四半期報告書
(以下「四半期純利益」は「当社の所有者に帰属する四半期純利益」を指しています。)
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記4をご参照ください。
(2) 業績
当第3四半期連結累計期間の経済環境は、中国が新型コロナウイルス感染拡大前の経済水準を回復した一方、日米欧の経済は大幅な落ち込みから持ち直しつつも依然低調な水準にとどまりました。一部の新興国は感染再拡大やそれに伴う景気の下押し圧力が続き、経済活動の正常化が遅れる状況となりました。
このような環境の下、当第3四半期連結累計期間の収益は、石油事業や鉄鋼製品事業における取引減少などにより、前第3四半期連結累計期間を2兆3,190億円(20%)下回る9兆1,105億円となりました。
売上総利益は、豪州原料炭事業における市況下落やCVS事業における加盟店収入の減少などにより、前第3四半期連結累計期間を1,856億円(14%)下回る1兆1,674億円となりました。
販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルスの影響による営業活動の縮小などにより、前第3四半期連結累計期間から418億円(4%)減少し、1兆298億円となりました。
有価証券損益は、前年同期に計上した海外発電資産等の売却益や千代田化工建設の子会社化に伴う公正価値評価益の反動などにより、前第3四半期連結累計期間を147億円(33%)下回る298億円(利益)となりました。
固定資産減損損失は、前年同期に計上した船舶設備に係る減損損失の反動などにより、前第3四半期連結累計期間から35億円(35%)改善し64億円となりました。
その他の損益は、為替関連損益の変動などにより、前第3四半期連結累計期間から238億円改善し、96億円(利益)となりました。
金融収益は、資源関連投資先からの受取配当金の減少や米ドル金利の低下による受取利息の減少などにより、前第3四半期連結累計期間を568億円(41%)下回る823億円となりました。
金融費用は、米ドル金利の低下などにより、前第3四半期連結累計期間から180億円(34%)減少し、352億円となりました。
持分法による投資損益は、三菱自動車工業における減損損失等の取り込みや持分利益の減少などにより、前第3四半期連結累計期間を920億円(56%)下回る720億円(利益)となりました。
これらの結果、税引前利益は、前第3四半期連結累計期間を2,592億円(47%)下回る2,933億円となりました。
以上により、四半期純利益は、前第3四半期連結累計期間を2,042億円(55%)下回る1,691億円となりました。
事業セグメント別の業績を示すと次のとおりです。
a.天然ガス
天然ガスグループは、北米、東南アジア、豪州、ロシアなどにおいて、天然ガス・原油の生産・開発事業、液化天然ガス(LNG)事業などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は166億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して486億円の減少となりました。これは、LNG関連事業における受取配当金や持分利益の減少などにより減益となったものです。
b.総合素材
総合素材グループは、自動車・モビリティや建設・インフラなどといった対面業界において、炭素、鉄鋼製品、機能素材など多岐にわたる素材の販売取引、事業開発、事業投資を行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は12億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して194億円の減少となりました。これは、鉄鋼製品事業における持分利益や炭素事業における事業利益の減少などにより減益となったものです。
c.石油・化学
石油・化学グループは、原油、石油製品、LPG、エチレン、メタノール、塩、アンモニア、プラスチック、肥料など幅広い石油・化学関連分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は224億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して425億円の増加となりました。これは、前年同期に「原価」等に計上したシンガポールの原油・石油製品トレーディング会社における原油デリバティブ取引関連損失343億円の反動などにより増益となったものです。
d.金属資源
金属資源グループは、原料炭、銅、鉄鉱石、アルミといった金属資源への投資・開発などを通じて事業経営に携わると共に、グローバルネットワークを通じた鉄鋼原料、非鉄原料・製品における質の高いサービスや機能を活かし、供給体制を強化しています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は548億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して615億円の減少となりました。これは、豪州原料炭事業における市況下落による影響などにより減益となったものです。
e.産業インフラ
産業インフラグループは、エネルギーインフラ、産業プラント、工作機械、農業機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器など幅広い分野における事業及び関連する取引などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は174億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して199億円の減少となりました。これは、前年同期に計上した千代田化工建設子会社化に伴う一過性利益の反動、及び一般商船事業における一過性損失などにより減益となったものです。
