有価証券報告書-第109期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/18 15:38
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文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)重要な会計上の見積り
IFRSに従った連結財務諸表の作成は、決算日における資産・負債の報告金額及び偶発資産・負債の開示、及び報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような、マネジメントによる見積り及び仮定を必要とします。ソニーは、継続的に、過去のデータ、将来の予測及び状況に応じ合理的と判断される範囲での様々な仮定にもとづき見積りを評価します。これらの評価の結果は、他の方法からは容易に判定しえない資産・負債の簿価あるいは費用の報告金額についての判断の基礎となります。実際の結果は、これらの見積りと大きく異なる場合があります。ソニーは、会社の財政状態や業績に重要な影響を与え、かつその適用にあたってマネジメントが重要な判断や見積りを必要とするものを重要な会計上の見積りであると考えます。ソニーは、以下に述べる項目を会社の重要な会計上の見積りとして考えています。なお、重要な会計上の見積りの各項目に関連する会計方針については、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『2.作成の基礎』及び『3.重要性がある会計方針の要約』をご参照ください。
非金融資産の減損
ソニーは、棚卸資産、契約コスト及び繰延税金資産を除く非金融資産について、個々の資産又は資金生成単位に係る減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能性の検討を行っています。これに加え、各資金生成単位に配分されているのれん、耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産の帳簿価額については、年に1回第4四半期に減損テストを実施しています。
当年度の減損判定において、主に映画分野でのれんを持つ資金生成単位において、のれんの減損損失を認識しましたが、当該資金生成単位を除き、のれんを持つ資金生成単位の回収可能価額は帳簿価額を超過していたため、のれんの減損損失を認識することはありませんでした。また、重要なのれんを持つ資金生成単位において回収可能価額は帳簿価額を少なくとも10%以上超過しています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産においても、回収可能価額が帳簿価額を超過していたため、減損損失を認識することはありませんでした。
中期計画を除く、2025年度ののれんの減損判定において実施された資金生成単位の回収可能価額への影響に関する感応度分析を含む重要な前提の検討は下記のとおりです。詳細は「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『11.のれん及び無形資産』をご参照ください。
・税引後割引率は6.0%から15.5%の範囲です。他の全ての前提を同一とし、割引率を1ポイント増加させた場合においても、重要なのれんの減損損失を認識することはありませんでした。
・G&NS分野、ET&S分野、I&SS分野の資金生成単位におけるターミナル・バリューに適用された成長率は2.0%です。音楽分野の資金生成単位における中期計画を超える期間の成長率は1.0%から3.4%の範囲、映画分野では△5.0%から10.0%の範囲です。他の全ての前提を同一とし、成長率を1ポイント減少させた場合においても、重要なのれんの減損損失を認識することはありませんでした。
・映画分野の資金生成単位におけるターミナル・バリューの算定に使用される利益倍率は8.9から11.0、収益倍率は1.5です。他の全ての前提を同一とし、利益倍率を1.0、収益倍率を0.25それぞれ減少させた場合においても、重要なのれんの減損損失を認識することはありませんでした。
マネジメントは、のれんの減損判定における回収可能価額の見積りに用いられた前提は、合理的であると考えています。しかしながら、将来の予測不能なビジネスの前提条件の変化による、回収可能価額の下落を引き起こすような見積りの変化が、これらの評価に不利に影響し、結果として、将来においてソニーが非金融資産の減損損失を認識することになる可能性があります。
企業結合
被取得企業における識別可能資産及び負債は、限定的な例外を除き、取得日の公正価値で測定しています。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及びソニーが従来保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。
見積りや前提には固有の不確実性が含まれるため、この移転された対価は異なる金額で評価され、識別可能資産及び負債に割り当てられる可能性があります。実際の結果が異なる可能性があること又は予想しない事象及び状況がこのような見積りに影響を与える可能性があることから、識別可能資産及びのれんの減損損失の計上又は識別可能負債の増加が必要となる可能性があります。
映画分野における予想総収益の見積り
映画会計においては、作品のライフサイクルを通した予想総収益を見積もる過程でマネジメントの判断が必要となります。この予想総収益の見積りは、繰延映画製作費及び映画分野における未払分配金債務の測定にあたり重要となります。
