管理を通じた投下資本の管理強化に取り組みました。
その結果、当連結会計年度末のD/Eレシオ(プロジェクトファイナンスを除く)は前連結会計年度末の0.65倍から改善し0.55倍となり、目標である0.7倍以下を引き続き堅持し、本中期経営計画期間で財務基盤は大幅に改善しました。
「KOBELCOグループ中期経営計画(2024~2026年度)」における財務戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化に資するための研究開発費が主な内容です。投資活動については、設備老朽化に伴う更新投資や事業伸張・生産性向上を目的とした設備投資及び事業遂行に関連した投融資が主な内容です。
今後、将来見込まれる成長分野での資金需要や、最新の市場環境及び受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行う一方、必要な設備投資や研究開発投資等を継続してまいります。
②当連結会計年度の実績
a.プロジェクトファイナンスを除くキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローに係る収入が1,285億円、投資活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△373億円、財務活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△528億円となりました。
以上の結果、フリーキャッシュ・フローは911億円の収入となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ432億円増加の1,887億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度に比べて、鉄鋼における販売価格改善の進展や電力における一過性の増益影響などにより、税金等調整前当期純利益が増益となったことから、当連結会計年度の運転資金は改善いたしました。
この結果、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて586億円収入が増加し、1,285億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産売却による収入が増加したことなどから、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて326億円支出が減少し、△373億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の発行などにより収入が増加したことから、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて507億円支出が減少し、△528億円となりました。
(ご参考)
b.プロジェクトファイナンスを除く有利子負債の状況
有利子負債は、借入金の返済等により前連結会計年度から100億円減少の5,805億円となり、株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、761億円増加の9,143億円となりました。
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることなどから、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要があり、当連結会計年度末の有利子負債の構成は、返済期限が1年以内のものが1,371億円、返済期限が1年を超えるものが4,433億円となっております。
(6)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用しております。
連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、連結貸借対照表上の資産及び負債の計上額、並びに、連結損益計算書上の収益及び費用の計上額に影響を与えるような会計上の見積りを行う必要があります。会計上の見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っておりますが、前提条件や事業環境等に変化が生じた場合には、見積りと将来の実績が異なることがあります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、経営者が当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、物価上昇や世界的な需要低迷を背景に一部で足踏みが見られるものの、個人消費や企業の生産活動を中心に持ち直しの傾向が継続しました。海外経済は、米国では堅調な雇用情勢及び個人消費を背景に景気は底堅く推移している一方、欧州では金利上昇に伴う景気の下押し圧力により足踏み状態が続きました。また、中国では金融緩和等により景気の押上げが図られているものの、不動産市場の低迷などにより国内需要は伸び悩んでおり、景気回復ペースは不透明な状況が続きました。
