有価証券報告書-第62期(2022/04/01-2023/03/31)
(1)経営成績等の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に関わる行動制限緩和が進み、経済活動は徐々に正常化へと向かいました。しかしながら、ウクライナ情勢や中国のロックダウンによるサプライチェーンの混乱、インフレ拡大に伴う世界的な金融引き締めによる円安等により原材料やエネルギー価格が高騰し、製造業の回復基調は緩やかなものとなりました。
当社グループ製品の主要需要先の状況といたしましては、自動車関連は半導体や部品不足の影響が継続し、生産台数の回復が遅れ、低調な動きとなりました。一方、半導体や電子・デバイス関連は、活況となっていたスマートフォンやPC関連等の需要減退により落ち着きがみられましたが、一部半導体・電子部品は好調だったこともあり、概ね堅調に推移しました。
このような環境のなか当社グループでは、物価上昇によるコスト増に対処すべく、内製化推進をはじめとした製造現場でのより一層のコスト削減に努めました。しかしながら、自助努力での価格維持が困難な状況となったことから増加コストの一部を価格転嫁することとし、他社の動向を踏まえ、11月受注分から主要製品の値上げを実施いたしました。なお、値上げ前には一部駆け込み需要も見られました。
営業面では、大阪と名古屋開催の「INTERMOLD2022」や米国シカゴ開催の「IMTS2022」、東京開催の「JIMTOF2022」等各種展示会への出展を通じて、様々なニーズに応える工具提案により新たなユーザーの開拓に努めました。
製品面では、新製品発売や規格拡大を実施し、高付加価値を実現した製品開発を行いました。2023年1月には刃先剛性と切りくず排出性を向上させた無限プレミアムPlus高硬度鋼高能率加工用小径3枚刃ロングネックボールエンドミル「MRBSH330」の規格拡大を行い、ラインアップの充実を図りました。
生産面では、仙台工場を中心に効率化やコスト削減のために「日進工具グループが将来に向けて挑戦する改善活動」である「オレンジFC」に加え、更なるコスト削減を目的とした活動も開始いたしました。この活動は温暖化ガス排出量削減にも貢献しており、削減実績が認められたことにより、2022年度日本機械工具工業会「環境特別賞」を受賞いたしました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は9,656百万円(前期比1.4%増)、営業利益は2,108百万円(同0.1%減)、経常利益は2,131百万円(同1.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,475百万円(同3.1%減)となりました。
なおKPIとしている売上高経常利益率20%の目標につきましては、エネルギー価格の上昇や営業活動の再開等による費用の増加はあったものの、上昇コストの一部転嫁のための価格改定や原価低減の奏功により、22.1%と目標を達成いたしました。しかしながら、もう一つの目標であるROE10%につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比3.1%減となったこと等から9.0%に止まり、目標を下回る結果となりました。
製品区分別の売上高では、「エンドミル(6mm以下)」が7,483百万円(前期比0.5%増)、「エンドミル(6mm超)」が891百万円(同2.0%減)、「エンドミル(その他)」が536百万円(同9.8%増)、「その他」が744百万円(同10.0%増)となりました。
(注)報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分別の「その他」に含めております。
② 財政状態の状況
連結会計年度における財政状態は、資産合計が18,857百万円(前期末比983百万円増)、負債合計が1,657百万円(同51百万円減)、純資産合計が17,200百万円(同1,034百万円増)となりました。各資産・負債の増減要因は以下のとおりであります。
<流動資産>当連結会計年度末における流動資産の残高は12,298百万円で、前期比490百万円、4.2%の増加となりました。これは主に、在庫拡充を目的とした棚卸資産の増加等によるものであります。
<固定資産>当連結会計年度末における固定資産の残高は6,559百万円で、前期比492百万円、8.1%の増加となりました。これは主に、新規保険契約に係る保険積立金の増加等によるものであります。
<資産合計>上記により、資産合計は前期に比べ983百万円、5.5%増加し18,857百万円となりました。
<負債合計>当連結会計年度末における負債の残高は、1,657百万円と前期に比べ51百万円、3.0%の減少となりました。これは主に、未払法人税等の減少等によるものであります。
<純資産合計>当連結会計年度末における純資産の残高は17,200百万円と前期に比べ1,034百万円、6.4%の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当社は足元の業績に左右されず、今後の成長に必要な投資を継続的に行うこととしており、毎期5%程度の売上高の増加に対応できる設備投資を基本としております。具体的には、工具研削盤等の機械設備を中心に実施いたしておりますが、その計画において設置スペースのキャパシティーが不足すると判断された場合に、工場建設等大がかりな投資を行っております。資金の調達につきましては、無借金を前提としておりますことから、基本的には自己資金の範囲内とし、通常は営業活動により得られた資金を上回ることはありません。しかしながら、今後は製品開発や技術開発、生産設備増強の必要があると認識しており、従来に比べ投資活動による資金の使用は増える見込みであります。
また運転資本につきましては、販売、仕入れともに原則翌月決済とさせていただいており、当連結会計年度における売上債権回転期間は1.7ヶ月となっております。
