有価証券報告書-第118期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/26 15:33
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177項目
(1) 経営成績等の状況の概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、実質賃金の改善やインバウンド消費の拡大など緩やかに持ち直している一方で、物価高騰により個人消費が伸び悩み、建築分野では建設コストの上昇や人材不足による計画の見直しなど不安定な状況が継続いたしました。また、世界経済は、不動産市場や個人消費の停滞などを背景に中国経済での回復が遅れており、ウクライナや中東地域での地政学的リスクの長期化に加え、米国による自動車・鉄鋼製品などへの追加関税政策など、経済の先行きに対する不透明感が増す状況が継続しております。
ステンレス業界におきましては、当社グループの主要な市場である自動車分野において、国内では自動車メーカーの認証問題により自動車生産台数が低迷し、海外では中国市場の停滞や世界的に普及が進むEV化への対応が遅れた日本車の販売が減速するなど、厳しい事業環境が継続いたしました。
このような状況のもと、当社グループでは、原材料、エネルギー、副資材、物流などの高騰する諸コストを適時反映させた販売価格の是正、販売費及び一般管理費を含む事業コストの徹底した削減、生産効率や品質の改善など全社的な収益改善活動を継続してまいりましたが、自動車分野を中心とした需要回復の遅れにより生産・販売数量が大幅に減少した影響をカバーするには至りませんでした。
この結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は前期と比べ112百万円(0.2%)減収の51,298百万円となりました。損益面につきましては、営業損益は189百万円の損失(前期は1,095百万円の損失)、経常損益は474百万円の損失(前期は1,261百万円の損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、遊休地の譲渡による固定資産売却益1,822百万円を計上したものの、本社ビルの譲渡による特別利益として固定資産売却益4,232百万円を計上した前期に比べ841百万円(54.5%)減益の703百万円の利益となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a. みがき帯鋼事業
冷間圧延ステンレス鋼帯につきまして、当社の主力製品である自動車関連用途の国内向けは、下半期からは自動車メーカーの認証問題が解消に向かいましたが、新型車の型式指定の取得に時間がかかるなど新型車の投入がずれ込んだことなどにより、販売が伸びない結果となりました。また、海外向けでは、特に当社の主力輸出先である中国で当社製品のシェアが高い欧米車・日本車の非EV車からEV車、PHV車などの新エネ車へのシフトが進むなど、販売が低迷したことに加え、現地ステンレスメーカーが低コストを武器にシェアをさらに拡大したこともあり、主にモール向けの販売数量が大幅に減少しました。一方で、AIの普及によるデータセンターの拡大でサーバー用ハードディスクや精密ベアリング用途、ゲーム機や自動車、家電で使用されるコイン電池、新型ゲーム機向け機構部品などの電子部品関連の販売が回復しました。また、メタリック感を活かした黒加飾ステンレス鋼(ファインブラック)は、国内大手自動車メーカーの高級車(SUV・ミニバン)の外装モール用材への採用がさらに増加しました。2026年3月期以降、黒加飾ステンレス鋼は新製品のマット調(艶消し)ファインブラック仕様も採用が決定しており、今後さらに数量が拡大する見通しです。その他、医療関連は注射針用材でインスリンや肥満防止薬の注射針用途での需要増に伴うユーザーでの設備増強で、国内及び中国、インド向けで増加しております。当社の独自製品や独自技術に対する国内外の需要家への認知度向上を図るため、既存の販売ルートに加えて、プレスリリースを活用した国内、海外への情報発信を積極的に実施した結果、自動車関連がインドや東南アジア、医療関連が欧州や中国、インド向けに受注を拡大しています。
みがき特殊帯鋼につきましては、ステンレス鋼帯と同様に自動車関連の販売数量が減少しました。また、主に建屋内装で使用する刃物用途で北米市場の政策金利引き上げを受けた住宅販売件数の減少に伴う販売減もあり、全体として販売数量は伸びを欠く結果となりました。
原材料価格やエネルギー・副資材などの製造コストの上昇に対しては、全ての変動要因に対し販売価格へ反映させる指標を策定し、継続的に販売価格の是正に加えて、労務費増や物流費増などについても、国が示す「労務費転嫁の指標」及び「トラック運送事業の新しい標準的運賃」に基づき、販売価格の是正を進めました。さらに低収益品の販売価格の是正や差別化製品のエキストラ改定など、付加価値に見合った価格へ是正を進め、収益の維持に努めましたが、販売数量の大幅な減少による業績の悪化を避けることはできませんでした。
以上の結果、みがき帯鋼事業の売上高は、前期と比べ92百万円(0.2%)増収の41,136百万円、営業損益は601百万円の利益(前期は418百万円の損失)となりました。
b. 加工品事業
福島工場取扱製品につきましては、主力製品である自動車駆動部品用高精度異形鋼が自動車電動化の影響を受けた大幅な需要減を受け販売が減少しました。自動車駆動部品用高精度異形鋼は、需要減を受けた需要家の購買方針の決定を受け、2025年3月期の契約数量販売をもって終息することが決定しております。一方、半導体装置向けの産業機器製品や当社フォーミング部材が国の補助金制度を活用した住宅リフォームに継続採用されていることもあり堅調に推移しました。また型鋼製品は市場が縮小する中で、治水関連やエネルギー(LNG)関連用途などの獲得に加え、当社独自製品である異形鋼(Iバー)の販売が伸びたことで前年同様の販売を維持しました。その他、原材料価格や製造コストの上昇に対しては、鋼帯製品と同様に販売価格の是正を進めました。
