四半期報告書-第44期第3四半期(令和2年1月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/05/15 15:42
【資料】
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【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、5か年の中期経営計画「『ASAHI Road to 1000』~Only One技術で強固なグローバルニッチ No.1を目指す~」に基づき、連結売上高1,000億円達成に向けた事業ポートフォリオの構築として、「グローバル市場の戦略的な開拓と患部・治療領域の拡大」を推進することで、これまでの基本戦略の集大成を図り、既存事業の収益基盤を強化して参ります。また、将来に向けた成長への投資を継続することにより「グローバルニッチ市場における新規事業の創出」を実現し、グローバルニッチ市場における当社のプレゼンスの強化と企業価値の一層の向上を目指し、その成長戦略を支えるためのビジネス基盤として、「グローバル展開に最適な研究開発・生産体制の構築」を進めるとともに「持続的成長に向けた経営基盤の確立」を図ってまいりたいと考えております。本計画では、連結売上高1,000億円に至るマイルストーンとして、2023年6月期に連結売上高800億円を達成することを目標とし、当該時点での営業利益率は25%を目途としております。
その実現に向けた施策として、当第3四半期連結累計期間では、新製品としてニッケルチタンハイブリッドの PTCAガイドワイヤー「MINAMO(ミナモ)」や脳血管系バルーン付ガイディングカテーテル「Branchor(ブランカー)」の販売を開始いたしました。また、販売・マーケティング活動強化のために、フランスにおける直接販売の段階的開始や、韓国の直接販売化の決定、EU現地法人(ASAHI INTECC EUROPE B.V.)・ロシア現地法人(ASAHI INTECC CIS LLC)の設立、中国市場での朝日英達科貿(北京)有限公司/広州事務所の開設などを実施いたしました。また、コーポレート・ガバナンス体制の強化の一環として、報酬諮問委員会の設立を行っております。今後におきましても、中期経営計画に基づく成長戦略を着実に進めていくことにより、企業価値の拡大を目指してまいります。
なお現在、新型コロナウィルス感染症の影響により、グローバル規模で、血管内カテーテル治療の症例数が減少傾向にあり、市場規模が一時的に縮小しております。当社主力製品のPTCAガイドワイヤーが使用されるPCI治療は、2020年1~2月におきましては、中国市場など限定的な地域のみ減少しておりましたが、3月以降におきましては、日本・米国・欧州中近東・アジア市場など、グローバル規模で症例数の減少が生じており、不透明な状況が続いております。詳細につきましては、2020年5月15日公表「2020年6月期 業績予想と配当予想の修正に関するお知らせ」をご参照下さい。
そのような状況の中、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は、円高の為替動向や医療償還価格の下落、新型コロナウィルス感染症の影響による中国市場の一時的な規模縮小など、厳しい外部環境があるものの、特にメディカル事業の海外向け売上高が増加し、454億7百万円(前年同期比6.2%増) となりました。
売上総利益は、好調な受注に伴い、310億68百万円(同2.9%増)となりました。
営業利益は、売上総利益が増加したものの、米国や中国市場を中心とした販売・マーケティングの強化に伴う営業関係費用や、開発強化のための研究開発費、組織体制強化のための人件費の増加などにより、販売費及び一般管理費が増加し、123億66百万円(同4.3%減)となりました。
経常利益は、為替差損が減少したものの、営業利益の減少により123億81百万円(同4.0%減)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、補助金収入が増加したものの、RetroVascular, Inc.(現、ASAHI Medical Technologies,Inc.)株式の取得に伴う段階取得に係る差益の減少や営業補償金の発生により、92億78百万円(同6.6%減)となりました。
なお、当第3四半期連結累計期間における外国為替レート実績は、下記となります。
1米ドル=108.37円(前年同期111.58円、比2.9%減)
1ユーロ=119.96円(前年同期127.93円、比6.2%減)
1中国元=15.45円(前年同期16.34円、比5.4%減)
1タイバーツ=3.53円(前年同期3.44円、比2.6%増)
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(メディカル事業)
メディカル事業は、海外市場を中心に、順調に推移いたしました。国内市場においては、消費税増税に伴う医療償還価格の下落や、安定狭窄症に対する施術要件の厳格化を背景とした症例数の減少などがありましたが、非循環器系領域の脳血管系バルーン付ガイディングカテーテルなどが順調に推移したことなどから、売上高は増加いたしました。海外市場においては、循環器系領域のPTCAガイドワイヤーが米国を中心に増加したことや、中国市場において、新製品投入に伴い循環器系領域のPTCAガイディングカテーテルや、非循環器系の腹部血管系マイクロカテーテルが増加したことなどから、売上高は増加いたしました。なお、中国市場においては、新型コロナウィルス感染症の影響を受け、血管内治療の症例数は減少傾向にありますが、当第3四半期会計期間においては販売代理店からの要請に基づき出荷を継続しており、売上高の減少は市場症例数には比例せず、限定的なマイナス影響に留まっております。
以上の結果、売上高は385億83百万円(前年同期比6.7%増)となりました。
また、セグメント利益は、売上高が増加したものの、営業関係費用及び研究開発費の増加などにより販売費及び一般管理費が増加したため、120億71百万円(同6.5%減)となりました。
(デバイス事業)
デバイス事業は、産業部材が減少したものの、医療部材が順調なため、増加いたしました。医療部材については、国内市場の新規分野への試作取引や海外市場の米国向け循環器系検査用カテーテル部材の取引が増加するなどし、売上高は増加いたしました。産業部材につきましては、国内市場のOA機器関係取引が増加したものの、海外市場の自動車関係取引が大きく減少したことなどから、売上高が減少いたしました。
以上の結果、売上高は68億24百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
また、セグメント利益は、外部売上高やセグメント間取引が増加したため、27億6百万円(同17.5%増)となりました。
(財政状態)
当第3四半期連結会計期間末の資産につきましては、総資産額が897億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ53億53百万円増加しております。主な要因は、有形固定資産が32億99百万円、仕掛品が11億38百万円それぞれ増加したことによるものであります。
負債につきましては、負債合計額が185億43百万円となり、前連結会計年度末に比べ3億64百万円減少しております。主な要因は、未払法人税等が5億31百万円、賞与引当金が3億24百万円それぞれ増加した一方、その他(流動負債)が13億33百万円減少したことによるものであります。
純資産につきましては、純資産合計額が711億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ57億18百万円増加しております。主な要因は、利益剰余金が64億31百万円増加したことによるものであります。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、46億92百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 従業員数
① 連結会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、当社グループは生産量増加に伴い、海外生産拠点において期中採用を行い、前連結会計年度末と比較し804名増加しております。
② 提出会社の状況
当第3四半期累計期間において、提出会社の従業員に著しい増減はありません。