有価証券報告書-第117期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/27 13:11
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171項目
(1) 経営成績等の状況の概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行したことやインバウンド需要の回復などにより経済活動の正常化が一段と進み、緩やかな回復基調が継続しました。一方で、世界経済は、長期化するウクライナ情勢や中東地域での紛争拡大懸念、それらによる海上コンテナ物流の混乱といった地政学的リスクの高まりもあって、原材料・エネルギー・副資材・物流価格が高騰するなど多くの国々でのインフレ進行が影響し、個人消費が堅調な米国などの一部の国を除き、世界的には景気の減速傾向が続きました。とりわけ中国では不動産危機の深刻化や個人消費の低迷による景気減速感が強く、先行きの不透明な状況が続いております。
ステンレス業界におきましては、当社グループの主要取引先である自動車関連産業において、新車生産台数は回復傾向にあるものの、国内ではサプライチェーン間での部品在庫調整が長引き、海外ではEV化への対応が遅れた日本車の販売低迷や中国の景気減速による影響を受けて需要の回復が大幅に遅れるという状況下で、原材料・エネルギー・副資材・物流などあらゆる費用の高騰が続いているため、引き続き非常に厳しい事業環境となりました。
このような状況のもと、当社グループは、原材料などの諸コスト上昇を反映させた販売価格の是正に取り組むとともに、徹底したコストダウン、生産効率の改善、品質改善などの全社的な収益改善活動による生産コストの低減を進めてまいりましたが、自動車関連製品を中心とした売上高の減少、生産数量の大幅減による固定費負担の影響は非常に厳しいものとなりました。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は前期と比べ1,155百万円 (2.2%)減収の51,411百万円となりました。損益面につきましては、売上高減少に伴う売上総利益の減少や調達価格の高騰による管理費の増加影響などにより、営業損益は1,095百万円の損失(前期は1,273百万円の利益)、経常損益は1,261百万円の損失(前期は1,283百万円の利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、福島工場の自動車駆動部品用高精度異形鋼製品の将来需要見込みの変動に伴う減損損失などを特別損失に計上したものの、本社移転に伴う固定資産の譲渡による固定資産売却益を特別利益に計上したことなどにより、前期に比べ628百万円(68.6%)増益の1,545百万円となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a. みがき帯鋼事業
冷間圧延ステンレス鋼帯につきましては、主力製品である自動車関連用途の国内向けでは、当連結会計年度の下期に入ってようやくサプライチェーン間での在庫調整局面が終了し、需要の回復が見え始めましたが、2024年年初の能登半島地震や自動車メーカーの検査適合性等に関する再検証などの影響を受け、販売数量の回復は限定的となりました。また、海外向けでは、特に当社の主力輸出先である中国で景気低迷が続く中、当社製品のシェアが高い欧米車・日本車の非EV車から中国製のEV車への買い替えが進むなどして販売が低迷したことに加え、現地ステンレスメーカーが低コストを武器にシェアを拡大したこともあり、販売数量が大幅に減少しました。また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣ごもり需要が一巡したことによりデータセンター向けサーバー用ハードディスクや冷却ファン用精密ベアリング、ゲーム機、自動車や家電に使用されるコイン電池などの電子部品関連の回復が先送りとなり、販売が減少しました。一方、メタリック感を活かした黒加飾ステンレス鋼(ファインブラック)は、国内大手自動車メーカーの高級車(SUV・ミニバン)の外装モール用材への採用がさらに拡大し増加しました。外装モール用材は、主としてアルミ製を採用する欧州車に対するステンレス製への切替えや、経済成長による市場拡大が期待されるインド向けで拡大しています。また、コロナ禍の影響を大きく受けた医療機器用途では、一般診療・手術の再開に加え、中国やインドなど海外からの受注も獲得し回復基調となりました。
みがき特殊帯鋼につきましては、自動車関連用途の国内向けでサプライチェーン間での在庫調整局面が終了したことにより需要の回復が見られた一方で、北米市場の政策金利引き上げを受けた住宅販売件数の減少に伴い、主に内装で使用する刃物用途で販売が減少し、全体として販売数量は伸びを欠く結果となりました。
原材料価格やエネルギー・副資材などの製造コストの上昇に対しては、全ての変動要因に対し販売価格へ反映させる指標を策定し、継続的に販売価格の是正を進めています。さらに低収益品の販売価格の是正や高品質差別化製品のエキストラ改定など、付加価値に見合った適正な価格への是正も継続的に進め、収益性の維持に努めましたが、販売数量の大幅な減少による業績の悪化を避けることはできませんでした。
以上の結果、みがき帯鋼事業の売上高は、前期と比べ673百万円(1.6%)減収の41,043百万円、営業損益は418百万円の損失(前期は1,286百万円の利益)となりました。
b. 加工品事業
福島工場取扱製品につきましては、主力製品である自動車駆動部品用高精度異形鋼がEV化の流れを受けて全体の需要を下げているものの、当社のQCD(品質・コスト・納期)が高く評価された結果、客先内でのシェアアップにつながり数量を維持しました。また、半導体装置向けの産業機器製品が堅調に推移したほか、水処理施設向けに独自開発した軽量・高強度の当社フォーミング部材が国の補助制度(住宅省エネ2023キャンペーン)を活用した住宅リフォームに採用され販売数量を伸ばしました。一方、建築関連製品は、国内向けは民間・公共施設とも市場が縮小しており、依然として厳しい状況が継続しています。
