半期報告書-第126期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2024/11/12 13:05
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)における日本経済は、景気は総じて緩やかな持ち直しの動きが続いておりますが、消費者物価は依然として上昇を続けており消費者マインドの改善に足踏みが見られるなど力強さに欠ける展開となっております。
世界経済におきましては、米国では引き続き個人消費や設備投資が堅調に推移するなど底堅い動きを見せておりますが、新政権下での政策の動向について不透明感があることなどから下振れのリスクも見られます。中国では景気の下支え政策により、供給面では回復の動きが見られるものの長引く不動産不況の影響などから消費が伸び悩み景気回復動向は依然不透明なままとなっております。欧州では、製造業や建設業は依然として低迷しているもののサービス業などにけん引され景気は緩やかな回復の動きを見せております。
鉄鋼業においては、日本国内では、自動車生産が昨年度末から減少し、住宅着工や機械受注についても資材価格の高騰や人的資源不足などの要因から不安定な状況が続き需要が減少するなか、中国などから安価な鋼材が流入するなど市況は弱含んでおります。
海外鉄鋼市場においては、中国経済の停滞や欧米のインフレ抑制のための金融引き締め政策が、鉄鋼需要の減退につながっており価格の軟化を招いています。また中国の過剰な生産などから世界的な通商摩擦への懸念・警戒感も高まっております。
このような環境のなか、当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、売上高105,324百万円(前年同期比4,038百万円増)、営業利益7,812百万円(同2,340百万円増)、経常利益9,171百万円(同1,498百万円増)、親会社株主に帰属する中間純利益5,791百万円(同605百万円増)となりました。
日本国内では主にひも付き(特定需要家向け)鋼板商品において販売数量が減少するものの店売り(一般流通向け)鋼板商品の販売数量が増加したこと等から増収・増益となりました。
海外では、主に台湾の子会社である盛餘股份有限公司(以下、SYSCO社という。)での販売数量が台湾国内向け、輸出向け共に増加したことから増収・増益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
①鋼板関連事業
売上高は100,580百万円(同4,409百万円増)、営業利益は7,824百万円(同2,441百万円増)となり、増収・増益となりました。
<鋼板業務>前年同期比較では、販売価格は第2四半期にかけて持ち直し、販売数量はひも付きにおいてやや減少しましたが店売りにおいては増加したこと等から、売上高は前期並みながら増益となりました。
海外では、台湾のSYSCO社は、国内向け、輸出向け共に販売単価は下落しましたが、販売量が増加したことなどから増収・増益となりました。中国の子会社である淀川盛餘(合肥)高科技鋼板有限公司(YSS社)は、長引く不動産不況などの影響から回復の勢いは鈍く業績は低迷しております。
タイの子会社であるPCM PROCESSING(THAILAND)LTD.(PPT社)は、引き続き堅調に推移しましたが前年同期比では減収・減益となりました。
<建材業務>建材業務では、エクステリア商品につきましては酷暑の影響などから売り上げが伸び悩みましたが、外装建材商品であるヨドルーフの売り上げが進捗したことなどから増収・増益となりました。
②ロール事業
売上高は1,348百万円(同366百万円減)、営業利益は0百万円(同78百万円減)であります。
主に日本国内向けの販売量が減少したことから、減収・減益となりました。
③グレーチング事業
売上高は1,656百万円(同63百万円減)、営業利益は70百万円(同18百万円減)であります。
販売価格は改善しましたが、販売数量が減少したことから減収・減益となりました。
④不動産事業
売上高は659百万円(同34百万円増)、営業利益は409百万円(同16百万円増)であります。
売上・損益ともにほぼ前年並みに推移しました。
⑤その他事業
売上高は1,079百万円(同23百万円増)、営業利益は320百万円(同134百万円増)であります。
前年同期比で倉庫運送事業などの売上が回復したことなどから増収・増益となりました。
b.財政状態
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末より4,602百万円増加し160,722百万円となりました。主な要因としては、現金及び預金の減少(8,050百万円)、受取手形及び売掛金の増加(7,890百万円)、有価証券の増加(1,988百万円)、仕掛品の増加(768百万円)、原材料及び貯蔵品の増加(1,511百万円)等となっております。
固定資産は前連結会計年度末より176百万円増加し、109,920百万円となりました。主な要因としては、有形固定資産の増加(1,217百万円)、投資有価証券の減少(1,241百万円)等となっております。
以上の結果、連結総資産は270,643百万円となり、前連結会計年度末と比べ4,779百万円増加しました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末より1,714百万円増加し、29,828百万円となりました。主な要因としては、支払手形及び買掛金の増加(2,340百万円)、電子記録債務の減少(629百万円)等となっております。
固定負債は前連結会計年度末より1,437百万円減少し、22,479百万円となりました。主な要因としては、製品補償引当金の減少(1,209百万円)等となっております。
この結果、連結負債合計は52,308百万円となり、前連結会計年度末より277百万円増加しました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末より4,502百万円増加し、218,334百万円となりました。主な要因としては、親会社株主に帰属する中間純利益の計上による利益剰余金の増加(5,791百万円)、配当による利益剰余金の減少(4,189百万円)、その他有価証券評価差額金の減少(988百万円)、為替換算調整勘定の増加(2,337百万円)、非支配株主持分の増加(1,533百万円)等となっております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前年同期連結会計期間末に比べ2,431百万円増加、前連結会計年度末に比べ8,350百万円減少し、49,048百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は51百万円(前年同期は7,647百万円の収入)となりました。税金等調整前中間純利益の計上による資金の増加(9,191百万円)、減価償却費による資金の増加(2,232百万円)、売上債権の増加による資金の減少(7,563百万円)、棚卸資産の増加による資金の減少(1,784百万円)、仕入債務の増加による資金の増加(1,486百万円)、法人税等の支払による資金の減少(1,921百万円)等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は4,801百万円(前年同期は102百万円の収入)となりました。定期預金の預入と払出による資金の純減額(2,010百万円)、有形固定資産の取得による支出(2,659百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は5,277百万円(前年同期は3,298百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払(非支配株主への支払い含む)による支出(5,212百万円)等によるものです。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において新たに発生した優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、301百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
日本経済は、引き続き緩やかな回復基調が続くものと予想されます。実質賃金がプラスに転じたことなどから個人消費の押し上げが期待されますが、海外経済の減速や物価高が依然としてリスクとして残っております。世界経済はヨーロッパで持ち直しの動きが見られることや世界的なインフレ率が落ち着きを見せていることなどから回復への期待が持たれておりますが、ウクライナ情勢の長期化の影響や米国新政権の動向が不透明であることなどから引き続き不安定な状況が続くものと想定されます。
鉄鋼市場においては、日本国内市場・海外市場いずれにおいても、鉄鋼原材料と資源・エネルギーコストの上昇に一服の動きがみられるものの、ウクライナ情勢の長期化などの地政学リスクに加え、中国の高水準な輸出による世界的な通商摩擦への懸念などから、当面は需給バランスも含め不安定な状況が続くものと予想されます。
当社グループにとっても、各地域の需要およびコスト環境は予断を許さない不安定な動きが続くものと考えられ、厳しい事業環境が継続するものと予想されます。
このような不透明な事業環境の中、当社グループとしましては、変化の激しい市況に応じた機動的な営業・生産活動につとめるとともに、「淀川製鋼グループ中期経営計画2025」の着実な実行に取り組むことで、収益力強化を図ってまいります。