手許資金につきましては、不測の事態に陥った場合でも雇用や設備を維持し、企業活動を継続できる資金を蓄えておく必要があると考えており、その額は現時点で40~50億円程度と想定しております。
株主還元につきましては、安定的な経営基盤の確保並びに事業展開のための内部留保を勘案しながら、業績に応じた利益還元策を実施していくことを基本方針としておりますが、安定性・継続性にも配慮しつつ、業績動向や配当性向等を総合的に勘案して実施いたしております。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。連結ベースでの現金及び現金同等物(以下(資金)という)は、前連結会計年度末に比較し、45百万円減少し8,397百万円(前期比0.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,614百万円(前期比28.6%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,110百万円による資金の増加と、棚卸資産の増加並びに法人税等の支払いによる資金の流出などを反映したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,137百万円(同226.0%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出及び新規保険契約に係る保険積立金の積立による支出を反映したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は560百万円(同26.5%減)となりました。これは主に配当金の支払によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分の「その他」に含めております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
●経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が前期比1.4%増加の9,656百万円、営業利益は同0.1%減少の2,108百万円となりました。
新型コロナウイルス感染症に関わる行動制限緩和が進み、経済活動は徐々に正常化へと向かいましたが、原材料やエネルギー価格の高騰等から、製造業の回復基調は緩やかなものとなりました。
当社グループの主要需要先においては、自動車関連は、半導体や部品の供給不足の影響により生産台数が伸び悩み、低調に推移した一方、半導体や電子部品・デバイス関連は、活況となっていたスマートフォンやPC等の需要減退に伴い、後半にかけて落ち着いた動きとなったものの、概ね堅調に推移しました。
●重要な影響を与える要因
当社グループの製品はそれ自体が人々の暮らしを支えるものではなく、人々の暮らしを支える様々な工業製品を作る際に必要となるものです。従いまして、その需要動向は精密・微細加工を必要とする製品群にリンクしています。例えば、スマートフォンのようにこれまでになかった新たな製品が登場し、それを世界中の非常に多くの人が持つようになると、大きな需要が生まれます。また景気が上向き、人々の所得が増えると自動車が売れるようになったり、より高い機能を持った高級品が売れるようになったりすることによって需要が膨らみます。このように当社の製品需要は世界の景気動向や新たな製品の登場等によって大きく影響を受けています。
当連結会計年度における状況は、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)に記載のとおりでありますが、経済の先行きについては不透明感が増しており、当社グループを取り巻く経営環境は依然厳しいものになると予想されます。
当社グループの主要需要先においては、自動車関連は部品不足の解消等から生産台数が徐々に回復するものと見込まれます。半導体・電子部品関連は一部需要の減退は懸念されるものの、DXの拡大により通信や処理の高度化が進むと見込まれ、幅広い分野で一定の需要はあると予想されます。当社グループでは、それらの需要をいかにして取りこぼすことなく対応できるかが重要であると考えており、引き続き高精度、高能率、多機能、長寿命を実現する高機能・高付加価値製品の普及を図るとともに、CBNやPCDを用いた製品など、ユーザー様の多様なニーズに応え得る製品をご提供できるよう努めてまいります。
●資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、運転資金及び設備資金につきましては、原則内部留保で賄うこととしております。運転資金につきましては、売上に係る決済を原則締め日の翌月応当日とさせていただいており、当連結会計年度における売上債権回転期間は1.7ヶ月となっています。また、在庫拡充により棚卸資産が479百万円増加し、棚卸資産回転期間は5.5ヶ月となりました。当社グループにおいては、標準品の販売比率が高く欠品するとユーザー様にご迷惑をおかけしてしまうほか、失注に結び付く可能性もあるため、一定水準の製品在庫を揃えておく必要があります。設備資金につきましては、機械設備の継続的な投資を行いつつ、必要に応じて工場建設等の大きな投資を行っており、通常は営業活動により得られた資金を上回ることはありません。なお、当連結会計年度における設備投資は、生産設備を中心に686百万円と、前期に比べ27百万円増加いたしました。
●経営上の目標の達成状況
当社グループは、売上よりも利益を優先する経営を実行し、連結売上高経常利益率20%の確保を中長期的な目標としております。当期の連結売上高経常利益率は22.1%、前期比0.5ポイント減ながら、目標は達成いたしました。半導体や電子部品の底堅い需要に支えられ、精密・微細加工に適した小径工具の需要は安定推移した一方、原材料費、電力費及び人件費のコストアップを製造原価低減だけでは吸収できず、やむを得ず主力製品の値上げを実施しましたが、一部転嫁に留まったため利益率は低下しました。
