訂正有価証券報告書-第43期(平成30年7月1日-令和1年6月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当社グループは、2018年8月に当連結会計年度よりスタートする中期経営計画「『ASAHI Road to 1000』~Only One技術で強固なグローバルニッチNo.1を目指す~」を発表し、約一年が経過致しました。本計画に基づき、連結売上高1,000億円達成に向けた事業ポートフォリオの構築として、「グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大」を引き続き推進することで、これまでの基本戦略の集大成を図り、既存事業の収益基盤を強化、また将来に向けた成長への投資を継続することにより「グローバルニッチ市場における新規事業の創出」を実現し、グローバルニッチ市場における当社のプレゼンスの強化と企業価値の一層の向上を目指し、その成長戦略を支えるためのビジネス基盤として、「グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築」を進めるとともに「持続的成長に向けた経営基盤の確立」を図ってまいりたいと考えております。本計画では、連結売上高1,000億円に至るマイルストーンとして、2023年6月期に連結売上高800億円を達成することを目標としており、当該時点での営業利益率は25%を目途としております。
その実現に向けて、当連結会計年度では、主力製品PTCAガイドワイヤーの米国市場への直接販売の開始、プラズマエネルギー技術を有する米国のRetroVascular,Inc.(注)の株式の取得(当社の孫会社化)、就労継続支援(A型)認定のフィカス株式会社の全株式の取得(取得後、非連結子会社化)、研究開発機能の充実を目的としたグローバル本社・R&Dセンターの竣工と本社移転、米国市場における脳血管系製品の独占販売代理店契約の締結、消化器系分野の胆膵内視鏡処置具に関する基本合意書の締結、フランス支店設立と直販化の決定などを実施し、当社グループの強みをさらに盤石化するための施策を積極的に進めました。また、2018年9月21日に、東京証券取引所・名古屋証券取引所の市場第一部への指定替えを行っております。
今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
当社グループの当連結会計年度における売上高は、特にメディカル事業の海外向け売上高が増加し、572億16百万円(前年同期比14.2%増)となりました。
売上総利益は、好調な受注に伴い、397億円(同13.9%増)となりました。
営業利益は、米国や中国市場を中心とした販売・マーケティングの強化に伴う営業関係費用の増加、研究開発費の増加、RetroVascular, Inc.(注)の株式取得に伴うのれん費用の発生、新社屋への本社移転に伴う諸経費の増加などにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益の増加により吸収し、151億68百万円(同10.1%増)となりました。
経常利益は、補助金収入の増加があるものの、為替差損が増加するなどし、148億33百万円(同8.0%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、RetroVascular, Inc.(注)の株式取得に伴い、段階取得に係る差益を計上した一方、投資有価証券評価損を計上したことにより、112億37百万円(同11.9%増)となりました。
なお、当連結会計年度における外国為替レート実績は、下記となります。
1米ドル=111.15円(前年同期110.39円、比0.7%増)
1ユーロ=126.81円(前年同期131.61円、比3.6%減)
1中国元=16.28円(前年同期16.97円、比4.1%減)
1タイバーツ=3.45円(前年同期3.40円、比1.5%増)
(注)RetroVascular, Inc.は、2018年12月6日にASAHI Medical Technologies,Inc.へ商号変更をしております。
セグメントごとの経営業績は次のとおりであります。
(メディカル事業)
メディカル事業は、国内市場において医療償還価格の下落によるマイナス影響を受けたものの、海外市場の需要が強く、順調に推移いたしました。
国内市場においては、循環器系領域のPTCAガイドワイヤー・PTCAバルーンカテーテル・検査用ガイドワイヤーや非循環器系領域の脳血管系製品群などの数量が増加し、シェアが向上するなどいたしましたが、医療償還価格の下落や安定狭窄症に対する施術要件の厳格化を背景とした症例数の減少などの影響を受け、循環器系及び非循環器系領域共に売上高は減少いたしました。
海外市場においては、循環器系領域のPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテルが、中国・欧州中近東・アジア地域などで需要が増加傾向にあり、順調に推移しております。需要が堅調な理由のひとつとして、中国市場を中心に上半期を中心とした特需など一時的な増加も含まれていると考えております。また、米国市場においては、2018年7月よりPTCAガイドワイヤーについて、病院などに対して当社グループが直接販売する体制に移行しております。第2四半期連結累計期間である2018年7月~12月は、旧販売代理店が当社グループと並行して販売することが可能となる重複販売期間であり、当該期間における当社グループの売上高は一時的に減少しておりますが、当社グループが独占して直接販売を開始した2019年1月以降の足元の売上高は、好調に推移しております。