映画作品が製作され関連する費用が資産化される際に、その繰延映画製作費の公正価値が減損し、回収不能と見込まれる額を評価減する必要があるかどうかを決定するため、マネジメントは発生時に費用化される配給関連費用を含む追加で発生する費用を控除した予想総収益を見積もる必要があります。また、映画作品に関する売上原価として認識される繰延映画製作費の額は、その映画作品がそのライフサイクルにおいて様々な市場で公開されることから、残りの予想総収益に対する当該年度の収益実績額の割合にもとづいて計上されています。
マネジメントが各作品の予想総収益を見積もる際に基礎とするのは、同種の過去の作品の収益、主演俳優の人気度、その作品の公開される予測映画館数、BD/DVD等のパッケージメディアやデジタル販売、テレビ放映及びその他の付随マーケットでの期待収益ならびに将来の売上に関する契約等です。この見積りは、各作品の直近までの実現収益及び将来予測収益にもとづいて定期的に見直されます。例えば、公開当初数週間の劇場収入が予想を下回った場合には、通常、劇場、BD/DVD等のパッケージメディアやデジタル販売、及びテレビ放映の生涯収益等を下方に修正することになります。そのような下方修正を行わなかった場合、当該期間における繰延映画製作費の償却費の過少計上になる可能性があります。さらに、未払分配金債務は残りの予想総収益に対する当該年度の収益実績額の割合に応じて計上されます。
繰延税金資産の評価
繰延税金資産は、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。したがって、繰延税金資産の計上金額は、繰延税金資産の回収可能性に関連する入手可能な証拠にもとづいて、定期的に評価されます。
繰延税金資産の評価は、財政状態計算書日時点で適用されている税制や税率にもとづいており、また、ソニーの財務諸表及び税務申告書で認識されている事象に関して将来に起こり得る税務上の結果についてのマネジメントの判断と最善の見積り、様々な税務戦略を実行する能力、一定の場合においての将来の結果に関する予測、事業計画及びその他の見込みを反映しています。ソニーが事業を行っているそれぞれの税務管轄における現在の税制や税率の改正は、実際の税務上の結果に影響を与える可能性があり、市場経済の悪化やマネジメントによる構造改革の目標未達は、将来における業績に影響を与える可能性があります。そして、これらのいずれかが、繰延税金資産の評価に影響を与える可能性があります。将来の結果が計画を下回る場合、税務調査の結果や連結会社間の移転価格に関する事前確認制度の交渉が現在の損益配分に関する予想と異なる結果となる場合、及び税務戦略の選択肢が実行可能ではなくなる場合や売却を予定する資産の価値が税務上の簿価を下回ることになる場合には、繰延税金資産に対して評価減の計上が要求される可能性があります。一方、将来の予測される利益の改善や継続した利益の計上、ビジネス構造の変革といった他の要因によって、関連し得る要因の評価の結果、将来において、税金費用の減額をともなう評価減の戻し入れが計上される可能性があります。現在の見込みにおいて予想していないこれらの起こり得る要因や変化は、評価減が計上又は取崩される期間において、ソニーの業績又は財政状態に重要な影響を与える可能性があります。

(2)生産、受注及び販売の状況
ソニーの生産・販売品目は極めて広範囲かつ多種多様であり、また、ゲーム機やゲームソフト、音楽・映像ソフト、エレクトロニクス機器等は、その性質上、原則として見込生産を行っているため、分野別に生産規模及び受注規模を金額又は数量で示すことはしていません。販売の状況については後述の「(3)経営成績の分析」において各分野の業績に関連付けて示しています。
(3)経営成績の分析
連結業績概況
継続事業*:2024年度
(億円)
2025年度
(億円)
売上高120,349124,796
営業利益12,76614,475
税引前利益13,43214,224
当社株主に帰属する当期純利益10,67410,309

* 上記の表には継続事業のみの金額を表示しています。2025年度の非継続事業を含む連結の当社株主に帰属する当期純利益(損失)は3,269億円の損失(前年度は1兆1,416億円の利益)となりました。
2025年度の業績は、以下のとおりです((+)は主な改善要因、(-)は主な悪化要因)。
売上高:12兆4,796億円(前年度比4,447億円増収)
(+)I&SS分野、音楽分野の増収
(売上高の内訳の詳細は、後述の「分野別営業概況」参照)
(後述の比率分析のうち、セグメントに関するものについては、セグメント間取引を含んで計算されています。)
売上原価:8兆6,352億円(前年度比1,304億円増加)
売上高に対する比率は前年度の70.7%から69.2%に改善。
研究開発費(売上原価に全額含まれる):7,620億円(前年度比274億円増加)
売上高に対する比率は6.1%(前年度は6.1%)。
(詳細は「第2 事業の状況」『6 研究開発活動』参照)
販売費及び一般管理費:2兆2,986億円(前年度比418億円増加)
売上高に対する比率は前年度の18.8%から18.4%に改善。
その他の営業損(益)(純額):341億円の損失(前年度は112億円の利益)
(-)Bungieの無形資産等の減損1,201億円(G&NS分野)
(+)金融事業のパーシャル・スピンオフの実行にともなう過年度に当社からソニー生命に譲渡した土地に係る未実現利益の実現439億円(全社(共通)及びセグメント間取引消去)
(+)Peanuts Holdingsの持分追加取得にともなう再評価益347億円(音楽分野)
(「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『23.連結損益計算書についての補足情報』参照)
持分法による投資利益(損失):642億円の損失(前年度は79億円の損失)
(-)その他分野におけるソニー・ホンダモビリティのEVモデルの発売中止にともなう持分法投資損失の追加計上449億円
営業利益:1兆4,475億円(前年度比1,709億円増加)
(+)I&SS分野及び音楽分野の増益
金融収益:760億円(前年度比630億円減少)
