四半期報告書-第120期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、堅調な海外経済を受け輸出が持ち直したほか、景気先行指標である機械受注は上昇基調となり設備投資も緩やかに増加するなど、緩やかな回復基調が続きました。
世界経済は、米国では内外需の回復に減税の効果も加わり企業収益は堅調であり、良好な雇用・所得環境を受けて個人消費も堅調に推移しました。また、欧州では足元で景気拡大が鈍化傾向にあるものの、ECBは金融政策の正常化に向けて量的緩和の年内終了を決定しました。中国でも成長率は鈍化傾向にあるものの輸出や個人消費は堅調を維持しております。
鉄鋼業においては、日本国内市場では、自動車・産業機械などの需要産業で生産の増加基調が継続し、普通鋼鋼材国内出荷量は前年同期を上回る傾向となりました。鋼材輸入は増加したものの需給は安定し、鋼材市況は高値圏を維持しております。
海外鉄鋼市場は、中国を中心に鋼材消費は堅調となり国際市況は安定的に推移しましたが、米国の保護主義的政策による影響への懸念が急速に高まっております。
このような環境のなか、当社グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上41,706百万円(前年同期1,249百万円減)、営業利益2,286百万円(同1,844百万円減)、経常利益3,333百万円(同1,287百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,270百万円(同445百万円減)となりました。
日本国内では、採算重視の販売活動に努めたことから鋼板商品の販売量は減少したものの、価格是正に一定の進捗があり増収となりました。一方海外では、主に台湾の子会社である盛餘股份有限公司(以下、SYSCO社という。)で台湾国内の建築規制強化による建設投資の停滞と米国の保護主義的政策の影響を大きく受けたため減収となりました。損益面では、主にSYSCO社の利益減少に加え、中国の子会社である淀川盛餘(合肥)高科技鋼板有限公司(以下、YSS社という。)及びタイの子会社であるPCM PROCESSING (THAILAND) LTD.(以下、PPT社という。)の悪化もあり、減益となりました。
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末より1,133百万円減少し115,525百万円となりました。主な要因としては、受取手形及び売掛金の減少(1,013百万円)、現金及び預金の減少(682百万円)、有価証券の増加(497百万円)等となっております。
固定資産は前連結会計年度末より1,557百万円減少し97,422百万円となりました。主な要因としては、有形固定資産に含まれる有形リース資産の減少(769百万円)、投資有価証券の減少(690百万円)等となっております。
以上の結果、連結総資産は212,948百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,690百万円減少しました。
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末より2,127百万円減少し26,119百万円となりました。主な要因としては、未払法人税等の減少(767百万円)、その他に含まれるリース債務の減少(750百万円)、賞与引当金の減少(538百万円)等となっております。
固定負債は前連結会計年度末より6百万円増加し、16,823百万円となりました。主な要因としては、その他に含まれる長期繰延税金負債の増加(188百万円)及び廃棄物処理費用引当金の減少(110百万円)等となっております。
この結果、連結負債合計は42,943百万円となり、前連結会計年度末より2,121百万円減少しました。
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末より569百万円減少し170,005百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金の増加(1,084百万円)、為替換算調整勘定の減少(915百万円)、非支配株主持分の減少(655百万円)等となっております。
セグメントの経営成績は以下のとおりです。
①鋼板関連事業
売上高は38,758百万円(同1,250百万円減)、営業利益は2,254百万円(同1,764百万円減)であります。
<鋼板業務>日本におけるひも付き(特定需要家向け)では、めっき商品について採算重視の受注を継続していることなどから販売数量は減少しましたが、白物家電の好調などからカラー商品の販売数量は増加しました。店売り(一般流通向け)では、めっき商品を中心に選別受注に努めたことから販売量は減少しました。
海外では、SYSCO社は、台湾国内の建築規制強化による建設投資の停滞に加え、米国の輸入制限措置発動への懸念による引き合い減少の影響などにより販売数量は大きく減少しました。YSS社及びPPT社は、採算重視の営業活動などにより販売数量は減少しました。
<建材業務>建材業務の建材商品では、選別受注を行ったためルーフの販売量は前年同期並みとなりましたが、「ヨド耐火パネルグランウォール」(以下、グランウォールという。)の販売が増加しました。エクステリア商品では、個人消費の回復を受け物置の販売が堅調に推移しました。工事については前年同期にグランウォール採用の大型物件の売上を計上していたことから減収となりました。