f.自動車・モビリティ
自動車・モビリティグループは、乗用車・商用車の販売や販売金融を中心に、生産、アフターサービスも含め一連のバリューチェーン事業に深く関与しています。また、ヒトやモノの移動に関する課題を解決するモビリティ関連事業に取り組んでいます。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は87億円(損失)となり、前第3四半期連結累計期間と比較して494億円の減少となりました。これは、三菱自動車工業における減損損失等の取り込みや持分利益の減少などにより減益となったものです。
g.食品産業
食品産業グループは、食糧、生鮮品、生活消費財、食品素材などの「食」に関わる分野で、原料の生産・調達から製品製造に至るまでの幅広い領域において、販売取引、事業開発などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は323億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して33億円の増加となりました。これは、食肉加工製造販売事業や海外食品事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。
h.コンシューマー産業
コンシューマー産業グループは、小売・流通、物流、ヘルスケア、衣料、タイヤ他の各領域において、商品・サービスの提供、事業開発などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は149億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して54億円の減少となりました。これは、CVS事業や海外アパレル関連事業における持分利益の減少などにより減益となったものです。
i.電力ソリューション
電力ソリューショングループは、国内外の産業の基盤である電力関連事業における幅広い分野に取り組んでいます。具体的には、発・送電事業、電力トレーディング・小売事業や発送電設備販売に加え、リチウムイオン電池の製造や、無電化地域での分散電源事業等の電池サービス事業、水素エネルギー開発等を行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は4億円(損失)となり、前第3四半期連結累計期間と比較して289億円の減少となりました。これは、前年同期に計上した海外発電資産等の売却益の反動やオランダ税制改正に伴う繰延税金負債の積み増しなどにより減益となったものです。
j.複合都市開発
複合都市開発グループは、都市開発・不動産、企業投資、リース、インフラなどの分野において、開発事業、運用・運営を行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は109億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して180億円の減少となりました。これは、航空機リース事業における減損損失等の取り込みや持分利益の減少、及びファンド評価損益の悪化などにより減益となったものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,260億円増加し、1兆5,488億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、営業活動により資金は8,479億円増加しました。これは、法人所得税や利息の支払いなどがあったものの、営業収入や配当収入、新型コロナウイルスの影響などによる取引減少に伴う運転資金の負担減などにより資金が増加したものです。
また、前第3四半期連結累計期間と比較して1,543億円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、投資活動により資金は3,149億円減少しました。これは、その他の投資や関連会社への投資の売却などによる収入があったものの、設備投資、関連会社への投資や融資などによる支出により、資金が減少したものです。
また、前第3四半期連結累計期間と比較して2,362億円の減少となりました。
投資キャッシュ・フローの主な内容及びセグメントは以下のとおりです。
新規・更新投資
・欧州総合エネルギー事業(電力ソリューション)
・HERE Technologies社宛て投資(その他)
・LNG関連事業(天然ガス)
・豪州原料炭事業(金属資源)
・北米不動産事業(複合都市開発)
・銅事業(金属資源)
売却及び回収
・上場有価証券(食品産業・コンシューマー産業など)
・北米不動産事業(複合都市開発)
・北米シェール事業(天然ガス)
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは5,330億円の資金増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、財務活動により資金は3,156億円減少しました。これは、資金調達があったものの、配当金の支払いやリース負債の返済、自己株式の取得などにより資金が減少したものです。
また、前第3四半期連結累計期間と比較して1,255億円の増加となりました。
配当は持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を行う方針としています。自己株式の取得は、「中
期経営戦略2018」期間中のキャッシュ・フローや適切な資本水準などを考慮の上、資本効率の向上を図るために実
施したものです。負債による資金調達は、流動性と財務健全性の観点で適切な水準を維持する方針としています。
また、上記の財務会計上の営業キャッシュ・フローとは別に、将来の新規投資や株主還元などの原資を適切に表す
