有価証券報告書-第144期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 9:14
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169項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善するなど景気は緩やかな回復傾向にあるものの、地政学的リスクの高まりや米国の通商政策の動向など不安定な状況が継続しました。
ステンレス特殊鋼業界におきましては、造船向けの需要は堅調に推移し、半導体製造装置向け需要も年明けより回復の兆しが見え始めました。一方で、建築資材向けは物価高や人手不足等による需要停滞に改善が見られず、厳しい状況が続きました。また、東アジア地域からの安価な輸入材の流入は高水準で継続いたしました。
当社グループの戦略分野である高機能材につきましては、世界的なAI投資拡大等を背景に半導体生産関連向けの需要が増大しているものの、中国経済の停滞や環境関連分野への投資先送りなどが影響し数量面では低迷が続きました。
コスト面につきましては、原料価格は比較的安定して推移いたしましたが、人件費や減価償却費など固定費の増加が収益を圧迫いたしました。
その結果、当連結会計年度の販売数量につきましては前年度比6.8%減(高機能材9.9%減、一般材5.0%減)、連結売上高は150,866百万円(前年度比21,231百万円減)となりました。また、利益面につきましては、連結営業利益10,973百万円(前年度比5,994百万円減)、連結経常利益9,657百万円(前年度比6,542百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益7,215百万円(前年度比4,363百万円減)となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は219,411百万円となり、前連結会計年度末比1,950百万円増加しております。これは主として売上債権の減少(2,746百万円)、機械装置及び運搬具の増加(1,894百万円)及び現金及び預金の増加(1,759百万円)によるものであります。
当連結会計年度末における負債の額は118,103百万円となり、前連結会計年度末比2,752百万円減少しております。これは主として仕入債務の減少(4,709百万円)及び短期借入金の増加(1,402百万円)によるものであります。
当連結会計年度末における純資産の額は101,308百万円となり、前連結会計年度比4,702百万円増加しております。これにより自己資本比率は46.1%となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益(9,585百万円)等により、13,545百万円の収入(前連結会計年度比2,504百万円の収入増加)となりました。
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形・無形固定資産の取得(8,693百万円)等により、9,383百万円の支出(前連結会計年度比2,006百万円の支出減少)となりました。
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の調達(10,408百万円)及び返済(9,751百万円)及び配当金の支払(3,216百万円)等により、2,733百万円の支出(前連結会計年度比4,661百万円の支出減少)となりました。
以上の結果、当連結会計年度における現金及び現金同等物残高は、換算差額を含めて11,034百万円となり、前連結会計年度比1,665百万円増加いたしました。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと以下のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比増減(%)
ステンレス鋼板及びその加工品事業115,279△16.4

(注)1.金額は製品製造原価によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと以下のとおりであります。
セグメントの名称受注高受注残高
金額(百万円)前年同期比増減
(%)
金額(百万円)前年同期比増減
(%)
ステンレス鋼板及びその加工品事業151,892△9.722,9044.7

c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと以下のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比増減(%)
ステンレス鋼板及びその加工品事業150,866△12.3

(注)1.主要な販売先はいずれも総販売実績に対する販売実績の割合が10%未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績
当連結会計年度の経営成績に関する分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の通りであります。
※連結損益計算書概要単位:百万円、%
当連結会計年度
(2026年3月期)
前連結会計年度
(2025年3月期)
前年度対比増減率
売上高150,866172,097△21,231△12.3
営業利益10,97316,967△5,994△35.3
経常利益9,65716,200△6,542△40.4
親会社株主に帰属する当期純利益7,21511,579△4,363△37.7


b.財政状態
当連結会計年度末時点の資産の状況は、販売数量の減少により売上債権が2,746百万円減少したことと機械装置及び運搬具が1,894百万円増加したこと及び現金及び預金1,759百万円が増加したこと等により、総資産の金額は前年同期比1,950百万円増加の219,411百万円となりました。
負債につきましては、仕入債務が4,709百万円減少したこと及び将来の設備投資資金を長期借入金の新規借入により調達したことにより借入金及び社債が2,059百万円増加したこと等により、負債の総額は前年同期比2,752百万円減少の118,103百万円となりました。
以上により当連結会計年度末時点における純資産の金額は前年同期比4,702百万円増加の101,308百万円となりました。その結果、当連結会計年度末時点における自己資本比率は46.1%となり、前年同期比で1.7%上昇しました。
※連結貸借対照表概要単位:百万円、%
当連結会計年度
(2026年3月期)
前連結会計年度
(2025年3月期)
前年度対比増減率
現金及び預金11,2759,5161,75918.5
受取手形、売掛金及び契約資産16,48819,426△2,938△15.1
電子記録債権7,2867,0941922.7
棚卸資産62,12362,708△585△0.9
固定資産120,142115,7004,4423.8
その他資産2,0973,017△920△30.5
資産合計219,411217,4611,9500.9
支払手形及び買掛金7,37511,290△3,914△34.7
電子記録債務4,4285,223△795△15.2
借入金及び社債77,13075,0712,0592.7
その他負債29,16929,271△102△0.4
負債合計118,103120,855△2,752△2.3
純資産合計101,30896,6064,7024.9
自己資本比率46.144.31.7


