有価証券報告書-第51期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/22 10:09
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(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度(以下、当期)における世界経済は、各国による金融政策に伴うインフレや米国関税政策及び中国経済の見通しに加えて中東情勢の緊迫化など地政学リスクの高まりにより国際経済は不透明な状況が続きました。わが国においては、設備投資は持ち直しの傾向があり経済は緩やかに回復しているものの、物価上昇や中東情勢の影響など不透明な状況は依然として継続しております。
このような環境のなか、当社グループでは中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」で定めた重点施策に基づき、収益性の維持による安定的な財務基盤の実践と、製品市場別戦略として定期的かつ革新的な新製品を上市する目標を策定し取り組んでおります。当期は、第4四半期連結会計期間において、SG(サイングラフィックス)市場向けでは、幅広いグラフィックを1台で制作するハイブリッドUVプリンタ「UJ330H-160」を発表しました。「UJ330H-160」はロール素材への出力とリジッド(ボード)素材のダイレクトプリントを1台で実現するプリンタです。また、フラグシッププリンタ「UCJV330」及び同製品に搭載されるUV硬化型インク「LUS-200」「LUS-170」が、3M™MCS™保証プログラムに認定されました。最長6年の耐候性保証により、屋外グラフィックスの高品質かつ高信頼性の長期利用価値を実現します。製品及びソリューションの組み合わせにより、高品質で信頼性の高いグラフィック製作の実現が可能となります。TA(テキスタイル・アパレル)市場向けでは、広幅テキスタイルもシームレスに出力する「TS330-1800」を昇華転写プリンタのラインナップに追加しました。「TS330-1800」は、高密度・高精細のプリントヘッドと当社独自のイメージング技術を搭載した、テキスタイル用途向けフラグシッププリンタです。また、2026年2月には、主力工場である加沢工場(長野県東御市)に開発体制の一層の充実を目的とした新社屋F棟が竣工しました。(2026年4月稼働開始)
売上高は、0.3%減収の結果となりました。製品市場別では、SG市場向けは、既存モデルが伸びず増収幅は微増でしたが、新製品が期を通じて好調でした。IP(インダストリアルプロダクツ)市場向けは、下期において回復基調となりましたが上期の軟調を補えず減収となりました。TA市場向けは、DTF(Direct to Film)モデルの販売減少が継続しましたが、昇華転写モデルの新製品の好調を背景に通期での減少幅は縮小されました。インクの販売は、各市場ともに前年比を上回る結果となりました。FA(ファクトリーオートメーション)事業では、自動車業界向けのFA装置の減少により大幅な減収となりました。
利益面では、営業利益は、原価低減活動に加えてインクと本体機種のプロダクトミックスの改善が進んだことから前年を上回る94億31百万円と過去最高益となりました。販売費及び一般管理費は、将来成長のための研究開発費や人件費等の開発投資は計画どおり積極的に実施しましたが、製品の品質改善の進展に伴い市場対応にかかる費用の減少が寄与したことに加えて為替のプラス影響もあり営業利益率も高水準の11.3%となりました。
以上の結果、当期における当社グループの売上高は837億25百万円(前期比0.3%減)、営業利益は94億31百万円(同3.5%増)、経常利益は89億7百万円(同5.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は67億41百万円(同9.5%増)となりとなり、営業利益以下の各段階利益は過去最高を更新しました。
当期における主要な為替レートは、1米ドル=150.78円(前期 152.57円)、1ユーロ=174.79円(前期 163.74円)で推移しました。
セグメントの業績は次のとおりであります。なお、セグメントの利益につきましては、セグメント間取引消去の影響により連結損益計算書の営業利益から乖離してしまうため、記載を省略しております。
(日本・アジア・オセアニア)
売上高は371億52百万円(前期比2.2%減)となりました。日本では、TA市場向けは下期に発表の昇華転写プリンタの好調や特定用途の専用機種の販売が好調となり、インクも飛躍的に伸長しました。SG市場向けは、新製品のエコソルベントのエントリーモデルは好調に推移しましたが、IP市場向けとともに既存モデルが伸びずに減収となりました。なお、インクの販売はSG・IP市場向けも増加しました。FA事業は、自動車業界向けのFA装置が大幅に減少しました。これにより日本全体では微減となりました。なお、FA事業を除いた売上は前期比4.2%の増収でした。アジア・オセアニアでは、SG市場向けは、エコソルベントモデルの販売は伸長しましたが既存製品が伸びず減少となりました。IP市場向けは、大型・小型FB(フラッドベッド)ともに大幅減少により減収となりました。なお、インクの販売は大幅に伸長しました。TA市場向けは、DTFモデルやインクの販売が大幅に減少しました。
(北・中南米)
売上高は249億60百万円(同3.7%増)となりました。北米では、IP市場向けは大型のFBモデルやミドルサイズのモデルが好調となり、小型FBも前年並みに回復し、インクの販売も堅調でした。SG市場向けはエコソルベントのエントリーモデルが大幅に増加し、インクの販売も好調でした。TA市場向けでは大型生産機のTiger600が順調に推移しましたが、DTFモデルの軟調により本体の販売は大幅に減少しました。またインクの販売は、2桁増収と飛躍的に伸びました。全体では、北米の堅調に加え中南米の好調もあり増収となりました。
(欧州・中東・アフリカ)
売上高は216億13百万円(同1.3%減)となりました。欧州では、SG市場向けのエコソルベントモデルが大きく伸長し、UV-DTFモデルも堅調に増加しました。インクの販売は前年並みでした。IP市場向けは大型FBモデルの増加や一部の小型FBモデルは販売を伸ばしましたが、小型FBモデル全体では減少し同市場向けの本体販売は減少しました。インクの販売は堅調でした。TA市場向けは、環境配慮製品である昇華転写とダイレクト印刷が可能な無水モデルが好調でしたが、DTFモデルの販売減少により本体の販売は大幅に減少しました。インクの販売は、2桁増収と大きく伸長しました。欧州全体では為替の円安の追い風もあり前年並みに留まりましたが、中東・アフリカの軟調によりエリア全体では微減となりました。
[市場別売上高]
売上高(百万円)構成比率(%)対前年増減率(%)
S G 市 場 向 け34,65041.41.9
I P 市 場 向 け21,55725.7△2.4
T A 市 場 向 け9,58811.5△7.1
F A 事 業4,1404.9△18.1
そ の 他13,78816.510.2
合 計83,725100.0△0.3