金融費用:1,012億円(前年度比287億円増加)
金融収益及び費用(純額):251億円の費用(前年度は666億円の収益)
(-)Spotify Technology S.A.株式等の評価益の減少
税引前利益:1兆4,224億円(前年度比792億円増加)
法人所得税:3,671億円(前年度比1,096億円増加)
実効税率:25.8%(前年度は19.2%)
税率の変動は主に以下の要因の影響によるものです。
・2024年度において子会社からの資本の払い戻しにともなう税金費用の減少があったことの反動(484億円)
・2024年度において子会社の解散にともなう税金費用の減少があったことの反動(353億円)
(「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『25.法人所得税』参照)
非支配持分に帰属する当期純利益:244億円(前年度比61億円増加)
継続事業からの当社株主に帰属する当期純利益:1兆309億円(前年度比365億円減少)
継続事業からの基本的1株当たり当社株主に帰属する当期純利益:172.51円(前年度は176.45円)
継続事業からの希薄化後1株当たり当社株主に帰属する当期純利益:171.44円(前年度は175.71円)
(当社は、2024年9月30日を基準日、2024年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行いました。上記の基本的1株当たり当期純利益及び希薄化後1株当たり当期純利益は、前年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して算定しています。1株当たり当社株主に帰属する当期純損益の詳細については、「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『26.基本的及び希薄化後EPSの調整表』参照)

分野別営業概況
以下の情報はセグメント情報にもとづきます。各分野の売上高はセグメント間取引消去前のものであり、また各分野の営業損益はセグメント間取引消去前のもので配賦不能費用は含まれていません。(「第5 経理の状況」 連結財務諸表注記『4.セグメント情報』参照)
G&NS分野
主要経営数値
2024年度
(百万円)
2025年度
(百万円)
製品部門別の外部顧客向け売上高
デジタルソフトウェア・アドオンコンテンツ2,290,4982,415,305
ネットワーク669,873763,126
ハードウェア・その他1,583,2001,391,622
外部顧客向け売上高の合計4,543,5714,570,053
セグメント間取引126,473115,598
セグメント売上高4,670,0444,685,651
セグメント営業利益414,819463,258

2025年度のG&NS分野の業績は、以下のとおりです。
売上高:4兆6,857億円(前年度比ほぼ横ばい、為替影響:+873億円)
(+)為替の影響
(+)ネットワークサービスの増収
(+)自社制作以外のゲームソフトウェア販売増加
(-)販売台数減少によるハードウェアの減収
営業利益:4,633億円(前年度比484億円増益、為替影響:+543億円)
(+)ネットワークサービスの増収の影響
(+)為替の好影響
(-)Bungieの無形資産等の減損(1,201億円)
事業環境及び事業戦略
2025年度の当分野の業績は、拡大したPS5のインストールベースを背景とした、ネットワークサービスとゲームソフトウェア販売からの安定的な収益拡大を反映し、当分野として過去最高益を更新しました。このような環境下、ソニーは、プレイステーション®プラス(以下「PS Plus」)の収益拡大、プレイステーション®ストアにおけるユーザー一人当たりの平均売上高の最大化、自社制作のゲームソフトウェアの販売拡大、及びコストコントロールとサプライチェーン管理の強化を通じて、安定した事業成長をめざしています。具体的には、ハードウェアについては、半導体メモリの価格高騰及び供給不足の影響があるものの、販売台数やプロモーション等の計画を柔軟に見直し、損益への影響をマネージしていきます。ネットワークサービスについては、PS Plusにおいて、ユーザーエンゲージメントを高めるとともに、サービスやコンテンツの価値を継続的に向上させ、上位ティアへのユーザーの移行を促すことで、利益成長に注力しています。また、自社制作以外のゲームソフトウェアについては、サードパーティスタジオとの関係性を維持・強化し、主要なフランチャイズ作品からの安定的な収益貢献を継続させるとともに、新たなヒット作品の創出のためのクリエイター支援の取り組みも継続していきます。自社制作のゲームソフトウェアにおいては、ソニーが従来から強みを持つシングルプレイヤーゲームを毎年継続的にリリースするとともに、ライブサービスゲームのポートフォリオ構築にも取り組むことで、安定した収益基盤の構築に注力しています。また、AIを活用して、スタジオの創造性をさらに引き出し、プレイステーションの体験をさらに向上させることに取り組んでいます。スタジオビジネスでは、制作チームがより豊かな世界観やゲーム体験の創出に注力できるよう、AIを活用したツールによる生産性の向上を図っています。プラットフォームビジネスでは、プレイステーションストアにおける決済処理の効率化やユーザー一人ひとりに最適化されたコンテンツの提案へのAIの活用に取り組んでいます。また、AI及び機械学習への投資を通じて映像表現のさらなる進化を追求し、より高品質なゲーム体験の提供をめざします。さらに、プレイステーションのゲームIPの映画化・テレビ番組化の取り組みを継続し、IPのさらなるリーチ拡大と収益化を図っていきます。
音楽分野
音楽分野の業績には、日本のSMEJの円ベースでの業績、ならびにその他全世界にある子会社の業績を米ドルベースで連結している、SME及びSMPの円換算後の業績が含まれています。
主要経営数値
2024年度