べく、運転資金の増減影響を控除した営業キャッシュ・フローに、事業活動における必要資金であるリース負債支
払額を反映した「営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)」と、更に投資活動によるキャッシュ・フ
ローを加えた「調整後フリーキャッシュ・フロー」を定義しています。
営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)は、当第3四半期連結累計期間において4,469億円の資金増となりました。
また、前第3四半期連結累計期間と比較して849億円の減少となりました。
この結果、調整後フリーキャッシュ・フローは、1,320億円の資金増となりました。
(4) 事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題
当第3四半期連結会計期間末における事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題について、以下(新型コロナウイルス感染症による当社事業への影響)を除いて、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(新型コロナウイルス感染症による当社事業への影響)
新型コロナウイルス感染症のセグメント別の主な影響は次のとおりとなっています。

(5) 研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。
(6) 流動性と資金の源泉
当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利な手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く良好な関係を維持しており、調達コストは競争力のあるものとなっています。今後とも長期資金を中心とした資金調達を継続すると共に、十分な流動性の確保を行っていく方針です。
当第3四半期連結会計期間末の連結ベースでのグロス有利子負債残高(リース負債除く)は、前連結会計年度末から897億円増加し5兆8,498億円となり、このうち82%が長期資金となっています。有利子負債(リース負債除く)のうち、6,000億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である3,000億円を資本と同等に扱っています。また、現預金の残高は、前連結会計年度末から2,402億円増加し1兆6,640億円となっています。当第3四半期連結会計期間末の流動比率は連結ベースで128%となっており、流動性の点で財務健全性は高いと考えています。
(注意事項)
当報告書の将来の予測などに関する記述は、当四半期連結累計期間の末日現在において入手された情報に基づき合理的に判断した予想です。従いまして、潜在的なリスクや不確実性その他の要因が内包されており、実際の結果と大きく異なる場合があります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、第4 経理の状況 要約四半期連結財務諸表注記4をご参照ください。
(2) 業績
当第3四半期連結累計期間の経済環境は、中国が新型コロナウイルス感染拡大前の経済水準を回復した一方、日米欧の経済は大幅な落ち込みから持ち直しつつも依然低調な水準にとどまりました。一部の新興国は感染再拡大やそれに伴う景気の下押し圧力が続き、経済活動の正常化が遅れる状況となりました。
このような環境の下、当第3四半期連結累計期間の収益は、石油事業や鉄鋼製品事業における取引減少などにより、前第3四半期連結累計期間を2兆3,190億円(20%)下回る9兆1,105億円となりました。
売上総利益は、豪州原料炭事業における市況下落やCVS事業における加盟店収入の減少などにより、前第3四半期連結累計期間を1,856億円(14%)下回る1兆1,674億円となりました。
販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルスの影響による営業活動の縮小などにより、前第3四半期連結累計期間から418億円(4%)減少し、1兆298億円となりました。
有価証券損益は、前年同期に計上した海外発電資産等の売却益や千代田化工建設の子会社化に伴う公正価値評価益の反動などにより、前第3四半期連結累計期間を147億円(33%)下回る298億円(利益)となりました。
固定資産減損損失は、前年同期に計上した船舶設備に係る減損損失の反動などにより、前第3四半期連結累計期間から35億円(35%)改善し64億円となりました。
その他の損益は、為替関連損益の変動などにより、前第3四半期連結累計期間から238億円改善し、96億円(利益)となりました。
金融収益は、資源関連投資先からの受取配当金の減少や米ドル金利の低下による受取利息の減少などにより、前第3四半期連結累計期間を568億円(41%)下回る823億円となりました。
金融費用は、米ドル金利の低下などにより、前第3四半期連結累計期間から180億円(34%)減少し、352億円となりました。
持分法による投資損益は、三菱自動車工業における減損損失等の取り込みや持分利益の減少などにより、前第3四半期連結累計期間を920億円(56%)下回る720億円(利益)となりました。
これらの結果、税引前利益は、前第3四半期連結累計期間を2,592億円(47%)下回る2,933億円となりました。
以上により、四半期純利益は、前第3四半期連結累計期間を2,042億円(55%)下回る1,691億円となりました。
事業セグメント別の業績を示すと次のとおりです。
a.天然ガス