以上から、鋼板関連事業としては減収となりました。
②ロール事業
売上高は800百万円(同176百万円減)、営業損失は26百万円(前年は営業利益97百万円)であります。
国内鉄鋼向けロールの販売量が減少したことなどから減収となりました。
③グレーチング事業
売上高は792百万円(同6百万円増)、営業利益は1百万円(同17百万円減)であります。
公共事業物件の落ち込みを民需で補い、概ね前年同期並みとなりました。
④不動産事業
売上高は282百万円(同32百万円増)、営業利益は200百万円(同35百万円増)であります。
賃貸ビルの入居率向上やその他賃貸物件の増加により増収となりました。
⑤その他事業
売上高は1,072百万円(同139百万円増)、営業利益は132百万円(同20百万円増)であります。
物資販売事業などの売上が増加したことから増収となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社の企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。
一方、上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引に委ねられているため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思に基づき決定されることを基本としており、会社の支配権の移転を伴う当社株式の買収行為や買収提案に応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、買収行為や買収提案の中には、長期的な経営意図や計画もなく一時的な収益の向上だけを目的としたもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、当社の取締役会や株主が買収提案の内容等について検討し、あるいは当社の取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないもの、買収行為の条件等が企業価値ひいては株主共同の利益と比較して不十分又は不適当であるもの、企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を損なおうとする意図のあるもの等、買収対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものが存在する可能性があることは否定できません。
当社に対しこのような買収を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断し、法令及び当社定款によって許容される範囲で必要かつ相当な措置を講じ当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
②株式会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みの内容の概要
イ)事業内容の充実
当社は独立系の鉄鋼メーカーとして、表面処理鋼板事業とその川下分野としての建材事業からなる鋼板関連事業を中心に、電炉事業を源流とする鉄鋼ロール事業及び鋼製グレーチング事業、さらにはエンジニアリング、不動産事業等を擁し、ユニークな存在感を発揮する企業として成長してまいりました。当社のコア事業である鋼板部門では、環境負荷を低減するクロメートフリー対応等に代表される高い技術力を背景に、家電・建材向けに強固な顧客基盤を有しており、また、その表面処理技術を活かして展開する建材商品及びエクステリア商品でも国内トップクラスのシェアを確保しております。
当社は、当社の基本理念・経営理念・行動原則に基づく機動力を活かした経営を追求するとともに、当社グループの総合力と企画力を発揮することで、海外では新たな成長に向け事業の積極的な展開を進め、国内では縮小トレンドの需要環境下でさらにシェアアップを図り、事業領域の拡大に取り組んでおります。今後も中期的にこの「海外事業展開」と「国内需要捕捉」を成長の基軸とし、「安全」・「安心」・「環境」・「景観」をキーワードとして、商品開発・製造・販売など事業活動のあらゆる側面に展開し、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。
ロ)当社グループの企業理念の共有
当社は、その社会的責任と、さまざまなステークホルダーへの価値創造に配慮した経営による、中長期的な企業価値向上の基礎となる経営理念として以下の「淀川製鋼グループ企業理念」を定め、グループ内で共有しております。
基本理念の「新しい個性を持った価値」とは、株主と顧客から信頼され期待される機能の創造(事業価値)、必要とされるベストメーカーとしての持続力(存続価値)、変革挑戦し成長する社員一人ひとりの個性(社員価値)、社会・自然環境と調和し共生する努力(社会価値)であります。当社グループ内において、これらの価値観を共有することは、必ずや企業価値向上に資するものと考えております。
ハ)長期ビジョンと中期経営計画
当社グループをとりまく環境が激しく変化するなか、当社グループが持続的に成長を果たしていくためには、将来を見据えたビジョンと計画を持ち、その内容をさまざまなステークホルダーと共有することで当社グループの活力を高めていくことが有効であると考え、この度、当社グループの長期ビジョン及び2017年度から開始する3年間の中期経営計画を策定しました。
