有価証券報告書-第125期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の2類から5類への分類移行をはじめとする経済正常化の進展などから、景気は緩やかながら持ち直しの動きがみられましたが、物価上昇の影響などからその回復は力強さを欠く状況となっております。
世界経済におきましては、米国では堅調な雇用環境や個人消費に支えられ底堅く推移する一方、中国では不動産不況の長期化や雇用情勢の悪化などから減速感を強めており、欧州でも金融引き締め政策により内需が弱く停滞が続いております。
鉄鋼業においては、日本国内では、半導体の供給制約の緩和などから持ち直しの動きがみられていた自動車生産が年度末にかけて減少し、住宅着工や機械受注が弱含むなどの要因から、鉄鋼受注・生産ともに低迷が続いております。
海外鉄鋼市場では、米国の堅調な景気動向等から回復への期待は見られるものの、中国経済においては未だ回復の動きが乏しいことなどから、全体として市況は弱含んで推移しております。
このような環境のなか当社グループは、お客様への製品の安定供給と差別化できる製品の開発につとめるとともに、再生産可能な製品販売価格についてお客様のご理解を得られるよう丁寧な説明につとめました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高203,957百万円(前年同期比16,356百万円減)、営業利益12,017百万円(同647百万円減)、経常利益15,202百万円(同2,483百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,456百万円(同6,137百万円減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、営業活動に伴うキャッシュ・フローの増加による現金及び預金の増加、売掛債権の減少、棚卸資産の減少、上場株式の時価評価による投資有価証券の増加などの差引により前連結会計年度末より14,806百万円増加し265,863百万円となりました。負債は、仕入債務は減少しましたが製品補償引当金が増加したことなどから前連結会計年度末より2,880百万円増加し52,031百万円となりました。純資産は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定等の増加などにより前連結会計年度末より11,925百万円増加し213,832百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
鋼板関連事業
売上高は194,031百万円 (前年同期比16,920百万円減)、営業利益は11,954百万円 (前年同期比1,356百万円減)であります。
ロール事業
売上高は3,124百万円 (前年同期比194百万円増)、営業利益は55百万円 (前年は営業損失262百万円)であります。
グレーチング事業
売上高は3,431百万円 (前年同期比68百万円減)、営業利益は207百万円 (前年同期比155百万円増)であります。
不動産事業
売上高は1,283百万円 (前年同期比47百万円増)、営業利益は817百万円 (前年同期比31百万円増)であります。
その他事業
売上高は2,085百万円 (前年同期比390百万円増)、営業利益は376百万円 (前年同期比138百万円増)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物期末残高は、前連結会計年度末に比べ16,685百万円増加し、57,398百万円となりました。これは主に、営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の増加によるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は21,521百万円(前期比4,185百万円増)となりました。当期営業利益、売上債権の減少、棚卸資産の減少と仕入債務の減少の差引が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は809百万円(前期比2,350百万円減)となりました。固定資産の取得等による支出と投資有価証券の売却の差引が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は5,360百万円(前期比267百万円増)となりました。これは主に、配当金の支払によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<売上高>日本国内では再生産可能な製品販売価格の実現に取り組み販売価格は改善しましたが、国内鉄鋼需要の低迷の影響もあり数量面では減少し減収となりました。海外では、台湾の子会社であるSYSCO社は輸出向け販売量が減少したものの下期に台湾国内向けの販売量が回復したことなどから昨年度なみの売上高となりました。中国の子会社であるYSS社は、中国国内の景気の悪化から数量、単価共に伸び悩み減収となりました。またタイの子会社であるPPT社は、高付加価値鋼板の拡販に努めた結果、販売価格は改善しましたが、数量面では減少し減収となりました。
<営業利益>日本国内においては、主に当社の鋼板商品において販売価格は改善しましたが、販売数量が減少したことなどから減益となりました。一方で海外においては、SYSCO社は輸出向け販売量が減少したものの台湾国内向けの販売量が回復したことなどから増益となりました。YSS社は長引く不動産市場の低迷などの影響から減益となりました。PPT社は、販売数量は減少したものの採算の改善などから増益となりました。結果、連結営業利益は減益となりました。
