有価証券報告書-第72期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、経営方針・経営戦略等の内容については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
日本向け売上高は、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加、高所作業車は横ばいで、1,045億2千7百万円(前連結会計年度比107.7%)となりました。海外向け売上高は、すべての地域で増加し、1,234億2千1百万円(前連結会計年度比135.1%)となりました。この結果、総売上高は過去最高の2,279億4千9百万円(前連結会計年度比121.0%)、海外売上高比率は54.1%となりました。
売上増加の一方で、コストアップや製品構成の変化により売上原価率は悪化、また成長に向けた前向き投資や買収費用もあり販売費及び一般管理費は増加しました。営業利益は156億2千3百万円(前連結会計年度比98.7%)、経常利益は154億6千1百万円(前連結会計年度比99.1%)となりました。特別損失として24億1千6百万円の投資有価証券評価損を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は78億7千6百万円(前連結会計年度比68.7%)となりました。
さて、2018年1月19日に公表しました米国排ガス規制の緩和措置に関する自己申告については、現在、米国当局(環境保護庁・司法省)との協議が進行中です。協議の終了時期は見通せておりませんが、今後、開示が必要な事由が判明しましたら、適時適切に対応いたします。なお、現在は、最も厳しい規制に適合するエンジンを搭載した建設用クレーンのみを販売しており、北米での販売に影響は出ておりません。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。なお、セグメント別の売上高については、セグメント間の取引を含めて記載しております。
①日本
日本向けは、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加、高所作業車は横ばいで、売上は増加しました。また、海外向けも増加し、その結果、売上高は1,614億5千4百万円(前連結会計年度比106.6%)、営業利益は170億4千8百万円(前連結会計年度比108.4%)となりました。
②欧州
建設用クレーン売上は、Demagブランドのクレーン事業買収によりドイツ子会社タダノ・デマーグGmbHを含む欧州7社を連結した結果、売上高は685億5千3百万円(前連結会計年度比159.5%)となりました。同社の損失とドイツ子会社タダノ・ファウンGmbHの新モデル移行や品質対応に伴うコスト増により、営業損失は47億2百万円(前連結会計年度は11億2千3百万円の営業損失)となりました。
③米州
建設用クレーンの需要が増加する中、拡販に注力し、売上高は591億3千7百万円(前連結会計年度比143.0%)、営業利益は37億1千9百万円(前連結会計年度比243.2%)となりました。
④その他
建設用クレーン需要が増加し、売上高は162億2千6百万円(前連結会計年度比105.6%)となりました。インド子会社タダノ・エスコーツ・インディアPvt. Ltd.の立ち上げもあり、営業損失は1千4百万円(前連結会計年度は2億9千4百万円の営業利益)となりました。
主要品目別の状況は次のとおりです。
①建設用クレーン
日本向け売上は、需要は横ばいの中、大型機種の拡販に取り組み、478億3千3百万円(前連結会計年度比113.2%)となりました。
海外向け売上は、すべての地域で増加し、1,029億8千4百万円(前連結会計年度比136.8%)となりました。
この結果、建設用クレーンの売上高は1,508億1千8百万円(前連結会計年度比128.3%)となりました。
②車両搭載型クレーン
日本向け売上は、安全装置法制化と小型トラックの排ガス規制による駆け込み需要が年度前半で終息しましたが、拡販に注力し、202億9千2百万円(前連結会計年度比108.8%)となりました。
海外向け売上は、拡販に注力したものの、18億7千万円(前連結会計年度比93.1%)となりました。
この結果、車両搭載型クレーンの売上高は221億6千2百万円(前連結会計年度比107.2%)となりました。
③高所作業車
高所作業車の売上高は、小型トラックの排ガス規制による駆け込み需要が年度前半で終息し、179億8千6百万円(前連結会計年度比98.2%)となりました。
④その他
部品、修理、中古車等のその他の売上高は、369億8千2百万円(前連結会計年度比115.9%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(提出会社)
(タダノ・ファウンGmbH、タダノ・デマーグGmbH)
(タダノ・マンティスCorp.)