ⅰ.長期ビジョン
当社は創立90周年にあたる2025年に向けて、規模の追求よりも中身の充実を重視し、いかなる事業環境下でも安定的に利益を計上し持続的に成長できる企業を目指します。
『桜(SAKURA)100』を長期ビジョンとして掲げ、当社のシンボルマークである桜のように、さまざまな環境の変化に順応するたおやかな姿、新しい事業領域に挑戦し花を咲かせる姿、グローバルに愛され永く花を咲かせる姿を目指し、営業利益100億円を安定して計上できる100年企業への発展を実現してまいります。
ⅱ.中期経営計画
長期ビジョン『桜(SAKURA)100』の実現に向け、2017年度~2019年度の経営計画として、『淀川製鋼グループ中期経営計画2019』(以下、「本中期経営計画」といいます)を策定しております。その骨子の概要は以下のとおりです。
なお、詳細は当社ホームページに掲載しておりますので、下記をご参照下さい。
< http://www.yodoko.co.jp/release/2017/pdf/170328.pdf >a.対象会社
淀川製鋼所及び連結子会社7社
b.対象期間
2017年度(平成29年度)~2019年度(平成31年度)の3年間
c.基本戦略
「既存事業における強靭な収益構造の確立」「新しい事業領域への挑戦」「強固な経営基盤の構築」を基軸とする以下の8項目を基本戦略とし、本中期経営計画においては、長期ビジョンの達成に向けての礎を築くことに重点を置きます。
d.資本政策と株主還元
当社は「株式会社淀川製鋼所 コーポレートガバナンスガイドライン」のなかで資本政策の基本方針を定めております。< http://www.yodoko.co.jp/ir/cggl/cggl20160401.pdf >本中期経営計画の期間中については、資本政策の基本方針に加え、以下の考え方に基づき機動的に資金を活用してまいります。
ⅰ.資金使途としては、既存事業における競争力強化、新商品・戦略商品の開発、老朽設備・施設の更新・大規模補修を優先する。
ⅱ.株主還元は、業績に応じた配当金の支払いと機動的な自己株式の取得とし、配当金の支払いの指標としては、年間1株あたり50円以上を維持したうえで、連結配当性向年間30%~50%程度を目途に実施する。
ⅲ.新しい事業領域の開拓など、成長投資に向けて内部留保の充実に心掛ける。
e.設備投資
新商品開発、コストダウン及び品質向上など、競争力強化を目的とする戦略的な投資を優先的に実施し、併せて既存事業の継続に必要な老朽設備・施設の更新も計画的に実施してまいります。
2017年度~2019年度の総投資額は150億円を計画し、その内訳としては、競争力強化を目的とするもの75億円、既存事業基盤の維持ほかを目的とするもの75億円とします。
f.定量的目標
既存事業における市況や為替相場などの環境の変動に左右されず、連結経常利益を安定して100億円以上計上することを定量的目標とします。
ニ)コーポレート・ガバナンスの強化
ⅰ.当社のコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
当社は、当社が持続的に成長し中長期的な企業価値向上を実現するために、株主・顧客・取引先・従業員・地域社会等の全てのステークホルダーの立場を踏まえ、透明・公正かつ迅速・果敢な意思決定を行うことがコーポレート・ガバナンスの目的であると位置づけ、これまでもさまざまな取り組みを進めてまいりました。2015年12月には、実効的なコーポレート・ガバナンスの指針として「株式会社淀川製鋼所 コーポレートガバナンスガイドライン」を法令及び当社定款に次ぐ上位規程として定め、運用しております。
ⅱ.当社のコーポレート・ガバナンスの体制
当社はその企業規模から経営の機動性を重視し、機関設計として会社法の定めに基づく監査役会設置会社を選択しております。その上で、情報共有化の観点から経営の意思決定と業務執行との一体性を維持しつつ、取締役の監督・意思決定機能と業務執行機能を効率的に一定の範囲で分離することを目的として執行役員制を導入しております。
取締役会の体制としては、取締役の経営責任の明確化と、経営環境の変化に対応して最適な経営体制を機動的に構築するため、取締役の任期を1年としております。機動的な経営を実現するため、定款における取締役の人数は7名以内としており、経験や知見が異なる多様な取締役を選任することで、取締役会の適正規模と多様性を確保することとしております。さらに、取締役会における、活発で建設的な議論による一層の活性化と、監督・意思決定プロセスの透明性の強化のために、取締役の内の複数名は、業務執行を行わない東京証券取引所の独立性基準を満たす独立社外取締役を選任することとしております。なお、平成30年6月22日現在の取締役総数は7名、内3名は独立社外取締役となっております。
監査役会の体制としては、会社法及び当社定款の定めにより、監査役の人数は4名以内とし、その半数以上は独立性を有する社外監査役を選任することとしております。
ⅲ.コンプライアンスの推進
