有価証券報告書-第114期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/29 11:38
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(1) 経営成績等の状況の概要
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、国内外で社会経済活動が抑制される状況が続き、特に上半期において景気は急速に悪化、低調に推移しました。下半期には自動車や産業用機器の一部で需要回復の動きがみられ、景気も緩やかながら改善の兆しが見え始めましたが、変異株の流行や感染の再拡大により経済活動が停滞したままの国・地域もあり、先行き不透明な状況が続いております。
ステンレス業界におきましては、下期には主要需要先である自動車関連製品の需要分野を中心に受注回復の動きが見られるようになりましたが、多くの事業分野で需要低迷や在庫調整などを伴う厳しい事業環境が継続しています。
このような状況のもと、当社グループは、2019年11月に発生した当社板橋工場第三圧延工場火災事故の早期復旧に向けた活動と共に、徹底したコスト低減や生産効率の改善、原材料価格動向の販売価格への適時反映など、全社的な収益改善活動に取り組んでまいりました。また、2020年4月より「第11次経営計画」をスタートさせ、当社の独自技術による将来を見据えた商品の開発に注力してまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による全社的な売上高の減少や、みがき帯鋼事業において、前述の板橋工場第三圧延工場火災事故に伴う代替工程による生産に係るコスト増などにより、業績は大幅に悪化いたしました。
この結果、当連結会計年度の連結業績につきましては、売上高は前期と比べ5,075百万円(11.2%)減収の40,106百万円となりました。損益面につきましては、営業損益は2,386百万円の損失(前期は629百万円の利益)、経常損益は2,454百万円の損失(前期は625百万円の利益)となりました。親会社株主に帰属する当期純損益は、受取保険金2,367百万円などを特別利益に計上する一方、2021年2月に発生した当社板橋工場圧延機の火災事故に係る損失242百万円などを特別損失に計上したこと等により、277百万円の損失(前期に比べ79百万円の損失増)となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
a. みがき帯鋼事業
冷間圧延ステンレス鋼帯につきましては、電子部品関連では生活様式や働き方の変化に伴い、パソコンCPU向け、データセンター向けサーバー関連部品、ゲーム機向け用途などで、板厚厳格、表面厳格などの高精密仕様の製品需要が高まり、増収がありました。医療関連では、注射針用途で国内向けコロナワクチン用の増量がありましたが、一般治療向けは停滞しました。また、自動車用光モール向け製品は、新しい意匠製品としてメタリック感を活かした黒発色ステンレスを開発し、日系自動車メーカー高級車に採用されました。
みがき特殊帯鋼につきましては、CASE関連の新需要として環境車向け駆動系部品で熱処理材の新規受注を獲得するなど、市場変化を捉えた受注開拓を進めております。
しかしながら、冷間圧延ステンレス鋼帯、みがき特殊帯鋼共に、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた多くの事業分野での大幅な販売数量減をカバーするには至らず、減収となりました。
以上の結果、みがき帯鋼事業の売上高は、前期と比べ3,689百万円(10.5%)減収の31,571百万円となりました。セグメント損益は、板橋工場第三圧延工場火災事故に伴う代替工程での生産に係るコスト増の通期にわたる影響(1,900百万円程度と推計)が、減収による収益悪化に加わった結果、営業損益は1,653百万円の損失(前期は996百万円の利益)となりました。
b. 加工品事業
福島工場取扱製品につきましては、自動車駆動部品用高精度異形鋼は、下期に需要回復の動きはあったものの、上期における実需減と在庫調整の影響が大きく、通期では減収となりました。また、異形鋼製品は、自動織機部品の軽量化、耐摩耗ニーズに当社独自鋼種を使用した高強度異形鋼製品を開発し、新規に受注を獲得しましたが、建材向け型鋼製品の需要減が継続した結果、減収となりました。
岐阜工場取扱製品につきましては、医療、計測機器向けでは中国市場などで欧米シームレスパイプから当社ファインパイプへの切替え需要が増えております。また、新たに開発したステンレス鋼とPEEK樹脂の複合管は、従来のカラム用途に加えキャピラリー(毛細管)向けにサイズを拡充し、新規需要の開拓を図りました。しかしながら、自動車、建機向け燃料配管等は、下期には需要の回復があったものの、通期では減収になりました。さらに、海外プラント施工延期の影響で計測器の差圧計配管が、国内飲料機器用途で営業時間短縮の影響を受けビールサーバー熱交換器向けがそれぞれ減収となりました。
以上の結果、加工品事業の売上高は、前期と比べ1,385百万円(14.0%)減収の8,535百万円となりました。セグメント損益は、生産及び検査設備の自動化による生産性向上などに取り組みましたが、減収による収益悪化の影響が大きく、営業損益は前期と比べ399百万円(50.7%)減益の388百万円となりました。
②財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ2,373百万円増加の64,177百万円となりました。
流動資産は、1,184百万円増加の30,978百万円となりました。これは主に、棚卸資産が1,417百万円減少したものの、借入金の増加等により現金及び預金が2,552百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、1,189百万円増加の33,199百万円となりました。これは主に、有形固定資産が878百万円増加したこと等によるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比べ2,401百万円増加の43,702百万円となりました。
流動負債は、1,364百万円増加の25,578百万円となりました。これは主に、短期借入金が1,382百万円増加したこと等によるものであります。
固定負債は、1,036百万円増加の18,123百万円となりました。これは主に、長期借入金が1,086百万円増加したこと等によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べ27百万円減少の20,475百万円となりました。
株主資本は、279百万円減少の13,819百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により利益剰余金が279百万円減少したこと等によるものであります。
その他の包括利益累計額は、251百万円増加の6,656百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金が335百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の33.2%から1.3ポイント低下し、31.9%となりました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の3,062.66円から4.12円減少の3,058.54円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収支と投資活動による収支を合わせると、302百万円の収入(前期810百万円の支出)であり、これに、財務活動による収支を加味すると、2,602百万円の収入(前期247百万円の支出)となり、前連結会計年度末に比べ資金は2,552百万円(41.5%)の増加となり、当連結会計年度末には8,703百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,346百万円の収入(前期1,714百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費が1,676百万円(前期1,600百万円)、棚卸資産の減少が1,391百万円(前期1,121百万円の増加)であり、仕入債務の減少420百万円(前期161百万円の減少)による支出があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,043百万円の支出(前期2,524百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が2,382百万円(前期2,297百万円の支出)であった一方、投資有価証券の売却による収入が494百万円であったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,299百万円の収入(前期562百万円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の純増額が1,110百万円(前期100百万円の収入)、長期借入れによる収入が6,800百万円(前期6,100百万円の収入)であったのに対し、長期借入金の返済による支出が5,441百万円(前期5,260百万円の支出)であったこと等によるものであります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。
(2) 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業25,686△9.9
加工品事業6,611△22.0
合計32,298△12.7

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業29,915△12.64,712△26.0
加工品事業8,618△12.887210.6
合計38,534△12.75,584△22.0

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
みがき帯鋼事業31,571△10.5
加工品事業8,535△14.0
合計40,106△11.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
田島スチール㈱5,41012.05,44113.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

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