有価証券報告書-第117期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は、原則として連結財務諸表に基づいて分析したものである。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とする。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる事項」に記載しているが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えている。
① 貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上している。将来、顧客の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性がある。
② 製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に翌期以降保証期間内の費用見積り額を計上している。当社グループは、製品の安全を最優先課題として、開発・製造から販売サービスまで最善の努力を傾けているが、実際の製品の不具合等により発生した保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。
③ 退職給付費用
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性がある。
(2) 経営成績の分析
(販売状況)
当連結会計年度のグローバル全体需要は前年度比2.1%増の8,715万台となった。当社グループのグローバル販売台数は、前年度比2.0%増の542万3千台に達し、グローバル市場占有率は前年度と同水準の6.2%となった。
日本国内の全体需要は前年度比6.8%減の494万台となった。当社グループの販売台数は「エクストレイル」が貢献したものの、前年度比8.1%減の57万3千台となり、市場占有率は前年度比0.2ポイント減の11.6%となった。
中国の全体需要は前年度比6.0%増の2,368万台となった。当社グループの販売台数は「エクストレイル」や「シルフィ」シリーズの貢献により、前年度比6.3%増の125万台となり、市場占有率は前年度と同水準の5.3%となった。
メキシコとカナダを含む北米市場の全体需要は前年度比5.8%増の2,094万台となった。当社グループの販売台数は前年度比9.9%増の201万1千台となった。米国の全体需要は前年度比5.2%増の1,760万台となった。当社グループの販売台数は「アルティマ」、「ローグ」の貢献により、前年度比8.4%増の151万7千台となり、市場占有率は0.2ポイント増の8.6%となった。
欧州の全体需要は前年度から3.5%増の1,840万台となり、ロシアを除く当社グループの販売台数は「キャシュカイ」、「ジューク」の貢献により前年度比9.4%増の63万7千台、市場占有率は前年度と同水準の3.8%となった。ロシアにおける当社グループの販売台数は前年度比32.6%減の11万6千台となった。
その他市場における当社グループの販売台数は、前年度比5.9%減の83万5千台となった。アジア・オセアニアにおける販売台数は前年度比1.7%減の35万7千台となり、中南米における販売台数は前年度比6.7%減の17万1千台となった。中東における販売台数は前年度比12.4%減の20万8千台となり、アフリカにおける販売台数は前年度比4.1%減の9万9千台となった。
(業績)
① 売上高
連結売上高は前連結会計年度に対し8,143億円(7.2%)増加し、12兆1,895億円となった。主な増収要因は、販売台数の増加および海外売上高における為替変動の換算影響である。
② 営業利益
連結営業利益は7,933億円、売上高営業利益率は6.5%となった。前連結会計年度の営業利益に対し2,037億円(34.6%)の増益となった。
営業利益の増益要因は、購買コスト削減、販売台数の増加および車種構成の改善等によるものである。
③ 営業外損益
連結営業外損益は690億円の利益となり、前連結会計年度の1,046億円の利益に対し、356億円の減益となった。これは主に、為替差損益の悪化によるものである。
④ 特別損益
連結特別損益は1,294億円の損失となり、前連結会計年度の68億円の損失に対し、1,226億円悪化した。これは主に、品質関連費用の計上および減損損失の増加によるものである。
⑤ 法人税等
法人税等は1,801億円となり、前連結会計年度に比べ172億円の減少となった。
⑥ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は290億円となり、前連結会計年度に比べ35億円の減少となった。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は5,238億円となり、前連結会計年度の4,576億円から662億円(14.5%)の増益となった。
⑧ 自動車事業実質有利子負債
当連結会計年度末の自動車事業における手元資金は有利子負債額を上回り、1兆5,029億円のキャッシュ・ポジションとなった。
⑨ 自動車事業フリーキャッシュ・フロー
当連結会計年度における自動車事業のフリーキャッシュ・フローは4,812億円のプラスとなった。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