このような中、当社はKOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)に掲げる「安定収益基盤の確立」に向けた重点施策を着実に実行するとともに、引き続きものづくり力の強化や販売価格の改善に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比706億円増収の2兆5,431億円となり、営業利益は、鉄鋼アルミでの販売数量の減少や在庫評価影響の悪化などがあったものの、原料炭価格の下落と販売価格改善の進展に伴う鉄鋼メタルスプレッドの改善、機械・エンジニアリングでの売上高の増加、電力での神戸発電所4号機の稼働や燃料費調整の時期ずれ影響の改善、売電価格に関する一過性の増益影響(売電価格の指標となる石炭の輸入貿易統計価格と当社購入価格の差異)などにより、前連結会計年度比1,002億円増益の1,866億円となりました。経常利益は、建設機械における北米でのエンジン認証に関する補償金収入の剥落や、自動車向けアルミパネル事業の再構築に伴う持分法による投資損失の計上などの減益要因があったものの、営業利益の増益により、前連結会計年度比540億円増益の1,609億円となりました。特別損益として、素形材などで固定資産の減損損失や、自動車向けアルミパネル事業の再構築に伴う合弁契約関連費用引当金の計上があったものの、子会社において固定資産の譲渡益を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比369億円増益の1,095億円となりました。
当連結会計年度のセグメント毎の状況は、次のとおりであります。
なお、従来、「その他」の区分に含めていたコベルコ科研は、所管の変更に伴い、当連結会計年度より「機械」セグメントに含めております。以下の前連結会計年度比較については、前連結会計年度の数値を所管変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
<素材系事業>[鉄鋼アルミ]
(鉄鋼)
鋼材の販売数量は、自動車向けの需要が増加した一方、厚板工場・仕上圧延機の更新影響などにより減少したことから、前連結会計年度を下回りました。販売価格は価格改善の進展などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比2.0%減の8,916億円となりました。経常利益は、原料炭価格の下落と販売価格改善の進展に伴うメタルスプレッドの改善があったものの、販売数量の減少や在庫評価影響の悪化などにより、前連結会計年度比97億円減益の392億円となりました。
(アルミ板)
アルミ板の販売数量は、自動車向けは前連結会計年度並であった一方、需要の調整局面にあるIT・半導体向けの大幅な減少により、前連結会計年度を下回りました。販売価格は、価格改善の進展などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比2.2%減の1,911億円となりました。経常損益は、販売数量の減少や在庫評価益の縮小に加えて、自動車向けアルミパネル事業の再構築に伴う持分法による投資損失の計上により、前連結会計年度比160億円悪化の231億円の損失となりました。
鉄鋼アルミ全体では、売上高は、前連結会計年度比2.0%減の1兆827億円となり、経常利益は、前連結会計年度比258億円減益の161億円となりました。
[素形材]
素形材の販売数量は、造船向け需要を取り込んだ鋳鍛鋼、自動車向け需要が回復したアルミ押出、サスペンションで前連結会計年度を上回りました。一方、IT・半導体向け需要の減少により、銅板、アルミ鋳鍛で前連結会計年度を下回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比7.3%増の2,981億円となり、経常利益は、固定費を中心としたコストの増加などがあったものの、販売数量の増加や販売価格改善の進展などにより、前連結会計年度比22億円増益の32億円となりました。
[溶接]
溶接材料の販売数量は、国内は前連結会計年度並の一方、中国、東南アジアでの需要回復が遅れ、中国での日系自動車・建設機械向け需要減等により、前連結会計年度を下回りました。販売価格は価格改善の進展などにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比5.8%増の935億円となり、経常利益は、販売数量は減少したものの、販売価格改善の進展などにより、前連結会計年度比20億円増益の49億円となりました。
<機械系事業>[機械]
受注高は、石油化学やエネルギー分野を中心に好調に推移したこと等により、前連結会計年度比2.9%増の2,737億円となり、受注残高は2,518億円となりました。
売上高は、既受注案件の進捗やサービス案件の増加により、前連結会計年度比15.3%増の2,345億円となり、経常利益は、好調な受注を受けた受注採算の改善もあり、前連結会計年度比138億円増益の296億円となりました。
[エンジニアリング]
受注高は、還元鉄関連事業で海外大型案件を受注したことや廃棄物処理関連事業での堅調な受注などにより、前連結会計年度比36.0%増の2,143億円となり、受注残高は4,336億円となりました。
売上高は、前連結会計年度比17.5%増の1,706億円となり、経常利益は、前連結会計年度比82億円増益の124億円となりました。
[建設機械]
油圧ショベルの販売台数は、北米等で増加したものの、需要が低迷した中国やエンジン認証問題により欧州で減少したことから、前連結会計年度を下回りました。クローラクレーンの販売台数は、欧州でのエンジン認証問題や生産・出荷のずれにより減少したものの、エンジン認証問題対応の進展等で北米を中心に増加したことにより、前連結会計年度を上回りました。
この結果、売上高は、販売台数の減少があるものの、販売価格改善の進展等により、前連結会計年度比5.8%増の4,040億円となり、経常利益は、販売価格改善の進展や円安による輸出採算の改善の一方、エンジン認証問題に関する補償金収入の剥落などにより、前連結会計年度比32億円減益の91億円となりました。
<電力事業>[電力]
販売電力量は、神戸発電所4号機の稼働により、前連結会計年度を上回りました。販売電力単価は発電用石炭価格の変動に伴い前連結会計年度比で下落しました。