天然ガスグループは、北米、東南アジア、豪州、ロシアなどにおいて、天然ガス・原油の生産・開発事業、液化天然ガス(LNG)事業などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は166億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して486億円の減少となりました。これは、LNG関連事業における受取配当金や持分利益の減少などにより減益となったものです。
b.総合素材
総合素材グループは、自動車・モビリティや建設・インフラなどといった対面業界において、炭素、鉄鋼製品、機能素材など多岐にわたる素材の販売取引、事業開発、事業投資を行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は12億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して194億円の減少となりました。これは、鉄鋼製品事業における持分利益や炭素事業における事業利益の減少などにより減益となったものです。
c.石油・化学
石油・化学グループは、原油、石油製品、LPG、エチレン、メタノール、塩、アンモニア、プラスチック、肥料など幅広い石油・化学関連分野において、販売取引、事業開発、投資などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は224億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して425億円の増加となりました。これは、前年同期に「原価」等に計上したシンガポールの原油・石油製品トレーディング会社における原油デリバティブ取引関連損失343億円の反動などにより増益となったものです。
d.金属資源
金属資源グループは、原料炭、銅、鉄鉱石、アルミといった金属資源への投資・開発などを通じて事業経営に携わると共に、グローバルネットワークを通じた鉄鋼原料、非鉄原料・製品における質の高いサービスや機能を活かし、供給体制を強化しています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は548億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して615億円の減少となりました。これは、豪州原料炭事業における市況下落による影響などにより減益となったものです。
e.産業インフラ
産業インフラグループは、エネルギーインフラ、産業プラント、工作機械、農業機械、鉱山機械、エレベーター、エスカレーター、船舶、宇宙航空関連機器など幅広い分野における事業及び関連する取引などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は174億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して199億円の減少となりました。これは、前年同期に計上した千代田化工建設子会社化に伴う一過性利益の反動、及び一般商船事業における一過性損失などにより減益となったものです。
f.自動車・モビリティ
自動車・モビリティグループは、乗用車・商用車の販売や販売金融を中心に、生産、アフターサービスも含め一連のバリューチェーン事業に深く関与しています。また、ヒトやモノの移動に関する課題を解決するモビリティ関連事業に取り組んでいます。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は87億円(損失)となり、前第3四半期連結累計期間と比較して494億円の減少となりました。これは、三菱自動車工業における減損損失等の取り込みや持分利益の減少などにより減益となったものです。
g.食品産業
食品産業グループは、食糧、生鮮品、生活消費財、食品素材などの「食」に関わる分野で、原料の生産・調達から製品製造に至るまでの幅広い領域において、販売取引、事業開発などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は323億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して33億円の増加となりました。これは、食肉加工製造販売事業や海外食品事業における持分利益の増加などにより増益となったものです。
h.コンシューマー産業
コンシューマー産業グループは、小売・流通、物流、ヘルスケア、衣料、タイヤ他の各領域において、商品・サービスの提供、事業開発などを行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は149億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して54億円の減少となりました。これは、CVS事業や海外アパレル関連事業における持分利益の減少などにより減益となったものです。
i.電力ソリューション
電力ソリューショングループは、国内外の産業の基盤である電力関連事業における幅広い分野に取り組んでいます。具体的には、発・送電事業、電力トレーディング・小売事業や発送電設備販売に加え、リチウムイオン電池の製造や、無電化地域での分散電源事業等の電池サービス事業、水素エネルギー開発等を行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は4億円(損失)となり、前第3四半期連結累計期間と比較して289億円の減少となりました。これは、前年同期に計上した海外発電資産等の売却益の反動やオランダ税制改正に伴う繰延税金負債の積み増しなどにより減益となったものです。
j.複合都市開発
複合都市開発グループは、都市開発・不動産、企業投資、リース、インフラなどの分野において、開発事業、運用・運営を行っています。