また、非循環器系領域における脳血管系の製品群について、2018年11月に大手医療機器メーカーと米国市場における独占販売契約を締結したことなどから、下半期を中心に在庫供給も含めて取引が増加する傾向にあり、売上高が増加しております。
以上の結果、売上高は482億16百万円(前年同期比16.6%増)となりました。
また、セグメント利益は、研究開発費及び営業関係費用の増加により販売費及び一般管理費が増加したものの、好調な受注による売上高の増加により、157億48百万円(同15.7%増)となりました。
(デバイス事業)
デバイス事業は、医療部材が増加し、産業部材が減少した結果、微増となりました。
医療部材については、国内市場において、内視鏡や消化器用医療機器などに使用される部材の取引が増加したことや、海外市場において、米国向けの循環器系検査用カテーテル部材や腹部血管系カテーテル部材の取引が増加するなどし、売上高は増加いたしました。
産業部材につきましては、国内市場のOA機器部材取引や海外市場のレジャー部材取引が増加したものの、国内海外市場ともに自動車部材取引が減少したことなどから、売上高が減少いたしました。
以上の結果、売上高は90億円(前年同期比2.8%増)となりました。
また、セグメント利益は、研究開発費用を中心とした販売費及び一般管理費が増加したため、28億85百万円(同9.5%減)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の資産につきましては、総資産額が843億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ122億54百万円増加しております。主な要因は、RetroVascular, Inc.(注)の株式を取得したことに伴い、のれん28億49百万円を計上したことと、商品及び製品が4億24百万円、仕掛品が7億40百万円、原材料及び貯蔵品が12億45百万円、建物及び構築物(純額)が55億48百万円、機械装置及び運搬具(純額)が10億11百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債につきましては、負債合計額が189億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3百万円増加しております。主な要因は、長期借入金が4億47百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が4億79百万円、短期借入金が2億63百万円、退職給付に係る負債が3億25百万円それぞれ増加したことによるものであります。
純資産につきましては、純資産合計額が654億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ118億50百万円増加しております。主な要因は、第三者割当増資等に伴い資本金が15億2百万円、資本剰余金が15億2百万円増加したこと、利益剰余金が87億26百万円増加したことによるものであります。
なお、当連結会計年度の期首から、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を適用しており、比較対象の前連結会計年度に係る財務数値については、当該会計基準等を遡って適用した後の財務数値となっております。
(注)RetroVascular, Inc.は、2018年12月6日にASAHI Medical Technologies,Inc.へ商号変更をしております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、187億77百万円(前年同期比7.3%増)となっております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、117億20百万円(前年同期比2百万円増)となりました。これは主に、売上債権が10億86百万円増加、たな卸資産が22億40百万円増加したこと及び法人税等の支払額が39億8百万円であったものの、税金等調整前当期純利益が149億57百万円、減価償却費が34億60百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、108億49百万円(前年同期比3億11百万円増)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入が17億25百万円あったものの、一方で有形固定資産の取得による支出が85億73百万円、無形固定資産の取得による支出が6億95百万円、投資有価証券の取得による支出が5億37百万円であったことに加え、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が26億85百万円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により調達した資金は、2億67百万円(前年同期は37億49百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金による収入が16億円、株式の発行による収入が27億92百万円であったものの、長期借入金の返済による支出が20億55百万円、配当金の支払額が25億10百万円であったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注状況
当社グループの製品は、見込み生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年6月30日)現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 当連結会計年度の経営成績等について