<経常利益>営業外収益における投資有価証券売却益の計上が前期に比べ減少したことなどから、経常利益の減益幅は営業利益と比べ増加しております。
<親会社株主に帰属する当期純利益>製品補償引当金繰入額を計上したことから連結当期純利益の減益幅は経常利益と比べ増加しております。また、連結当期純利益における増益要因として非支配株主比率の高いSYSCO社の影響が大きいことから、親会社株主に帰属する当期純利益では減益幅が増加しております。
当社グループの資本政策の基本方針については、持続的な成長のための積極的投資と株主への最大限の利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
当連結会計年度末時点で外部からの資金調達を必要とする重要な資本的支出の予定はありませんが、当面の運転資金及び設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達していく方針です。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「淀川製鋼グループ中期経営計画2025」に掲げております。当期におきましては日本国内および海外のいずれにおいても鉄鋼需要が弱含む厳しい経営環境の中、当初の目標であります連結営業利益100億円以上を達成することができましたが、前年比では減益となりました。なお、今後更なる企業価値の向上を目指して、2024年4月25日に中期経営計画を見直し、2026年3月期における連結営業利益130億円以上を新たな目標として掲げております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
鋼板関連事業
<鋼板業務>日本においては、各品種で販売価格は改善しましたが、建築需要の停滞などからひも付き(特定需要家向け)および店売り(一般流通向け)いずれにおいても販売量は減少し、減収・減益となりました。
海外では、台湾のSYSCO社は、輸出向け販売量が減少したものの台湾国内向けの販売量が回復したことなどから減収ながら増益となりました。中国のYSS社は、長引く不動産市場の低迷などの影響から業績は悪化しました。タイのPPT社は、高付加価値鋼板の拡販に努めた結果、減収ながら増益となりました。
<建材業務>建材業務では、エクステリア商品、外装建材商品ともに販売価格は改善しましたが、販売量は減少した結果、全体としては減収となりました。
以上から、鋼板関連事業としては減収・減益となりました。
ロール事業
販売量は減少しましたが主に鉄鋼向けの販売価格が改善したことなどから、増収となり黒字化しました。
グレーチング事業
販売数量の減少により減収となりましたが、販売価格は改善したことなどから増益となりました。
不動産事業
売上・損益ともにほぼ前期並みに推移しました。
その他事業
西脇カントリークラブのリニューアルが完了したことなどから増収・増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、資本政策の基本方針のなかで、「グローバルな経済の変動に経営環境が大きな影響を受けるなかで、企業理念に基づく経営戦略を着実に実現し、持続的な成長のための積極的投資と株主への最大限の利益還元を両立させるために、強固な財務基盤を維持する」こととしており、営業活動によるキャッシュ・フローを安定的に獲得すべく事業活動に取り組んでおります。
2024年3月期の連結キャッシュ・フローの状況としては、営業活動によるキャッシュ・フローは21,521百万円の資金の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは809百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは5,360百万円の資金の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額は1,334百万円の資金の増加となり、現金及び現金同等物の残高は16,685百万円増加しました。
このうち、固定資産の取得・売却等による資金の減少は3,028百万円、配当金の支払(非支配株主への支払含む)による資金の減少は4,444百万円であります。
当期は主に棚卸資産の減少により運転資金負担の増加幅が縮小したことなどから、上記のとおりの資金の増加となっております。
当連結会計年度末時点で外部からの資金調達を必要とする重要な資本的支出の予定はありませんが、当面の運転資金及び設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達していく方針です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、新型コロナウイルス感染症の2類から5類への分類移行をはじめとする経済正常化の進展などから、景気は緩やかながら持ち直しの動きがみられましたが、物価上昇の影響などからその回復は力強さを欠く状況となっております。
世界経済におきましては、米国では堅調な雇用環境や個人消費に支えられ底堅く推移する一方、中国では不動産不況の長期化や雇用情勢の悪化などから減速感を強めており、欧州でも金融引き締め政策により内需が弱く停滞が続いております。
鉄鋼業においては、日本国内では、半導体の供給制約の緩和などから持ち直しの動きがみられていた自動車生産が年度末にかけて減少し、住宅着工や機械受注が弱含むなどの要因から、鉄鋼受注・生産ともに低迷が続いております。
海外鉄鋼市場では、米国の堅調な景気動向等から回復への期待は見られるものの、中国経済においては未だ回復の動きが乏しいことなどから、全体として市況は弱含んで推移しております。