この結果、売上高は、前連結会計年度比2.6%減の3,159億円となり、経常利益は、神戸発電所4号機の稼働や、神戸発電所3・4号機における燃料費調整の時期ずれ影響の改善、神戸発電所1~4号機における売電価格に関する一過性の増益影響などにより、前連結会計年度比612億円増益の857億円となりました。
<その他>売上高は、前連結会計年度並の108億円となり、経常利益は、前連結会計年度並の48億円となりました。
(2)財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、将来の資金需要に備え現金及び預金が増加したことに加え、時価の上昇により投資有価証券が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ450億円増加し2兆9,197億円となりました。負債については、原料価格の下落等により支払手形及び買掛金が減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,046億円減少し1兆7,924億円となりました。純資産については、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことや、その他有価証券評価差額金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ1,496億円増加し1兆1,273億円となりました。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
| 目標指標推移 | |||||
| 目標指標 | 目標 (2023年度) | 2020年度 (実績) | 2021年度 (実績) | 2022年度 (実績) | 2023年度 (実績) |
| ROIC (税引後事業利益/投下資本) | 5%以上 | 1.1% | 4.7% | 4.9% | 6.7% |
| D/Eレシオ(注1) (有利子負債/自己資本) | 0.7倍以下 | 1.11倍 (注2) | 0.80倍 (注3) | 0.65倍 | 0.55倍 |
| グロスD/Eレシオ(ご参考) (プロジェクトファイナンスを含む有利子負債/自己資本) | - | 1.49倍 | 1.19倍 | 1.00倍 | 0.83倍 |
| 純資産比率(ご参考) (純資産/総資産) | - | 29.8% | 32.0% | 34.0% | 38.6% |
(注)1.プロジェクトファイナンスを含まない
2.2021年度分借入金の前倒し調達(1,862億円)含む
前倒し調達除く2020年度D/Eレシオ:0.84倍
3.2022年度分借入金の前倒し調達(1,011億円)含む
前倒し調達除く2021年度D/Eレシオ:0.68倍
「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)の総括」については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(4)生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における下記セグメントの生産実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 区分 | 生産数量(千トン) | |||
| 前連結会計年度(2022年4月~ 2023年3月) | 当連結会計年度(2023年4月~ 2024年3月) | 差異 | 前期比 (%) | ||
| 鉄鋼アルミ | 粗鋼 | 6,248 | 6,020 | △228 | △3.6 |
| アルミ板 | 349 | 319 | △30 | △8.5 | |
| 素形材 | アルミ押出 | 40 | 42 | 2 | 5.0 |
| 銅板 | 55 | 53 | △1 | △2.7 | |
(注)粗鋼には、高砂製作所の電炉の生産数量を含めております。
b.受注実績
当連結会計年度における下記セグメントの受注実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 区分 | 受注高(百万円) | |||
| 前連結会計年度(2022年4月~2023年3月) | 当連結会計年度(2023年4月~2024年3月) | 差異 | 前期比 (%) | ||
| 機械 | 国内 | 99,340 | 96,090 | △3,249 | △3.3 |
| 海外 | 166,646 | 177,705 | 11,058 | 6.6 | |
| 合計 | 265,987 | 273,795 | 7,808 | 2.9 | |
| エンジニアリング | 国内 | 120,869 | 141,905 | 21,035 | 17.4 |
| 海外 | 36,677 | 72,394 | 35,717 | 97.4 | |
| 合計 | 157,546 | 214,300 | 56,753 | 36.0 | |
| セグメントの名称 | 区分 | 受注残高(百万円) | |||
| 前連結会計 年度末 (2023年3月) | 当連結会計 年度末 (2024年3月) | 差異 | 前期比 (%) | ||
| 機械 | 国内 | 48,966 | 69,791 | 20,825 | 42.5 |
| 海外 | 165,762 | 182,073 | 16,310 | 9.8 | |
| 合計 | 214,729 | 251,864 | 37,135 | 17.3 | |
| エンジニアリング | 国内 | 283,065 | 312,950 | 29,884 | 10.6 |
| 海外 | 88,061 | 120,702 | 32,641 | 37.1 | |
| 合計 | 371,127 | 433,653 | 62,525 | 16.8 | |