岐阜工場取扱製品につきましては、自動車関連で内燃機関(ICE)を有する自動車向け部品の販売減少が継続しましたが、文具向けでは当社ユーザーの製品在庫調整が完了し、受注は回復しております。また、医療機器、計測機器、分析機器や半導体製造装置向けで、従来の加工技術をさらに細径まで深化させ開発した内面高精度管が品質やコスト優位性及び米中貿易摩擦を背景として中国向け引き合いが拡大をしております。その他、生産時に使用する副資材の高騰に対する販売価格の是正も進めました。
以上の結果、加工品事業の売上高は、前期と比べ205百万円(2.0%)減収の10,162百万円、営業利益は前期と比べ241百万円(43.4%)減益の315百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ5,187百万円減少の69,897百万円となりました。
流動資産は、3,858百万円減少の38,693百万円となりました。これは主に、売上債権が2,828百万円、棚卸資産が合計で1,141百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
固定資産は、1,329百万円減少の31,204百万円となりました。これは主に、遊休地の売却等により有形固定資産が896百万円減少したことに加え、繰延税金資産が297百万円、投資有価証券が121百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べ6,181百万円減少の42,040百万円となりました。
流動負債は、1,457百万円減少の28,987百万円となりました。これは主に、短期借入金が1,738百万円増加したものの、仕入債務が2,510百万円、未払法人税等が644百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
固定負債は、4,723百万円減少の13,053百万円となりました。これは主に、長期借入金が4,780百万円減少したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ993百万円増加の27,856百万円となりました。
株主資本は、703百万円増加の19,664百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が703百万円増加したこと等によるものであります。
その他の包括利益累計額は、290百万円増加の8,191百万円となりました。これは主に、土地再評価差額金が88百万円、その他有価証券評価差額金が80百万円それぞれ減少したものの、円安の進行により為替換算調整勘定が412百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の35.8%から4.1ポイント上昇し、39.9%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の4,012.92円から148.48円増加の4,161.40円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収支と投資活動による収支を合わせると、2,917百万円の収入(前期3,993百万円の収入)であり、これに、財務活動による収支を加味すると、269百万円の支出(前期3,491百万円の収入)となり、前連結会計年度末に比べ資金は41百万円(0.3%)の減少となり、当連結会計年度末には11,834百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,209百万円の収入(前期203百万円の支出)となりました。これは主に、売上債権の減少2,947百万円(前期1,639百万円の増加)があった一方、仕入債務の減少2,623百万円(前期519百万円の減少)があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,708百万円の収入(前期4,197百万円の収入)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が1,106百万円(前期2,705百万円の支出)であった一方、有形固定資産の売却による収入2,616百万円(前期7,090百万円の収入)があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、3,187百万円の支出(前期502百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入による収入が2,960百万円(前期20百万円の支出)であったのに対し、長期借入金の返済による支出が6,002百万円(前期5,898百万円の支出)であったこと等によるものであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(2) 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業32,4812.2
加工品事業6,879△14.9
合計39,360△1.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業40,2101.25,126△15.3
加工品事業10,100△1.1765△7.4
合計50,3110.75,892△14.3

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業41,1360.2
加工品事業10,162△2.0
合計51,298△0.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
当連結会計年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
田島スチール㈱5,1149.95,18410.1

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