四半期報告書-第131期第3四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/11 16:57
【資料】
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【項目】
19項目
(1) 経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(2020年1月1日~2020年9月30日)の売上高は前年同期比1,040億円(7.1%)減少して1兆3,568億円となりました。
国内売上高は機械、水・環境、その他の全部門で減収となり、前年同期比450億円(9.4%)減の4,357億円となりました。
海外売上高は水・環境部門がわずかに増加しましたが、建設機械、トラクタ、エンジンが減少したため全体では前年同期比589億円(6.0%)減の9,211億円となりました。
営業利益は国内外での減収に加え、台風の影響等による前第4四半期連結会計期間の減産や新型コロナウイルスの感染拡大に伴う第2四半期連結会計期間の減産により、当第3四半期連結累計期間に出荷した製品に含まれる生産工場の損益が大幅に悪化したため、前年同期比363億円(21.8%)減の1,299億円となりました。税引前利益は営業利益の減少等により前年同期比325億円(19.0%)減少して1,387億円となりました。法人所得税は347億円の負担、持分法による投資損益は21億円の利益となり、四半期利益は前年同期比242億円(18.6%)減の1,061億円となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は前年同期を260億円(21.2%)下回る965億円となりました。
事業別セグメントの外部顧客への売上高及びセグメント利益の状況は次のとおりです。
なお、第1四半期連結会計期間より、社内組織をベースとした事業セグメントの構成の変更に基づき、従来、「機械」に含めておりました「空調」を「水・環境」に含めております。この変更に伴い、前年同期についても変更後の区分に基づいて記載しております。
① 機械
当部門は農業機械及び農業関連商品、エンジン、建設機械により構成されております。
当部門の売上高は前年同期比7.5%減少して1兆1,130億円となり、売上高全体の82.0%を占めました。
国内売上高は前年同期比12.2%減の2,217億円となりました。消費増税前の駆け込み需要の反動減や、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う販売活動自粛の影響等により農業機械及び農業関連商品が大幅減となったほか、建設機械やエンジンも減少しました。
海外売上高は前年同期比6.2%減の8,913億円となりました。北米では、4月以降の堅調な需要や新機種効果等により小売は極めて好調に推移しているものの、一昨年に発生した台風の影響を受けて一部製品の出荷時期が一昨年から昨年にずれ込んでいたことの反動や、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生産や出荷に遅れが生じたこと等により、建設機械やトラクタが減少しました。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大を受けたOEM先の減産やオイル・ガス市況の悪化により、エンジンも大幅に減少しました。欧州では、足元のトラクタや建設機械の小売は回復基調にあるものの、新型コロナウイルスの感染拡大に伴いディーラーが一時的に営業を停止した影響やエンジンのOEM先の減産等により、建設機械、エンジン、トラクタともに前年同期を下回りました。アジアでは、タイのトラクタが雨季の降雨により足元では堅調に推移しているものの、年前半の水不足や在庫調整の影響を補い切れず、前年同期を下回りました。一方、中国では、エンジンが経済活動再開後の需要回復を受けて大きく伸長したほか、農業機械も需要拡大や新機種効果により増加しました。
当部門のセグメント利益は値上げ効果等はありましたが、国内外での大幅な減収や当第3四半期連結累計期間に出荷した製品に含まれる生産工場の損益悪化、円高の影響等により、前年同期比21.1%減少して1,360億円となりました。
② 水・環境
当部門はパイプインフラ関連製品(ダクタイル鉄管、合成管、官需向けバルブ、素形材、スパイラル鋼管、空調機器等)、環境関連製品(各種環境プラント、ポンプ、民需向けバルブ等)により構成されております。
当部門の売上高は前年同期比5.0%減少して2,225億円となり、売上高全体の16.4%を占めました。
国内売上高は前年同期比5.8%減の1,929億円となりました。ダクタイル鉄管や工事事業等が伸長しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により合成管、スパイラル鋼管、空調機器等が減少したため、パイプインフラ関連製品は減少しました。環境関連製品は福島県双葉町での廃棄物処理施設の建設に伴う売上が大きく減少しました。
海外売上高は前年同期比0.6%増の296億円となりました。韓国向けの素形材の売上等が増加しました。
当部門のセグメント利益は原材料価格が低下したものの、国内での減収やプラント建設コストの増加等により、前年同期比15.4%減少して149億円となりました。
③ その他
当部門は各種サービス事業等により構成されております。
当部門の売上高は前年同期比10.0%減の214億円となり、売上高全体の1.6%を占めました。
当部門のセグメント利益は前年同期比4.3%減少して22億円となりました。
(2) 財政状態の分析
資産合計は前連結会計年度末(2019年12月末)比271億円減少して3兆1,123億円となりました。
資産の部では、小売が好調な北米で販売金融が拡大したことにより金融債権が増加しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により生産や出荷が遅れている一方で、ディーラーからの売掛金回収が進んだため、営業債権が大幅に減少しました。
負債の部では、販売金融の拡大により社債及び借入金が増加した一方、営業債務が大きく減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分は、利益の積み上がりはありましたが、為替の変動等に伴うその他の資本の構成要素の悪化や自己株式の取得により微減となりました。親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比0.1ポイント増加して46.1%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは682億円の収入となりました。金融債権の増加に伴う支出の増加や四半期利益の減少等はありましたが、営業債権や棚卸資産の減少により前年同期比315億円の収入増となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは468億円の支出となりました。有価証券の取得による支出は増加しましたが、有形固定資産の取得による支出の減少や有価証券の売却による収入の増加等により前年同期比243億円の支出減となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは56億円の収入となりました。資金調達の増加等により前年同期比489億円の収入増となりました。
これらのキャッシュ・フローに為替レート変動の影響を加えた結果、当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は期首残高から208億円増加して2,205億円となりました。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、対処すべき課題に重要な変更はありません。また、新たに生じた課題もありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発支出は418億円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において新たに確定した重要な設備の新設の計画は次のとおりです。
会社名(所在地)事業別セグメントの名称設備の内容投資予定金額着手及び完了予定
総額既支払額着手完了
グレートプレーンズマニュファクチュアリング,Inc.
(アメリカ カンザス州)
機械小型建設機械の米国製造拠点の設立53
(百万US$)

(百万US$)
2020.82022.9