当第3四半期連結累計期間の四半期純利益は109億円となり、前第3四半期連結累計期間と比較して180億円の減少となりました。これは、航空機リース事業における減損損失等の取り込みや持分利益の減少、及びファンド評価損益の悪化などにより減益となったものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,260億円増加し、1兆5,488億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、営業活動により資金は8,479億円増加しました。これは、法人所得税や利息の支払いなどがあったものの、営業収入や配当収入、新型コロナウイルスの影響などによる取引減少に伴う運転資金の負担減などにより資金が増加したものです。
また、前第3四半期連結累計期間と比較して1,543億円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、投資活動により資金は3,149億円減少しました。これは、その他の投資や関連会社への投資の売却などによる収入があったものの、設備投資、関連会社への投資や融資などによる支出により、資金が減少したものです。
また、前第3四半期連結累計期間と比較して2,362億円の減少となりました。
投資キャッシュ・フローの主な内容及びセグメントは以下のとおりです。
新規・更新投資
・欧州総合エネルギー事業(電力ソリューション)
・HERE Technologies社宛て投資(その他)
・LNG関連事業(天然ガス)
・豪州原料炭事業(金属資源)
・北米不動産事業(複合都市開発)
・銅事業(金属資源)
売却及び回収
・上場有価証券(食品産業・コンシューマー産業など)
・北米不動産事業(複合都市開発)
・北米シェール事業(天然ガス)
以上の結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは5,330億円の資金増となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において、財務活動により資金は3,156億円減少しました。これは、資金調達があったものの、配当金の支払いやリース負債の返済、自己株式の取得などにより資金が減少したものです。
また、前第3四半期連結累計期間と比較して1,255億円の増加となりました。
配当は持続的な利益成長に合わせて増配していく「累進配当」を行う方針としています。自己株式の取得は、「中
期経営戦略2018」期間中のキャッシュ・フローや適切な資本水準などを考慮の上、資本効率の向上を図るために実
施したものです。負債による資金調達は、流動性と財務健全性の観点で適切な水準を維持する方針としています。
また、上記の財務会計上の営業キャッシュ・フローとは別に、将来の新規投資や株主還元などの原資を適切に表す
べく、運転資金の増減影響を控除した営業キャッシュ・フローに、事業活動における必要資金であるリース負債支
払額を反映した「営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)」と、更に投資活動によるキャッシュ・フ
ローを加えた「調整後フリーキャッシュ・フロー」を定義しています。
営業収益キャッシュ・フロー(リース負債支払後)は、当第3四半期連結累計期間において4,469億円の資金増となりました。
また、前第3四半期連結累計期間と比較して849億円の減少となりました。
この結果、調整後フリーキャッシュ・フローは、1,320億円の資金増となりました。
(4) 事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題
当第3四半期連結会計期間末における事業上及び財務上の優先的に対処すべき課題について、以下(新型コロナウイルス感染症による当社事業への影響)を除いて、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容から重要な変更はありません。
(新型コロナウイルス感染症による当社事業への影響)
新型コロナウイルス感染症のセグメント別の主な影響は次のとおりとなっています。

(5) 研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。
(6) 流動性と資金の源泉
当社では事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。資金調達にあたっては、コマーシャル・ペーパーや社債等の直接金融と銀行借入等の間接金融とを機動的に選択・活用しており、その時々でのマーケット状況での有利な手段を追求しています。当社は資本市場でのレピュテーションも高く、加えて間接金融についても、メガバンク以外に外銀・生保・地銀等の金融機関とも幅広く良好な関係を維持しており、調達コストは競争力のあるものとなっています。今後とも長期資金を中心とした資金調達を継続すると共に、十分な流動性の確保を行っていく方針です。
当第3四半期連結会計期間末の連結ベースでのグロス有利子負債残高(リース負債除く)は、前連結会計年度末から897億円増加し5兆8,498億円となり、このうち82%が長期資金となっています。有利子負債(リース負債除く)のうち、6,000億円はハイブリッドファイナンスであり、格付機関は残高の50%である3,000億円を資本と同等に扱っています。また、現預金の残高は、前連結会計年度末から2,402億円増加し1兆6,640億円となっています。当第3四半期連結会計期間末の流動比率は連結ベースで128%となっており、流動性の点で財務健全性は高いと考えています。
(注意事項)
当報告書の将来の予測などに関する記述は、当四半期連結累計期間の末日現在において入手された情報に基づき合理的に判断した予想です。従いまして、潜在的なリスクや不確実性その他の要因が内包されており、実際の結果と大きく異なる場合があります。