(注)1 生産金額は販売価格で表示しております。
2 当連結会計年度の欧州セグメントにおける生産実績に著しい変動がありました。これは、タダノ・デマーグGmbHを連結子会社化したこと等によるものです。
②受注実績
当社グループは、受注見込による生産方式をとっているため、該当事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度の欧州セグメントにおける販売実績に著しい変動がありました。これは、タダノ・デマーグGmbHを連結子会社化したこと等によるものです。
3 当連結会計年度の米州セグメントにおける販売実績に著しい変動がありました。これは、連結子会社であるタダノ・アメリカCorp.による、Demag事業譲受等によるものです。
新型コロナウイルス感染症は、経済及び事業活動に広範な影響を与える事象であり、今後の広がり方や収束時期について予想を行うことは困難であります。そのような中、当社グループとしては、現時点の段階で、クレーン需要について、本感染症が収束した際には比較的早く回復するものと考えており、その収束後においても従来の需要構造が大きく変わることはないとの想定をしております。
一方で、世界経済に与える影響としては、リーマンショック以上のインパクトがあり、その影響が長期化することを想定した上での準備を進めております。キャッシュフロー経営へのシフトをはじめ、在庫の削減、経費削減や投資の抑制などに一層注力していきますが、技術研究や開発などへの必要な投資は今後も継続してまいります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 3.連結子会社の事業年度等に関する事項」に記載のとおり、当社グループの海外連結子会社(インド所在のタダノ・エスコーツ・インディアPvt. Ltd.及びタダノ・インディアPvt. Ltd.を除く)の決算日は12月31日、その他の連結子会社の決算日は3月31日となっており、本感染症が当連結会計年度に与える影響は軽微であります。
また、現時点での当社グループへの主な影響は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態
(資産)
総資産は、3,120億4千7百万円(前連結会計年度比562億5千3百万円増)となりました。主な要因は、現金及び預金の減少88億7千6百万円や建設仮勘定の減少98億5千2百万円があったものの、受取手形及び売掛金の増加129億9千万円、たな卸資産の増加347億円及び、建物及び構築物の増加122億3千8百万円があったことによるものです。
(負債)
負債は、1,524億3千7百万円(前連結会計年度比516億6千9百万円増)となりました。主な要因は、電子記録債務の減少25億4千万円があったものの、その他流動負債の増加39億1千2百万円、社債の増加300億円及び、退職給付に係る負債の増加94億4百万円があったことによるものです。
(純資産)
純資産は、1,596億9百万円(前連結会計年度比45億8千3百万円増)となりました。主な要因は、利益剰余金の増加44億5千7百万円があったことによるものです。
なおDemag事業の連結による主な内訳として、ドイツ子会社タダノ・デマーグGmbHの受取手形及び売掛金72億2千6百万円、たな卸資産270億8千1百万円、有形固定資産28億3千6百万円、支払手形及び買掛金61億5千3百万円、退職給付に係る負債93億5百万円等が増加要因として含まれております。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ87億5千5百万円減少し、569億9千7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によって使用された資金は29億8千2百万円(前連結会計年度比54億9千7百万円減)となりました。主な要因は、増加要因として税金等調整前当期純利益の計上135億4百万円や減価償却費の計上41億4千7百万円があったものの、減少要因として売上債権の増加54億5千9百万円やたな卸資産の増加62億2千4百万円に加え、仕入債務の減少71億4千9百万円や法人税等の支払額68億6千1百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によって使用された資金は315億4千3百万円(前連結会計年度比144億9千万円支出増)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得119億8百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得147億7千8百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によって得られた資金は259億5千4百万円(前連結会計年度比316億7千2百万円支出減)となりました。主な要因は、減少要因として配当金の支払額34億1千9百万円があったものの、増加要因として社債の発行による収入300億円があったことによるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
また、この連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定にあたり、経営者の見積りや仮定を含んでおります。これらの見積りや仮定は、過去の実績や決算日において合理的であると考えられる様々な要素を勘案し、経営者が判断した結果に基づいております。加えて、継続的な見直しも行なっております。しかしながら、実際には、これらの見積りや仮定とは異なるものとなる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えると考えられる見積りや仮定を含む項目は以下のとおりです。なお、新型コロナウイルス感染症が、当社グループの会計上の見積りに与える影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(有形固定資産及び無形固定資産)