(SG市場向け)
売上高は346億50百万円(前期比1.9%増)となりました。プリンタ本体は、エコソルベントのエントリーモデルが期を通じて好調に推移したものの、既存のUVインクモデルが伸び悩んだことから、小幅な増収となりました。インクの販売堅調もあり、全体でも増収となりました。
(IP市場向け)
売上高は215億57百万円(同2.4%減)となりました。プリンタ本体は、ミドルサイズのFBモデルの牽引や第3四半期より回復基調にある小型FBモデルの販売が順調となりましたが、新製品の端境期の影響による上期の軟調分を通期では補いきれず減収となりました。インクの販売は好調に推移しましたが、全体では減収となりました。
(TA市場向け)
売上高は95億88百万円(同7.1%減)となりました。プリンタ本体は、DTFモデルの減少影響を受け大幅に減少しました。インクの販売は継続して好調に推移しました。当第4四半期(2026年1月から3月)に投入の昇華転写のフラッグシップモデルは順調な立ち上がりとなりましたが、全体では減収となりました。
(FA事業)
売上高は41億40百万円(同18.1%減)となりました。半導体製造装置等は前年並みでしたが、前期に受注が好調であった自動車業界向けFA装置の大幅減少を受け、全体でも大幅な減収となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度における資産の残高は、828億89百万円(前連結会計年度末761億74百万円)となり67億15百万円増加しました。流動資産の残高は、626億75百万円(同576億3百万円)となり50億72百万円増加しました。これは、主に商品及び製品の増加等によるものです。また、固定資産は202億14百万円(同185億70百万円)となり16億43百万円増加しました。これは、主に建設仮勘定の増加等によるものです。
(負債)
当連結会計年度における負債の残高は、427億83百万円(同438億円)となり10億16百万円減少しました。流動負債の残高は、384億42百万円(同372億91百万円)となり11億50百万円増加しました。これは、主に短期借入金の増加等によるものです。固定負債の残高は、43億41百万円(同65億8百万円)となり21億67百万円減少しました。これは、主に長期借入金の減少等によるものです。
(純資産)
当連結会計年度における純資産の残高は、401億6百万円(同323億73百万円)となり77億32百万円増加しました。これは、主に利益剰余金の増加等によるものです。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物残高(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の増加や短期借入金の増加等があったものの、有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出等により前連結会計年度末に比べ14億55百万円減少し、当連結会計年度末には、104億19百万円となりました。なお、営業活動、投資活動、財務活動別の詳細につきましては、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は46億22百万円(前連結会計年度比32億38百万円減)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益89億22百万円、法人税等の支払28億58百万円、棚卸資産の増加17億95百万円、仕入債務の減少14億91百万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は53億89百万円(同29億51百万円減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出29億85百万円、定期預金の預入による支出22億51百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は13億15百万円(同62億27百万円増)となりました。これは主に短期借入金の増加25億42百万円、長期借入金の返済による支出18億円等があったことによるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
対前年増減率(%)
日本・アジア・オセアニア(千円)31,907,619△9.5
欧州・中東・アフリカ(千円)3,256,360△6.0
合 計(千円)35,163,980△9.2