(百万円)
2025年度
(百万円)
ビジネス部門別の外部顧客向け売上高
音楽制作(ストリーミング)788,772852,672
音楽制作(その他)407,260492,656
音楽出版379,812419,864
映像メディア・プラットフォーム244,419325,342
外部顧客向け売上高の合計1,820,2632,090,534
セグメント間取引22,34129,576
セグメント売上高1,842,6042,120,110
セグメント営業利益357,255446,986

2025年度の音楽分野の業績は、以下のとおりです。
売上高:2兆1,201億円(前年度比2,775億円増収、為替影響:△169億円)
(+)音楽制作及び音楽出版におけるストリーミングサービスからの収入増加
(+)音楽制作における興行・物販からの収入増加
(+)映像メディア・プラットフォームの増収
(+)2025年度に公開した『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』及び『国宝』の貢献
(+)モバイル向けを中心としたゲームアプリケーションの収入増加
営業利益:4,470億円(前年度比897億円増益)
(+)増収の影響
(+)Peanuts Holdingsの持分追加取得にともなう再評価益の計上(347億円)
事業環境及び事業戦略
2025年度の当分野の業績は、音楽ストリーミング市場の拡大が続く中、これまで積極的に行ってきた才能あるアーティストやソングライターの発掘・育成の強化及び音楽カタログへの投資によるストリーミングサービスからの収入の安定的な成長を反映したものとなりました。また、映像メディア・プラットフォームにおける『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の世界的ヒットも、当分野の売上成長に貢献しました。このような環境下、ソニーは、グローバル音楽事業においては、配信プラットフォーム各社との強固な関係を維持しながら、事業全体ならびにラテンアメリカ、インド及びその他アジア諸国等の、拡大する新興市場での事業成長をめざしています。この成長を実現するため、優良な音楽カタログへの戦略的投資機会の継続的な探索による収益機会の拡大、アーティストやソングライターの発掘・育成及びローカルのインディーズレーベルやアーティストとの関係構築・強化、The OrchardやAWAL等のインディーズレーベル向けディストリビューションやインディーズアーティスト向けサービスの収益拡大に取り組んでいます。また、アーティストやコンテンツのファンに向けたライブ興行・物販等の事業展開にも注力しています。加えて、ソニー・ミュージック所属アーティストの伝記映画やドキュメンタリー、ライブイベントを通じたIP活用の拡大にも引き続き取り組んでいます。さらに、様々なパートナーと連携して、革新的な音楽コンテンツの創出や新しいアイデアの実現のためのツールとしてのAI等の最先端技術の活用を探求するとともに、ライセンス契約を通じた新たな収益チャネルの開拓・拡大を進めていきます。同時に、アーティストの権利保護やAIで生成された楽曲に関する消費者への透明性の確保等にも引き続き取り組んでいきます。日本国内の音楽事業においては、YOASOBIや米津玄師といったJ-POPアーティストの海外展開のさらなる拡大を進めていきます。映像メディア・プラットフォームにおいては、アニメ事業のさらなる成長に向けて、有力IPの新規開発及び獲得のための企画力・制作力の強化と、基幹IPの海外市場を含む展開力強化を進めていきます。また、2026年3月に、「ピーナッツ」IPの権利保有・事業運営を行うPeanuts Holdingsの持分を追加取得し、ソニーグループの強みを生かして、長期視点でさらなる事業拡大とブランド価値の一層の向上に取り組んでいきます。ゲーム事業においては、新規タイトルによるヒット創出と既存タイトルのライフタイムバリュー最大化の両立に引き続き取り組んでいきます。
映画分野
映画分野の業績は、全世界にある子会社の業績を米ドルベースで連結しているSPEの円換算後の業績です。ソニーはSPEの業績を米ドルで分析しているため、一部の記述については「米ドルベース」と特記してあります。
主要経営数値
2024年度
(百万円)
2025年度
(百万円)
ビジネス部門別の外部顧客向け売上高
映画製作610,313495,655
テレビ番組制作459,281512,372
メディアネットワーク428,940478,269
外部顧客向け売上高の合計1,498,5341,486,296
セグメント間取引7,41012,994
セグメント売上高1,505,9441,499,290
セグメント営業利益117,284104,872

2025年度の映画分野の業績は、以下のとおりです(要因分析は米ドルベース)。
売上高:1兆4,993億円(前年度比ほぼ横ばい、米ドルベース:18百万米ドル増収)
(+)有料会員数の増加及び『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のグローバル配給*によるCrunchyrollの増収
(+)テレビ番組制作における納入作品数の増加
(-)映画製作における当年度劇場公開作品からの収入減少
* Crunchyrollとソニー・ピクチャーズは、日本と一部のアジア地域を除く全世界で同作品の配給を行いました。
営業利益:1,049億円(前年度比124億円減益、米ドルベース:87百万米ドル減益)
(-)VFX事業やバーチャルプロダクション事業等を運営するPixomondo Holdings, Inc.及びその連結子会社の資産の減損及び事業収束に関連する費用(271億円)
(-)映画製作における減収の影響
(+)映画製作におけるカタログ作品の貢献の増加
(+)Crunchyrollの増収の影響
事業環境及び事業戦略