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産について、減損の兆候がある場合に減損の判定を行っております。減損判定の契機としては、過去の業績や事業計画と比較して業績の大幅な悪化が見込まれる場合、市場や業界トレンドに大きな変動がある場合、資産の用途やそれらを用いる事業の見直しを行う場合等があります。減損については、公正価値と帳簿価額を比較し、公正価値が帳簿価額を下回っている場合に減損損失を計上しておりますが、公正価値の評価にあたり用いる見積りや仮定が将来的に変化した場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
(法人税等)
当社グループは、財務諸表上の資産及び負債の計上額と税務上の金額との間に生じる差異について、将来発生すると見込まれる課税所得の範囲において、その差異が解消されると見込まれる期間に適用される法定実効税率を使用し、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の解消については、将来の課税所得の見積りによるところが大きく、その課税所得の見積りが変動する場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付)
当社グループでは、当社、国内子会社及び一部の海外子会社で確定給付型の退職給付制度を設けております。確定給付制度の債務について、その現在価値や関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しており、割引率や長期期待運用収益率等、基礎率についての見積りが必要になります。当社グループでは、外部の年金数理人からの意見も踏まえ、適切な見積りと判断を行っておりますが、将来の経済状況によりその仮定が変動する場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載のとおりであります。
(財政状態及びキャッシュフローの状況)
当連結会計年度の財政状態の状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態」に記載のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により、資金調達を行うことを基本方針としております。自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全指標、ROEなどを注視する一方で、資金調達コストの低減や金利変動のリスクも勘案した上で、最適な調達方法を選択しております。また、日本国内の各拠点においては、グループ内の余剰資金を活用するために、キャッシュマネジメントシステムを導入し、資金効率の向上に努めております。加えて、金融機関とはコミットメントライン契約を結んでおり、高水準な現預金と併せて、流動性を確保しております。
2019年度は、香西工場の建設、Demag事業の買収を行いました。2020年度については、大きな資本的支出は予定しておりませんが、引き続き「LE世界No.1」を目指し、「四拍子そろったメーカー(商品力・製品品質・部品を含めたサービス力・中古車価値)」になるための設備投資・投融資等に手元資金を活用し、持続的成長と企業価値向上を図ってまいります。
また、複雑・高速・極端に変化する時代にあるとの認識に立ち、不測の事態への備えも意識しながら、今後も資金の流動性を確保してまいります。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
2017年度(第70期)をスタートとした「中期経営計画(17-19)」では、「『強い会社』に(赤い矢印に集中)」を基本方針として、3つの重点テーマ実現のために、9つの戦略に取組んでまいりました。
なお、その進捗を計る指標として、売上高、海外売上高比率、営業利益、営業利益率、ROA(総資産営業利益率)、たな卸資産回転率を定め、中計最終年度の2019年度(第72期)においては、売上高は2,400億円、海外売上高比率は60.0%(海外売上高1,440億円)、営業利益は360億円、営業利益率は15.0%、ROAは13.0%、たな卸資産回転率は4.8回転を、それぞれ数値目標として掲げておりました。
各種指標の推移は以下のとおりです。
「中期経営計画(17-19)」の期間においては、2017年度(第70期)に建設用クレーンの海外需要が底打ちし、回復する中で、大型新機種の市場投入やシェアアップを行い、業績の向上を図ってまいりました。日本や北米でシェアアップする一方で、中国メーカーの低価格攻勢と距離を置いたこともあり、中東とアジアではシェアが低下しました。最終年度となる2019年度(第72期)については、前年度に比較し、増収減益の結果となりました。海外売上高比率は、最終年度の目標60.0%に対し、54.1%にとどまったものの、Demag事業買収により、今後の長期目標達成に向けた道筋をつけることができました。また、ROS(売上高営業利益率)は6.9%、ROA(総資産営業利益率)は5.5%となり、目標のROS15.0%、ROA13.0%を下回りました。