1 キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により9,270億円増加、投資活動により1兆2,293億円減少、財務活動により5,306億円増加した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により451億円減少し、連結範囲の変更に伴い63億円増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し1,895億円(23.6%)増加の9,921億円となった。
営業活動
営業活動によって生み出された資金は9,270億円となり、前連結会計年度の6,927億円の収入に対し2,343億円増加した。主として、販売金融債権の増加による支出が増加したものの、事業活動による収入の増加及び売上債権の減少、仕入債務の増加幅の拡大による収入が増加したことによるものである。
投資活動
投資活動による支出は1兆2,293億円となり、前連結会計年度の1兆220億円の支出に対し2,073億円増加した。これは主として、拘束性預金の減少による収入が増加したものの、リース車両の純支出(取得と売却の純額)の増加による支出が増加したことによるものである。
財務活動
財務活動によって生み出された資金は5,306億円となり、前連結会計年度の2,459億円の収入に対し2,847億円増加となった。これは主として、社債の発行による収入の減少、自己株式取得及び配当金支払いによる支出が増加したものの、長期借入による純収入(借入れと返済の純額)が増加したことによるものである。
2 財務政策
当社グループは、当社財務部にグローバルトレジャラーの機能を持たせ、全世界のグループ会社の財務活動を一括して管理している。またグローバル・キャッシュ・マネジメントにより資金効率を最大限に高める活動を行っている。
当社グループは、研究開発活動、設備投資及び金融事業に投資するために、適切な資金確保を行い、最適な流動性を保持し、健全なバランスシートを維持することを財務方針としている。
金融市場の急激な環境変化などにより、資金の流動性には注視が必要であるが、当社グループは、現金及び現金同等物に加え、世界の主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、必要とされる充分な流動性を確保していると考えている。
当社グループによる無担保資金調達に係わるコスト及びその発行の可否は、一般に当社グループに関する信用格付けによっている。現在、当社グループの信用格付けは投資適格のレベルとなっているが、これらの格付けは当社グループの債券の売買・保有を推奨するものではない。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月24日)現在において当社グループが判断したものである。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とする。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しているが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる事項」に記載しているが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えている。
① 貸倒引当金
当社グループは、売上債権等の貸倒れによる損失に備えるため、回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上している。将来、顧客の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性がある。
② 製品保証引当金
当社グループは、製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、保証書の約款に従い、過去の実績を基礎に翌期以降保証期間内の費用見積り額を計上している。当社グループは、製品の安全を最優先課題として、開発・製造から販売サービスまで最善の努力を傾けているが、実際の製品の不具合等により発生した保証費用が見積りと異なる場合、引当金の追加計上が必要となる可能性がある。
③ 退職給付費用
当社グループの従業員の退職給付に備えるための退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されている。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び債務に影響を与える可能性がある。
(2) 経営成績の分析
(販売状況)
当連結会計年度のグローバル全体需要は前年度比2.1%増の8,715万台となった。当社グループのグローバル販売台数は、前年度比2.0%増の542万3千台に達し、グローバル市場占有率は前年度と同水準の6.2%となった。
日本国内の全体需要は前年度比6.8%減の494万台となった。当社グループの販売台数は「エクストレイル」が貢献したものの、前年度比8.1%減の57万3千台となり、市場占有率は前年度比0.2ポイント減の11.6%となった。
中国の全体需要は前年度比6.0%増の2,368万台となった。当社グループの販売台数は「エクストレイル」や「シルフィ」シリーズの貢献により、前年度比6.3%増の125万台となり、市場占有率は前年度と同水準の5.3%となった。
メキシコとカナダを含む北米市場の全体需要は前年度比5.8%増の2,094万台となった。当社グループの販売台数は前年度比9.9%増の201万1千台となった。米国の全体需要は前年度比5.2%増の1,760万台となった。当社グループの販売台数は「アルティマ」、「ローグ」の貢献により、前年度比8.4%増の151万7千台となり、市場占有率は0.2ポイント増の8.6%となった。