当社グループは、2018年8月に当連結会計年度よりスタートする中期経営計画「『ASAHI Road to 1000』~Only One技術で強固なグローバルニッチNo.1を目指す~」を発表し、約一年が経過致しました。本計画に基づき、連結売上高1,000億円達成に向けた事業ポートフォリオの構築として、「グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大」を引き続き推進することで、これまでの基本戦略の集大成を図り、既存事業の収益基盤を強化、また将来に向けた成長への投資を継続することにより「グローバルニッチ市場における新規事業の創出」を実現し、グローバルニッチ市場における当社のプレゼンスの強化と企業価値の一層の向上を目指し、その成長戦略を支えるためのビジネス基盤として、「グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築」を進めるとともに「持続的成長に向けた経営基盤の確立」を図ってまいりたいと考えております。本計画では、連結売上高1,000億円に至るマイルストーンとして、2023年6月期に連結売上高800億円を達成することを目標としており、当該時点での営業利益率は25%を目途としております。
その実現に向けて、当連結会計年度では、主力製品PTCAガイドワイヤーの米国市場への直接販売の開始、プラズマエネルギー技術を有する米国のRetroVascular,Inc.(注)の株式の取得(当社の孫会社化)、就労継続支援(A型)認定のフィカス株式会社の全株式の取得(取得後、非連結子会社化)、研究開発機能の充実を目的としたグローバル本社・R&Dセンターの竣工と本社移転、米国市場における脳血管系製品の独占販売代理店契約の締結、消化器系分野の胆膵内視鏡処置具に関する基本合意書の締結、フランス支店設立と直販化の決定などを実施し、当社グループの強みをさらに盤石化するための施策を積極的に進めました。また、2018年9月21日に、東京証券取引所・名古屋証券取引所の市場第一部への指定替えを行っております。
今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
(売上高)
当社グループの当連結会計年度における売上高は、特にメディカル事業の海外向け売上高が増加し、572億16百万円(前年同期比14.2%増)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、好調な受注に伴い、397億円(同13.9%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は、米国や中国市場を中心とした販売・マーケティングの強化に伴う営業関係費用の増加、研究開発費の増加、RetroVascular, Inc.(注)の株式取得に伴うのれん費用の発生、新社屋への本社移転に伴う諸経費の増加などにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益の増加により吸収し、151億68百万円(同10.1%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、補助金収入の増加があるものの、為替差損が増加するなどし、148億33百万円(同8.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当社純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、RetroVascular, Inc.(注)の株式取得に伴い、段階取得に係る差益を計上した一方、投資有価証券評価損を計上したことにより、112億37百万円(同11.9%増)となりました。
(注)RetroVascular, Inc.は、2018年12月6日にASAHI Medical Technologies,Inc.へ商号変更をしております。
(b) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く事業環境に関連して経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(c) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備資金は、自己資金によりまかなっております。
(参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド
(注) 1 自己資本比率:自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
5 各指標は、連結ベースの財務数値より計算しております。
6 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当社グループは、2018年8月に当連結会計年度よりスタートする中期経営計画「『ASAHI Road to 1000』~Only One技術で強固なグローバルニッチNo.1を目指す~」を発表し、約一年が経過致しました。本計画に基づき、連結売上高1,000億円達成に向けた事業ポートフォリオの構築として、「グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大」を引き続き推進することで、これまでの基本戦略の集大成を図り、既存事業の収益基盤を強化、また将来に向けた成長への投資を継続することにより「グローバルニッチ市場における新規事業の創出」を実現し、グローバルニッチ市場における当社のプレゼンスの強化と企業価値の一層の向上を目指し、その成長戦略を支えるためのビジネス基盤として、「グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築」を進めるとともに「持続的成長に向けた経営基盤の確立」を図ってまいりたいと考えております。本計画では、連結売上高1,000億円に至るマイルストーンとして、2023年6月期に連結売上高800億円を達成することを目標としており、当該時点での営業利益率は25%を目途としております。