2020年度(第73期)をスタートとする「中期経営計画(20-22)」は、「誇れる企業を目指して(赤い矢印に集中)」を基本方針として、4つの重点テーマ実現のために、8つの戦略に取り組んでまいります。4つの重点テーマと8つの戦略につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標と対処すべき課題」に記載のとおりであります。数値目標につきましては、現時点新型コロナウイルスの感染拡大が事業活動及び経営成績に与える影響により、適正かつ合理的な算定が困難であることから、開示しておりません。なお、今後算定が可能になった時点で速やかに開示します。
なお、経営方針・経営戦略等の内容については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
日本向け売上高は、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加、高所作業車は横ばいで、1,045億2千7百万円(前連結会計年度比107.7%)となりました。海外向け売上高は、すべての地域で増加し、1,234億2千1百万円(前連結会計年度比135.1%)となりました。この結果、総売上高は過去最高の2,279億4千9百万円(前連結会計年度比121.0%)、海外売上高比率は54.1%となりました。
売上増加の一方で、コストアップや製品構成の変化により売上原価率は悪化、また成長に向けた前向き投資や買収費用もあり販売費及び一般管理費は増加しました。営業利益は156億2千3百万円(前連結会計年度比98.7%)、経常利益は154億6千1百万円(前連結会計年度比99.1%)となりました。特別損失として24億1千6百万円の投資有価証券評価損を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は78億7千6百万円(前連結会計年度比68.7%)となりました。
さて、2018年1月19日に公表しました米国排ガス規制の緩和措置に関する自己申告については、現在、米国当局(環境保護庁・司法省)との協議が進行中です。協議の終了時期は見通せておりませんが、今後、開示が必要な事由が判明しましたら、適時適切に対応いたします。なお、現在は、最も厳しい規制に適合するエンジンを搭載した建設用クレーンのみを販売しており、北米での販売に影響は出ておりません。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。なお、セグメント別の売上高については、セグメント間の取引を含めて記載しております。
①日本
日本向けは、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加、高所作業車は横ばいで、売上は増加しました。また、海外向けも増加し、その結果、売上高は1,614億5千4百万円(前連結会計年度比106.6%)、営業利益は170億4千8百万円(前連結会計年度比108.4%)となりました。
②欧州
建設用クレーン売上は、Demagブランドのクレーン事業買収によりドイツ子会社タダノ・デマーグGmbHを含む欧州7社を連結した結果、売上高は685億5千3百万円(前連結会計年度比159.5%)となりました。同社の損失とドイツ子会社タダノ・ファウンGmbHの新モデル移行や品質対応に伴うコスト増により、営業損失は47億2百万円(前連結会計年度は11億2千3百万円の営業損失)となりました。
③米州
建設用クレーンの需要が増加する中、拡販に注力し、売上高は591億3千7百万円(前連結会計年度比143.0%)、営業利益は37億1千9百万円(前連結会計年度比243.2%)となりました。
④その他
建設用クレーン需要が増加し、売上高は162億2千6百万円(前連結会計年度比105.6%)となりました。インド子会社タダノ・エスコーツ・インディアPvt. Ltd.の立ち上げもあり、営業損失は1千4百万円(前連結会計年度は2億9千4百万円の営業利益)となりました。
主要品目別の状況は次のとおりです。
①建設用クレーン
日本向け売上は、需要は横ばいの中、大型機種の拡販に取り組み、478億3千3百万円(前連結会計年度比113.2%)となりました。
海外向け売上は、すべての地域で増加し、1,029億8千4百万円(前連結会計年度比136.8%)となりました。
この結果、建設用クレーンの売上高は1,508億1千8百万円(前連結会計年度比128.3%)となりました。
②車両搭載型クレーン
日本向け売上は、安全装置法制化と小型トラックの排ガス規制による駆け込み需要が年度前半で終息しましたが、拡販に注力し、202億9千2百万円(前連結会計年度比108.8%)となりました。
海外向け売上は、拡販に注力したものの、18億7千万円(前連結会計年度比93.1%)となりました。
この結果、車両搭載型クレーンの売上高は221億6千2百万円(前連結会計年度比107.2%)となりました。
③高所作業車
高所作業車の売上高は、小型トラックの排ガス規制による駆け込み需要が年度前半で終息し、179億8千6百万円(前連結会計年度比98.2%)となりました。
④その他
部品、修理、中古車等のその他の売上高は、369億8千2百万円(前連結会計年度比115.9%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(提出会社)
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年比(%) |
| 日本 | 142,972 | 103.5 |
| 合計 | 142,972 | 103.5 |
(タダノ・ファウンGmbH、タダノ・デマーグGmbH)
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年比(%) |
| 欧州 | 60,984 | 180.8 |
| 合計 | 60,984 | 180.8 |
(タダノ・マンティスCorp.)