c.キャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少、販売数量の減少等により運転資金が減少したこと等により、13,545百万円の収入となり、前年同期比で2,504百万円の収入増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、「中期経営計画2023」での大型戦略設備投資が一巡したことによる有形・無形固定資産の取得による支出の減少等により9,383百万円の支出となり、前年同期比で2,006百万円の支出減少となりました。
以上により営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、4,161百万円となり、前年同期比で4,510百万円増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の調達及び返済(1,997百万円)の他、当期中に支払った1株当たり合計230円の配当金の支払による支出(3,216百万円)等により、2,733百万円の支出となり、前年同期比で4,661百万円の支出減少となりました。
※連結キャッシュ・フロー計算書概要単位:百万円
当連結会計年度
(2026年3月期)
前連結会計年度
(2025年3月期)
前年度対比
営業活動によるキャッシュ・フロー13,54511,0412,504
税金等調整前当期純利益9,58516,092△6,508
減価償却費6,5345,830704
売上債権の増減額(△は増加)2,7463682,379
棚卸資産の増減額(△は増加)5851,397△812
仕入債務の増減額(△は減少)△4,710△6,3691,658
その他△1,195△6,2775,082
投資活動によるキャッシュ・フロー△9,383△11,3892,006
有形・無形固定資産の取得による支出△8,693△11,2912,598
その他△690△98△592
フリー・キャッシュ・フロー4,161△3484,510
財務活動によるキャッシュ・フロー△2,733△7,3944,661
借入金及び社債の純増減額(△は減少)1,997△2,8134,810
配当金の支払額△3,216△2,852△364
その他△1,514△1,730216
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)1,665△7,5499,215

②資本の財源及び資金の流動性の状況
当社は「中期経営計画2026-2028」の基本戦略の1つである「技術を追求し、あらゆるニーズに対応可能な生産体制を構築」に向けて、戦略的設備投資を実行してまいります。
この他、経常的な事業活動の継続にあたり一定の運転資金を必要としておりますが、これらの財源は自己資金・借入金及び社債にて充当する方針です。
資金の流動性については、担当部署にて定期的にモニタリングされた資金需要の状況に応じて電子記録債権の譲渡・割引等による売掛債権の流動化を適宜実施していることに加え、一部の連結子会社との間で構築しているCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を利用することによりグループ全体の資金活用の効率化が図られており、一定の流動性が確保されているものと認識しております。
③経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況に関する分析・検討内容
経営方針・経営戦略・経営上の目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
「中期経営計画2023」で掲げている数値目標と実績は下表の通りです。
高機能材売上高比率(%)EBITDA
(連結)(億円)
ROE
(連結)(%)
総還元性向
(連結)(%)
CO2削減率
(2013年度対比単体)(%)
中計目標
(注1)
50200億円以上10.035▲46%以上
2025年度実績411727.342.0(注2)▲60.6
2024年度実績4422712.535.0▲54.3
2023年度実績4925416.035.0▲59.6

(注)1.中計目標は「中期経営計画2023」の最終年度である2025年度における達成目標であります。
2.2025年度のCO₂削減率は見込みの数値を記載しております。
2025年度実績を踏まえた「中期経営計画2023」の進捗状況についての認識(評価)は以下の通りです。
・高機能材売上高比率につきましては、高機能材販売数量の伸び悩み、LME-Ni相場下落影響により目標値未達となりました。
・財務指標の達成目標(EBITDA・ROE)につきましては、2023年度、2024年度に中計計画値を超過達成するも、最終年度は未達となりました。
・総還元性向につきましては、安定的かつ継続的な配当と機動的な自己株取得により中計で掲げた最終年度における目標を達成することができました。
・設備投資計画につきましては、高機能材増産対応とカーボンニュートラル関連の戦略投資案件を中心に計画並みの設備投資を実施することができました。
今後につきましては、「中期経営計画2026-2028」において掲げた諸施策を着実に実行し、
「ニッケル高合金・ステンレス市場のトップサプライヤーとして、
新領域へ挑戦し進化を続けるレジリエントカンパニー」
を目指してまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
b.退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、予想昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (退職給付関係) 2.確定給付制度 (5)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
c.固定資産の減損処理
当社グループは事業用資産については各事業単位、遊休資産については個別物件単位に資産のグルーピングを行っております。収益性の低下等により、投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。事業用資産の回収可能価額につきましては正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額となりますが、正味売却価額につきましては主として不動産鑑定評価額、使用価値につきましては割引前将来キャッシュ・フローに基づき算定しております。遊休資産の回収可能価額につきましては、正味売却価額により測定しており、固定資産税評価額を基に算定しております。

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