(注)金額は標準原価によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
また、当連結会計年度の生産実績を市場別に示すと、次のとおりであります。
市 場 別当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
対前年増減率(%)
S G 市 場 向 け(千円)14,372,456△0.5
I P 市 場 向 け(千円)7,103,933△17.7
T A 市 場 向 け(千円)4,598,057△17.3
F A 事 業(千円)3,437,034△21.7
そ の 他 (千円)5,652,498△0.6
合 計 (千円)35,163,980△9.2

b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
対前年増減率(%)
日本・アジア・オセアニア(千円)37,152,204△2.2
北・中南米(千円)24,960,0933.7
欧州・中東・アフリカ(千円)21,613,143△1.3
合 計(千円)83,725,442△0.3

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
また、当連結会計年度の販売実績を市場別に示すと、次のとおりであります。
市 場 別当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
対前年増減率(%)
S G 市 場 向 け(千円)34,650,2491.9
I P 市 場 向 け(千円)21,557,021△2.4
T A 市 場 向 け(千円)9,588,377△7.1
F A 事 業(千円)4,140,950△18.1
そ の 他 (千円)13,788,84210.2
合 計(千円)83,725,442△0.3

当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品 目当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
対前年増減率(%)
製 品 本 体(千円)31,410,096△8.8
イ ン ク(千円)32,931,5724.2
保 守 部 品(千円)7,486,1948.4
そ の 他(千円)11,897,5787.9
合 計(千円)83,725,442△0.3

(注)主要な販売先については、相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
なお、運転資本(流動資産から流動負債を差し引いた金額)は、前連結会計年度末に対して39億21百万円増加し、242億33百万円となりました。今後も社会情勢等は不確実な経営環境が続くものと想定されますが、当社の財政状態は健全性を保っていることに加え、資金についても十分な手当てができております。
経営成績につきましては、売上高は837億25百万円(前連結会計年度比0.3%減)、営業利益は94億31百万円(同3.5%増)となりました。詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは△7億66百万円となりました。これは税金等調整前当期純利益は増加したものの、売上債権の減少や棚卸資産の増加等により営業キャッシュ・フローが減少(前連結会計年度比32億38百万円減)したことに加えて、中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」に掲げた目標達成に向けた、有形固定資産の取得等の積極的な投資により、投資キャッシュ・フローの支出が増加(同29億51百万円増)したことによるものです。当社グループは、売上高成長の追求のもと、安定的な収益性を維持することで、棚卸資産の適正化に向けた諸施策を実施して営業キャッシュ・フローの最大化を図りつつ、新たな領域への投資を含む成長投資も積極的に行い、財政状態の健全性維持と持続的な成長の実現を両立させるべく、内部資金・直接金融・間接金融のバランスを図りつつ、計画的に資本の財源を確保してまいります。
③経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、中長期成長戦略「Mimaki Innovation 30」において、2030年3月期に売上高1,500億円目標に掲げ、この実現に向けて従来のように売上高成長を追求するだけでなく、高い収益を継続的に生み出すとともに、財務基盤を強化して、持続可能な成長に向けた強靭な企業基盤の構築に取り組んでまいります。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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