(注)従来、「その他」の区分に含めていたコベルコ科研(特殊合金他新材料(ターゲット材等)、各種材料の分析・解析等)は、所管の変更に伴い、当連結会計年度より「機械」セグメントに含めて開示しております。
なお、前連結会計年度の受注実績は、所管変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
c.販売実績
当連結会計年度におけるセグメント毎の販売実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | ||||
| 前連結会計年度 (2022年4月~ 2023年3月) | 当連結会計年度 (2023年4月~ 2024年3月) | 差異 | 前期比 (%) | ||
| 鉄鋼 | 909,704 | 891,621 | △18,082 | △2.0 | |
| アルミ板 | 195,462 | 191,101 | △4,361 | △2.2 | |
| 鉄鋼アルミ | 1,105,166 | 1,082,722 | △22,443 | △2.0 | |
| 素形材 | 277,765 | 298,105 | 20,339 | 7.3 | |
| 溶接 | 88,429 | 93,529 | 5,099 | 5.8 | |
| 機械 | 203,463 | 234,515 | 31,052 | 15.3 | |
| エンジニアリング | 145,224 | 170,644 | 25,419 | 17.5 | |
| 建設機械 | 381,781 | 404,056 | 22,275 | 5.8 | |
| 電力 | 324,369 | 315,950 | △8,418 | △2.6 | |
| その他 | 10,965 | 10,804 | △160 | △1.5 | |
| 調整額 | △64,657 | △67,186 | △2,528 | - | |
| 合計 | 2,472,508 | 2,543,142 | 70,633 | 2.9 | |
(注)1.従来、「その他」の区分に含めていたコベルコ科研(特殊合金他新材料(ターゲット材等)、各種材料の分析・解析等)は、所管の変更に伴い、当連結会計年度より「機械」セグメントに含めて開示しております。
なお、前連結会計年度の販売実績は、所管変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (2022年4月~2023年3月) | 当連結会計年度 (2023年4月~2024年3月) | ||
| 金額 (百万円) | 割合 (%) | 金額 (百万円) | 割合 (%) | |
| 神鋼商事(株) | 292,648 | 11.8 | 280,071 | 11.0 |
(5)資本の財源及び資金の流動性に関する情報
①資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略
「KOBELCOグループ中期経営計画(2021~2023年度)」における財務戦略の基本方針は、新規の設備投資・投融資を厳選したうえで、投資キャッシュ・フローを営業キャッシュ・フローの範囲内とし、2023年度末のD/Eレシオの目標を0.7倍以下とすることとしておりました。また、運転資金改善等の活動を継続して進めるとともに、営業キャッシュ・フローの下振れリスクに備えて、モニタリング強化による投資案件の精査・厳選、事業用資産の売却・流動化、政策保有株式売却等のバックアップ策の検討・準備を進めてまいりました。
本方針のもと、設備投資・投融資委員会を通じた新規設備投資・投融資の厳選、事業ポートフォリオ管理委員会によるキャッシュ・フローのモニタリングを継続するとともに、ROIC管理を通じた投下資本の管理強化に取り組みました。
その結果、当連結会計年度末のD/Eレシオ(プロジェクトファイナンスを除く)は前連結会計年度末の0.65倍から改善し0.55倍となり、目標である0.7倍以下を引き続き堅持し、本中期経営計画期間で財務基盤は大幅に改善しました。
「KOBELCOグループ中期経営計画(2024~2026年度)」における財務戦略については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
b.資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、生産活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための販売費、製品競争力強化・ものづくり力強化に資するための研究開発費が主な内容です。投資活動については、設備老朽化に伴う更新投資や事業伸張・生産性向上を目的とした設備投資及び事業遂行に関連した投融資が主な内容です。
今後、将来見込まれる成長分野での資金需要や、最新の市場環境及び受注動向も勘案し、資産の圧縮及び投資案件の選別を行う一方、必要な設備投資や研究開発投資等を継続してまいります。
②当連結会計年度の実績
a.プロジェクトファイナンスを除くキャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローに係る収入が1,285億円、投資活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△373億円、財務活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△528億円となりました。
以上の結果、フリーキャッシュ・フローは911億円の収入となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ432億円増加の1,887億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