当社は「淀川製鋼所グループ企業理念」に基づく事業活動を通じて、社会から信頼され、必要とされる存在価値のある企業を目指すなかで、コンプライアンスの推進については「コンプライアンス宣言」のもと、「コンプライアンス・ポリシー」ならびに「コンプライアンス行動指針」を定め、全役職員がそれぞれの立場でコンプライアンスを自らの問題として捉え、公正で高い倫理観に基づき行動するための取り組みを継続しております。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、買収防衛策として「当社株式等の大規模買付行為への対応方針」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。本プランでは、当社株式に対し20%以上の大規模買付行為(市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。)を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)が大規模買付行為実施前に遵守すべき、大規模買付行為に関する合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を定めております。大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、当社取締役会の意見を提供し、更には当社株主の皆様が当社取締役会の代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。当社取締役会は、大規模買付者に対し、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を日本語で記載した書面を当社取締役会に提供することを要請し、当該情報の提供完了後、大規模買付行為の評価検討のための期間を設定し、当社取締役会としての意見形成や必要に応じ代替案の策定を行い、公表することとします。従いまして、大規模買付行為は、取締役会の評価検討の期間の経過後にのみ開始されるものとします。大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守した場合は、当社取締役会は、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損することが明白と判断される場合を除き、対抗措置をとりません。ただし、大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、対抗措置をとることがあります。このように、対抗措置をとる場合には、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
本プランは、平成29年6月22日開催の当社定時株主総会において株主の皆様にご承認を賜り継続しており、その有効期限は、同日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する当社定時株主総会終結時までとなっております。
④本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
当社では、以下の理由から、本プランが上記①の基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。
イ)買収防衛策に関する指針において定める三原則を完全に充足していること及び経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものとなっていること
ロ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の目的をもって継続されていること
ハ)株主の合理的意思に依拠したものであること
ニ)独立性の高い社外者の判断を重視すること
ホ)合理的な客観的発動要件を設定していること
ヘ)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、128百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
足元の世界経済は概ね堅調に推移しておりますが、米国政権の保護主義的政策を発端とする中国・欧州との貿易戦争激化への懸念や、米国の金利上昇による景気減速のリスク、中東・北朝鮮情勢の緊迫化などの地政学リスクなど、急速に不透明感が高まっております。
日本経済は、米国の保護主義的政策の影響や地政学リスクの高まりによる原油価格の上昇などの懸念材料はあるものの、海外経済の回復を受けた輸出の増加に加え、東京五輪関連や生産性向上投資に支えられて設備投資も増加が見込まれ、短期的には堅調に推移するものと思われます。
鉄鋼市場においても、日本国内市場は短期的に堅調に推移する一方で、海外市場は極めて不透明な状況という構図は同じと考えられます。当社グループにおいては、海外子会社が海外鉄鋼市況の変動の影響を強く受けるとともに、熱延鋼板や亜鉛などの原材料価格が高水準に推移する状況は続くと考えられ、損益面では厳しい状況が続くものと予想されます。
このような環境の中、当社グループとしましては、2年目となる『淀川製鋼グループ中期経営計画2019』の達成に向けて、強みである機動力を最大限発揮しながら、新しい市場の開拓や高付加価値商品の拡販を推し進め、収益力強化を図ってまいります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における日本経済は、堅調な海外経済を受け輸出が持ち直したほか、景気先行指標である機械受注は上昇基調となり設備投資も緩やかに増加するなど、緩やかな回復基調が続きました。