2025年度の当分野の業績は、当年度劇場公開作品からの収入減少があったものの、有料会員数の増加及び『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』のグローバル配給による、アニメDTCプラットフォームであるCrunchyrollの業績貢献の拡大等を反映したものとなりました。このような環境下、ソニーは、あらゆる配信プラットフォームにコンテンツを提供できる独立系コンテンツサプライヤーとしての強みを活かし、引き続きIPの長期的な価値最大化をめざします。映画製作においては、映画作品の劇場公開を重視する戦略を継続するとともに、グローバルでのマーケティング及び劇場配給の能力により、タレントやクリエイターとの関係を強化しています。2026年度には、『Spider-Man: Brand New Day』や『Jumanji: Open World』をはじめとする、強力なIPの映画作品の劇場公開を予定しています。テレビ番組制作においては、多様なジャンルにおける制作能力を引き続き強化するとともに、スピンオフ作品の開発等によるフランチャイズの拡大に積極的に取り組んでいきます。メディアネットワークにおいては、CrunchyrollやSonyLIV等のDTCサービスの展開をさらに強化していきます。特に、Crunchyrollは、当分野の成長の重要な柱であり、ストリーミングサービスにとどまらず、アニメグッズ等のeコマース、アニメイベント、モバイルゲーム、マンガアプリ等を通じてファンとのタッチポイントを拡大し、より幅広い視聴者にリーチしていきます。また、当分野は、ソニーグループ内の事業間シナジーやコラボレーションを生み出すハブの役割を担い、「Creative Entertainment Vision」の実現に貢献することをめざします。例えば、Aniplex、SMEJ及びPlayStation Productionsによる『Ghost of Tsushima』のアニメシリーズ化、SPEとPlayStation Productionsによる『Bloodborne』及び『HELLDIVERS』の映画化等、今後もプレイステーションのゲームIPを題材とした作品展開やアニメ領域におけるグループ内コラボレーションを拡大していきます。
ET&S分野
主要経営数値
2024年度
(百万円)
2025年度
(百万円)
製品部門別の外部顧客向け売上高
イメージング737,639722,465
サウンド290,538278,846
ネットワークサービス179,704188,308
ディスプレイ597,777476,305
その他557,180518,891
外部顧客向け売上高の合計2,362,8382,184,815
セグメント間取引46,43775,717
セグメント売上高2,409,2752,260,532
セグメント営業利益190,926158,584

2025年度のET&S分野の業績は、以下のとおりです。
売上高:2兆2,605億円(前年度比1,487億円減収、為替影響:+71億円)
(-)ディスプレイにおける販売台数減少
営業利益:1,586億円(前年度比323億円減益、為替影響:+53億円)
(-)ディスプレイにおける減収の影響
(+)オペレーション費用の削減
事業環境及び事業戦略
2025年度の当分野の業績は、ディスプレイにおける競争の激化や米国追加関税等の厳しい事業環境の中、これらの環境変化に柔軟に対応するための徹底した在庫管理や固定費削減等の収益性を重視する取り組みを反映したものとなりました。このような環境下、ソニーは、収益性の高いイメージング事業等のクリエイションを軸とした事業の拡大を着実に進めており、「収益性維持と成長戦略を両立する事業構造の確立」という経営方針の下、「企業価値向上」と「キャッシュ創出」を目標に掲げ、中期的な事業の変革を推進しています。当分野では、各事業を「領域拡大」、「成長・創出」、「構造改革・転換」の3つの領域に分けています。「領域拡大」領域であるイメージング事業及びサウンド事業では、安定収益基盤を強化し、事業領域を拡大させ、さらなる成長をめざします。具体的には、イメージング事業では、優れた技術力・商品力による競争優位性で事業領域を拡大し、エコシステムを構築していきます。サウンド事業においても、サウンド制作からコンスーマー製品まで、End to Endのエコシステムの構築をめざします。イメージング事業のソリューションや、サウンド事業のクリエイションを含む領域では、既存のビジネスで培った技術をベースにソフトウェアの付加価値を加えることでクリエイターの表現力を拡張し、クリエイションの多様化により事業を拡大させ、クリエイターのすそ野も拡大していきます。「成長・創出」領域であるスポーツ事業やニューコンテンツクリエイション事業では、事業モデルの進化と新たな事業創出をめざします。具体的には、スポーツ事業では、判定支援から、データエンハンスメントのテクノロジーを活用した新たなエンタテインメントの創造へと事業を進化させていきます。ニューコンテンツクリエイション事業においては、空間キャプチャリングやクリエイティブツールのテクノロジーを活用し、新たなクリエイション産業の創出をめざします。「構造変革・転換」領域であるディスプレイ事業では、構造変革を加速し、ボラティリティの低減を進め、リスクのコントロールをめざします。2026年3月に、ソニー㈱とTCLとの間でホームエンタテインメント領域における戦略的提携に関する確定契約を締結し、今後は、ソニーの高画質・高音質技術、ブランド力、オペレーションマネジメント力と、TCLの先端ディスプレイ技術、コスト競争力、垂直統合されたサプライチェーンといった両社の強みを結集することで、同事業の競争力をさらに強化し、持続的な事業成長をめざします。なお、当分野では、足元の半導体メモリ価格の高騰及び供給不足に対して、調達・設計・販売の各領域での対応する施策を通じて影響を抑制していく計画であり、今後、半導体メモリ価格がさらに変動した場合も、為替や競合環境等を踏まえながら、柔軟に販売戦略等を見直し、収益の維持に努めます。
