有価証券報告書-第68期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/18 14:33
【資料】
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【項目】
121項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、見積りによる収益・費用の計上を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる方法により見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、不確実性を含んでおり、見積りによる数値とは異なる場合があります。
特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① たな卸資産
当社グループは、連結会計年度末時点において簿価と市場価格の状況を検討し市場価格が下回る場合は評価損を計上しております。実際の市場価格が当社グループの見積りより悪化した場合、計上した評価損の過不足が生じる可能性があります。
② 貸倒引当金
当社グループは、債権の回収不能時に発生する損失の見積額について貸倒引当金を計上しておりますが、債権先の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要になる場合があります。
③ 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、評価性引当金を計上しておりますが、繰延税金資産の全部または一部を将来回収出来ないと判断した場合、当該判断を行った期に調整額を費用として計上いたします。
④ 退職給付費用
従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合及び今後この前提条件が変化した場合には、変化した年度以降の退職給付費用が大きく増加する場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
前年同期に比べて国内では、政策効果の影響などによる輸出企業を中心とした堅調な推移を背景に、主力製品である制御用操作スイッチなどの制御機器製品群、バーコードを中心としたAUTO―ID(自動認識)機器などの制御装置及びFAシステム製品群が伸長しました。また、新規事業として取り組んでいる太陽光発電関連ビジネス事業の売上についても大きく伸長しました。海外においては、中国経済の減速傾向や東南アジア地域における政治情勢の不透明感による景気に足踏み間があったものの、米国においては民需の牽引などにより堅調に推移したことなどもあり、当社主力製品である制御用操作スイッチや制御用リレーなどの制御機器製品群、プログラマブルコントローラなどの制御装置及びFAシステム製品群が伸長しました。その結果、国内売上高は、国内売上高は265億2千9百万円(前年前期比14.8%増)、海外売上高は156億4千4百万円(前年前期比18.4%増)となり、連結全体の売上高は、421億7千3百万円(前年前期比16.1%増)となりました。
なお、当期における対米ドルの平均レートは、109.77円(前年同期は100.17円で9.6円の円安)となりました。
② 損益状況
売上高の増加に伴い、売上原価は、前年同期に比べ、41億4千2百万円増加し、250億5千6百万円となりました。販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ、11億4千3百万円増加し、142億7百万円となりました。以上の結果、営業利益は、前年同期に比べ、5億6千7百万円増加の29億1千万円(前年同期比24.2%増)となりました。
営業外収益は、前年同期に比べ、為替差益が増加したことなどにより、1億4千6百万円増加の4億8千4百万円となり、営業外費用は、支払補償費の計上などにより、前年同期に比べ、3千6百万円増加の2億3千4百万円となりました。その結果、経常利益は、前年同期に比べ、6億7千7百万円増加の31億6千万円(前年同期比27.3%増)となりました。
特別利益は、前年同期に比べて、9千3百万円減少の2千9百万円となりました。これは主に、前年同期において退職給付制度終了益を計上したことによるものです。特別損失は、前年同期に比べ、減損損失が減少したことなどにより、2億2千1百万円減少の3千4百万円となりました。その結果、税金等調整前当期純利益は、前年同期に比べて、8億5百万円増加し、31億5千5百万円(前年同期比34.3%増)となり、当期純利益は、前年同期に比べて、6億3千9百万円増加し、20億9千6百万円(前年同期比43.9%)となりました。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
① 市場の動向
当社グループは、主要販売品目の性格上、設備投資需要の動向の影響を受けております。
② 為替の変動
当社グループは、製品の約4割を海外の市場にて販売しております。為替変動のリスクを回避するため通貨ヘッジ取引を行い、短期的な変動による悪影響を最小限にとどめるよう努めておりますが、その影響を受ける可能性もあるため、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産の額は、前連結会計年度末より35億9千9百万円増加し、493億7千8百万円となりました。これは、主に受取手形及び売掛金が8億9千7百万円、太陽光発電関連ビジネス事業の推進によりたな卸資産が14億7千5百万円、太陽光発電所等の有形固定資産が9億6千3百万円増加したことによるものです。
負債の額は、前連結会計年度末より2億8千2百万円増加し、170億3千2百万円となりました。これは主に、前受金が7億8千万円減少した一方で、支払手形及び買掛金等の仕入債務が2億6千6百万円、借入金が7億3百万円増加したことによるものです。
純資産の額は、主に当期純利益の計上により利益剰余金が14億4千7百万円増加し、為替換算調整勘定のマイナス残高が14億6千1百万円減少したことにより、前連結会計年度末より33億1千6百万円増加し、323億4千5百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より2億5千2百万円増加し、79億9千5百万円となりました。
なお、当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、19億2千5百万円の収入となりました。これは主に、太陽光発電関連ビジネス事業の推進により、たな卸資産が7億5千4百万円増加したことや前受金が7億8千万円減少した一方で、税金等調整前当期純利益を31億5千5百万円計上したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、11億6千9百万円の支出となりました。これは主に、有価証券の売却により4億4千1百万円の収入となった一方で、太陽光発電所等の有形固定資産を取得したことより13億7千5百万円、株式会社コーネット及び株式会社コーネットシステムの株式を取得したことにより1億2千2百万円を支出したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、8億9千1百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払いにより9億円を支出したことによるものです。
(5) 戦略的現状と見通し及び今後の方針
世界の経済情勢は、米国では底堅い回復が続き、欧州においても債務問題沈静化により回復が予想され、アジアにおいても安定的成長が継続することが予測されます。また、国内においても経済対策が景気を下支えし、緩やかな回復基調が続くものと予測されます。
このような状況のもと当社グループでは、基盤事業での収益性向上、環境分野を中心とした新規事業拡大に取り組んでおります。