その実現に向けて、当連結会計年度では、主力製品PTCAガイドワイヤーの米国市場への直接販売の開始、プラズマエネルギー技術を有する米国のRetroVascular,Inc.(注)の株式の取得(当社の孫会社化)、就労継続支援(A型)認定のフィカス株式会社の全株式の取得(取得後、非連結子会社化)、研究開発機能の充実を目的としたグローバル本社・R&Dセンターの竣工と本社移転、米国市場における脳血管系製品の独占販売代理店契約の締結、消化器系分野の胆膵内視鏡処置具に関する基本合意書の締結、フランス支店設立と直販化の決定などを実施し、当社グループの強みをさらに盤石化するための施策を積極的に進めました。また、2018年9月21日に、東京証券取引所・名古屋証券取引所の市場第一部への指定替えを行っております。
今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
当社グループの当連結会計年度における売上高は、特にメディカル事業の海外向け売上高が増加し、572億16百万円(前年同期比14.2%増)となりました。
売上総利益は、好調な受注に伴い、397億円(同13.9%増)となりました。
営業利益は、米国や中国市場を中心とした販売・マーケティングの強化に伴う営業関係費用の増加、研究開発費の増加、RetroVascular, Inc.(注)の株式取得に伴うのれん費用の発生、新社屋への本社移転に伴う諸経費の増加などにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益の増加により吸収し、151億68百万円(同10.1%増)となりました。
経常利益は、補助金収入の増加があるものの、為替差損が増加するなどし、148億33百万円(同8.0%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、RetroVascular, Inc.(注)の株式取得に伴い、段階取得に係る差益を計上した一方、投資有価証券評価損を計上したことにより、112億37百万円(同11.9%増)となりました。
なお、当連結会計年度における外国為替レート実績は、下記となります。
1米ドル=111.15円(前年同期110.39円、比0.7%増)
1ユーロ=126.81円(前年同期131.61円、比3.6%減)
1中国元=16.28円(前年同期16.97円、比4.1%減)
1タイバーツ=3.45円(前年同期3.40円、比1.5%増)
(注)RetroVascular, Inc.は、2018年12月6日にASAHI Medical Technologies,Inc.へ商号変更をしております。
セグメントごとの経営業績は次のとおりであります。
(メディカル事業)
メディカル事業は、国内市場において医療償還価格の下落によるマイナス影響を受けたものの、海外市場の需要が強く、順調に推移いたしました。
国内市場においては、循環器系領域のPTCAガイドワイヤー・PTCAバルーンカテーテル・検査用ガイドワイヤーや非循環器系領域の脳血管系製品群などの数量が増加し、シェアが向上するなどいたしましたが、医療償還価格の下落や安定狭窄症に対する施術要件の厳格化を背景とした症例数の減少などの影響を受け、循環器系及び非循環器系領域共に売上高は減少いたしました。
海外市場においては、循環器系領域のPTCAガイドワイヤーや貫通カテーテルが、中国・欧州中近東・アジア地域などで需要が増加傾向にあり、順調に推移しております。需要が堅調な理由のひとつとして、中国市場を中心に上半期を中心とした特需など一時的な増加も含まれていると考えております。また、米国市場においては、2018年7月よりPTCAガイドワイヤーについて、病院などに対して当社グループが直接販売する体制に移行しております。第2四半期連結累計期間である2018年7月~12月は、旧販売代理店が当社グループと並行して販売することが可能となる重複販売期間であり、当該期間における当社グループの売上高は一時的に減少しておりますが、当社グループが独占して直接販売を開始した2019年1月以降の足元の売上高は、好調に推移しております。
また、非循環器系領域における脳血管系の製品群について、2018年11月に大手医療機器メーカーと米国市場における独占販売契約を締結したことなどから、下半期を中心に在庫供給も含めて取引が増加する傾向にあり、売上高が増加しております。
以上の結果、売上高は482億16百万円(前年同期比16.6%増)となりました。
また、セグメント利益は、研究開発費及び営業関係費用の増加により販売費及び一般管理費が増加したものの、好調な受注による売上高の増加により、157億48百万円(同15.7%増)となりました。
(デバイス事業)
デバイス事業は、医療部材が増加し、産業部材が減少した結果、微増となりました。
医療部材については、国内市場において、内視鏡や消化器用医療機器などに使用される部材の取引が増加したことや、海外市場において、米国向けの循環器系検査用カテーテル部材や腹部血管系カテーテル部材の取引が増加するなどし、売上高は増加いたしました。
産業部材につきましては、国内市場のOA機器部材取引や海外市場のレジャー部材取引が増加したものの、国内海外市場ともに自動車部材取引が減少したことなどから、売上高が減少いたしました。