I&SS分野
主要経営数値
2024年度
(百万円)
2025年度
(百万円)
外部顧客向け売上高の合計1,712,5342,059,020
セグメント間取引86,47192,513
セグメント売上高1,799,0052,151,533
セグメント営業利益261,147357,318

2025年度のI&SS分野の業績は、以下のとおりです。
売上高:2兆1,515億円(前年度比3,525億円増収、為替影響:△150億円)
(+)モバイル機器向けイメージセンサーの増収
(+)製品ミックスの改善
(+)販売数量の増加
営業利益:3,573億円(前年度比962億円増益、為替影響:△125億円)
(+)増収の影響
(-)構造改革費用の計上
(-)Sony Semiconductor Israel Ltd.の持分売却にともなう損失(199億円)
(-)ディスプレイデバイス事業に関連する固定資産の一部減損(165億円)
事業環境及び事業戦略
2025年度の当分野の業績は、一時的な構造改革費用の計上があったものの、主にハイエンドスマートフォンを中心にモバイル機器向けイメージセンサーの大判化、高画質・高性能化の傾向が継続したことや、販売数量の増加により、売上高及び営業利益ともに過去最高を更新しました。このような環境下、ソニーは、イメージセンサーにおける世界No.1ポジションをさらに強固なものとし、事業環境の不確実性が増している中でも収益性をともなう成長を実現するために経営基盤の再構築に取り組んでいます。当分野では、各事業を「成長牽引事業領域」、「収益事業領域」、「戦略事業領域」の3つに分け、それぞれの戦略の方向性を踏まえて事業を運営しています。成長牽引事業領域であるモバイル機器向けイメージセンサー事業では、競争に勝ち抜くための技術力強化と成長投資を継続します。2026年度は、モバイル機器向けイメージセンサーの大判化の進展が一旦緩やかになる見通しであること、半導体メモリ市況の影響に不透明さが残ることなどから、市場の成長を慎重に見ているものの、中長期的な大判化進展のトレンドには変わりはないとみています。今後は大判化に加えて、イメージセンサーのさらなる高付加価値化を実現し、動画を活用した様々なクリエイションに貢献するために、先端プロセス技術の開発として、プロセスノードの適合化による平面方向の高密度化と、積層技術による多層化を通じた垂直方向の高密度化による技術革新に取り組み、さらなる事業成長を図ります。収益事業領域であるカメラ及び産業・社会インフラ向けイメージセンサー事業においては、高い競争力を堅持し安定した収益貢献をめざします。戦略事業領域である車載向けイメージセンサー事業や半導体レーザー事業等については、将来のビジネスの柱とすべく、事業拡大と収益とのバランスを取りながら、規律を持った事業運営を行っていきます。車載向けイメージセンサー事業はこれまで順調に成長しており、金額シェアは想定どおり拡大しています。市場が拡大する中で、センサー特性の総合力を一層強化し、引き続きグローバルでOEMやパートナーとの関係構築・強化を進め、収益拡大をめざします。また、低収益事業の見直し施策を実施し、当分野の収益性向上に取り組んでいます。このような状況のもと、当分野の設備投資については、第五次中期経営計画期間においては投資を厳選し、第四次中期経営計画比で減らしていく方向性には変わりはありません。また、2026年5月、SSSは、TSMCとの間で、次世代イメージセンサーの開発・製造に関する戦略的提携に向けたMOUを締結しました。本提携により、ソニーの高い設計技術とTSMCのプロセス・製造技術を組み合わせ、高密度化等の将来のイメージセンサーの技術競争力を大きく高めていくことに加えて、車載やロボティクス等の「フィジカルAI」応用領域における新たな機会の探索・対応も進めていく方針であり、将来のイノベーションやさらなる技術発展に向けた基盤を築くことをめざします。財務面では、本提携を通じた生産設備投資負担の軽減や設備調達コストの軽減により、当分野のキャッシュ・フローの改善、投下資本の低減や収益性の改善を期待しています。
その他分野
2025年度のその他分野の業績は、以下のとおりです。
売上高:891億円(前年度比73億円減少)
営業損益:746億円の損失(前年度比567億円の悪化)
(-)ソニー・ホンダモビリティのEVモデルの発売中止にともなう持分法投資損失の追加計上(449億円)
為替変動とリスク・ヘッジ
2025年度の米ドル、ユーロに対する平均円レートはそれぞれ150.7円、174.7円と前年度の平均レートに比べ米ドルは1.8円の円高、ユーロは11.0円の円安となりました。
2025年度の継続事業の売上高は、前年度に比べ4,447億円(4%)増加し、12兆4,796億円となりました。前年度の為替レートを適用した場合、売上高は約3%の増収となります。為替変動による売上高及び営業損益への影響については後述の『注記』をご参照ください。
2025年度のG&NS分野、ET&S分野及びI&SS分野において、米ドルに対する1円の円高の影響は、売上高では約330億円、営業損益では約25億円の減少と試算されます。ユーロに対する1円の円高の影響は、売上高では約114億円、営業損益では約63億円の減少と試算されます。(「第2 事業の状況」『3 事業等のリスク』参照)
ソニーの連結業績は、主に収入と費用において通貨構成が異なることから生ずる為替変動リスクにさらされています。G&NS分野では、米ドル建てのコストの割合が高いのに対して、売上高は日本円、米ドル又はユーロで計上されるため、米ドルに対する円高は営業利益に好影響を、ユーロに対する円高は営業利益に悪影響を及ぼします。ET&S分野では、主要製品における米ドル建ての製造コスト等の割合が高いこと等から米ドルに対する円高は営業利益に好影響を及ぼします。一方で、新興国での売上高の割合が高いため、新興国通貨に対する円高は営業利益に悪影響を及ぼします。I&SS分野では、米ドル建ての販売契約の割合が高い一方、主に日本で製造を行っていることから、米ドルに対する円高は営業利益に大幅な悪影響を及ぼします。
