有価証券報告書-第69期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 13:20
【資料】
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【項目】
152項目
当連結会計年度における当企業集団の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当企業集団の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当企業集団が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当企業集団の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について」に記載の通りであります。
(2)経営成績
当連結会計年度(2019年4月1日~2020年3月31日)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善等により緩やかな回復基調で推移しておりましたが、米国をはじめとする各国の通商政策による貿易摩擦や中国経済の減速等の影響をうけ、先行き不透明な状況が続いておりました。2020年に入ってからは、世界的に広がる新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、インバウンド消費並びに国内消費が抑制されるなど、経済活動の減速懸念が強まる状況となりました。
当企業集団を取り巻く環境は、外食産業では、価格改定や期間限定商品の投入により客単価が上昇し、ファーストフードなどの売上は引き続き堅調でしたが、人件費の上昇や食材費の高騰、消費増税の影響に加え、新型コロナウイルス感染症による外出自粛等の影響により厳しい状況が続いております。また、流通産業では、惣菜や生鮮の堅調な推移と加工食品の値上げ寄与はあったものの、依然として根強い消費者の節約志向の中、深刻な人手不足や物流コストの上昇等による影響で引き続き厳しい経営環境で推移しております。
冷凍冷蔵庫販売では、大型機のモデルチェンジを行いラインナップをさらに拡充した製氷機や加熱調理後の食品を素早く冷却するブラストチラー、一定時間で品質劣化を抑え衛生的に解凍できる解凍庫の販売が一年を通して好調に推移したことに加え、上期にはインバウンド需要や消費増税前の駆け込み需要を背景に飲食店向けの売上が増加し、低温インキュベーターや薬用保冷庫の販売も伸びたことにより、売上高は242億4千万円(前年比4.0%増)となりました。
冷凍冷蔵ショーケース販売では、コンビニエンスストアの改装案件やドラッグストア向け販売は減少したものの、上期に食品スーパーの新規出店や改装への投資が好調であったこと、海外におけるショーケース販売が堅調に推移したことなどにより、売上高は307億2千9百万円(前年比2.8%増)となりました。
大型食品加工機械販売では、食品メーカーを中心にトンネルフリーザーの引き渡しが第4四半期に集中し大きな売上となったものの、消費の冷え込みなどの影響で流通業界が厳しい環境となり、食品メーカーの設備投資が減少したことなどにより、売上高は72億6千1百万円(前年比9.8%減)となりました。
大型パネル冷蔵設備販売では、スーパーマーケットのプロセスセンターなど流通関連施設への販売は堅調に推移しましたが、低温物流倉庫や食品工場向けの販売が前年に比べ減少したことなどにより、売上高は106億4千6百万円(前年比7.7%減)となりました。
小型パネル冷蔵設備販売では、スーパーマーケットやホテル、給食施設などの厨房向けの販売は堅調に推移しましたが、コンビニエンスストアのバックヤード向けパネル冷蔵設備の受注などの減少により、売上高は55億2千3百万円(前年比2.4%減)となりました。
サービス販売では、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの保守契約による売上の増加に加え、第2四半期には消費増税前の駆け込み需要による売上が増加し、売上高は83億9千9百万円(前年比3.8%増)となりました。
製造部門においては、滋賀、岡山の両工場で単一作業の自動化や生産工程の品質を監視する画像認識システムの導入、自動搬送設備の増設など生産効率の向上に取り組んでまいりました。また、原材料や輸入部品の価格高騰、配送費などのコスト増を吸収するため、引き続き固定費の削減、原価低減に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の売上高は868億1百万円(前年比0.3%増)となりました。本社移転費用や業務用冷凍冷蔵庫のフルモデルチェンジ費用が発生したことなどから、営業利益は90億8千7百万円(前年比3.4%減)、経常利益は94億4千6百万円(前年比2.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は62億2千6百万円(前年比5.9%減)となりました。
(3)財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は589億7千8百万円(前連結会計年度は604億2千2百万円)となり、14億4千4百万円減少しました。これは主として現金及び預金が減少したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は293億円3千9百万円(前連結会計年度は262億円)となり、31億3千9百万円増加しました。これは主として有形固定資産の建物及び構築物が増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は284億8千9百万円(前連結会計年度は310億8千8百万円)となり、25億9千9百万円減少しました。これは主として支払手形及び買掛金が減少したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は17億1千7百万円(前連結会計年度は16億4千6百万円)となり、7千1百万円増加しました。これは主として退職給付に係る負債が増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は581億1千1百万円(前連結会計年度は538億8千7百万円)となり、42億2千4百万円増加しました。これは主として親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析・検討内容
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税金等調整前当期純利益を91億8千3百万円計上し、投資活動や財務活動に74億6千2百万円使用した結果、前連結会計年度末に比べ24億9百万円減少し、312億5千9百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、51億4千万円(前年同期比14億2千4百万円減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、64億4千5百万円(前年同期比32億1千6百万円増)となりました。これは主に事業用地及び営業社屋の取得並びに各工場の生産設備等有形固定資産の取得を行ったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、10億1千7百万円(前年同期比2億8千1百万円減)となりました。これは主に配当金の支払を行ったことによるものです。
② 資金需要
当社グループは、事業運営上、必要な資金を安定的に確保することを基本方針としております。
当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資、法人税等の支払い、配当金の支払い等であります。また、その資金の原資といたしましては、営業活動によるキャッシュ・フロー及び銀行借入によるものを基本としております。
なお、最近3連結会計年度におけるキャッシュ・フロー指標のトレンドを示すと以下のとおりとなります。
項目2018年3月期2019年3月期2020年3月期
自己資本比率(%)58.462.165.7
時価ベースの自己資本比率(%)108.782.277.1
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍)0.10.00.0
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)393.9599.4429.1

(注) 1 上表中の各指標は以下のとおり算出しております。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2 いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
3 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出しております。
4 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
6 利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(5)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
製品生産実績
当連結会計年度における生産実績を品目区分別に示すと、以下のとおりであります。
区分生産高(百万円)前年同期比
(%)
冷凍冷蔵庫20,871101.6
冷凍冷蔵ショーケース18,10998.2
合計38,981100.0

(注) 1 当企業集団の製品は単位に大きな差があるため、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
当企業集団は受注生産は行っておりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績を品目区分別に示すと、以下のとおりであります。
区分販売高(百万円)前年同期比
(%)
冷凍冷蔵庫24,240104.0
冷凍冷蔵ショーケース30,729102.8
大型食品加工機械7,26190.2
大型パネル冷蔵設備10,64692.3
小型パネル冷蔵設備5,52397.6
サービス8,399103.8
合計86,801100.3

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。