前連結会計年度に比べて、鉄鋼における販売価格改善の進展や電力における一過性の増益影響などにより、税金等調整前当期純利益が増益となったことから、当連結会計年度の運転資金は改善いたしました。
この結果、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて586億円収入が増加し、1,285億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
固定資産売却による収入が増加したことなどから、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて326億円支出が減少し、△373億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の発行などにより収入が増加したことから、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて507億円支出が減少し、△528億円となりました。
| (単位:億円) | |||
| 2022年度 | 2023年度 | 差異 | |
| 営業キャッシュ・フロー | 698 | 1,285 | 586 |
| 投資キャッシュ・フロー | △700 | △373 | 326 |
| フリーキャッシュ・フロー | △2 | 911 | 913 |
| 財務キャッシュ・フロー | △1,035 | △528 | 507 |
| (うち、株主還元) | (△177) | (△276) | (△99) |
| 株主還元後のフリーキャッシュ・フロー | △179 | 634 | 813 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 1,454 | 1,887 | 432 |
(ご参考)
| プロジェクトファイナンスを含むキャッシュ・フロー | (単位:億円) | ||
| 2022年度 | 2023年度 | 差異 | |
| 営業キャッシュ・フロー | 1,196 | 2,052 | 855 |
| 投資キャッシュ・フロー | △972 | △537 | 435 |
| フリーキャッシュ・フロー | 224 | 1,515 | 1,291 |
| 財務キャッシュ・フロー | △855 | △812 | 43 |
| (うち、株主還元) | (△177) | (△276) | (△99) |
| 株主還元後のフリーキャッシュ・フロー | 46 | 1,238 | 1,191 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 2,033 | 2,787 | 753 |
b.プロジェクトファイナンスを除く有利子負債の状況
有利子負債は、借入金の返済等により前連結会計年度から100億円減少の5,805億円となり、株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、761億円増加の9,143億円となりました。
当社グループは比較的工期の長い工事案件が多く、生産設備も大型機械設備を多く所有していることなどから、一定水準の安定的な運転資金及び設備資金を確保しておく必要があり、当連結会計年度末の有利子負債の構成は、返済期限が1年以内のものが1,371億円、返済期限が1年を超えるものが4,433億円となっております。
| (単位:億円) | ||
| 2022年度 | 2023年度 | |
| 有利子負債(注1) | 5,905 | 5,805 |
| 有利子負債(注2) (プロジェクトファイナンスを含む) | 8,618 | 8,234 |
| 株主資本 | 8,382 | 9,143 |
| D/Eレシオ (プロジェクトファイナンスを除く) | 0.65倍 | 0.55倍 |
| (注1)当連結会計年度末現在の有利子負債の内訳 | (単位:億円) | ||
| 合計 | 1年内 | 1年超 | |
| 短期借入金 | 426 | 426 | - |
| 長期借入金 | 4,228 | 944 | 3,283 |
| 社債 | 1,150 | - | 1,150 |
| 合計 | 5,805 | 1,371 | 4,433 |
| (注2)当連結会計年度末現在の有利子負債の内訳(プロジェクトファイナンスを含む) | (単位:億円) | |||
| 合計 | 1年内 | 1年超 | ||
| 短期借入金 | 426 | 426 | - | |
| 長期借入金 | 6,657 | 1,232 | 5,424 | |
| 社債 | 1,150 | - | 1,150 | |
| 合計 | 8,234 | 1,659 | 6,574 | |
(6)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、不正又は誤謬による重要な虚偽表示のない連結財務諸表を作成し適正に表示するために経営者が必要と判断した内部統制を整備及び運用しております。
連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、連結貸借対照表上の資産及び負債の計上額、並びに、連結損益計算書上の収益及び費用の計上額に影響を与えるような会計上の見積りを行う必要があります。会計上の見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っておりますが、前提条件や事業環境等に変化が生じた場合には、見積りと将来の実績が異なることがあります。
会計上の見積りが必要となる項目のうち、経営者が当社グループの財政状態又は経営成績に対して重要な影響を与える可能性があると認識している主な項目は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。