次期につきましては、世界景気の悪化懸念や資源価格の動向等、経営環境は一段と不透明感が増すと考えており、販売予想が困難な一方で、原価、費用の一部は着実な値上がりが見込まれることから、連結売上高経常利益率は当期を3.6ポイント下回る18.5%を予想しております。
また、株主資本を効率的に活用する観点から連結自己資本利益率(ROE)10%の確保も経営指標として重視しておりますが、当期は9.0%に止まっております。厳しい経営環境が続く中、高付加価値の創造と提供による利益成長機会を確保し、中期的に両指標の達成を目指します。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、当社経営陣は資産、負債及び収益・費用の各報告数値に影響を与える見積りの仮定を過去の実績や状況に応じて合理的に設定し、算定しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループは、資源やエネルギー価格の高止まりやインフレ抑制のための諸外国の金融引き締め等の動きから景気減速がささやかれ、様々なコスト上昇が見込まれる中、今後の見通しを含め、重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項であるかを検討いたしましたが、合理的な見積り及びその影響額等を勘案した結果、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項は無いと判断いたしました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症に関わる行動制限緩和が進み、経済活動は徐々に正常化へと向かいました。しかしながら、ウクライナ情勢や中国のロックダウンによるサプライチェーンの混乱、インフレ拡大に伴う世界的な金融引き締めによる円安等により原材料やエネルギー価格が高騰し、製造業の回復基調は緩やかなものとなりました。
当社グループ製品の主要需要先の状況といたしましては、自動車関連は半導体や部品不足の影響が継続し、生産台数の回復が遅れ、低調な動きとなりました。一方、半導体や電子・デバイス関連は、活況となっていたスマートフォンやPC関連等の需要減退により落ち着きがみられましたが、一部半導体・電子部品は好調だったこともあり、概ね堅調に推移しました。
このような環境のなか当社グループでは、物価上昇によるコスト増に対処すべく、内製化推進をはじめとした製造現場でのより一層のコスト削減に努めました。しかしながら、自助努力での価格維持が困難な状況となったことから増加コストの一部を価格転嫁することとし、他社の動向を踏まえ、11月受注分から主要製品の値上げを実施いたしました。なお、値上げ前には一部駆け込み需要も見られました。
営業面では、大阪と名古屋開催の「INTERMOLD2022」や米国シカゴ開催の「IMTS2022」、東京開催の「JIMTOF2022」等各種展示会への出展を通じて、様々なニーズに応える工具提案により新たなユーザーの開拓に努めました。
製品面では、新製品発売や規格拡大を実施し、高付加価値を実現した製品開発を行いました。2023年1月には刃先剛性と切りくず排出性を向上させた無限プレミアムPlus高硬度鋼高能率加工用小径3枚刃ロングネックボールエンドミル「MRBSH330」の規格拡大を行い、ラインアップの充実を図りました。
生産面では、仙台工場を中心に効率化やコスト削減のために「日進工具グループが将来に向けて挑戦する改善活動」である「オレンジFC」に加え、更なるコスト削減を目的とした活動も開始いたしました。この活動は温暖化ガス排出量削減にも貢献しており、削減実績が認められたことにより、2022年度日本機械工具工業会「環境特別賞」を受賞いたしました。
これらの結果、当連結会計年度における売上高は9,656百万円(前期比1.4%増)、営業利益は2,108百万円(同0.1%減)、経常利益は2,131百万円(同1.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,475百万円(同3.1%減)となりました。
なおKPIとしている売上高経常利益率20%の目標につきましては、エネルギー価格の上昇や営業活動の再開等による費用の増加はあったものの、上昇コストの一部転嫁のための価格改定や原価低減の奏功により、22.1%と目標を達成いたしました。しかしながら、もう一つの目標であるROE10%につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益が前期比3.1%減となったこと等から9.0%に止まり、目標を下回る結果となりました。
製品区分別の売上高では、「エンドミル(6mm以下)」が7,483百万円(前期比0.5%増)、「エンドミル(6mm超)」が891百万円(同2.0%減)、「エンドミル(その他)」が536百万円(同9.8%増)、「その他」が744百万円(同10.0%増)となりました。
(注)報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分別の「その他」に含めております。
② 財政状態の状況
連結会計年度における財政状態は、資産合計が18,857百万円(前期末比983百万円増)、負債合計が1,657百万円(同51百万円減)、純資産合計が17,200百万円(同1,034百万円増)となりました。各資産・負債の増減要因は以下のとおりであります。
<流動資産>当連結会計年度末における流動資産の残高は12,298百万円で、前期比490百万円、4.2%の増加となりました。これは主に、在庫拡充を目的とした棚卸資産の増加等によるものであります。
<固定資産>当連結会計年度末における固定資産の残高は6,559百万円で、前期比492百万円、8.1%の増加となりました。これは主に、新規保険契約に係る保険積立金の増加等によるものであります。
