有価証券報告書-第71期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/26 9:00
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当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出・生産が弱含み、企業収益は改善に足踏みが見られますが、設備投資は増加、個人消費が持ち直し、景気は緩やかに回復しました。米国経済は回復持続、欧州経済は緩やかに回復、新興国では中国経済に減速が見られました。一方で、米中貿易戦争、英国EU離脱問題、点在する地政学的リスク等もあり、極めて不透明な状況が続いております。
私どもの業界は、日本では、東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要や復旧復興・防災減災・インフラ老朽化対策・民間建設投資等により稼働は堅調に推移しました。大型ラフテレーンクレーンの需要が増加した一方で、ミニラフテレーンクレーンの排ガス規制駆け込み需要の反動減もあり、全体として需要は減少しました。海外では、機種別・地域別にばらつきはあるものの、需要は回復基調となりました。
このような経営環境のなか、当社グループは、国内外で引続き新モデルを投入し、販売価格の維持とストックビジネスに注力しました。加えて、原価低減を推進しました。
また、長期目標である LE(Lifting Equipment)世界 No.1達成に向け、積極的な投資活動を行っております。
「人と機械が調和し、次世代につながるスマート工場」をコンセプトに、高松市内に建設中の香西工場は、本年8月に稼働開始予定です。
昨年12月、インドEscorts社と、インド市場向け製品の開発・製造・販売を目的として、合弁会社(Tadano Escorts India Private Ltd.)を設立しました。インド市場での当社製クレーンの販売拡大のみならず、現地での設計・ものづくりによる競争力強化に取り組んでまいります。
本年2月、米国Terex社と、同社が所有するDemag ブランドのクレーン事業(本拠地ドイツ)の株式取得等に関する契約を締結しました。同事業の買収により、新たにクローラクレーンを当社グループの製品ラインナップに加えるとともに、オールテレーンクレーン事業の更なる拡充を図ることで、幅広いお客様ニーズに対応することが可能になります。なお、買収完了は本年7月を予定しております。
日本向け売上高は、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加、高所作業車が減少し、970億6千9百万円(前連結会計年度比99.5%)となりました。海外向け売上高は、中東向け売上は大幅に減少しましたが、中東を除くすべての地域で売上が増加し、913億8千1百万円(前連結会計年度比120.0%)となりました。この結果、総売上高は1,884億5千1百万円(前連結会計年度比108.5%)、海外売上高比率は48.5%となりました。
売上は増加しましたが、コストアップや製品構成の変化により売上原価率は悪化、また成長に向けた前向き投資もあり販売費及び一般管理費は増加しました。結果、営業利益は158億3千5百万円(前連結会計年度比102.1%)、経常利益は156億4百万円(前連結会計年度比104.7%)となりました。特別利益として6億8千8百万円の投資有価証券売却益を計上したため、親会社株主に帰属する当期純利益は114億6千2百万円(前連結会計年度比122.1%)となりました。
さて、昨年1月19日に公表しました米国排ガス規制の緩和措置に関する自己申告については、今後、米国当局(環境保護庁・司法省)との協議が進められていく予定です。協議の終了時期は見通せておりませんが、今後、開示が必要な事由が判明しましたら、適時適切に対応いたします。なお、現在は、最も厳しい規制に適合するエンジンを搭載した建設用クレーンのみを販売しており、北米での販売に影響は出ておりません。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。なお、セグメント別の売上高については、セグメント間の取引を含めて記載しております。
①日本
日本向けは、高所作業車が減少したものの、建設用クレーン・車両搭載型クレーンが増加し、売上は増加しました。また、海外向けも増加し、その結果、売上高は1,515億9百万円(前連結会計年度比107.5%)、営業利益は157億2千3百万円(前連結会計年度比101.0%)となりました。
②欧州
建設用クレーン売上は欧州域内・欧州域外が共に増加し、売上高は429億8千7百万円(前連結会計年度比116.9%)、新モデル移行や品質対応に伴うコスト増により、営業損失は11億2千3百万円(前連結会計年度は2億7千7百万円の営業損失)となりました。
③米州
北米でのラフテレーンクレーンの需要回復が鮮明になるなか、新規顧客開拓にも注力した結果、売上高は413億6千6百万円(前連結会計年度比138.6%)、営業利益は15億2千9百万円(前連結会計年度は2億4千4百万円の営業損失)となりました。
④その他
建設用クレーン需要が増加し、売上高は153億7千万円(前連結会計年度比124.2%)、営業利益は2億9千4百万円(前連結会計年度は4千4百万円の営業損失)となりました。
主要品目別の状況は次のとおりです。
①建設用クレーン
日本向け売上は、需要が減少するなか、新モデルを中心とした大型機種の増販に取り組み、422億5千万円(前連結会計年度比110.7%)となりました。
海外向け売上は、中東向け売上は大幅に減少しましたが、中東を除くすべての地域で売上が増加し、753億6百万円(前連結会計年度比123.8%)となりました。
この結果、建設用クレーンの売上高は1,175億5千6百万円(前連結会計年度比118.7%)となりました。
②車両搭載型クレーン
日本向け売上は、安全装置法制化と小型トラックの排ガス規制による駆け込み需要により、186億5千8百万円(前連結会計年度比103.8%)となりました。
海外向け売上は、東南アジア・中東向け販売体制を強化し、20億8百万円(前連結会計年度比117.7%)となりました。
この結果、車両搭載型クレーンの売上高は206億6千7百万円(前連結会計年度比105.0%)となりました。
③高所作業車
インフラ点検補修用途のニーズを背景にしたレンタル業界向け売上が一巡、電力電工向け、通信業界向けも売上が減少し、高所作業車の売上高は、183億2千万円(前連結会計年度比74.2%)となりました。
④その他
部品、修理、中古車等のその他の売上高は、319億7百万円(前連結会計年度比105.2%)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(提出会社)
セグメントの名称金額(百万円)前年比(%)
日本138,113114.6
合計138,113114.6