このような環境のなか当社グループは、お客様への製品の安定供給と差別化できる製品の開発につとめるとともに、再生産可能な製品販売価格についてお客様のご理解を得られるよう丁寧な説明につとめました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高203,957百万円(前年同期比16,356百万円減)、営業利益12,017百万円(同647百万円減)、経常利益15,202百万円(同2,483百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,456百万円(同6,137百万円減)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、営業活動に伴うキャッシュ・フローの増加による現金及び預金の増加、売掛債権の減少、棚卸資産の減少、上場株式の時価評価による投資有価証券の増加などの差引により前連結会計年度末より14,806百万円増加し265,863百万円となりました。負債は、仕入債務は減少しましたが製品補償引当金が増加したことなどから前連結会計年度末より2,880百万円増加し52,031百万円となりました。純資産は、利益剰余金、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定等の増加などにより前連結会計年度末より11,925百万円増加し213,832百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
鋼板関連事業
売上高は194,031百万円 (前年同期比16,920百万円減)、営業利益は11,954百万円 (前年同期比1,356百万円減)であります。
ロール事業
売上高は3,124百万円 (前年同期比194百万円増)、営業利益は55百万円 (前年は営業損失262百万円)であります。
グレーチング事業
売上高は3,431百万円 (前年同期比68百万円減)、営業利益は207百万円 (前年同期比155百万円増)であります。
不動産事業
売上高は1,283百万円 (前年同期比47百万円増)、営業利益は817百万円 (前年同期比31百万円増)であります。
その他事業
売上高は2,085百万円 (前年同期比390百万円増)、営業利益は376百万円 (前年同期比138百万円増)であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物期末残高は、前連結会計年度末に比べ16,685百万円増加し、57,398百万円となりました。これは主に、営業活動によるキャッシュ・フローにおける資金の増加によるものです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は21,521百万円(前期比4,185百万円増)となりました。当期営業利益、売上債権の減少、棚卸資産の減少と仕入債務の減少の差引が主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は809百万円(前期比2,350百万円減)となりました。固定資産の取得等による支出と投資有価証券の売却の差引が主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は5,360百万円(前期比267百万円増)となりました。これは主に、配当金の支払によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
鋼板関連事業(百万円) | 185,987 | △9.7 |
ロール事業(百万円) | 3,170 | 10.2 |
グレーチング事業(百万円) | 3,570 | △4.0 |
不動産事業(百万円) | - | - |
報告セグメント計(百万円) | 192,729 | △9.3 |
その他(百万円) | 175 | △27.0 |
合計(百万円) | 192,904 | △9.4 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比(%) |
鋼板関連事業 | 196,260 | △5.7 | 28,400 | 8.5 |
ロール事業 | 2,579 | △19.4 | 1,554 | △26.0 |
グレーチング事業 | 3,416 | △2.0 | 158 | △8.8 |
不動産事業 | 1,283 | 3.8 | - | - |
報告セグメント計 | 203,540 | △5.8 | 30,113 | 5.9 |
その他 | 2,037 | 25.5 | 323 | △13.1 |
合計 | 205,577 | △5.6 | 30,436 | 5.6 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 前年同期比(%) |
鋼板関連事業(百万円) | 194,031 | △8.0 |
ロール事業(百万円) | 3,124 | 6.6 |
グレーチング事業(百万円) | 3,431 | △2.0 |
不動産事業(百万円) | 1,283 | 3.8 |
報告セグメント計(百万円) | 201,871 | △7.7 |
その他(百万円) | 2,085 | 23.0 |
合計(百万円) | 203,957 | △7.4 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
㈱佐渡島 | 45,784 | 20.8 | 39,707 | 19.4 |