世界経済は、米国では内外需の回復に減税の効果も加わり企業収益は堅調であり、良好な雇用・所得環境を受けて個人消費も堅調に推移しました。また、欧州では足元で景気拡大が鈍化傾向にあるものの、ECBは金融政策の正常化に向けて量的緩和の年内終了を決定しました。中国でも成長率は鈍化傾向にあるものの輸出や個人消費は堅調を維持しております。
鉄鋼業においては、日本国内市場では、自動車・産業機械などの需要産業で生産の増加基調が継続し、普通鋼鋼材国内出荷量は前年同期を上回る傾向となりました。鋼材輸入は増加したものの需給は安定し、鋼材市況は高値圏を維持しております。
海外鉄鋼市場は、中国を中心に鋼材消費は堅調となり国際市況は安定的に推移しましたが、米国の保護主義的政策による影響への懸念が急速に高まっております。
このような環境のなか、当社グループの当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上41,706百万円(前年同期1,249百万円減)、営業利益2,286百万円(同1,844百万円減)、経常利益3,333百万円(同1,287百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益2,270百万円(同445百万円減)となりました。
日本国内では、採算重視の販売活動に努めたことから鋼板商品の販売量は減少したものの、価格是正に一定の進捗があり増収となりました。一方海外では、主に台湾の子会社である盛餘股份有限公司(以下、SYSCO社という。)で台湾国内の建築規制強化による建設投資の停滞と米国の保護主義的政策の影響を大きく受けたため減収となりました。損益面では、主にSYSCO社の利益減少に加え、中国の子会社である淀川盛餘(合肥)高科技鋼板有限公司(以下、YSS社という。)及びタイの子会社であるPCM PROCESSING (THAILAND) LTD.(以下、PPT社という。)の悪化もあり、減益となりました。
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末より1,133百万円減少し115,525百万円となりました。主な要因としては、受取手形及び売掛金の減少(1,013百万円)、現金及び預金の減少(682百万円)、有価証券の増加(497百万円)等となっております。
固定資産は前連結会計年度末より1,557百万円減少し97,422百万円となりました。主な要因としては、有形固定資産に含まれる有形リース資産の減少(769百万円)、投資有価証券の減少(690百万円)等となっております。
以上の結果、連結総資産は212,948百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,690百万円減少しました。
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末より2,127百万円減少し26,119百万円となりました。主な要因としては、未払法人税等の減少(767百万円)、その他に含まれるリース債務の減少(750百万円)、賞与引当金の減少(538百万円)等となっております。
固定負債は前連結会計年度末より6百万円増加し、16,823百万円となりました。主な要因としては、その他に含まれる長期繰延税金負債の増加(188百万円)及び廃棄物処理費用引当金の減少(110百万円)等となっております。
この結果、連結負債合計は42,943百万円となり、前連結会計年度末より2,121百万円減少しました。
当第1四半期連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末より569百万円減少し170,005百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金の増加(1,084百万円)、為替換算調整勘定の減少(915百万円)、非支配株主持分の減少(655百万円)等となっております。
セグメントの経営成績は以下のとおりです。
①鋼板関連事業
売上高は38,758百万円(同1,250百万円減)、営業利益は2,254百万円(同1,764百万円減)であります。
<鋼板業務>日本におけるひも付き(特定需要家向け)では、めっき商品について採算重視の受注を継続していることなどから販売数量は減少しましたが、白物家電の好調などからカラー商品の販売数量は増加しました。店売り(一般流通向け)では、めっき商品を中心に選別受注に努めたことから販売量は減少しました。
海外では、SYSCO社は、台湾国内の建築規制強化による建設投資の停滞に加え、米国の輸入制限措置発動への懸念による引き合い減少の影響などにより販売数量は大きく減少しました。YSS社及びPPT社は、採算重視の営業活動などにより販売数量は減少しました。
<建材業務>建材業務の建材商品では、選別受注を行ったためルーフの販売量は前年同期並みとなりましたが、「ヨド耐火パネルグランウォール」(以下、グランウォールという。)の販売が増加しました。エクステリア商品では、個人消費の回復を受け物置の販売が堅調に推移しました。工事については前年同期にグランウォール採用の大型物件の売上を計上していたことから減収となりました。
以上から、鋼板関連事業としては減収となりました。
②ロール事業
売上高は800百万円(同176百万円減)、営業損失は26百万円(前年は営業利益97百万円)であります。
国内鉄鋼向けロールの販売量が減少したことなどから減収となりました。
③グレーチング事業
売上高は792百万円(同6百万円増)、営業利益は1百万円(同17百万円減)であります。