<資産合計>上記により、資産合計は前期に比べ983百万円、5.5%増加し18,857百万円となりました。
<負債合計>当連結会計年度末における負債の残高は、1,657百万円と前期に比べ51百万円、3.0%の減少となりました。これは主に、未払法人税等の減少等によるものであります。
<純資産合計>当連結会計年度末における純資産の残高は17,200百万円と前期に比べ1,034百万円、6.4%の増加となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加等によるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当社は足元の業績に左右されず、今後の成長に必要な投資を継続的に行うこととしており、毎期5%程度の売上高の増加に対応できる設備投資を基本としております。具体的には、工具研削盤等の機械設備を中心に実施いたしておりますが、その計画において設置スペースのキャパシティーが不足すると判断された場合に、工場建設等大がかりな投資を行っております。資金の調達につきましては、無借金を前提としておりますことから、基本的には自己資金の範囲内とし、通常は営業活動により得られた資金を上回ることはありません。しかしながら、今後は製品開発や技術開発、生産設備増強の必要があると認識しており、従来に比べ投資活動による資金の使用は増える見込みであります。
また運転資本につきましては、販売、仕入れともに原則翌月決済とさせていただいており、当連結会計年度における売上債権回転期間は1.7ヶ月となっております。
手許資金につきましては、不測の事態に陥った場合でも雇用や設備を維持し、企業活動を継続できる資金を蓄えておく必要があると考えており、その額は現時点で40~50億円程度と想定しております。
株主還元につきましては、安定的な経営基盤の確保並びに事業展開のための内部留保を勘案しながら、業績に応じた利益還元策を実施していくことを基本方針としておりますが、安定性・継続性にも配慮しつつ、業績動向や配当性向等を総合的に勘案して実施いたしております。
なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。連結ベースでの現金及び現金同等物(以下(資金)という)は、前連結会計年度末に比較し、45百万円減少し8,397百万円(前期比0.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,614百万円(前期比28.6%減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益2,110百万円による資金の増加と、棚卸資産の増加並びに法人税等の支払いによる資金の流出などを反映したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,137百万円(同226.0%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出及び新規保険契約に係る保険積立金の積立による支出を反映したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は560百万円(同26.5%減)となりました。これは主に配当金の支払によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、報告セグメントが1つでありますので、製品区分別に記載しております。なお「その他」の事業セグメントは、製品区分の「その他」に含めております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
| 製品別の名称 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
| エンドミル(6mm以下) | 8,341,742 | △2.5 |
| エンドミル(6mm超) | 973,156 | △3.8 |
| エンドミル(その他) | 323,351 | 19.7 |
| その他 | 550,737 | △9.9 |
| 合計 | 10,188,987 | △2.5 |
(注)金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
| 製品別の名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
| エンドミル(6mm以下) | 7,422,126 | △1.3 | 457,387 | △11.8 |
| エンドミル(6mm超) | 845,654 | △8.3 | 60,865 | △43.1 |
| エンドミル(その他) | 519,033 | △1.4 | 142,293 | △10.9 |
| その他 | 789,337 | 20.3 | 79,019 | 129.1 |
| 合計 | 9,576,152 | △0.5 | 739,565 | △9.8 |
(注)金額は販売価格によっております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を製品別に示すと、次のとおりであります。
| 製品別の名称 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
| エンドミル(6mm以下) | 7,483,517 | 0.5 |
| エンドミル(6mm超) | 891,836 | △2.0 |
| エンドミル(その他) | 536,445 | 9.8 |
| その他 | 744,813 | 10.0 |