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年比(%) |
| 米州 | 5,137 | 99.7 |
| 合計 | 5,137 | 99.7 |
(注)1 生産金額は販売価格で表示しております。
2 当連結会計年度の欧州セグメントにおける生産実績に著しい変動がありました。これは、タダノ・デマーグGmbHを連結子会社化したこと等によるものです。
②受注実績
当社グループは、受注見込による生産方式をとっているため、該当事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年比(%) |
| 日本 | 121,414 | 109.6 |
| 欧州 | 32,074 | 146.7 |
| 米州 | 58,708 | 144.2 |
| その他 | 15,753 | 104.1 |
| 合計 | 227,949 | 121.0 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 当連結会計年度の欧州セグメントにおける販売実績に著しい変動がありました。これは、タダノ・デマーグGmbHを連結子会社化したこと等によるものです。
3 当連結会計年度の米州セグメントにおける販売実績に著しい変動がありました。これは、連結子会社であるタダノ・アメリカCorp.による、Demag事業譲受等によるものです。
新型コロナウイルス感染症は、経済及び事業活動に広範な影響を与える事象であり、今後の広がり方や収束時期について予想を行うことは困難であります。そのような中、当社グループとしては、現時点の段階で、クレーン需要について、本感染症が収束した際には比較的早く回復するものと考えており、その収束後においても従来の需要構造が大きく変わることはないとの想定をしております。
一方で、世界経済に与える影響としては、リーマンショック以上のインパクトがあり、その影響が長期化することを想定した上での準備を進めております。キャッシュフロー経営へのシフトをはじめ、在庫の削減、経費削減や投資の抑制などに一層注力していきますが、技術研究や開発などへの必要な投資は今後も継続してまいります。
なお、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 3.連結子会社の事業年度等に関する事項」に記載のとおり、当社グループの海外連結子会社(インド所在のタダノ・エスコーツ・インディアPvt. Ltd.及びタダノ・インディアPvt. Ltd.を除く)の決算日は12月31日、その他の連結子会社の決算日は3月31日となっており、本感染症が当連結会計年度に与える影響は軽微であります。
また、現時点での当社グループへの主な影響は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境」に記載のとおりであります。
(2) 財政状態
(資産)
総資産は、3,120億4千7百万円(前連結会計年度比562億5千3百万円増)となりました。主な要因は、現金及び預金の減少88億7千6百万円や建設仮勘定の減少98億5千2百万円があったものの、受取手形及び売掛金の増加129億9千万円、たな卸資産の増加347億円及び、建物及び構築物の増加122億3千8百万円があったことによるものです。
(負債)
負債は、1,524億3千7百万円(前連結会計年度比516億6千9百万円増)となりました。主な要因は、電子記録債務の減少25億4千万円があったものの、その他流動負債の増加39億1千2百万円、社債の増加300億円及び、退職給付に係る負債の増加94億4百万円があったことによるものです。
(純資産)
純資産は、1,596億9百万円(前連結会計年度比45億8千3百万円増)となりました。主な要因は、利益剰余金の増加44億5千7百万円があったことによるものです。
なおDemag事業の連結による主な内訳として、ドイツ子会社タダノ・デマーグGmbHの受取手形及び売掛金72億2千6百万円、たな卸資産270億8千1百万円、有形固定資産28億3千6百万円、支払手形及び買掛金61億5千3百万円、退職給付に係る負債93億5百万円等が増加要因として含まれております。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ87億5千5百万円減少し、569億9千7百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によって使用された資金は29億8千2百万円(前連結会計年度比54億9千7百万円減)となりました。主な要因は、増加要因として税金等調整前当期純利益の計上135億4百万円や減価償却費の計上41億4千7百万円があったものの、減少要因として売上債権の増加54億5千9百万円やたな卸資産の増加62億2千4百万円に加え、仕入債務の減少71億4千9百万円や法人税等の支払額68億6千1百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によって使用された資金は315億4千3百万円(前連結会計年度比144億9千万円支出増)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得119億8百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得147億7千8百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によって得られた資金は259億5千4百万円(前連結会計年度比316億7千2百万円支出減)となりました。