公共事業物件の落ち込みを民需で補い、概ね前年同期並みとなりました。
④不動産事業
売上高は282百万円(同32百万円増)、営業利益は200百万円(同35百万円増)であります。
賃貸ビルの入居率向上やその他賃貸物件の増加により増収となりました。
⑤その他事業
売上高は1,072百万円(同139百万円増)、営業利益は132百万円(同20百万円増)であります。
物資販売事業などの売上が増加したことから増収となりました。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社の企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。
一方、上場会社である当社の株式は、株主、投資家の皆様による自由な取引に委ねられているため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思に基づき決定されることを基本としており、会社の支配権の移転を伴う当社株式の買収行為や買収提案に応じるか否かの判断も、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、買収行為や買収提案の中には、長期的な経営意図や計画もなく一時的な収益の向上だけを目的としたもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、当社の取締役会や株主が買収提案の内容等について検討し、あるいは当社の取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないもの、買収行為の条件等が企業価値ひいては株主共同の利益と比較して不十分又は不適当であるもの、企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を損なおうとする意図のあるもの等、買収対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうものが存在する可能性があることは否定できません。
当社に対しこのような買収を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと判断し、法令及び当社定款によって許容される範囲で必要かつ相当な措置を講じ当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
②株式会社の支配に関する基本方針の実現に資する取組みの内容の概要
イ)事業内容の充実
当社は独立系の鉄鋼メーカーとして、表面処理鋼板事業とその川下分野としての建材事業からなる鋼板関連事業を中心に、電炉事業を源流とする鉄鋼ロール事業及び鋼製グレーチング事業、さらにはエンジニアリング、不動産事業等を擁し、ユニークな存在感を発揮する企業として成長してまいりました。当社のコア事業である鋼板部門では、環境負荷を低減するクロメートフリー対応等に代表される高い技術力を背景に、家電・建材向けに強固な顧客基盤を有しており、また、その表面処理技術を活かして展開する建材商品及びエクステリア商品でも国内トップクラスのシェアを確保しております。
当社は、当社の基本理念・経営理念・行動原則に基づく機動力を活かした経営を追求するとともに、当社グループの総合力と企画力を発揮することで、海外では新たな成長に向け事業の積極的な展開を進め、国内では縮小トレンドの需要環境下でさらにシェアアップを図り、事業領域の拡大に取り組んでおります。今後も中期的にこの「海外事業展開」と「国内需要捕捉」を成長の基軸とし、「安全」・「安心」・「環境」・「景観」をキーワードとして、商品開発・製造・販売など事業活動のあらゆる側面に展開し、さらなる企業価値の向上を目指してまいります。
ロ)当社グループの企業理念の共有
当社は、その社会的責任と、さまざまなステークホルダーへの価値創造に配慮した経営による、中長期的な企業価値向上の基礎となる経営理念として以下の「淀川製鋼グループ企業理念」を定め、グループ内で共有しております。
【淀川製鋼グループ企業理念】 <基本理念>新しい個性を持った価値の創造 淀川製鋼グループは、表面処理鋼板事業を主体として「新しい個性を持った価値の創造」を グループの基本理念に掲げ、社会から信頼され、必要とされる存在価値のある企業を目指します。 <経営理念>・顧客と株主から信頼され、期待される機能を創造します。 ・広く社会から必要とされるベストメーカーを目指します。 ・社員一人ひとりの個性をもって充実し、変革に挑戦し、成長します。 ・社会・自然環境と調和し、共生に努めます。 |
基本理念の「新しい個性を持った価値」とは、株主と顧客から信頼され期待される機能の創造(事業価値)、必要とされるベストメーカーとしての持続力(存続価値)、変革挑戦し成長する社員一人ひとりの個性(社員価値)、社会・自然環境と調和し共生する努力(社会価値)であります。当社グループ内において、これらの価値観を共有することは、必ずや企業価値向上に資するものと考えております。
ハ)長期ビジョンと中期経営計画
当社グループをとりまく環境が激しく変化するなか、当社グループが持続的に成長を果たしていくためには、将来を見据えたビジョンと計画を持ち、その内容をさまざまなステークホルダーと共有することで当社グループの活力を高めていくことが有効であると考え、この度、当社グループの長期ビジョン及び2017年度から開始する3年間の中期経営計画を策定しました。
ⅰ.長期ビジョン