(2)経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<売上高>日本国内では再生産可能な製品販売価格の実現に取り組み販売価格は改善しましたが、国内鉄鋼需要の低迷の影響もあり数量面では減少し減収となりました。海外では、台湾の子会社であるSYSCO社は輸出向け販売量が減少したものの下期に台湾国内向けの販売量が回復したことなどから昨年度なみの売上高となりました。中国の子会社であるYSS社は、中国国内の景気の悪化から数量、単価共に伸び悩み減収となりました。またタイの子会社であるPPT社は、高付加価値鋼板の拡販に努めた結果、販売価格は改善しましたが、数量面では減少し減収となりました。
<営業利益>日本国内においては、主に当社の鋼板商品において販売価格は改善しましたが、販売数量が減少したことなどから減益となりました。一方で海外においては、SYSCO社は輸出向け販売量が減少したものの台湾国内向けの販売量が回復したことなどから増益となりました。YSS社は長引く不動産市場の低迷などの影響から減益となりました。PPT社は、販売数量は減少したものの採算の改善などから増益となりました。結果、連結営業利益は減益となりました。
<経常利益>営業外収益における投資有価証券売却益の計上が前期に比べ減少したことなどから、経常利益の減益幅は営業利益と比べ増加しております。
<親会社株主に帰属する当期純利益>製品補償引当金繰入額を計上したことから連結当期純利益の減益幅は経常利益と比べ増加しております。また、連結当期純利益における増益要因として非支配株主比率の高いSYSCO社の影響が大きいことから、親会社株主に帰属する当期純利益では減益幅が増加しております。
当社グループの資本政策の基本方針については、持続的な成長のための積極的投資と株主への最大限の利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
当連結会計年度末時点で外部からの資金調達を必要とする重要な資本的支出の予定はありませんが、当面の運転資金及び設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達していく方針です。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「淀川製鋼グループ中期経営計画2025」に掲げております。当期におきましては日本国内および海外のいずれにおいても鉄鋼需要が弱含む厳しい経営環境の中、当初の目標であります連結営業利益100億円以上を達成することができましたが、前年比では減益となりました。なお、今後更なる企業価値の向上を目指して、2024年4月25日に中期経営計画を見直し、2026年3月期における連結営業利益130億円以上を新たな目標として掲げております。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
鋼板関連事業
<鋼板業務>日本においては、各品種で販売価格は改善しましたが、建築需要の停滞などからひも付き(特定需要家向け)および店売り(一般流通向け)いずれにおいても販売量は減少し、減収・減益となりました。
海外では、台湾のSYSCO社は、輸出向け販売量が減少したものの台湾国内向けの販売量が回復したことなどから減収ながら増益となりました。中国のYSS社は、長引く不動産市場の低迷などの影響から業績は悪化しました。タイのPPT社は、高付加価値鋼板の拡販に努めた結果、減収ながら増益となりました。
<建材業務>建材業務では、エクステリア商品、外装建材商品ともに販売価格は改善しましたが、販売量は減少した結果、全体としては減収となりました。
以上から、鋼板関連事業としては減収・減益となりました。
ロール事業
販売量は減少しましたが主に鉄鋼向けの販売価格が改善したことなどから、増収となり黒字化しました。
グレーチング事業
販売数量の減少により減収となりましたが、販売価格は改善したことなどから増益となりました。
不動産事業
売上・損益ともにほぼ前期並みに推移しました。
その他事業
西脇カントリークラブのリニューアルが完了したことなどから増収・増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、資本政策の基本方針のなかで、「グローバルな経済の変動に経営環境が大きな影響を受けるなかで、企業理念に基づく経営戦略を着実に実現し、持続的な成長のための積極的投資と株主への最大限の利益還元を両立させるために、強固な財務基盤を維持する」こととしており、営業活動によるキャッシュ・フローを安定的に獲得すべく事業活動に取り組んでおります。
2024年3月期の連結キャッシュ・フローの状況としては、営業活動によるキャッシュ・フローは21,521百万円の資金の増加、投資活動によるキャッシュ・フローは809百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローは5,360百万円の資金の減少、現金及び現金同等物に係る換算差額は1,334百万円の資金の増加となり、現金及び現金同等物の残高は16,685百万円増加しました。
このうち、固定資産の取得・売却等による資金の減少は3,028百万円、配当金の支払(非支配株主への支払含む)による資金の減少は4,444百万円であります。
当期は主に棚卸資産の減少により運転資金負担の増加幅が縮小したことなどから、上記のとおりの資金の増加となっております。
当連結会計年度末時点で外部からの資金調達を必要とする重要な資本的支出の予定はありませんが、当面の運転資金及び設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達していく方針です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。