これらの為替変動によるリスクを軽減するため、ソニーは一貫したリスク管理方針に従い、先物為替予約、通貨オプション契約を含むデリバティブを利用しています。ソニーが行っているこれらのデリバティブは、主に当社及び当社の子会社の予想される外貨建て取引及び外貨建て営業債権や営業債務から生じるキャッシュ・フローの為替変動によるリスクを低減するために利用されています。
ソニーは、総合的な財務サービスを当社及び当社の子会社・関連会社に提供することを目的として、Sony Global Treasury Services Plc(以下「SGTS」)を英国に設立しています。為替変動リスクにさらされている当社及び全ての子会社が、リスク・ヘッジのための契約をSGTSとの間で結ぶことがソニーの方針となっており、当社及び当社の子会社のほとんどはこの目的のためにSGTSを利用しています。為替リスク集中の原則にもとづき、SGTSと当社がソニーグループ全体の相殺後のほとんどの為替変動リスクをヘッジしています。ソニーの方針として、金融機関との為替デリバティブ取引は、リスク管理のため、原則としてSGTSに集中しています。SGTSはグループ外の信用の高い金融機関との間で外国為替取引を行っています。ほとんどの外国為替取引は、実際の輸出入取引が行われる前の予定された取引や債権・債務に対して行われます。一般的には、実際の輸出入取引が行われる当月又は1ヵ月前からヘッジを行っています。ソニーは金融機関との外国為替取引を主にヘッジ目的のために行っており、売買もしくは投機目的でこれらのデリバティブを利用していません。
キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されたデリバティブの公正価値変動は、当初累積その他の包括利益に計上され、ヘッジ対象取引が損益に影響を与える時点で損益に振り替えられます。一方、ヘッジ会計の要件を満たさない先物為替予約、通貨オプション契約、及びその他のデリバティブは時価評価され、その変動は、直ちに金融収益・金融費用に計上されます。2025年度末における外国為替契約の負債に計上された公正価値(純額)の合計は76億円となっています。(「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『15.デリバティブ及びヘッジ活動』参照)
『注記』
前年度の為替レートを適用した場合の売上高の状況、及び為替変動による影響額について
前年度の為替レートを適用した場合の売上高の状況は、当年度の現地通貨建て月別売上高に対し、前年度の月次平均レートを適用して算出しています。ただし、音楽分野のSME及びSMP、ならびに映画分野については、米ドルベースで集計した上で、前年度の月次平均米ドル円レートを適用した金額を算出しています。
映画分野の業績の状況は、米国を拠点とするSPEが、全世界にある子会社の業績を米ドルベースで連結していることから、米ドルベースで記載しています。
為替変動による影響額は、売上高については前年度及び当年度における平均為替レートの変動を主要な取引通貨建て売上高に適用して算出し、営業損益についてはこの売上高への為替変動による影響額から、同様の方法で算出した売上原価ならびに販売費及び一般管理費への為替変動による影響額を差し引いて算出しています。I&SS分野では、独自に実施した為替ヘッジ取引の影響が、売上高及び営業損益への為替変動による影響額に含まれています。
これらの情報はIFRSに則って開示されるソニーの連結財務諸表を代替するものではありません。しかしながら、これらの開示は、投資家の皆様にソニーの営業概況をご理解頂くための有益な分析情報と考えています。
所在地別の業績
所在地別の業績は、顧客の所在国又は地域別に分類した売上高を「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『4.セグメント情報』に記載しています。
(4)財政状態の分析
2025年度末におけるソニーの連結財政状態については、以下のとおりです。
資産合計は15兆6,835億円と、前連結会計年度末に比べて19兆6,097億円の減少となりました。負債合計は7兆1,699億円と、前連結会計年度末に比べて19兆6,131億円の減少となりました。資本合計は8兆5,136億円と、前連結会計年度末に比べて34億円の増加となりました。この資産及び負債の減少は、主に、2025年度において、金融事業のパーシャル・スピンオフの実行にともない、金融事業を営むSFGIを連結除外したことによるものです。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析
営業活動によるキャッシュ・フロー:1兆9,456億円の受取超過(前年度比3,761億円の受取の減少)
継続事業からの営業活動キャッシュ・フロー:1兆9,663億円の受取超過(前年度比51億円の受取の減少)
(-)営業債権及び契約資産の減少額の縮小
(-)棚卸資産の減少額の縮小
(-)営業債務の増加額の縮小
(+)非資金調整項目(減価償却費及び償却費(契約コストの償却を含む)、その他の営業損(益)(純額)、有価証券に関する利益(純額)ならびに持分法による投資損失(純額)(受取配当金相殺後))を加味した後の税引前利益の増加
投資活動によるキャッシュ・フロー:1兆9,705億円の支払超過(前年度比1兆404億円の支払の増加)
継続事業からの投資活動キャッシュ・フロー:7,842億円の支払超過(前年度比1,190億円の支払の減少)
(+)固定資産の購入による支払の減少
(+)ビジネスの買収等による支出の減少
(-)投資及び貸付額の増加
非継続事業からの投資活動キャッシュ・フロー:1兆1,863億円の支払超過(前年度比1兆1,594億円の支払の増加)