主な要因は、減少要因として配当金の支払額34億1千9百万円があったものの、増加要因として社債の発行による収入300億円があったことによるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
| 第68期 | 第69期 | 第70期 | 第71期 | 第72期 | ||
| 自己資本比率 | (%) | 57.0 | 61.8 | 60.9 | 60.2 | 50.8 |
| 時価ベースの自己資本比率 | (%) | 56.2 | 71.6 | 82.2 | 52.0 | 31.4 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率 | (年) | 1.9 | 11.3 | 1.1 | 12.0 | ― |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ | (倍) | 40.4 | 7.6 | 66.3 | 6.8 | ― |
| (注) | 自己資本比率:(純資産-非支配株主持分)/総資産 |
| 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産 | |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー | |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い | |
| ※ | 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。 |
| ※ | 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。 |
| ※ | 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 |
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
また、この連結財務諸表は、収益及び費用、資産及び負債の測定にあたり、経営者の見積りや仮定を含んでおります。これらの見積りや仮定は、過去の実績や決算日において合理的であると考えられる様々な要素を勘案し、経営者が判断した結果に基づいております。加えて、継続的な見直しも行なっております。しかしながら、実際には、これらの見積りや仮定とは異なるものとなる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えると考えられる見積りや仮定を含む項目は以下のとおりです。なお、新型コロナウイルス感染症が、当社グループの会計上の見積りに与える影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(有形固定資産及び無形固定資産)
当社グループは、有形固定資産及び無形固定資産について、減損の兆候がある場合に減損の判定を行っております。減損判定の契機としては、過去の業績や事業計画と比較して業績の大幅な悪化が見込まれる場合、市場や業界トレンドに大きな変動がある場合、資産の用途やそれらを用いる事業の見直しを行う場合等があります。減損については、公正価値と帳簿価額を比較し、公正価値が帳簿価額を下回っている場合に減損損失を計上しておりますが、公正価値の評価にあたり用いる見積りや仮定が将来的に変化した場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
(法人税等)
当社グループは、財務諸表上の資産及び負債の計上額と税務上の金額との間に生じる差異について、将来発生すると見込まれる課税所得の範囲において、その差異が解消されると見込まれる期間に適用される法定実効税率を使用し、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の解消については、将来の課税所得の見積りによるところが大きく、その課税所得の見積りが変動する場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付)
当社グループでは、当社、国内子会社及び一部の海外子会社で確定給付型の退職給付制度を設けております。確定給付制度の債務について、その現在価値や関連する勤務費用等は、数理計算上の仮定に基づいて算定しており、割引率や長期期待運用収益率等、基礎率についての見積りが必要になります。当社グループでは、外部の年金数理人からの意見も踏まえ、適切な見積りと判断を行っておりますが、将来の経済状況によりその仮定が変動する場合には、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載のとおりであります。