当社は創立90周年にあたる2025年に向けて、規模の追求よりも中身の充実を重視し、いかなる事業環境下でも安定的に利益を計上し持続的に成長できる企業を目指します。
『桜(SAKURA)100』を長期ビジョンとして掲げ、当社のシンボルマークである桜のように、さまざまな環境の変化に順応するたおやかな姿、新しい事業領域に挑戦し花を咲かせる姿、グローバルに愛され永く花を咲かせる姿を目指し、営業利益100億円を安定して計上できる100年企業への発展を実現してまいります。
ⅱ.中期経営計画
長期ビジョン『桜(SAKURA)100』の実現に向け、2017年度~2019年度の経営計画として、『淀川製鋼グループ中期経営計画2019』(以下、「本中期経営計画」といいます)を策定しております。その骨子の概要は以下のとおりです。
なお、詳細は当社ホームページに掲載しておりますので、下記をご参照下さい。
< http://www.yodoko.co.jp/release/2017/pdf/170328.pdf >a.対象会社
淀川製鋼所及び連結子会社7社
b.対象期間
2017年度(平成29年度)~2019年度(平成31年度)の3年間
c.基本戦略
「既存事業における強靭な収益構造の確立」「新しい事業領域への挑戦」「強固な経営基盤の構築」を基軸とする以下の8項目を基本戦略とし、本中期経営計画においては、長期ビジョンの達成に向けての礎を築くことに重点を置きます。
A.既存事業における強靭な収益構造の確立 A-1.ビジネスモデルの深化 A-2.ニッチ分野・差別化商品・用途開発への注力 A-3.グループ間の協働・連携強化 | B.新しい事業領域への挑戦 B-1.既存事業を足掛かりとした新規事業の開拓 B-2.海外における川下分野への進出 |
C.強固な経営基盤の構築 C-1.強い財務体質と積極的な投資の両立 C-2.人材育成と組織力強化 C-3.全てのステークホルダーとの共生 |
d.資本政策と株主還元
当社は「株式会社淀川製鋼所 コーポレートガバナンスガイドライン」のなかで資本政策の基本方針を定めております。< http://www.yodoko.co.jp/ir/cggl/cggl20160401.pdf >本中期経営計画の期間中については、資本政策の基本方針に加え、以下の考え方に基づき機動的に資金を活用してまいります。
ⅰ.資金使途としては、既存事業における競争力強化、新商品・戦略商品の開発、老朽設備・施設の更新・大規模補修を優先する。
ⅱ.株主還元は、業績に応じた配当金の支払いと機動的な自己株式の取得とし、配当金の支払いの指標としては、年間1株あたり50円以上を維持したうえで、連結配当性向年間30%~50%程度を目途に実施する。
ⅲ.新しい事業領域の開拓など、成長投資に向けて内部留保の充実に心掛ける。
e.設備投資
新商品開発、コストダウン及び品質向上など、競争力強化を目的とする戦略的な投資を優先的に実施し、併せて既存事業の継続に必要な老朽設備・施設の更新も計画的に実施してまいります。
2017年度~2019年度の総投資額は150億円を計画し、その内訳としては、競争力強化を目的とするもの75億円、既存事業基盤の維持ほかを目的とするもの75億円とします。
f.定量的目標
既存事業における市況や為替相場などの環境の変動に左右されず、連結経常利益を安定して100億円以上計上することを定量的目標とします。
ニ)コーポレート・ガバナンスの強化
ⅰ.当社のコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方
当社は、当社が持続的に成長し中長期的な企業価値向上を実現するために、株主・顧客・取引先・従業員・地域社会等の全てのステークホルダーの立場を踏まえ、透明・公正かつ迅速・果敢な意思決定を行うことがコーポレート・ガバナンスの目的であると位置づけ、これまでもさまざまな取り組みを進めてまいりました。2015年12月には、実効的なコーポレート・ガバナンスの指針として「株式会社淀川製鋼所 コーポレートガバナンスガイドライン」を法令及び当社定款に次ぐ上位規程として定め、運用しております。
ⅱ.当社のコーポレート・ガバナンスの体制
当社はその企業規模から経営の機動性を重視し、機関設計として会社法の定めに基づく監査役会設置会社を選択しております。その上で、情報共有化の観点から経営の意思決定と業務執行との一体性を維持しつつ、取締役の監督・意思決定機能と業務執行機能を効率的に一定の範囲で分離することを目的として執行役員制を導入しております。
取締役会の体制としては、取締役の経営責任の明確化と、経営環境の変化に対応して最適な経営体制を機動的に構築するため、取締役の任期を1年としております。機動的な経営を実現するため、定款における取締役の人数は7名以内としており、経験や知見が異なる多様な取締役を選任することで、取締役会の適正規模と多様性を確保することとしております。さらに、取締役会における、活発で建設的な議論による一層の活性化と、監督・意思決定プロセスの透明性の強化のために、取締役の内の複数名は、業務執行を行わない東京証券取引所の独立性基準を満たす独立社外取締役を選任することとしております。なお、平成30年6月22日現在の取締役総数は7名、内3名は独立社外取締役となっております。
監査役会の体制としては、会社法及び当社定款の定めにより、監査役の人数は4名以内とし、その半数以上は独立性を有する社外監査役を選任することとしております。
ⅲ.コンプライアンスの推進