(-)2025年度において、金融事業のパーシャル・スピンオフの実行にともない、金融事業を営むSFGIを連結除外したことによる影響
財務活動によるキャッシュ・フロー:8,428億円の支払超過(前年度比5,445億円の支払の増加)
継続事業からの財務活動キャッシュ・フロー:8,335億円の支払超過(前年度比5,562億円の支払の増加)
(-)自己株式の取得額の増加
(-)非支配持分からの払込による収入の減少
(-)長期借入債務による調達額の減少
為替変動の影響を加味した2026年3月末に係る連結財政状態計算書の現金及び現金同等物期末残高:2兆2,089億円(前年度末比7,721億円の減少)
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
以下の基本方針及び数値情報は、独自に流動性を確保している一部の子会社を除いたソニーの連結事業にもとづいて説明しています。
流動性マネジメントと資金の調達
ソニーは、事業活動に必要な流動性を保ちながら健全な財政状態を維持することを財務の重要な目標と考えています。ソニーは、現金及び現金同等物(以下「現預金等」。ただし、国の規制等で資金の移動に制約があるものを除く)及びコミットメントラインの未使用額を合わせた金額を流動性として位置づけています。
流動性の保持に必要な資金は、営業活動及び投資活動(資産売却を含む)によるキャッシュ・フロー及び現預金等でまかないますが、ソニーは必要に応じて社債、CP、銀行借入等の手段を通じて、金融・資本市場からの資金調達を行っています。
当社、SGTS及び米国の子会社Sony Capital Corporation(以下「SCC」)は日本・米国・欧州の各市場へアクセス可能なCPプログラム枠を有しています。2025年度末時点で当社、SGTS及びSCCは、円換算で合計1兆2,993億円分のCPプログラム枠を保有しています。2025年度末における発行残高はありません。
金融・資本市場が不安定な混乱状況に陥り、前述の手段により十分な資金調達ができなくなった場合に備え、ソニーは、多様な金融機関との契約によるコミットメントラインも保持しています。2025年度末の未使用のコミットメントラインの総額は円換算で7,896億円です。未使用のコミットメントラインの内訳は、日本の銀行団と結んでいる3,500億円の円貨コミットメントライン、日本の銀行団と結んでいる1,700百万米ドルの複数通貨建てコミットメントライン、外国の銀行団と結んでいる1,050百万米ドルの複数通貨建てコミットメントラインです。金融・資本市場の流動性がなくなった場合でも、ソニーは現預金等及びこれらのコミットメントラインを使用することによって十分な流動性を維持することができると現時点では考えています。
ソニーは、流動性及び資本政策に対する財務の柔軟性を確保し、金融・資本市場を通じた十分な資金リソースへのアクセスを保持するため、安定した一定水準の信用格付けの維持を重要な経営目標の一つと位置づけています。ただし、グループ全体の主要な資金調達に関する金融機関との契約において、ソニーの信用格付けが低下した場合に、強制的に早期弁済を求められるものはありません。また、これら契約のうち一部のコミットメントライン契約については、ソニーの信用格付けにより借入コストが変動する条件が含まれているものがありますが、未使用のコミットメントラインからの借入を禁ずる条項を含んでいるものはありません。
キャッシュ・マネジメント
ソニーは日本においては当社、米国においてはSCC、それ以外の地域においてはSGTSを中心にグローバルな資金管理を行っています。資本取引に規制があり資金移動を制限されている国や地域は一部存在しますが、大部分の子会社における資金の過不足は、当社、SGTS及びSCCにより純額ベースで運用又は調達をしています。ソニーは資金の効率化をめざし、各子会社に資金余剰が出た場合は当社、SGTS及びSCCに預け、また各子会社に資金不足が生じた場合には当社、SGTS及びSCCを通じて資金の貸し借りを行うことで、余剰資金を活用し、外部借入を削減することができます。関係会社間の効率的な資金移動が制限されている国や地域では、ソニーは当社、SGTS及びSCCの外に資金を残していますが、必要な流動性資金はキャッシュ・フローや外部からの借入(もしくはその両方)によって調達しています。ソニーは、海外に所在する移動を制限されている資金が、ソニー全体の流動性や財務状況ならびに業績に重大な影響を与えるとは考えていません。
なお、ソニーグループが創出した営業活動によるキャッシュ・フローに関する、成長投資、手許資金及び株主還元への配分についての考え方に関しては「第2 事業の状況」「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等『第五次中期経営計画 経営数値目標及びキャピタルアロケーションとその進捗』」をご参照ください。
オフバランス取引
ソニーは、流動性と資金調達手段の確保、及びクレジットリスクを軽減するためにオフバランス取引を行っています。これらの取引は、ソニーが営業債権に対する支配を放棄したことから、売却として会計処理されます。
借入債務、コミットメント及び偶発債務等
2026年3月31日現在におけるソニーの借入債務、コミットメント及び偶発債務等は以下のとおりです。
借入債務
「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『6.金融商品に関連するリスク管理 (4) 流動性リスク』及び『14.短期借入金及び長期借入債務』をご参照ください。
ローン・コミットメント、パーチェス・コミットメント及び訴訟に関する偶発債務
「第5 経理の状況」連結財務諸表注記『32.パーチェス・コミットメント、偶発債務及びその他』をご参照ください。

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