(財政状態及びキャッシュフローの状況)
当連結会計年度の財政状態の状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態」に記載のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入及び社債の発行等により、資金調達を行うことを基本方針としております。自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全指標、ROEなどを注視する一方で、資金調達コストの低減や金利変動のリスクも勘案した上で、最適な調達方法を選択しております。また、日本国内の各拠点においては、グループ内の余剰資金を活用するために、キャッシュマネジメントシステムを導入し、資金効率の向上に努めております。加えて、金融機関とはコミットメントライン契約を結んでおり、高水準な現預金と併せて、流動性を確保しております。
2019年度は、香西工場の建設、Demag事業の買収を行いました。2020年度については、大きな資本的支出は予定しておりませんが、引き続き「LE世界No.1」を目指し、「四拍子そろったメーカー(商品力・製品品質・部品を含めたサービス力・中古車価値)」になるための設備投資・投融資等に手元資金を活用し、持続的成長と企業価値向上を図ってまいります。
また、複雑・高速・極端に変化する時代にあるとの認識に立ち、不測の事態への備えも意識しながら、今後も資金の流動性を確保してまいります。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
2017年度(第70期)をスタートとした「中期経営計画(17-19)」では、「『強い会社』に(赤い矢印に集中)」を基本方針として、3つの重点テーマ実現のために、9つの戦略に取組んでまいりました。
なお、その進捗を計る指標として、売上高、海外売上高比率、営業利益、営業利益率、ROA(総資産営業利益率)、たな卸資産回転率を定め、中計最終年度の2019年度(第72期)においては、売上高は2,400億円、海外売上高比率は60.0%(海外売上高1,440億円)、営業利益は360億円、営業利益率は15.0%、ROAは13.0%、たな卸資産回転率は4.8回転を、それぞれ数値目標として掲げておりました。
各種指標の推移は以下のとおりです。
| 項目 | 第68期 | 第69期 | 第70期 | 第71期 | 第72期 |
| 売上高 | 2,094億円 | 1,796億円 | 1,737億円 | 1,884億円 | 2,279億円 |
| 内)日本 | 1,049億円 | 1,022億円 | 975億円 | 970億円 | 1,045億円 |
| 内)海外 | 1,044億円 | 774億円 | 761億円 | 913億円 | 1,234億円 |
| 海外売上高比率 | 49.9% | 43.1% | 43.8% | 48.5% | 54.1% |
| 営業利益 | 310億円 | 184億円 | 155億円 | 158億円 | 156億円 |
| 営業利益率 | 14.8% | 10.3% | 8.9% | 8.4% | 6.9% |
| ROA(営業利益/総資産) | 13.5% | 7.9% | 6.5% | 6.3% | 5.5% |
| たな卸資産回転率 | 3.9回転 | 3.3回転 | 3.2回転 | 3.0回転 | 2.7回転 |
「中期経営計画(17-19)」の期間においては、2017年度(第70期)に建設用クレーンの海外需要が底打ちし、回復する中で、大型新機種の市場投入やシェアアップを行い、業績の向上を図ってまいりました。日本や北米でシェアアップする一方で、中国メーカーの低価格攻勢と距離を置いたこともあり、中東とアジアではシェアが低下しました。最終年度となる2019年度(第72期)については、前年度に比較し、増収減益の結果となりました。海外売上高比率は、最終年度の目標60.0%に対し、54.1%にとどまったものの、Demag事業買収により、今後の長期目標達成に向けた道筋をつけることができました。また、ROS(売上高営業利益率)は6.9%、ROA(総資産営業利益率)は5.5%となり、目標のROS15.0%、ROA13.0%を下回りました。
2020年度(第73期)をスタートとする「中期経営計画(20-22)」は、「誇れる企業を目指して(赤い矢印に集中)」を基本方針として、4つの重点テーマ実現のために、8つの戦略に取り組んでまいります。4つの重点テーマと8つの戦略につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)中長期的な会社の経営戦略、目標とする経営指標と対処すべき課題」に記載のとおりであります。数値目標につきましては、現時点新型コロナウイルスの感染拡大が事業活動及び経営成績に与える影響により、適正かつ合理的な算定が困難であることから、開示しておりません。なお、今後算定が可能になった時点で速やかに開示します。