以上の結果、売上高は90億円(前年同期比2.8%増)となりました。
また、セグメント利益は、研究開発費用を中心とした販売費及び一般管理費が増加したため、28億85百万円(同9.5%減)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の資産につきましては、総資産額が843億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ122億54百万円増加しております。主な要因は、RetroVascular, Inc.(注)の株式を取得したことに伴い、のれん28億49百万円を計上したことと、商品及び製品が4億24百万円、仕掛品が7億40百万円、原材料及び貯蔵品が12億45百万円、建物及び構築物(純額)が55億48百万円、機械装置及び運搬具(純額)が10億11百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債につきましては、負債合計額が189億8百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億3百万円増加しております。主な要因は、長期借入金が4億47百万円減少した一方、支払手形及び買掛金が4億79百万円、短期借入金が2億63百万円、退職給付に係る負債が3億25百万円それぞれ増加したことによるものであります。
純資産につきましては、純資産合計額が654億50百万円となり、前連結会計年度末に比べ118億50百万円増加しております。主な要因は、第三者割当増資等に伴い資本金が15億2百万円、資本剰余金が15億2百万円増加したこと、利益剰余金が87億26百万円増加したことによるものであります。
なお、当連結会計年度の期首から、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を適用しており、比較対象の前連結会計年度に係る財務数値については、当該会計基準等を遡って適用した後の財務数値となっております。
(注)RetroVascular, Inc.は、2018年12月6日にASAHI Medical Technologies,Inc.へ商号変更をしております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、187億77百万円(前年同期比7.3%増)となっております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、117億20百万円(前年同期比2百万円増)となりました。これは主に、売上債権が10億86百万円増加、たな卸資産が22億40百万円増加したこと及び法人税等の支払額が39億8百万円であったものの、税金等調整前当期純利益が149億57百万円、減価償却費が34億60百万円となったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、108億49百万円(前年同期比3億11百万円増)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入が17億25百万円あったものの、一方で有形固定資産の取得による支出が85億73百万円、無形固定資産の取得による支出が6億95百万円、投資有価証券の取得による支出が5億37百万円であったことに加え、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が26億85百万円であったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により調達した資金は、2億67百万円(前年同期は37億49百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金による収入が16億円、株式の発行による収入が27億92百万円であったものの、長期借入金の返済による支出が20億55百万円、配当金の支払額が25億10百万円であったことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
メディカル事業 | 47,793,879 | 13.5 |
デバイス事業 | 10,391,788 | 3.7 |
合計 | 58,185,668 | 11.6 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(b) 受注状況
当社グループの製品は、見込み生産を主体としているため、受注状況の記載を省略しております。
(c) 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
メディカル事業 | 48,216,127 | 16.6 |
デバイス事業 | 9,000,845 | 2.8 |
合計 | 57,216,973 | 14.2 |
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年6月30日)現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴い、実際の結果と異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 当連結会計年度の経営成績等について