(タダノ・ファウンGmbH)
セグメントの名称金額(百万円)前年比(%)
欧州33,725110.9
合計33,725110.9

(タダノ・マンティスCorp.)
セグメントの名称金額(百万円)前年比(%)
米州5,153151.4
合計5,153151.4

(注) 生産金額は販売価格で表示しております。
②受注実績
当社グループは、受注見込による生産方式をとっているため、該当事項はありません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年比(%)
日本110,74096.4
欧州21,870125.5
米州40,700137.6
その他15,139128.7
合計188,451108.5

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 財政状態
(資産)
総資産は、2,557億9千3百万円(前連結会計年度比102億9千1百万円増)となりました。主な要因は、現金及び預金の減少209億2百万円があったものの、建設仮勘定の増加112億6千6百万円、たな卸資産の増加82億4百万円及び、受取手形及び売掛金の増加47億3百万円があったことによるものです。
(負債)
負債は、1,007億6千8百万円(前連結会計年度比53億1千1百万円増)となりました。主な要因は、短期借入金の減少79億6千5百万円があったものの、支払手形及び買掛金の増加45億6千7百万円や長期借入金の増加43億6千万円があったことによるものです。
(純資産)
純資産は、1,550億2千5百万円(前連結会計年度比49億8千万円増)となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金の減少22億3千2百万円や為替換算調整勘定の減少15億5千4百万円があったものの、利益剰余金の増加81億7千万円があったことによるものです。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ208億7千1百万円減少し、657億5千3百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によって得られた資金は25億1千5百万円(前連結会計年度比275億円減)となりました。主な要因は、減少要因としてたな卸資産の増加93億2百万円、売上債権の増加54億9千2百万円及び、法人税等の支払額44億4千1百万円があったものの、増加要因として税金等調整前当期純利益の計上162億1千8百万円、仕入債務の増加56億5千万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によって使用された資金は170億5千2百万円(前連結会計年度比131億1千万円支出増)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得125億1千8百万円や投資有価証券の取得38億6千1百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によって使用された資金は57億1千7百万円(前連結会計年度比22億7千4百万円支出減)となりました。主な要因は、増加要因として長期借入金の増加62億円があったものの、減少要因として長期借入金の返済68億円、短期借入金の減少20億7千7百万円や配当金の支払額32億9千2百万円があったことによるものです。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
第67期第68期第69期第70期第71期
自己資本比率(%)54.357.061.860.960.2
時価ベースの自己資本比率(%)91.556.271.682.252.0
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率
(年)1.91.911.31.112.0
インタレスト・
カバレッジ・レシオ
(倍)32.140.47.666.36.8

(注)自己資本比率:(純資産-非支配株主持分)/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績」に記載のとおりであります。
(財政状態及びキャッシュフローの状況)
当連結会計年度の財政状態の状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)財政状態」に記載のとおりであります。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用、金融機関からの借入および社債の発行等により、資金調達を行うことを基本方針としております。自己資本比率やD/Eレシオ等の財務健全指標、ROEなどを注視する一方で、資金調達コストの低減や金利変動のリスクも勘案した上で、最適な調達方法を選択しております。また、日本国内の各拠点においては、グループ内の余剰資金を活用するために、キャッシュマネジメントシステムを導入し、資金効率の向上に努めております。
また、金融機関とはコミットメントライン契約を結んでおり、高水準な現預金と併せて、流動性を確保しております。
今後の重要な資本的支出の予定として、香西工場の建設があります。2017年11月に建設着工し、2019年8月の稼動開始を予定しております。総投資額は約215億円(翌連結会計年度以降の総投資額は64億円)で、全て自己資金により賄う予定であります。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
17年度をスタートとする「中期経営計画(17-19)」は「『強い会社』に(赤い矢印に集中)」を基本方針として、3つの重点テーマ実現のために、9つの戦略に取組んでおります。
なお、その進捗を計る指標として、売上高、海外売上高比率、営業利益、営業利益率、ROA(総資産営業利益率)、たな卸資産回転率を定めており、中計最終年度の19年度(第72期)においては、売上高は2,400億円、海外売上高比率は60.0%(海外売上高1,440億円)、営業利益は360億円、営業利益率は15.0%、ROAは13.0%、たな卸資産回転率は4.8回転を、それぞれ数値目標として掲げております。
各種指標の推移は以下のとおりです。
項目第67期第68期第69期第70期第71期
売上高2,040億円2,094億円1,796億円1,737億円1,884億円
内)日本1,005億円1,049億円1,022億円975億円970億円
内)海外1,035億円1,044億円774億円761億円913億円
海外売上高比率50.7%49.9%43.1%43.8%48.5%
営業利益294億円310億円184億円155億円158億円
営業利益率14.4%14.8%10.3%8.9%8.4%
ROA(営業利益/総資産)13.9%13.5%7.9%6.5%6.3%
たな卸資産回転率4.0回転3.9回転3.3回転3.2回転3.0回転

17年度(第70期)は海外需要の減少を受け、2年連続の減収減益となりましたが、18年度(第71期)は海外需要が回復基調となり、3年ぶりの増収増益となりました。19年度(第72期)は機種別・地域別にばらつきがあるものの、海外需要が回復基調であり、連結業績予想を売上高2,000億円、営業利益175億円としております。引き続き、中期経営計画(17-19)の基本方針である「『強い会社』に(赤い矢印に集中)」に取組み、達成に向けての努力を続けてまいります。

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