| 合計 | 9,656,612 | 1.4 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社サカイ | 1,434,125 | 15.1 | 1,417,247 | 14.7 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討の内容
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
●経営成績等
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高が前期比1.4%増加の9,656百万円、営業利益は同0.1%減少の2,108百万円となりました。
新型コロナウイルス感染症に関わる行動制限緩和が進み、経済活動は徐々に正常化へと向かいましたが、原材料やエネルギー価格の高騰等から、製造業の回復基調は緩やかなものとなりました。
当社グループの主要需要先においては、自動車関連は、半導体や部品の供給不足の影響により生産台数が伸び悩み、低調に推移した一方、半導体や電子部品・デバイス関連は、活況となっていたスマートフォンやPC等の需要減退に伴い、後半にかけて落ち着いた動きとなったものの、概ね堅調に推移しました。
●重要な影響を与える要因
当社グループの製品はそれ自体が人々の暮らしを支えるものではなく、人々の暮らしを支える様々な工業製品を作る際に必要となるものです。従いまして、その需要動向は精密・微細加工を必要とする製品群にリンクしています。例えば、スマートフォンのようにこれまでになかった新たな製品が登場し、それを世界中の非常に多くの人が持つようになると、大きな需要が生まれます。また景気が上向き、人々の所得が増えると自動車が売れるようになったり、より高い機能を持った高級品が売れるようになったりすることによって需要が膨らみます。このように当社の製品需要は世界の景気動向や新たな製品の登場等によって大きく影響を受けています。
当連結会計年度における状況は、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)に記載のとおりでありますが、経済の先行きについては不透明感が増しており、当社グループを取り巻く経営環境は依然厳しいものになると予想されます。
当社グループの主要需要先においては、自動車関連は部品不足の解消等から生産台数が徐々に回復するものと見込まれます。半導体・電子部品関連は一部需要の減退は懸念されるものの、DXの拡大により通信や処理の高度化が進むと見込まれ、幅広い分野で一定の需要はあると予想されます。当社グループでは、それらの需要をいかにして取りこぼすことなく対応できるかが重要であると考えており、引き続き高精度、高能率、多機能、長寿命を実現する高機能・高付加価値製品の普及を図るとともに、CBNやPCDを用いた製品など、ユーザー様の多様なニーズに応え得る製品をご提供できるよう努めてまいります。
●資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、運転資金及び設備資金につきましては、原則内部留保で賄うこととしております。運転資金につきましては、売上に係る決済を原則締め日の翌月応当日とさせていただいており、当連結会計年度における売上債権回転期間は1.7ヶ月となっています。また、在庫拡充により棚卸資産が479百万円増加し、棚卸資産回転期間は5.5ヶ月となりました。当社グループにおいては、標準品の販売比率が高く欠品するとユーザー様にご迷惑をおかけしてしまうほか、失注に結び付く可能性もあるため、一定水準の製品在庫を揃えておく必要があります。設備資金につきましては、機械設備の継続的な投資を行いつつ、必要に応じて工場建設等の大きな投資を行っており、通常は営業活動により得られた資金を上回ることはありません。なお、当連結会計年度における設備投資は、生産設備を中心に686百万円と、前期に比べ27百万円増加いたしました。
●経営上の目標の達成状況
当社グループは、売上よりも利益を優先する経営を実行し、連結売上高経常利益率20%の確保を中長期的な目標としております。当期の連結売上高経常利益率は22.1%、前期比0.5ポイント減ながら、目標は達成いたしました。半導体や電子部品の底堅い需要に支えられ、精密・微細加工に適した小径工具の需要は安定推移した一方、原材料費、電力費及び人件費のコストアップを製造原価低減だけでは吸収できず、やむを得ず主力製品の値上げを実施しましたが、一部転嫁に留まったため利益率は低下しました。
次期につきましては、世界景気の悪化懸念や資源価格の動向等、経営環境は一段と不透明感が増すと考えており、販売予想が困難な一方で、原価、費用の一部は着実な値上がりが見込まれることから、連結売上高経常利益率は当期を3.6ポイント下回る18.5%を予想しております。
また、株主資本を効率的に活用する観点から連結自己資本利益率(ROE)10%の確保も経営指標として重視しておりますが、当期は9.0%に止まっております。厳しい経営環境が続く中、高付加価値の創造と提供による利益成長機会を確保し、中期的に両指標の達成を目指します。
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、当社経営陣は資産、負債及び収益・費用の各報告数値に影響を与える見積りの仮定を過去の実績や状況に応じて合理的に設定し、算定しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループは、資源やエネルギー価格の高止まりやインフレ抑制のための諸外国の金融引き締め等の動きから景気減速がささやかれ、様々なコスト上昇が見込まれる中、今後の見通しを含め、重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項であるかを検討いたしましたが、合理的な見積り及びその影響額等を勘案した結果、連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項は無いと判断いたしました。