当社は「淀川製鋼所グループ企業理念」に基づく事業活動を通じて、社会から信頼され、必要とされる存在価値のある企業を目指すなかで、コンプライアンスの推進については「コンプライアンス宣言」のもと、「コンプライアンス・ポリシー」ならびに「コンプライアンス行動指針」を定め、全役職員がそれぞれの立場でコンプライアンスを自らの問題として捉え、公正で高い倫理観に基づき行動するための取り組みを継続しております。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、買収防衛策として「当社株式等の大規模買付行為への対応方針」(以下「本プラン」といいます。)を導入しております。本プランでは、当社株式に対し20%以上の大規模買付行為(市場取引、公開買付等の具体的な買付方法の如何を問いませんが、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。)を行おうとする者(以下「大規模買付者」といいます。)が大規模買付行為実施前に遵守すべき、大規模買付行為に関する合理的なルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を定めております。大規模買付ルールは、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、当社取締役会の意見を提供し、更には当社株主の皆様が当社取締役会の代替案の提示を受ける機会を確保することを目的としております。当社取締役会は、大規模買付者に対し、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を日本語で記載した書面を当社取締役会に提供することを要請し、当該情報の提供完了後、大規模買付行為の評価検討のための期間を設定し、当社取締役会としての意見形成や必要に応じ代替案の策定を行い、公表することとします。従いまして、大規模買付行為は、取締役会の評価検討の期間の経過後にのみ開始されるものとします。大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守した場合は、当社取締役会は、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく毀損することが明白と判断される場合を除き、対抗措置をとりません。ただし、大規模買付者が、大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、当社企業価値ひいては株主共同の利益を守ることを目的として、対抗措置をとることがあります。このように、対抗措置をとる場合には、その判断の合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
本プランは、平成29年6月22日開催の当社定時株主総会において株主の皆様にご承認を賜り継続しており、その有効期限は、同日から3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する当社定時株主総会終結時までとなっております。
④本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて
当社では、以下の理由から、本プランが上記①の基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものとはならないと考えております。
イ)買収防衛策に関する指針において定める三原則を完全に充足していること及び経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものとなっていること
ロ)当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上の目的をもって継続されていること
ハ)株主の合理的意思に依拠したものであること
ニ)独立性の高い社外者の判断を重視すること
ホ)合理的な客観的発動要件を設定していること
ヘ)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、128百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
足元の世界経済は概ね堅調に推移しておりますが、米国政権の保護主義的政策を発端とする中国・欧州との貿易戦争激化への懸念や、米国の金利上昇による景気減速のリスク、中東・北朝鮮情勢の緊迫化などの地政学リスクなど、急速に不透明感が高まっております。
日本経済は、米国の保護主義的政策の影響や地政学リスクの高まりによる原油価格の上昇などの懸念材料はあるものの、海外経済の回復を受けた輸出の増加に加え、東京五輪関連や生産性向上投資に支えられて設備投資も増加が見込まれ、短期的には堅調に推移するものと思われます。
鉄鋼市場においても、日本国内市場は短期的に堅調に推移する一方で、海外市場は極めて不透明な状況という構図は同じと考えられます。当社グループにおいては、海外子会社が海外鉄鋼市況の変動の影響を強く受けるとともに、熱延鋼板や亜鉛などの原材料価格が高水準に推移する状況は続くと考えられ、損益面では厳しい状況が続くものと予想されます。
このような環境の中、当社グループとしましては、2年目となる『淀川製鋼グループ中期経営計画2019』の達成に向けて、強みである機動力を最大限発揮しながら、新しい市場の開拓や高付加価値商品の拡販を推し進め、収益力強化を図ってまいります。