当社グループは、2018年8月に当連結会計年度よりスタートする中期経営計画「『ASAHI Road to 1000』~Only One技術で強固なグローバルニッチNo.1を目指す~」を発表し、約一年が経過致しました。本計画に基づき、連結売上高1,000億円達成に向けた事業ポートフォリオの構築として、「グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大」を引き続き推進することで、これまでの基本戦略の集大成を図り、既存事業の収益基盤を強化、また将来に向けた成長への投資を継続することにより「グローバルニッチ市場における新規事業の創出」を実現し、グローバルニッチ市場における当社のプレゼンスの強化と企業価値の一層の向上を目指し、その成長戦略を支えるためのビジネス基盤として、「グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築」を進めるとともに「持続的成長に向けた経営基盤の確立」を図ってまいりたいと考えております。本計画では、連結売上高1,000億円に至るマイルストーンとして、2023年6月期に連結売上高800億円を達成することを目標としており、当該時点での営業利益率は25%を目途としております。
その実現に向けて、当連結会計年度では、主力製品PTCAガイドワイヤーの米国市場への直接販売の開始、プラズマエネルギー技術を有する米国のRetroVascular,Inc.(注)の株式の取得(当社の孫会社化)、就労継続支援(A型)認定のフィカス株式会社の全株式の取得(取得後、非連結子会社化)、研究開発機能の充実を目的としたグローバル本社・R&Dセンターの竣工と本社移転、米国市場における脳血管系製品の独占販売代理店契約の締結、消化器系分野の胆膵内視鏡処置具に関する基本合意書の締結、フランス支店設立と直販化の決定などを実施し、当社グループの強みをさらに盤石化するための施策を積極的に進めました。また、2018年9月21日に、東京証券取引所・名古屋証券取引所の市場第一部への指定替えを行っております。
今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
(売上高)
当社グループの当連結会計年度における売上高は、特にメディカル事業の海外向け売上高が増加し、572億16百万円(前年同期比14.2%増)となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、好調な受注に伴い、397億円(同13.9%増)となりました。
(営業利益)
営業利益は、米国や中国市場を中心とした販売・マーケティングの強化に伴う営業関係費用の増加、研究開発費の増加、RetroVascular, Inc.(注)の株式取得に伴うのれん費用の発生、新社屋への本社移転に伴う諸経費の増加などにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益の増加により吸収し、151億68百万円(同10.1%増)となりました。
(経常利益)
経常利益は、補助金収入の増加があるものの、為替差損が増加するなどし、148億33百万円(同8.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当社純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、RetroVascular, Inc.(注)の株式取得に伴い、段階取得に係る差益を計上した一方、投資有価証券評価損を計上したことにより、112億37百万円(同11.9%増)となりました。
(注)RetroVascular, Inc.は、2018年12月6日にASAHI Medical Technologies,Inc.へ商号変更をしております。
(b) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループを取り巻く事業環境に関連して経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(c) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
また、資本の財源及び資金の流動性について、運転資金及び設備資金は、自己資金によりまかなっております。
(参考)キャッシュ・フロー指標のトレンド
回次 | 第39期 | 第40期 | 第41期 | 第42期 | 第43期 |
決算年月 | 2015年6月 | 2016年6月 | 2017年6月 | 2018年6月 | 2019年6月 |
自己資本比率(%) | 63.8 | 64.1 | 70.6 | 74.3 | 77.6 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 527.0 | 625.6 | 521.0 | 745.5 | 818.8 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 1.5 | 1.1 | 0.8 | 0.6 | 0.6 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 170.0 | 284.2 | 236.4 | 232.5 | 195.3 |
(注) 1 自己資本比率:自己資本/総資産
2 時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3 キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4 インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
5 各指標は、連結ベースの財務数値より計算しております。
6 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。