有価証券報告書-第60期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、地政学リスクが高まり、米国の通商政策を始めとした各国の政策リスクも上昇しております。加えて、資源・エネルギー価格の上昇・変動やインフレなどが経済活動に影響を及ぼすと共に先行きの不透明感を高めております。
当社グループの属する電子部品業界におきましては、自動車関連部品向けでは当期前半に米国の関税政策による駆け込み需要があり、以降は緩やかな回復基調での推移となりました。民生用機器向けは通信等の分野が回復し堅調に推移しました。特にスマートフォンは当期モデルの売れ行きが例年と比べて好調でありました。一方、産業用機器向けを中心とした市場は在庫調整が継続し、回復時期は未だに不透明な状況です。
このような状況下、当社グループは本格化するLED用リードフレームの生産拡大を中心に、一層の高い技術力が求められる高付加価値のマイクロコネクタ用部品への挑戦、高騰する金属価格に対応するためのメッキ工程のコスト削減など、さらに高い水準の収益性の実現を目指してまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ13億9千8百万円増加し、342億3千2百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ7千4百万円増加し、110億6百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ13億2千3百万円増加し、232億2千6百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は304億1千5百万円(前年同期比13.1%増)、営業利益は16億5千万円(同166.8%増)、経常利益は17億6千6百万円(同163.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億3千1百万円(同174.9%増)となりました。
製品群別の経営成績は次のとおりであります。
パワー半導体用リードフレーム
当製品群は、自動車向けや民生用機器向け及び産業用機器向けが主なものであります。自動車向けの需要が緩やかな回復基調で推移した一方、産業用機器向けは在庫調整局面からの回復が遅れております。その結果、当製品群の売上高は101億5千2百万円(前年同期比5.7%減)となりました。
オプト用リードフレーム
当製品群は、LED用リードフレームが主なものであります。市場規模は横ばいで推移しているものの、民生用機器向けハイエンド品の量産が本格化したことで生産量が大幅に増加いたしました。その結果、当製品群の売上高は51億9千万円(同53.9%増)となりました。
コネクタ用部品
当製品群は、自動車向けやモバイル端末向けが主なものであります。スマートフォン向けは当期モデル向け部品が前年を上回り、自動車向けも堅調に推移いたしました。その結果、当製品群の売上高は144億1千1百万円(同19.2%増)となりました。
その他
その他の製品群としては、金型用部品やリレー用部品が主なものであります。当製品群の売上高は6億6千1百万円(同1.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8億8千8百万円増加し、当連結会計年度末には53億3千4百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は24億9千9百万円(前年同期は7億3千2百万円)となりました。これは、主に棚卸資産5億2千6百万円の増加及び仕入債務8億9千4百万円の減少による資金の減少の一方、税金等調整前当期純利益16億6千4百万円及び減価償却費21億4千9百万円による資金の増加であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は16億1千5百万円(前年同期は16億4千5百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出17億9千4百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1千7百万円(前年同期は9千8百万円)となりました。これは主に自己株式処分4億2千8百万円による資金の増加と、配当金の支払4億6千8百万円による資金の減少であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| パワー半導体用リードフレーム(千円) | 9,885,935 | △13.1 |
| オプト用リードフレーム(千円) | 5,229,081 | 50.5 |
| コネクタ用部品(千円) | 14,548,344 | 20.3 |
| その他(千円) | 653,269 | 1.9 |
| 合計(千円) | 30,316,631 | 9.9 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 受注高 | 受注残高 | ||
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | 金額(千円) | 前年同期比(%) | |
| パワー半導体用リードフレーム | 10,294,009 | △4.7 | 1,166,644 | 13.8 |
| オプト用リードフレーム | 5,320,065 | 56.2 | 576,513 | 29.0 |
| コネクタ用部品 | 14,594,773 | 16.1 | 1,329,476 | 15.9 |
| その他 | 681,665 | 10.1 | 38,372 | 112.8 |
| 合計 | 30,890,514 | 12.7 | 3,111,007 | 18.0 |
(注)金額は販売価格で表示しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績については、単一セグメントのため製品群別ごとに記載しております。
| 製品群別の名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| パワー半導体用リードフレーム(千円) | 10,152,028 | △5.7 |
| オプト用リードフレーム(千円) | 5,190,220 | 53.9 |
| コネクタ用部品(千円) | 14,411,860 | 19.2 |
| その他(千円) | 661,319 | 1.5 |
| 合計(千円) | 30,415,428 | 13.1 |
(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 日亜化学工業㈱ | 2,514,817 | 9.3 | 4,277,735 | 14.0 |
| Fujikura Conec (THAILAND)LTD. | 3,266,399 | 12.1 | 4,250,553 | 13.9 |
(注)2025年5月1日にDDK(THAILAND)LtdからFujikura Conec (THAILAND)LTD.へ社名変更しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は304億1千5百万円(前年同期比13.1%増)となりました。これは主にオプト用リードフレームとコネクタ用部品の増加によるものです。営業利益は16億5千万円(同166.8%増)となりました。これは主にマイクロコネクタ向けやLED向けの高付加価値製品の比率が増加し、製品構成が改善したことによるものです。また、経常利益は17億6千6百万円(同163.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億3千1百万円(同174.9%増)となりました。
売上高については、パワー半導体用リードフレームでは民生用機器向け及び産業用機器向けでは在庫調整が続いております。
オプト用リードフレームでは、市場環境は横ばいで推移しているものの、当社受注は民生向け及び自動車向けハイエンド品の量産により増加しました。今後も立ち上がりを予定している品目があることから、増加傾向の継続が見込まれております。
コネクタ用部品は、スマートフォン向けは新機種の需要が好調であったことから年を跨いで好調に推移し、自動車向けも概ね堅調に推移いたしました。
利益面では、パワー半導体用リードフレームではまだら模様の状況が継続しているものの、その他の分野では明確に底打ちして稼働率が上昇したことから、利益率は前年同期と比較して大幅に改善いたしました。
b.財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末の財政状態は、総資産は前連結会計年度末に比べ13億9千8百万円増加し、342億3千2百万円となりました。
流動資産は、現金及び預金、売掛金及び棚卸資産の増加により前連結会計年度末に比べ17億4千4百万円増加の
193億5千4百万円となりました。
固定資産は、減価償却費計上等により、前連結会計年度末に比べ3億4千6百万円減少の148億7千8百万円となりました。
一方、負債合計は、前連結会計年度末に比べ7千4百万円増加し、110億6百万円となりました。これは、主に仕入債務の減少の一方、未払法人税等及び賞与引当金、繰延税金負債の増加によるものです。
また、純資産は利益剰余金の増加等により232億2千6百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。
運転資金需要のうち主なものは生産活動に必要な運転資金及び販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては生産性向上のための機械装置等固定資産購入によるものであります。
当社グループは現在、運転資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は短期借入金で調達を行っております。また、設備資金につきましては、設備資金計画に基づき調達計画を作成し、内部資金で不足する場合は、長期借入金等により調達を行っております。また、金融機関には充分な借入枠を有しており、当社グループの事業に必要な運転資金及び設備資金の調達は今後も可能であると考えております。
なお、海外子会社につきましては、運転資金、設備資金とも、直接現地金融機関等より調達を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。