欧州の全体需要は前年度から3.5%増の1,840万台となり、ロシアを除く当社グループの販売台数は「キャシュカイ」、「ジューク」の貢献により前年度比9.4%増の63万7千台、市場占有率は前年度と同水準の3.8%となった。ロシアにおける当社グループの販売台数は前年度比32.6%減の11万6千台となった。
その他市場における当社グループの販売台数は、前年度比5.9%減の83万5千台となった。アジア・オセアニアにおける販売台数は前年度比1.7%減の35万7千台となり、中南米における販売台数は前年度比6.7%減の17万1千台となった。中東における販売台数は前年度比12.4%減の20万8千台となり、アフリカにおける販売台数は前年度比4.1%減の9万9千台となった。
(業績)
① 売上高
連結売上高は前連結会計年度に対し8,143億円(7.2%)増加し、12兆1,895億円となった。主な増収要因は、販売台数の増加および海外売上高における為替変動の換算影響である。
② 営業利益
連結営業利益は7,933億円、売上高営業利益率は6.5%となった。前連結会計年度の営業利益に対し2,037億円(34.6%)の増益となった。
営業利益の増益要因は、購買コスト削減、販売台数の増加および車種構成の改善等によるものである。
③ 営業外損益
連結営業外損益は690億円の利益となり、前連結会計年度の1,046億円の利益に対し、356億円の減益となった。これは主に、為替差損益の悪化によるものである。
④ 特別損益
連結特別損益は1,294億円の損失となり、前連結会計年度の68億円の損失に対し、1,226億円悪化した。これは主に、品質関連費用の計上および減損損失の増加によるものである。
⑤ 法人税等
法人税等は1,801億円となり、前連結会計年度に比べ172億円の減少となった。
⑥ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は290億円となり、前連結会計年度に比べ35億円の減少となった。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は5,238億円となり、前連結会計年度の4,576億円から662億円(14.5%)の増益となった。
⑧ 自動車事業実質有利子負債
当連結会計年度末の自動車事業における手元資金は有利子負債額を上回り、1兆5,029億円のキャッシュ・ポジションとなった。
⑨ 自動車事業フリーキャッシュ・フロー
当連結会計年度における自動車事業のフリーキャッシュ・フローは4,812億円のプラスとなった。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
1 キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動により9,270億円増加、投資活動により1兆2,293億円減少、財務活動により5,306億円増加した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により451億円減少し、連結範囲の変更に伴い63億円増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末残高に対し1,895億円(23.6%)増加の9,921億円となった。
営業活動
営業活動によって生み出された資金は9,270億円となり、前連結会計年度の6,927億円の収入に対し2,343億円増加した。主として、販売金融債権の増加による支出が増加したものの、事業活動による収入の増加及び売上債権の減少、仕入債務の増加幅の拡大による収入が増加したことによるものである。
投資活動
投資活動による支出は1兆2,293億円となり、前連結会計年度の1兆220億円の支出に対し2,073億円増加した。これは主として、拘束性預金の減少による収入が増加したものの、リース車両の純支出(取得と売却の純額)の増加による支出が増加したことによるものである。
財務活動
財務活動によって生み出された資金は5,306億円となり、前連結会計年度の2,459億円の収入に対し2,847億円増加となった。これは主として、社債の発行による収入の減少、自己株式取得及び配当金支払いによる支出が増加したものの、長期借入による純収入(借入れと返済の純額)が増加したことによるものである。
2 財務政策
当社グループは、当社財務部にグローバルトレジャラーの機能を持たせ、全世界のグループ会社の財務活動を一括して管理している。またグローバル・キャッシュ・マネジメントにより資金効率を最大限に高める活動を行っている。
当社グループは、研究開発活動、設備投資及び金融事業に投資するために、適切な資金確保を行い、最適な流動性を保持し、健全なバランスシートを維持することを財務方針としている。
金融市場の急激な環境変化などにより、資金の流動性には注視が必要であるが、当社グループは、現金及び現金同等物に加え、世界の主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、必要とされる充分な流動性を確保していると考えている。
当社グループによる無担保資金調達に係わるコスト及びその発行の可否は、一般に当社グループに関する信用格付けによっている。現在、当社グループの信用格付けは投資適格のレベルとなっているが、これらの格付けは当社グループの債券の売買・保有を推奨するものではない。