岐阜工場取扱製品につきましては、国内外の医療機器、計測機器・分析機器や半導体製造装置向けで、従来の加工技術をさらに細径まで深化させ開発した内面高精度管の受注が拡大しました。自動車関連用途では、内燃機関(ICE)を有する自動車の減産はあるものの、環境対応装置向けやアフターパーツ市場向けで堅調に推移しました。また、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行したことやインバウンド消費の回復に伴う、外食産業向け飲料機器用途の需要も回復しました。一方、北米市場の政策金利引き上げを受けた住宅販売件数の減少に伴い、給湯器向けの需要が低迷しました。
以上の結果、加工品事業の売上高は、前期と比べ482百万円(4.4%)減収の10,367百万円、営業利益は前期と比べ554百万円(49.9%)減益の556百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1,211百万円増加の75,085百万円となりました。
流動資産は、4,253百万円増加の42,551百万円となりました。これは主に、棚卸資産が合計で1,189百万円減少したものの、日本金属本社ビルの売却により現金及び預金が4,000百万円、売上債権が1,744百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
固定資産は、3,042百万円減少の32,533百万円となりました。これは主に、投資有価証券が625百万円増加したものの、日本金属本社ビルの売却、日本金属福島工場の高精度異形鋼製造設備等の減損及び子会社である日金精整テクニックスの一部土地の減損により有形固定資産が3,789百万円減少したこと等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べ1,202百万円減少の48,222百万円となりました。
流動負債は、894百万円減少の30,444百万円となりました。これは主に、未払法人税等が617百万円増加したものの、その他に含まれる設備支払手形及び設備電子記録債務との合計額が1,720百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、307百万円減少の17,777百万円となりました。これは主に、リース債務が84百万円増加したものの、長期借入金が502百万円減少したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ2,413百万円増加の26,863百万円となりました。
株主資本は、1,763百万円増加の18,961百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が1,763百万円増加したこと等によるものであります。
その他の包括利益累計額は、650百万円増加の7,901百万円となりました。これは主に、株価上昇によりその他有価証券評価差額金が441百万円、円安の進行により為替換算調整勘定が242百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の33.1%から2.7ポイント上昇し、35.8%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の3,652.27円から360.65円増加の4,012.92円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収支と投資活動による収支を合わせると、3,993百万円の収入(前期4,230百万円の支出)であり、これに、財務活動による収支を加味すると、3,491百万円の収入(前期2,208百万円の支出)となり、前連結会計年度末に比べ資金は3,840百万円(47.8%)の増加となり、当連結会計年度末には11,875百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、203百万円の支出(前期1,513百万円の支出)となりました。これは主に、売上債権の増加1,639百万円(前期554百万円の減少)があった一方、減価償却費が1,823百万円(前期1,797百万円)、棚卸資産の減少1,412百万円(前期3,976百万円の増加)があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,197百万円の収入(前期2,716百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が2,705百万円(前期4,620百万円の支出)であった一方、有形固定資産の売却による収入7,090百万円(前期26百万円の収入)があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、502百万円の支出(前期2,021百万円の収入)となりました。これは主に、長期借入による収入が5,500百万円(前期6,600百万円の収入)であったのに対し、長期借入金の返済による支出が5,898百万円(前期5,630百万円の支出)であったこと等によるものであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(2) 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業31,771△11.7
加工品事業8,078△4.2
合計39,850△10.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業39,726△6.56,052△17.9
加工品事業10,212△7.1827△15.8
合計49,938△6.66,880△17.6

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業41,043△1.6
加工品事業10,367△4.4
合計51,411△2.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
田島スチール㈱5,99011.45,1149.9

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